RFC 1413 に記載された identd サービスをサポートするクライアントホストマシンの場合は、フィルタの clientSpec エントリ内にクライアントのユーザー名を含めることにより、サービスを要求している特定のクライアントを識別することができます。この場合、次の形式でエントリを指定します。
user@hostSpec
user は、クライアントの identd サービスによって返されるユーザー名 (またはワイルドカード名) です。
フィルタ内でクライアントユーザー名を指定すると便利ですが、次のことに注意する必要があります。
identd サービスは認証機能ではないため、クライアントシステムが安全性に欠ける場合は、クライアントから返されるクライアントユーザー名を信頼することができません。一般的に、特定のユーザー名を使用せずに、ALL、KNOWN、UNKNOWN などのワイルドカード名だけを使用します。
identd は最新のクライアントマシンではサポートされていないため、最近の導入ではあまり付加価値がありません。将来のバージョンでは identd のサポートを廃止することが検討されているため、今後もこの機能を使う必要がある場合は Sun Java System にお知らせください。
ユーザー名の検索は時間がかかるので、すべてのユーザーについて検索を実行すると、identd をサポートしていないクライアントのアクセスが遅くなる場合があります。ユーザー名の検索を選択的に実行すると、この問題を緩和することができます。たとえば次のように指定します。
serviceList: @xyzcorp.com ALL@ALL
この場合、xyzcorp.com ドメイン内のユーザーは、ユーザー名の検索を実行せずに一致します。ただし、ほかのすべてのシステムについては、ユーザー名の検索が実行されます。
ユーザー名検索の機能は、クライアントホスト上の承認されていないユーザーからの攻撃を防ぐために役立つ場合があります。たとえば、一部の TCP/IP の実装環境では、侵入者が rsh (リモートシェルサービス) を使用して信頼されているクライアントホストになりすます場合があります。クライアントホストが ident サービスをサポートしている場合は、ユーザー名の検索を使用してそのような攻撃を検出できます。