SUSE Linux イメージサーバーを作成したあとには、プロビジョニングイメージとプロファイルを作成する必要があります。
JumpStart Enterprise Toolkit (JET) でイメージおよびプロファイルを生成する場合は、「JET による SUSE Linux イメージとプロファイルの作成」を参照してください。
イメージおよびプロファイルを手動で作成する場合は、「非 JET SUSE Linux イメージとプロファイルの作成」を参照してください。
JumpStart Enterprise Toolkit (JET) は、SUSE Linux のプロビジョニングに必要なプロファイルの作成作業を簡単にする一群のユーティリティーです。N1 SPS ブラウザインタフェースを使用して、ターゲットホストの Kickstart インストールを自動的に行うのに必要なプロファイルキーワードおよびプロファイル値を生成できます。
JET を使用しない方が望ましく、手動でプロファイル値を作成する場合は、JET モジュールを使用しない SUSE Linux イメージおよびプロファイルを作成できます。「非 JET SUSE Linux イメージとプロファイルの作成」を参照してください。
Linux イメージサーバーが存在し、そのサーバーで SUSE Linux オペレーティングシステムソフトウェアが使用できることを確認します。SUSE Linux イメージサーバーの作成方法の詳細については、「SUSE Linux サーバーの設定」を参照してください。
プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。
「OS Provisioning Common Tasks」ページの「SUSE Linux Images」セクションで「Create Profile」をクリックします。
「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。
このプランに使用する変数を選択します。
既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「LinuxImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。
新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「LinuxImage」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。
「Create Set」をクリックします。
変数セットの名前を入力します。
変数を確認し、必要に応じて変数を変更します。
次の表で、追加の変数とそのデフォルト値を説明します。
変数名 |
説明 |
デフォルト値/例 |
---|---|---|
osp_server |
OS プロビジョニングサービスを表す仮想サーバー |
masterserver-osp (デフォルト) |
version |
このコンポーネントで配備する Linux のバージョン |
SLES9 (例) |
architecture |
x86 など、物理システムのアーキテクチャー 注 – この値は、プロファイルコンポーネントおよび OS イメージの名前に使用されます。プロビジョニングソフトウェアによって、この変数が検査、適用されることはありません。 |
x86 (デフォルト) |
installPath |
添付する SUSE Linux イメージの名前 |
SuSeLinux:[version]_:[architecture] 次に例を示します。SuSeLinux_SLES9_x86 |
description |
このプロファイルに関する説明 (任意) |
test linux (例) |
min_disk_size |
SUSE Linux OS のプロビジョニングに必要な最小ディスク容量 |
10GB (デフォルト) |
boot_server_name |
SUSE Linux ブートおよびインストールサーバーの名前 |
masterserver (例) |
boot_server_subnet_address |
ブートおよびインストールサーバーがサービスを提供するサブネット |
10.10.31.0 (例) |
boot_server_subnet_ip_address |
サブネット上のブートおよびインストールサーバーの IP アドレス |
10.10.31.1 (例) |
image_subnet_mask |
プロビジョニングサブネットのネットマスク |
255.255.255.0 (デフォルト) |
distro_root_directory |
ブートサーバー上の SUSE Linux ディストリビューションのベースディレクトリの絶対パス |
nfs://10.10.31.4/Suse/SLES-9-x86-64/installroot (例) |
kernel (JET プロファイルのみ) |
OS イメージ内のカーネルへの相対パス。 非 JET プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
boot/loader/linux (デフォルト) |
initrd (JET プロファイルのみ) |
OS イメージ内の initrd への相対パス 非 JET プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
boot/loader/initrd (デフォルト) |
autoyast_file (非 JET プロファイルのみ) |
ブートサーバー上の AutoYaST ファイルの絶対パス JET 生成プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
なし |
pxe_boot_file (非 JET プロファイルのみ) |
ブートサーバー上の pxelinux.0 ブートファイルの、/tftpboot ディレクトリからの相対パス JET 生成プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
なし |
