Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

メッセージストア、管理、およびデフォルトのサービスログの管理

この節では、メッセージストア (POP、IMAP、および HTTP)、管理、およびデフォルトの各サービスのログについて説明します (表 21–1 を参照)。

これらのサービスの場合、コンソールを使用してログの設定と表示を行うことができます。設定内容は、どのイベントを何件まで記録するかに影響します。これらの設定とその他の特徴を使用して、ログファイル解析時のログイベントの検索条件を微調整することができます。

この節では、次の項目に分けて説明しています。

サービスログの特性について

ここでは、メッセージストアと管理サービスに関するログの特徴 (ログレベル、ログイベントのカテゴリ、ログファイル名の命名ルール、ログファイルのディレクトリ) について説明します。

ログレベル

ログのレベル (優先順位) は、ログのアクティビティーの詳細度を定義します。優先順位レベルが高いほど、詳細度は低くなります。優先順位 (重要度) の高いイベントだけがログに記録されるためです。レベルを下げると、ログは詳細なものとなり、より多くのイベントがログファイルに記録されます。

ログレベルは、 logfile.service.loglevel 設定パラメータを設定することによって、POP、IMAP、HTTP、管理、およびデフォルトのサービスごとに個別に設定できます (「サービスログオプションを定義、設定する」を参照)。また、ログレベルを使用して、ログイベントを検索するときにフィルタリングすることもできます。表 21–4 に、利用可能なレベルを示します。これらのログレベルは、UNIX の syslog 機構で定義されるログレベルのサブセットです。

表 21–4 メッセージストアと管理サービスのログレベル

レベル 

説明 

Critical 

もっとも詳細度の低いログです。メールボックスや実行に必要なライブラリにサーバーがアクセスできない場合など、サーバーに重大な問題や致命的な状態が発生したときに、イベントがログに記録されます。 

Error 

クライアントまたはほかのサーバーへの接続試行に失敗した場合など、エラー状態が発生したときに、イベントがログに記録されます。 

Warning 

サーバーがクライアントから送られた通信を解釈できない場合など、警告状態が発生したときに、イベントがログに記録されます。 

Notice 

ユーザーがログインに失敗したり、セッションが終了したりした場合など、通知 (正常だが重要な状況) が発生したときに、イベントがログに記録されます。これがデフォルトのログレベルです。 

Information 

ユーザーがログオンやログオフを行なったり、メールボックスを作成したり名前を変更した場合など、重要なアクションが行われたときに、イベントがログに記録されます。 

Debug 

もっとも詳細度の高いログです。デバッグを行う場合にのみ役立ちます。各プロセスまたはタスク内の個々のステップごとにイベントがログに記録されるため、問題の箇所を正確に突き止めることができます。 

特定のログレベルを選択すると、そのレベルのイベントとそれ以上のレベル (詳細度の低い) のイベントがログに記録されます。デフォルトのログレベルは、Notice です。


注 –

より詳細なログを指定するほど、ログファイルがより多くのディスク容量を占有することになります。ガイドラインについては、「サービスログオプションを定義、設定する」を参照してください。


ログイベントのカテゴリ

サポートされているサービスまたはプロトコル内で、Messaging Server は、どの機能領域で発生したかに基づいて、ログイベントをより細かくカテゴリに分類します。各ログイベントには、それを生成した機能領域の名前が含まれています。これらのカテゴリは、イベントを検索する際のフィルタリングに使用できます。表 21–5 に、Messaging Server がログのために認識するカテゴリのリストを示します。

表 21–5 ログイベントの発生場所のカテゴリ

機能領域 

説明 

一般 

プロトコルまたはサービスに関連するアクション全般です 

LDAP 

LDAP ディレクトリデータベースにアクセスする Messaging Server に関連するアクションです 

Network 

ネットワークの接続に関連するアクションです (ソケットエラーはこのカテゴリに分類される) 

Account 

ユーザーアカウントに関連するアクションです (ユーザーログインはこのカテゴリに分類される) 

Protocol 

プロトコル固有のコマンドに関連するプロトコルレベルのアクションです (POP、IMAP、または HTTP 機能によって返されるエラーはこのカテゴリに分類される) 

Stats 

サーバーの統計収集に関連するアクションです 

Store 

メッセージストアへのアクセスに関連する低レベルのアクションです (読み取りまたは書き込みエラーはこのカテゴリに分類される) 

