Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 配備計画ガイド

メッセージングユーザーベースの定義

使用率プロファイルの作成が完了したら、次にそれをこの節で説明されている定義済みのユーザーベースの例と比較してみます。「ユーザーベース」は、ユーザーが送受信するメッセージサイズの範囲と、ユーザーが実行するメッセージング操作のタイプで構成されます。メッセージングユーザーは、5 つのユーザーベースに分類されます。

この節のユーザーベースの例では、ユーザーの行動を幅広く一般化しています。特定の使用率プロファイルは、このユーザーベースとは多少異なるかもしれません。これらの差異は、負荷シミュレータを実行するとき (「Messenger Express 負荷シミュレータの使用」を参照) に調整できます。

軽量級の POP ユーザー

軽量級の POP ユーザーベースは、一般に、簡単なメッセージング要件を持つ家庭のダイアルアップユーザーで構成されます。それぞれの並行クライアント接続は、1 時間あたり約 4 件のメッセージを送信します。これらのユーザーは、1 回のログインセッション中にすべてのメッセージの読み取りと削除を行います。さらに、これらのユーザーは 1 回の受信では、自分のメッセージの作成と送信をほとんど行いません。メッセージの約 80 パーセントが 5K バイト以下のサイズで、約 20 パーセントが 10K バイト以上です。

重量級の POP ユーザー

重量級の POP ユーザーベースは、高速ブロードバンドのユーザーか小規模な企業のアカウントであるのが一般的で、軽量級の POP ユーザーベースよりメッセージに関して高度な要件を持っています。このグループは、ケーブルモデムか DSL を使用してサービスプロバイダに接続します。それぞれの並行クライアント接続は、1 時間あたり約 6 件のメッセージを送信します。メッセージ受信者数の平均は 1 メッセージあたり約 2 人です。メッセージの 65 パーセントが、5K バイト以下のサイズです。このユーザーベースのメッセージの 30 パーセントが、5K バイトから 10K バイトの間のサイズです。5 パーセントのメッセージが 1M バイトを超えるサイズです。ユーザーのうち、85 パーセントが読んだ後ですべてのメッセージを削除しています。ただし、15 パーセントのユーザーは、メッセージをサーバー上に残したまま数回のログインを行なってから、メッセージを削除しています。メールは、これらのメールボックスのわずかな割合を占めるだけです。同じメッセージがサーバーから数回取得される場合もあります。

軽量級の IMAP ユーザー

軽量級の IMAP ユーザーベースは、高速なブロードバンドインターネットサービスを利用するユーザーに代表されます。このユーザーが利用するサービスには、メッセージ検索やクライアントフィルタのような高度なメッセージングシステム機能のほとんどが含まれます。このユーザーベースは、メッセージのサイズ、受信者の数、それぞれの並行接続別の送受信メッセージ数に関して、重量級の POP ユーザーベースに類似しています。軽量級の IMAP ユーザーは一般的に、一度のログインでセッションを数時間継続し、ログアウトする前にほとんどまたはすべてのメールを削除します。その結果、ログインセッション中にメールが蓄積されますが、通常はメールボックスに 20 から 30 件以上のメッセージが蓄積されることはありません。ほとんどの受信ボックスで、残っているメッセージの数は 10 件以下です。

標準的な IMAP ユーザー

標準的な IMAP ユーザーベースは、高度な企業ユーザーに代表され、営業日にはログインセッションがほぼ 8 時間継続します。これらのユーザーは、大量のメールの送受信と保管を行います。さらに、これらのユーザーの場合、メッセージの割り当ては無制限か、またはかなり大きなものとなります。受信ボックスには大量のメールが 1 日中蓄積されていき、溢れそうになったときにはすべて、または一部が消去されます。メッセージは定期的にフォルダに整理され、1 時間に何度かの割合で検索されます。それぞれの並行クライアント接続は、1 時間あたり約 8 件のメッセージを送信します。このカテゴリのユーザーの場合、送信する 1 件のメッセージの平均受信者数は 4 人で、同じメッセージサイズを重量級の POP および軽量級の IMAP のユーザーベースとして混在させます。

標準的な Messenger Express/Communications Express ユーザー

標準的な Messenger Express/Communications Express ユーザーベースは、標準的な IMAP に似ています。このユーザーベースのメッセージのサイズは、標準的な IMAP、軽量級の IMAP、および 重量級の POP ユーザーと同じです。メッセージの配信頻度も標準的な IMAP ユーザーと同じです。

組織内で、特に複数のクライアントアクセス手段を提供する場合は、おそらく複数のユーザーベースを持つことになります。ユーザーベースをこれらのカテゴリの中から決定したら、使用率プロファイルと「Messenger Express 負荷シミュレータの使用」で説明されている負荷シミュレータを使用して、そのユーザーベースのテストを行います。