pxe_configuration_file (非 JET プロファイルのみ) |
ブートサーバー上の PXE Linux 構成ファイルの、pxelinux.cfg ディレクトリからの相対パス JET 生成プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
なし |
SuSelinux_component_folder |
自動生成 SUSE Linux Provision コンポーネントフォルダの位置 |
/com/sun/n1osp/autogen-: [target(..):sys.hostName]-linux (デフォルト) |
変数セットを保存します。
「Plan Parameters」テーブルの「LinuxImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。
「Plan Details Run」ページで、プロファイルの作成先の Linux イメージサーバーを選択します。
Linux イメージサーバーのホスト名は末尾が -linux になります。
必要に応じてプロファイル名を変更します。
必要に応じてプロファイルの説明を変更します。
使用する JET モジュールのリストを更新します。
JET 製品のモジュールは、JET サーバーのディレクトリ /opt/SUNWjet/Products にあります。
デフォルトでは、プラン変数 JET Modules Name(s) に、SUSE Linux プロファイルコンポーネントに含める 2 つの JET モジュールがあります。
base_config – SUSE Linux OS のインストールと構成を行います。base_config 変数の詳細については、「基本 SUSE Linux OS 構成変数」を参照してください。
spsra – Solaris システム上で N1 SPS リモートエージェント (RA) のインストールと構成を行います。spsra 変数の詳細については、「SUSE Linux リモートエージェントのコンポーネント変数」を参照してください。
base_config は、基本 SUSE Linux インストールを行うための必須 JET モジュールです。そのほかの /opt/SUNWjet/Products モジュールはすべて省略可能です。モジュール名をこのリストに追加することにより、モジュールのインストール関数と構成変数が、新しく作成された SUSE Linux プロビジョニングプロファイルに追加されます。
「Use the Jet Modules Specified Above」チェックボックスが選択されていることを確認します。
「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。
Linux イメージサーバーに対して Linux プロファイルが作成されたことを確認するには、N1 SPS ブラウザインタフェースの左側にある「Components」をクリックします。
/com/sun/n1osp/autogen-server-name-linux/provision/ フォルダに、provision コンポーネントがあります。server-name は、変数セットに指定した Linux サーバー名です。次に例を示します。 /com/sun/n1osp/autogen-SuSe_SLES9_x86-linux/provision/。
LinuxImage コンポーネントの変数セットを作成するには、次の例のようなコマンドを入力します。
# cr_cli -cmd cdb.vs.add -comp NM:/com/sun/n1osp/untyped/SuseLinuxImage \ -name "SLES9" -u admin -p admin -vars "osp_server=masterserver-osp;version=9; \ architecture=x86;installPath=SuSeLinux:[version]_:[architecture]; \ description=SUSE SLES9;min_disk_size=10GB; \ boot_server_name=biautoyast;boot_server_subnet_address=10.42.42.0; \ boot_server_subnet_ip_address=10.42.42.3; \ distro_root_directory=nfs://10.42.42.3/export/SUSE/SLES-9-x86-64/installroot;\ pxe_boot_file=;pxe_configuration_file=; \ autoyast_file=;kernel=boot/loader/linux;initrd=boot/loader/initrd" |
プランを実行するには、次の例のようなコマンドを入力します。
# cr_cli -cmd pe.p.run -u admin -p admin \ -PID NM:/com/sun/n1osp/untyped/SuSeLinuxImage-create-profile \ -tar H:NM:bilinux-linux -comp - -vs SLES9 -pto 30 -nto 10 \ -f /tmp/suse-profile |
-u オプションで指定したデフォルトの N1 SPS ユーザー値を書き留めます。OS インストール後に N1 SPS Remote Agent ソフトウェアがターゲットホストで起動するには、このユーザーが存在する必要があります。
SUSE Linux イメージおよびプロファイルを手動で作成する場合は、JET モジュールを使用せずに、SUSE Linux イメージおよびプロファイルを作成できます。この節では、非 JET SUSE Linux イメージとプロファイルの作成方法を説明します。
JET を使用して、イメージおよびプロファイルを作成する場合は、「JET による SUSE Linux イメージとプロファイルの作成」を参照してください。
ターゲットホストに 非 JET SUSE Linux イメージを配備するには、手動で PXE 構成ファイルを作成する必要があります。このファイルには、各ハードウェアプラットフォームおよび SUSE Linux ディストリビューションに固有のパラメータが含まれています。