ログ検索でカテゴリをフィルタとして使用する場合の例については、「サービスログを検索、表示する」を参照してください。

サービスログファイルのディレクトリ

ログ記録される各サービスごとに、1 つのディレクトリが割り当てられ、ログファイルはそこに保存されます。IMAP ログファイルや POP ログファイルなどの各サービスのログファイルは、それぞれのディレクトリ内に一緒に保存されます。各ディレクトリの場所、そのディレクトリ内に保存できるログファイルの数、およびファイルのサイズを設定することができます。

すべてのログファイルを保存するのに十分な容量があることを確認してください。ログレベルが低い (詳細度が高い) ほど、ログファイルのサイズは大きくなります。

ログレベル、ログローテーション、ログの有効期間、およびサーバーのバックアップポリシーを正しく定義することが重要です。ログファイルディレクトリのすべてがバックアップされ、また、過負荷にならないようにするためです。これらを正しく定義しないと、情報を失ってしまうことがあります。「サービスログオプションを定義、設定する」を参照してください。

サービスログファイルの形式について

Messaging Server によって作成されたメッセージストアおよび管理サービスのログファイルのコンテンツの形式は、すべて同じです。ログファイルは複数行のテキストファイルであり、各行に 1 つのログイベントが記述されています。サポートされている各サービスに対するすべてのイベントは、通常は以下のような形式で記述されています。

dateTime hostName processName[pid]: category logLevel: eventMessage

表 21–6 に、ログファイルのコンポーネントを示します。このイベント記述形式は、日付/時刻形式が異なることと追加コンポーネント (categorylogLevel) があることを除けば、UNIX の syslog 機構で定義されているものと同じです。

表 21–6 メッセージストアと管理サービスのログファイルのコンポーネント

コンポーネント 

定義 

dateTime

イベントがログ記録された日付と時刻。dd/mm/yyyy hh:mm:ss の形式で表記されます。時間帯フィールドは GMT を基準とした +/-hhmm で表記されます。例: 02/Jan/1999:13:08:21 -0700

hostName

サーバーが動作しているホストマシンの名前。例: showshoe

注: ホスト上に複数の Messaging Server インスタンスがある場合は、プロセス ID (pid) を使用して、ログイベントのインスタンスを区別することができます。

processName

イベントを生成したプロセスの名前。例: cgi_store

pid

イベントを生成したプロセスのプロセス ID。例: 18753

category

イベントが属するカテゴリ。例: General (例 21–5 を参照)

logLevel

イベントのログレベル。例: Notice (例 21–4 を参照)

eventMessage

イベント固有の説明メッセージで、長さは任意です。例: Log created (894305624)

以下に、コンソールを使って表示したログイベントの例を示します。

02/May/1998:17:37:32 -0700 showshoe cgi_store[18753]:
 General Notice:
   Log created (894155852)

04/May/1998:11:07:44 -0400 xyzmail cgi_service[343]: General Error:
   function=getserverhello|port=2500|error=failed to connect

03/Dec/1998:06:54:32 +0200 SiroePost imapd[232]: Account Notice:
   close [127.0.0.1] [unauthenticated] 1998/12/3 6:54:32
   0:00:00 0 115 0

IMAP および POP のイベントエントリの末尾は、3 つの数になることがあります。上記の例では、0 115 0 です。最初の数字はクライアントによって送信されたバイト数、2 番目の数字はサーバーによって送信されたバイト数、3 番目の数字は選択されたメールボックス (POP の場合は常に 1) です。

ログファイルを「ログビューア」ウィンドウに表示するときは、特定のログレベルやカテゴリ、または特定のプロセス ID などのイベント内の特定のコンポーネントを検索することによって、表示するイベントを制限することができます。詳細は、「サービスログを検索、表示する」を参照してください。

各ログエントリのイベントメッセージは、記録されるイベントのタイプに固有の形式です。つまり、各サービスのイベントメッセージに表示される内容は、各サービスによって定義されています。多くのイベントメッセージは単純で明白なものですが、複雑なものもあります。

サービスログオプションを定義、設定する

メッセージストアおよび管理サービスのログ設定は、管理者のニーズに合わせて定義することができます。ここでは、最適な設定とポリシーを決定するために役立つ情報と、それらの適用方法を説明します。

