Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

電子メールから SMS への変換オプション

次のオプションは、電子メールメッセージから SMS メッセージへの変換を制御します。オプションの値の範囲は括弧内に示されています。一般に、1 通の電子メールメッセージは、1 つ以上の SMS メッセージに変換されます。詳細については、「電子メールから SMS への変換プロセス」を参照してください。

GATEWAY_NOTIFICATIONS

(0 または 1) 電子メール通知を SMS 通知に変換するかどうかを指定します。電子メール通知メッセージは、RFC 1892、1893、1894 に準拠している必要があります。デフォルト値は 0 です。

GATEWAY_NOTIFICATIONS=0 の場合、このような通知は破棄され、SMS 通知に変換されません。

通知の SMS 通知への変換を有効にするには、GATEWAY_NOTIFICATIONS=1 に設定します。このオプションが 1 に設定されている場合、ローカライズオプション (DSN_*_FORMAT) によって、SMS メッセージに変換されてゲートウェイから送信される通知のタイプ (成功、失敗、遅延、リレー) が制御されます。通知タイプの値が空の文字列である場合、そのタイプの通知は SMS メッセージに変換されません。

MAX_MESSAGE_PARTS

(整数) マルチパート電子メールメッセージを SMS メッセージに変換する場合、テキスト部分のうち最初の MAX_MESSAGE_PARTS 数のみが変換されます。残りの部分は消去されます。デフォルトでは、MAX_MESSAGE_PARTS は 2 です。メッセージ部分を無制限に許可するには、値に -1 を指定します。値を 0 にすると、SMS メッセージに変換されるメッセージコンテンツはありません。これには、SMS メッセージを生成するために電子メールメッセージのヘッダー行 (たとえば、Subject:) のみを使用した効果があります。

テキストと添付ファイルの両方を含む電子メールメッセージは、通常、2 つの部分で構成されています。プレーンテキストのメッセージ部分のみが変換されることに注意してください。その他の MIME コンテンツタイプはすべて消去されます。

MAX_MESSAGE_SIZE

(整数、>= 10) このオプションを使用して、1 つの電子メールメッセージから生成された SMS メッセージに含める合計バイト数の上限を設定できます。特に、MAX_MESSAGE_SIZE バイトの最大値は、1 つ以上の生成された SMS メッセージに使用されます。それ以上のバイトは消去されます。

デフォルトでは、960 バイトが上限となります。これは MAX_MESSAGE_SIZE=960 に相当します。任意のバイト数を使用するには、値に 0 を指定します。

使用されるバイト数の計算は、電子メールメッセージを Unicode から SMSC のデフォルト文字セットまたは UCS2 に変換してから行います。つまり、UCS2 を例にすると、UCS2 の各文字は、最低でも 2 バイト長であるため、MAX_MESSAGE_SIZE が 960 バイトだと、最高でも 480 文字しか確保できません。

MAX_MESSAGE_SIZE および 「MAX_PAGES_PER_MESSAGE」の各オプションは、どちらも結果の SMS メッセージの全体サイズを制限するという同じ目的で機能します。実際、「MAX_PAGE_SIZE」=960 と 「MAX_PAGE_SIZE」=160 は、MAX_PAGES_PER_MESSAGE=6 を意味します。2 つの異なるオプションが存在する理由は、単一の SMS メッセージの最大サイズ MAX_PAGE_SIZE を考慮せずに全体のサイズまたはページ数を制御するのに役立つからです。このことはチャネルオプションファイルでは重要ではないかもしれませんが、「電子メールをチャネルに送信する」で説明されている 「電子メールをチャネルに送信する」または 「電子メールをチャネルに送信する」アドレス指定属性を使用する際には重要です。

さらに、MAX_MESSAGE_SIZEMAX_PAGE_SIZE * MAX_PAGES_PER_MESSAGE のどちらか小さい制限が使用されることに注意してください。

MAX_PAGE_SIZE

(整数、>= 10) 単一の SMS メッセージで許可される最大バイト数は、MAX_PAGE_SIZE オプションで制御します。デフォルトでは、160 バイトが値として用いられます。これは、MAX_PAGE_SIZE=160 に相当します。

MAX_PAGES_PER_MESSAGE

(整数、1 〜 255) 1 つの電子メールメッセージに生成される最大 SMS メッセージ数は、このオプションで制御します。事実上、このオプションによって電子メールメッセージには切り捨てが実行されます。MAX_PAGES_PER_MESSAGE の SMS メッセージ数に収まる電子メールメッセージの部分のみが SMS メッセージに変換されます。詳細は、「MAX_PAGE_SIZE」オプションの説明を参照してください。

デフォルトでは、MAX_PAGES_PER_MESSAGE1、または 「MAX_MESSAGE_SIZE」「MAX_PAGE_SIZE」で割った数のうちの大きいほうに設定されています。

ROUTE_TO

(文字列IP ホスト名1 〜 64 バイト) プロファイルにターゲットされたすべての SMS メッセージは、指定されている IP ホスト名に再ルートされます。このとき、次の形式の電子メールアドレスが使用されます。

SMS-destination-address@route-to

SMS-destination-address は SMS メッセージの宛先アドレスで、route-to はこのオプションで指定されている IP ホスト名です。SMS メッセージの内容全体は、結果の電子メールメッセージの内容として送信されます。PARSE_RE_* オプションは無視されます。