テキストエディタでファイルを作成し、次のテキストを入力します。
default sles serial 0 9600 label sles kernel linux append console=ttyS0,9600 load_ramdisk=1 initrd=initrd textmode=1
各行の意味は次のとおりです。
先頭行 (default) は、ラベル sles を使用し、AutoYaST によるインストールを行うことを示しています。
3 行目 (label) は、ラベル sles の定義です。
4 行目 (kernel) は、読み込むカーネルの指定です。パスは pxelinux.0 に対して相対的です。
5 行目 (append) には、一連のネットワーク構成パラメータが含まれています。append パラメータはすべて同じ行に存在する必要があります。ここに示す固有のパラメータは次のとおりです。
console=ttyS1,9600 は、コンソールにインストール出力を表示するためのコンソールパラメータを指定しています。パラメータは、ターゲットハードウェアのプラットフォームに応じて異なります。
load_ramdisk は、RAM ディスクに initrd を使用することを示しています。RAM ディスクのパスは pxelinux.0 に対して相対的です。
ブートおよびインストールサーバー上の TFTP ルートディレクトリの pxelinux.cfg サブディレクトリに、このファイルを保存します。
複数リリースの SUSE Linux OS のプロビジョニングを行えるようにする場合は、このファイルに、 sles9.cfg などの一意の名前を割り当てます。
Linux イメージサーバーが存在し、そのサーバーで SUSE Linux オペレーティングシステムソフトウェアが使用できることを確認します。SUSE Linux イメージサーバーの作成方法の詳細については、「RedHat Linux サーバーの設定」を参照してください。
PXE Linux 構成ファイルを作成し、ブートおよびインストールサーバー上の pxelinux.cfg ディレクトリにそのファイルを配置します。PXE Linux 構成ファイル例については、「SUSE Linux OS プロビジョニング用の PXE 構成ファイルを作成する」を参照してください。
プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。
「OS Provisioning Common Tasks」ページの「SUSE Linux Images」セクションで「Create Profile」をクリックします。
「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。
このプランに使用する変数を選択します。
既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「LinuxImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。
新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「LinuxImage」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。
「Create Set」をクリックします。
変数セットの名前を入力します。
変数を確認し、必要に応じて変数を変更します。
次の表で、追加の変数とそのデフォルト値を説明します。
変数名 |
説明 |
デフォルト値/例 |
---|---|---|
osp_server |
OS プロビジョニングサービスを表す仮想サーバー |
masterserver-osp (デフォルト) |
version |
このコンポーネントで配備する Linux のバージョン |
SLES9 (例) |
architecture |
x86 など、物理システムのアーキテクチャー 注 – この値は、プロファイルコンポーネントおよび OS イメージの名前に使用されます。プロビジョニングソフトウェアによって、この変数が検査、適用されることはありません。 |
x86 (デフォルト) |
installPath |
添付する SUSE Linux イメージの名前 |
SuSeLinux:[version]_:[architecture] 次に例を示します。SuSeLinux_SLES9_x86 |
description |
このプロファイルに関する説明 (任意) |
test linux (例) |
min_disk_size |
SUSE Linux OS のプロビジョニングに必要な最小ディスク容量 |
10GB (デフォルト) |
boot_server_name |
SUSE Linux ブートおよびインストールサーバーの名前 |
masterserver (例) |
boot_server_subnet_address |
ブートおよびインストールサーバーがサービスを提供するサブネット |
10.10.31.0 (例) |
boot_server_subnet_ip_address |
サブネット上のブートおよびインストールサーバーの IP アドレス |
10.10.31.1 (例) |
image_subnet_mask |
プロビジョニングサブネットのネットマスク |
255.255.255.0 (デフォルト) |
distro_root_directory |
ブートサーバー上の SUSE Linux ディストリビューションのベースディレクトリの絶対パス |
nfs://10.10.31.4/Suse/SLES-9-x86-64/ installroot (例) |
kernel (JET プロファイルのみ) |
OS イメージ内のカーネルへの相対パス。 非 JET プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
なし |
initrd (JET プロファイルのみ) |