柔軟なログ構造

ログファイルのネーミングの形式 (service.sequenceNum.timeStamp) により、柔軟なログローテーションとバックアップポリシーを設計することができます。イベントはサービスごとに別のファイルに記録されるため、問題をすばやく簡単に切り分けることができます。また、ファイル名の中のシーケンス番号は常に増え続け、タイムスタンプは常に一意であるため、指定したシーケンス番号の限界に達しても、新しいログファイルが古いログファイルを単純に上書きしてしまうことはありません。古いログファイルの上書きや削除が行われるのは、ログファイルの保存期間や最大数、合計ログ容量など、より柔軟性のある制限がその限界に達したときだけです。

Messaging Server では、管理やバックアップを簡素化できるように、ログファイルの自動ローテーションがサポートされています。後続のログイベントを記録するために、手動で現在のログファイルを回収して新しいログファイルを作成する必要はありません。現在のログファイル以外、ディレクトリ内にあるものはすべて、サーバーを停止したり、新しいログファイルの作成をサーバーに手動で指定しなくても、いつでもバックアップすることができます。

ログポリシーを設定する際に、合計ログ容量、ログファイルの最大数、個々のファイルサイズ、ファイルの最長保存期間、およびログファイルローテーションの頻度といったオプションを、サービスごとに設定することができます。

適切なオプションを決定する

複数の制限を設定する必要があることと、それらの中にはログファイルのローテーションや削除を引き起こすものがあることを理解しておいてください。最初に限界に達する制限が、制御の中心となります。たとえば、ログファイルの最大サイズを 3.5M バイトに設定し、毎日新しいログを作成するように設定したとします。この場合、24 時間以内に 3.5M バイト以上のデータが記録されると、1 日に複数のログファイルが作成されることになります。このため、ログファイルの最大数が 10 個、最長保存期間が 8 日に設定されている場合でも、ログのローテーションが早いため、8 日間経過する前に 10 個のファイルが作成され、最長保存期間まで達することはありません。

次は Messaging Server の管理ログに備えられているデフォルト値であり、適切なオプションを決定する際に役立ちます。

ディレクトリ内のログファイルの最大数: 10

ログファイルの最大サイズ: 2M バイト

全ログファイルの合計最大サイズ: 20M バイト

最小空きディスク容量: 5M バイト

ログロールオーバー時間: 1 日

最長有効期間: 7 日

ログのレベル: Notice

この設定の場合、サーバー管理ログのデータは 1 日当たり約 2M バイト蓄積され、バックアップは週 1 回作成され、管理ログの保存に割り当てられている合計容量は最低 25M バイトです。ログレベルがより詳細な場合、これらの設定では不十分なことがあります。

POP、IMAP、または HTTP のログの場合も、同様の設定から始めるとよいでしょう。すべてのサービスのログ容量要件が上記のデフォルト値とほとんど同じである場合、最初は約 150M バイトの合計ログ容量を設定することをお勧めします。ここに示した設定はあくまでも一般例であり、実際の条件はこれとかなり異なる場合があります。

ログオプションについて

メッセージストアのログ設定を制御するオプションは、コンソールまたはコマンド行を使用して設定することができます。

これらのオプションの最適な設定は、ログデータの累積される頻度によって異なります。1M バイトの保存領域には、約 4,000 〜 10,000 件のログエントリを記録できます。適度にビジー状態のサーバーでは、ログレベルが低い場合 (Notice など)、週に何百 M バイトものログデータが記録されることもあります。以下の設定を参考にしてください。

サービスログを検索、表示する

コンソールには、メッセージストアおよび管理サービスに関するログデータを表示するための基本的なインタフェースがあります。個々のログファイルを選択したり、それらのファイル内で柔軟なフィルタリングによる検索を行うことができます。

ログファイルはサービスごとに分かれており、それぞれ作成順に一覧表示されます。検索するログファイルを選択したら、検索パラメータを指定して検索対象を個々のイベントに限定することができます。

検索パラメータ

以下に、表示するログデータを指定するための検索パラメータを示します。

* 任意の文字セット (例: *.com)

? 任意の 1 文字 (例: 199?)

