この節では、不注意からアップグレード中にストレージ構成が変更された場合に実行する修復手順を説明します。
Sun Cluster コマンドの実行など、ストレージトポロジに対する変更は、クラスタを Solaris 9 または Solaris 10 ソフトウェアにアップグレードする前に行なってください。ただし、アップグレード中にストレージトポロジが変更された場合は、次の手順を実行します。この手順では、新しいストレージ構成が正しいことと、再構成されなかった既存のストレージは誤って変更されないことを保証します。
この手順では、長い形式の Sun Cluster コマンドを紹介します。ほとんどのコマンドには、短い形式もあります。これらのコマンドは、コマンド名の形式以外は同一です。コマンドの一覧および短い形式については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の付録 A「Sun Cluster オブジェクト指向コマンド」を参照してください。
ストレージトポロジが正しいことを確認します。変更されている可能性を示すフラグ付きデバイスが、実際に変更されているデバイスにマップされているかどうかを確認します。デバイスが変更されていない場合、誤ったケーブル接続など、偶発的な構成変更の可能性を調べて修正します。
未確認のデバイスに接続されているノードでスーパーユーザーになります。
未確認のデバイスを手動で更新します。
phys-schost# cldevice repair device |
詳細については、cldevice(1CL) のマニュアルページを参照してください。
DID ドライバを更新します。
phys-schost# scdidadm -ui phys-schost# scdidadm -r |
デバイス ID の構成テーブルをカーネルに読み込みます。
DID ドライバを初期化します。
データベースの再構成を指定します。
残りのアップグレード作業に戻ります。「Sun Cluster 3.2 ソフトウェアにアップグレードする (標準)」の手順 4に進みます。
アップグレード中に、ストレージのケーブル接続が誤って変更された場合、次の手順を実行して、ストレージ構成を正しい状態に戻します。
この手順では、物理ストレージが実際に変更されていないことを前提とします。物理ストレージデバイスまたは論理ストレージデバイスが変更されたか交換された場合は、「アップグレード中のストレージの再構成に対処する」の手順に従います。
ストレージトポロジを本来の状態に戻します。変更の可能性を示すフラグが付いたデバイスの構成を、ケーブル接続も含め検査します。
クラスタの各ノードで、スーパーユーザーになります。
クラスタの各ノードで DID ドライバを更新します。
phys-schost# scdidadm -ui phys-schost# scdidadm -r |
デバイス ID の構成テーブルをカーネルに読み込みます。
DID ドライバを初期化します。
データベースの再構成を指定します。
詳細は、scdidadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
手順 2 の scdidadm コマンドでエラーメッセージが返された場合は、ストレージ構成を修正するために必要な変更を加えてから手順 2 を繰り返します。
残りのアップグレード作業に戻ります。「Sun Cluster 3.2 ソフトウェアにアップグレードする (標準)」の手順 4に進みます。