OS イメージ内の initrd への相対パス 非 JET プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
なし |
autoyast_file (非 JET プロファイルのみ) |
ブートサーバー上の AutoYaST ファイルの絶対パス JET 生成プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
nfs://10.10.31.4/export/v20z/sles9.xml (例) |
pxe_boot_file (非 JET プロファイルのみ) |
ブートサーバー上の /tftpboot ディレクトリを基準にした pxelinux.0 ブートファイルの相対パス JET 生成プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
v20z/suse/pxelinux.0 (例) |
pxe_configuration_file (非 JET プロファイルのみ) |
ブートサーバー上の pxelinux.cfg ディレクトリを基準にした PXE Linux 構成ファイルの相対パス JET 生成プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
as21-console (例) |
SuSelinux_component_folder |
自動生成 SUSE Linux Provision コンポーネントフォルダの位置 |
/com/sun/n1osp/autogen-: [target(..):sys.hostName]-linux (デフォルト) |
変数セットを保存します。
「Plan Parameters」テーブルの「LinuxImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。
「Plan Details Run」ページで、プロファイルの作成先の Linux イメージサーバーを選択します。
Linux イメージサーバーのホスト名は末尾が -linux になります。
必要に応じてプロファイル名を変更します。
必要に応じてプロファイルの説明を変更します。
「Use the Jet Modules Specified Above」のチェックボックスを選択解除します。
「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。
Linux イメージサーバーに対して Linux プロファイルが作成されたことを確認するには、N1 SPS ブラウザインタフェースの左側にある「Components」をクリックします。
/com/sun/n1osp/autogen-server-name-linux/provision/ フォルダに、provision コンポーネントがあります。server-name は、変数セットに指定した Linux サーバー名です。次に例を示します。 /com/sun/n1osp/autogen-SuSeLinuxSLES9_x86-linux/provision/
LinuxImage コンポーネントの変数セットを作成するには、次の例のようなコマンドを入力します。
# cr_cli -cmd cdb.vs.add -comp NM:/com/sun/n1osp/untyped/SuSeLinuxImage \ -name "SLES9x86" -u admin -p admin -vars "osp_server=masterserver-osp;version=SLES9; \ architecture=x86;installPath=SuSeLinux:[version]_:[architecture]; \ description=SUSE SLES9;min_disk_size=10GB; \ boot_server_name=bilinux;boot_server_subnet_address=10.42.42.0; \ boot_server_subnet_ip_address=10.42.42.3; \ autoyast_file=nfs://10.10.31.4/export/v20z/sles9.xml;\ pxe_boot_file=pxelinux.0;pxe_configuration_file=pxesles9" |
JET モジュール情報を提供するには、次のエントリを含む /tmp//suse-profile ファイルを作成します。
standard-nojet Standard Linux base_config false
各行の意味は次のとおりです。
ファイルの先頭行は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Profile Name」フィールドに対応します。
ファイルの 2 行目は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Profile Description」フィールドに対応します。
ファイルの 3 行目は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「JET Module Name」フィールドに対応します。
ファイルの 4 行目は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Use the Jet Modules Specified Above」チェックボックスに対応します。
プランを実行するには、次の例のようなコマンドを入力します。
# cr_cli -cmd pe.p.run -u admin -p admin \ -PID NM:/com/sun/n1osp/untyped/SuseLinuxImage-create-profile \ -tar H:NM:bilinux-linux -comp - -vs SLES9x86 -pto 30 -nto 10 -f /tmp/suse-profile |
-u オプションで指定したデフォルトの N1 SPS ユーザー値を書き留めます。OS インストール後に N1 SPS Remote Agent ソフトウェアがターゲットホストで起動するには、このユーザーが存在する必要があります。