[nnn] nnn 内の任意の文字 (例: [aeiou])

[^nnn] nnn 内にない任意の文字 (例: [^aeiou])

[n-m] n-m の範囲内の任意の文字 (例: [A-Z])

[^n-m] n-m の範囲内にない任意の文字 (例: [^0-9])

\ エスケープ文字: *?[、または ] の前に配置してそれらを文字として使用

注: 検索では大文字と小文字が区別されます。

次に、ログレベルと機能領域を組み合わせた、表示するログの検索例を示します。

サービスログの使用

この節では、configutil コマンドを使用して、またログの検索および表示のためのコンソールを使用して、サービスログを使用する方法について説明します。

Procedureサービスログを syslog へ送信する

手順

    次のように syslogfacility オプションを指定して configutil コマンドを実行します。

    configutil -o logfile.servicesyslogfacility -v value

    ここで、serviceadminpopimapimta、または http に、valueusermaildaemonlocal0 から local7、または none になります。

    値が設定されると、設定値に対応する syslog 機構のログにメッセージが記録され、その他のすべてのログファイルサービスオプションが無視されます。オプションが設定されていない場合、または値が none の場合、Messaging Server ログファイルが使用されます。

Procedureコンソールを使用してログオプションを設定する

手順
  1. ログファイルオプションを設定する Messaging Server を開きます。

  2. 「設定」タブをクリックし、左側のパネルで「ログファイル」フォルダを開き、サービス (IMAP、HTTP、Admin など) のログファイルを選択します。

  3. 「詳細レベル」ドロップダウンリストからログレベルを選択します。

  4. 「ログファイルのディレクトリパス」フィールドに、ログファイルの保存先となるディレクトリの名前を入力します。

  5. 「各ログのファイルサイズ」フィールドに、ログファイルの最大サイズを入力します。

  6. 「新規ログエントリの作成」フィールドに、ログローテーションのスケジュールの値を入力します。

  7. 「ディレクトリ当たりのログ数」および「ログが次の日付よりも古い場合」フィールドに、バックアップスケジュールを考慮に入れて、最大ログファイル数と期限を示す値を入力します。

  8. 「ログサイズの合計が次の値を超えたとき」フィールドに、合計保存領域の上限を入力します。

  9. 「残りディスク容量が次の値以下になった場合」フィールドに、確保しておく空きディスク容量の最小値を入力します。

HTTP ログを無効にする

使用しているシステムが HTTP メッセージアクセス (Web メール) をサポートしていない場合は、次の変数を設定して HTTP のログを無効にできます。システムに Web メールサポート (たとえば、Messenger Express) が必要な場合は、これらの変数を設定しないでください。

Procedureサーバーログレベルを設定する

手順

    次のように configutil コマンドを実行します。

    configutil -o logfile.service.loglevel -v level

    ここで、serviceadminpopimapimta、または http に、loglevelNologCriticalErrorWarningNoticeInformation、または Debug になります。

Procedureログファイルのディレクトリパスを指定する

手順

    次のように configutil コマンドを実行します。


    configutil -o logfile.service.logdir -v dirpath
    

Procedure各ログの最大ファイルサイズを指定する

手順

    次のように configutil コマンドを実行します。


    configutil -o logfile.service.maxlogfilesize -v size
    

    size にはバイト数を指定します。

Procedureサービスログローテーションのスケジュールを指定する

手順

    次のように configutil コマンドを実行します。


    configutil -o logfile.service.rollovertime -v number
    

    number には秒数を指定します。

Procedureディレクトリ内の最大サービスログファイル数を指定する

手順

    次のように configutil コマンドを実行します。


    configutil -o logfile.service.maxlogfiles -v number
    

    number にはログファイルの最大数を指定します。

Procedure保存容量の上限を指定する

手順

    次のように configutil コマンドを実行します。


    configutil -o logfile.service.maxlogsize -v number
    

    number にはバイト数を指定します。

Procedure確保しておく空きディスク容量の最小値を指定する

手順

    次のように configutil コマンドを実行します。


    configutil -o logfile.service.minfreediskspace -v number
    

    number にはバイト数を指定します。

ログの保存期間を指定する


configutil -o logfile.service.expirytime -v number

number には秒数を指定します。

Procedure検索対象を指定し、結果を表示する

指定したサービスに属する固有の特徴を持つログイベントを検索するには、以下の手順に従います。

手順
  1. コンソールで、調べるログファイルがある Messaging Server を開きます。

  2. 以下のいずれかの方法で、指定したサービスログの「ログファイルの内容」タブを表示します。

    • 「タスク」タブをクリックしてから、「サービスログの表示」をクリックします。サービス部分は、ログに記録されているサービスの名前 (”IMAP サービス” や ”管理” など) です。

    • 「設定」タブをクリックし、左側のパネルで「ログファイル」フォルダを開き、サービス (IMAP や Admin など) のログファイルを選択します。次に、右側のパネルの「目次」タブをクリックします。