注 –

PARSE_RE_*ROUTE_TO の各オプションの使用は、互いに排他的です。これらの両方を同一のゲートウェイプロファイルで使用すると、設定エラーになります。


SMSC_DEFAULT_CHARSET

(文字列) このオプションを使用して、SMSC のデフォルトの文字セットを指定します。次のファイルに示されている文字セット名を使用してください。

installation-directory/config/charsets.txt

このオプションが指定されていない場合は、US-ASCII であると仮定されます。なお、charsets.txt で使用されるニーモニック名は、同じディレクトリの charnames.txt で定義されています。

電子メールの処理では、まずヘッダー行とテキストメッセージ部分がデコードされてから Unicode に変換されます。次に、データは SMSC のデフォルトの文字セットまたは UCS2 に変換されます。どちらに変換されるかは、「USE_UCS2」オプションの値および SMS メッセージにデフォルトの文字セットにないグリフが 1 つでも含まれているかどうかによって異なります。UCS2 文字セットは、Unicode の 16 ビットのエンコード方式であり、UTF-16 と呼ばれることもあります。

USE_HEADER_FROM

(整数、0 〜 2) このオプションは、From: アドレスを SMSC に渡すことを許可する場合に設定します。値は、From: アドレスを取り出す場所とアドレスの形式を示します。表 D–6 に、許容可能な値とその意味を示します。

表 D–6 USE_HEADER_FROM の値

値 

説明 

0

SMS ソースアドレスは From: アドレスから設定されません。見つかった属性と値のペアを使用してください

1

SMS ソースアドレスを from-local@from-domain に設定します。この場合、From: アドレスは @from-route:from-local@from-domain です

2

SMS ソースアドレスを from-local に設定します。この場合、From: アドレスは @from-route:from-local@from-domain です

USE_HEADER_PRIORITY

(0 または 1) このオプションで RFC 822 Priority: ヘッダー行の処理を制御します。デフォルトでは、Priority: ヘッダー行の情報は結果の SMS メッセージの優先順位フラグを設定するために使用され、「DEFAULT_PRIORITY」オプションで指定されているデフォルトの SMS 優先順位よりも優先されます。これは、USE_HEADER_PRIORITY=1 に相当します。RFC 822 Priority: ヘッダー行の使用を無効にするには、USE_HEADER_PRIORITY=0 を指定します。

SMS 優先順位フラグの処理の詳細については、DEFAULT_PRIORITY オプションの説明を参照してください。

USE_HEADER_REPLY_TO

(0 または 1) USE_HEADER_FROM =1 の場合、このオプションは Reply-to: または Resent-reply-to: ヘッダー行が SMS ソースアドレスとして使用されることを考慮するかどうかを制御します。デフォルトでは、Reply-to: および Resent-reply-to: ヘッダー行は無視されます。これはオプションの値 0 に相当します。これらのヘッダー行を考慮するようにするには、オプションの値として 1 を使います。

RFC 2822 では、Reply-to: および Resent-reply-to: ヘッダー行の使用は推奨されていないことに注意してください。

USE_HEADER_RESENT

(0 または 1) USE_HEADER_FROM =1 の場合、このオプションは Resent- ヘッダー行が SMS ソースアドレスとして使用されることを考慮するかどうかを制御します。デフォルトでは、Resent- ヘッダー行は無視されます。これはオプションの値 0 に相当します。これらのヘッダー行を考慮するようにするには、オプションの値として 1 を使います。

RFC 2822 では、Resent- ヘッダー行の使用は推奨されていないことに注意してください。

USE_HEADER_SENSITIVITY

(0 または 1) USE_HEADER_SENSITIVITY オプションは、RFC 822 Sensitivity: ヘッダー行の処理を制御します。デフォルトでは、Sensitivity: ヘッダー行の情報は結果の SMS メッセージのプライバシフラグを設定するために使用され、「DEFAULT_PRIVACY」オプションで指定されているデフォルトの SMS プライバシよりも優先されます。これがデフォルトで、USE_HEADER_SENSITIVITY=1 に相当します。RFC 822 Sensitivity: ヘッダー行の使用を無効にするには、USE_HEADER_SENSITIVITY=0 と指定します。

SMS プライバシフラグの処理の詳細については、「DEFAULT_PRIVACY」オプションの説明を参照してください。

USE_UCS2

(0 または 1) 適切な場合に、チャネルは生成する SMS メッセージで UCS2 文字セットを使用します。これはデフォルトの動作であり、USE_UCS2=1 に相当します。UCS2 文字セットの使用を無効にするには、USE_UCS2=0 を指定します。文字セットの詳細については、「SMSC_DEFAULT_CHARSET」オプションの説明を参照してください。

表 D–7 USE_UCS2 で有効な値

USE_UCS2 の値 

結果 

1 (デフォルト) 

可能な場合は常に SMSC のデフォルトの文字セットが使用されます。元の電子メールメッセージに SMSC のデフォルトの文字セットにないグリフが含まれている場合は、UCS2 文字セットが使用されます。 

常に SMSC のデフォルトの文字セットが使用されます。その文字セットで使用不可なグリフはニーモニックで表現されます (例: AE の合字を「AE」で表現)。