Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.1 2005Q2 高可用性 (HA) 管理ガイド

ノードスーパーバイザープロセスの権限

ノードスーパーバイザープロセス (NSUP) は、「I’m alive」メッセージを互いに交換することにより、HADB の可用性を保証します。NSUP 実行可能ファイルは、できるだけ迅速に応答できるように、root 権限を持っている必要があります。clu_nsup_srv プロセスは CPU リソースを大量に消費せず、フットプリントも小さいため、リアルタイムプライオリティーで実行してもパフォーマンスには影響しません。


注 –

Java Enterprise System インストーラを使用した場合は、NSUP の権限が自動的に正しく設定されるため、それ以上の操作は必要ありません。ただし、スタンドアロン Application Server の (ルートでない) インストーラを使用する場合は、データベースを作成する前に、この権限を手動で設定する必要があります。


権限が不足している場合の症状

NSUP 実行可能ファイルの権限が正しく設定されていない場合は、次のようなリソース枯渇の症状がみられることもあります。

制限事項

NSUP がリアルタイムプライオリティーを設定できない場合、Solaris および Linux では EPERM に errno が設定されます。Windows の場合は、「Could not set realtime priority」という警告が発行されます。ma.log ファイルにエラーが書き込まれ、プロセスはリアルタイムプライオリティーがない状態で継続されます。

次の場合は、リアルタイムプライオリティーを設定できません。

Procedureノードスーパーバイザープロセスに root 権限を許可するには

  1. ルートとしてログインします。

  2. 作業用ディレクトリを HADB_install_dir/lib/server に変更します。

    NSUP 実行可能ファイルは clu_nsup_srv です。

  3. 次のコマンドを使用して、ファイルの suid ビットを設定します。

    chown root clu_nsup_srv

  4. 次のコマンドを使用して、ファイルの所有者をルートに設定します。

    chmod u+s clu_nsup_srv

    これにより、clu_nsup_srv プロセスがルートとして起動され、プロセス自身にリアルタイムプライオリティーを許可できるようになります。

    セキュリティーへの影響を回避するために、リアルタイムプライオリティーはプロセスが起動されるとすぐに設定され、優先順位が変更されたらプロセスは実効 UID に戻ります。ほかの HADB プロセスは、標準の優先順位で実行されます。