  3. ログに記録されたサービスの「目次」タブが表示されます。

  4. 「ログファイル名」フィールドで、調べたいログファイルを選択します。

  5. 「選択したログの表示」ボタンをクリックして「ログビューア」ウィンドウを開きます。

  6. 「ログビューア」ウィンドウで、検索パラメータを指定します (前述の「検索パラメータ」を参照)。

  7. 「更新」をクリックして検索を実行し、「ログエントリ」フィールドに結果を表示します。

メッセージストアのログを使用したメッセージの追跡

MTA がメッセージを追跡する方法と同様に、メッセージ ID によってメッセージを追跡するためにメッセージストアのログを使用できます。この方法でメッセージを追跡すると、メッセージのライフサイクルの重要なイベントを追跡できます。

メッセージストアログのメッセージを追跡するには、通常のログ設定に加えてメッセージの追跡も設定する必要があります。デフォルトでは、メッセージの追跡は有効になっていません。


注 –

メッセージの追跡は、ディスク領域を大量に使用します。十分なディスク容量がない限り、この機能を有効にしないでください。


メッセージストアのログは、次の操作を追跡できます。

Procedureメッセージの追跡を有効にする

手順

    次のように configutil コマンドを実行します。


    configutil -o local.msgrace.active -v “yes”

    メッセージの追跡情報は、プロセスごとにデフォルトのログに書き込まれます。IMAP fetch は、imap ログファイルに書き込まれます。ims_master append は、ims_master チャネルログファイルに書き込まれます。

Procedureメッセージの追跡を単一のログファイルにリダイレクトする

手順

    メッセージの追跡ログを単一の「msgtrace」ログファイルにリダイレクトするには、configutil コマンドを使用してログファイルのパラメータを設定する必要があります。msgtrace ログファイルは、その他のログファイルとは異なり、ローカルに設定されます。例:


    configutil -o "local.logfile.msgtrace.buffersize" -v "0"
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.expirytime" -v "604800"
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.flushinterval" -v "60"
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.logdir" -v "/opt/SUNWmsgsr/data/log"
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.loglevel" -v "Information"
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.logtype" -v "NscpLog"
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.maxlogfiles" -v "10"
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.maxlogfilesize" -v "2097152"
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.maxlogsize" -v "20971520"
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.minfreediskspace" -v "5242880"
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.rollovertime" -v "86400"

Procedureメッセージ追跡ログの設定を解除する

手順

    msgtrace ログファイルの設定を解除するには、configutil コマンドを使用してその設定へのすべての参照を削除します。例:


    configutil -o "local.logfile.msgtrace.buffersize" -v ""
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.expirytime" -v ""
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.flushinterval" -v ""
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.logdir" -v ""
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.loglevel" -v ""
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.logtype" -v ""
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.maxlogfiles" -v ""
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.maxlogfilesize" -v ""
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.maxlogsize" -v ""
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.minfreediskspace" -v ""
    configutil -o "local.logfile.msgtrace.rollovertime" -v ""
    
                      

ProcedureLMTP ログを設定する

手順

    LMTP を使用する場合に、単一の「msgtrace」ログファイルを使用しない場合は、ローカルに tcp_lmtp_server ログファイルも設定する必要があります。LMTP を使用しない場合、またはメッセージの追跡を使用しない場合、または「msgtrace」ログファイルのメッセージ追跡を使用する場合、LMTP メッセージストアサイドログを初期化する必要はありません。LMTP はすでに MTA 情報を分けてログに記録しています。例:


    configutil -o "local.logfile.tcp_lmtp_server.buffersize" -v "0"
    configutil -o "local.logfile.tcp_lmtp_server.expirytime" -v "604800"
    configutil -o "local.logfile.tcp_lmtp_server.flushinterval" -v "60"
    configutil -o "local.logfile.tcp_lmtp_server.logdir" -v \
       "/opt/SUNWmsgsr/data/log"
    configutil -o "local.logfile.tcp_lmtp_server.loglevel" -v "Information"
    configutil -o "local.logfile.tcp_lmtp_server.logtype" -v "NscpLog"
    configutil -o "local.logfile.tcp_lmtp_server.maxlogfiles" -v "10"
    configutil -o "local.logfile.tcp_lmtp_server.maxlogfilesize" -v "2097152"
    configutil -o "local.logfile.tcp_lmtp_server.maxlogsize" -v "20971520"
    configutil -o "local.logfile.tcp_lmtp_server.minfreediskspace" \
       -v "5242880"
    configutil -o "local.logfile.tcp_lmtp_server.rollovertime" -v "86400"
    
                      

その他のメッセージストアログ機能

Messaging Server では、テレメトリと呼ばれる機能が提供されており、ユーザーの IMAP または POP セッション全体をファイルに取得できます。この機能は、クライアント問題をデバッグするのに便利です。たとえば、メッセージアクセスクライアントが期待どおりに機能しないとユーザーが訴えた場合、この機能を使用してアクセスクライアントと Messaging Server 間の対話を記録することができます。「テレメトリを使用してユーザーの IMAP/POP セッションをチェックする」を参照してください。

メッセージストアのログの例

メッセージストアログファイルにログ記録されるフィールドの形式とフィールドのリストは、設定したログオプションによって異なります。ここでは、いくつかの典型的なログエントリの解釈の例を示します。

メッセージストアのログの例: 不良パスワード

ユーザーが無効なパスワードを入力すると、「ユーザーが見つからない」というメッセージではなく「認証」の失敗がログに記録されます。セキュリティー上の理由から、クライアントには「ユーザーが見つからない」というメッセージが渡されますが、ログには本当の理由 (無効なパスワード) が記録されます。


例 21–11 メッセージストアのログ: 無効なパスワード


 [30/Aug/2004:16:53:05 -0700] vadar imapd[13027]: Account Notice: badlogin:
[192.18.126.64:40718] plaintext user1 authentication failure

メッセージストアのログ: 無効になったアカウント

次の例は、無効になったアカウントが原因でユーザーがログインできない理由を示しています。さらに、無効になったアカウントは「(inactive)」または「(hold)」として明示されます。


例 21–12 メッセージストアのログ: 無効になったアカウント


[30/Aug/2004:16:53:31 -0700] vadar imapd[13027]: Account Notice: badlogin: 
[192.18.126.64:40720] plaintext user3 account disabled (hold)

メッセージストアのログの例: 付加されたメッセージ

次の例は、メッセージがフォルダに追加されるたびに発生する付加メッセージを示しています。メッセージストアのログは、ims_master および lmtp チャネルを介してメッセージストアに入るすべてのメッセージを記録します。ユーザー ID、フォルダ、メッセージのサイズ、およびメッセージ ID の「append」を記録します。


例 21–13 メッセージストアのログ: 付加


[31/Aug/2004:16:33:14 -0700] vadar ims_master[13822]: Store Information:append:
user1:user/user1:659:<Roam.SIMC.2.0.6.1093995286.11265.user1@vadar.siroe.com>

メッセージストアのログの例: クライアントが取得するメッセージ

メッセージストアのログは、クライアントがメッセージを取得すると、「fetch」メッセージを書き込みます。メッセージストアのログは、少なくとも 1 つの本体部分のすべてのクライアントのフェッチを記録します。ユーザー ID、フォルダ、およびメッセージ ID の「fetch」を記録します。


例 21–14 メッセージストアのログ: クライアントが取得するメッセージ


[31/Aug/2004:15:55:26 -0700] vadar imapd[13729]: Store Information:
fetch:user1:user/user1:<Roam.SIMC.2.0.6.1093051161.3655.user1@vad.siroe.com>

メッセージストアのログの例: フォルダから削除されるメッセージ


例 21–15 メッセージストアのログの例: フォルダから削除されるメッセージ

メッセージストアは、IMAP または POP メッセージがフォルダから削除される (ただし、システムからは削除されない) と、「expunge」メッセージを書き込みます。メッセージがユーザーまたはユーティリティーのどちらによって消去されたかがログに記録されます。フォルダおよびメッセージ ID の「expunge」を記録します。


31/Aug/2004:16:57:36 -0700] vadar imexpire[13923]: Store Information:
expunge:user/user1:<Roam.SIMC.2.0.6.1090458838.2929.user1@vadar.siroe.com>

メッセージストアのログの例: 重複したログインメッセージ

1 つの msgtrace ログファイルに対するメッセージの追跡を設定する場合、imap および pop ログファイルに記録される通常の「login」メッセージは、msgtrace ファイルに重複して記録されます。次に、正常なログインメッセージを示します。


例 21–16 メッセージストアのログ: ログイン


[30/Aug/2004:16:53:13 -0700] vadar imapd[13027]: Account Information: login
[192.18.126.64:40718] user1 plaintext