Sun Cluster は、リソースタイプ、リソースグループ、およびリソースを構成するための標準プロパティーを定義します。これらの標準プロパティーについては、次の節を参照してください。
また、リソースには、リソースを表現するデータサービスの拡張プロパティーも事前定義されています。データサービスの拡張プロパティーについては、データサービスのマニュアルを参照してください。
プロパティーを変更できるかどうかを判断するには、そのプロパティーの説明において、プロパティーの調整エントリを参照してください。
次の手順に、リソースタイプ、リソースグループ、およびリソースを構成するためのプロパティーを変更する方法について説明します。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
次の情報を用意してください。
変更するリソースタイプの名前
変更するリソースタイププロパティーの名前。リソースタイプの場合、特定のプロパティーだけを変更できます。プロパティーを変更できるかどうかを判断するには、「資源タイプのプロパティー」でプロパティーの Tunable エントリを参照してください。
Installed_nodes プロパティーは明示的には変更できません。このプロパティーを変更するには、clresourcetype コマンドの -n installed-node-list オプションを指定します。
クラスタメンバーで、スーパーユーザーになるか、solaris.cluster.modify RBAC の承認を提供する役割になります。
clresourcetype コマンドを使用し、この手順に必要なリソースタイプの名前を判断します。
# clresourcetype show -v |
リソースタイププロパティーを変更します。
リソースタイプの場合、特定のプロパティーだけを変更できます。プロパティーを変更できるかどうかを判断するには、「資源タイプのプロパティー」でプロパティーの Tunable エントリを参照してください。
# clresourcetype set -n installed-node-list \ [-p property=new-value]resource-type |
このリソースタイプがインストールされるノードの名前を指定します。
変更する標準プロパティーの名前と、そのプロパティーの新しい値を指定します。
Installed_nodes プロパティーは明示的には変更できません。このプロパティーを変更するには、clresourcetype コマンドの -n installed-node-list オプションを指定します。
リソースタイププロパティーが変更されていることを確認します。
# clresourcetype show resource-type |
次に、SUNW.apache プロパティーを変更し、このリソースタイプが phys-schost-1 および phys-schost-2 のグローバルクラスタ投票ノードにインストールされるように定義する例を示します。
# clresourcetype set -n phys-schost-1,phys-schost-2 SUNW.apache # clresourcetype show SUNW.apache Resource Type: SUNW.apache:4 RT_description: Apache Web Server on Sun Cluster RT_version: 4 API_version: 2 RT_basedir: /opt/SUNWscapc/bin Single_instance: False Proxy: False Init_nodes: All potential masters Installed_nodes: All Failover: False Pkglist: SUNWscapc RT_system: False |
この手順では、リソースグループプロパティーの変更方法について説明します。リソースグループパーティーの詳細については、「 リソースグループのプロパティー」を参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
次の情報を用意してください。
変更するリソースグループの名前
変更するリソースグループプロパティーの名前とその新しいプロパティー値
クラスタメンバーで、スーパーユーザーになるか、solaris.cluster.modify RBAC の承認を提供する役割になります。
リソースグループプロパティーを変更します。
# clresourcegroup set -p property=new-value resource-group |
変更するプロパティーの名前を指定します。
リソースグループの名前を指定します。
リソースグループプロパティーが変更されていることを確認します。
# clresourcegroup show resource-group |
次に、リソースグループ (resource-group-1) の Failback プロパティーを変更する例を示します。
# clresourcegroup set-p Failback=True resource-group-1 # clrsourcegroup show resource-group-1 |
この手順では、リソースの拡張プロパティーと標準プロパティーを変更する方法を説明します。
標準リソースプロパティーの詳細については、「リソースのプロパティー」を参照してください。
リソースの拡張プロパティーの詳細については、リソースのリソースタイプのマニュアルを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
次の情報を用意してください。
変更するプロパティーを持つリソースの名前
変更するプロパティーの名前
クラスタメンバーで、スーパーユーザーになるか、solaris.cluster.modify RBAC の承認を提供する役割になります。
現在のリソースプロパティー設定を表示します。
# clresource show -v resource |
リソースプロパティーを変更します。
# clresource set -p standard-property=new-value | -p "extension-property \ [{node-specifier}]"=new-value resource |
変更する標準プロパティーの名前を指定します。
変更する拡張プロパティーの名前を指定します。
node-specifier は、-p オプションおよび -x オプションに対する「オプション」の修飾子です。この修飾子は、指定された 1 つまたは複数のノード上でのみ、1 つまたは複数の拡張プロパティーがリソースの作成時に設定されることを示します。指定した拡張プロパティーは、クラスタ内のほかのノード上では、設定されません。node-specifier を指定しないと、クラスタ内のすべてのノード上の指定された拡張プロパティーが設定されます。node-specifier にはノード名またはノード識別子を指定できます。node-specifier の構文例を次に示します。
-p "myprop{phys-schost-1}" |
中括弧 ({}) は、指定した拡張プロパティーをノード phys-schost-1 でのみ設定することを示します。大部分のシェルでは、二重引用符 (") が必要です。
また次の構文を使用して、2 つの異なるグローバルクラスタ投票ノード上の 2 つの異なるグローバルクラスタ非投票ノード内で拡張プロパティーを設定することもできます。
-x "myprop{phys-schost-1:zoneA,phys-schost-2:zoneB}" |
node-specifier を使用して指定する拡張プロパティーは、ノードごとのプロパティーとして RTR ファイルで宣言します。Per_node リソースプロパティーの属性の詳細は、付録 B 標準プロパティーを参照してください。
リソースの名前を指定します。
リソースプロパティーが変更されていることを確認します。
# clresource show -v resource |
次に、リソース (resource-1) のシステム定義プロパティー (Start_timeout) の変更例を示します。
# clresource set -p start_timeout=30 resource-1 # clresource show -v resource-1 |
次に、リソース (resource-1) の拡張プロパティー (Log_level) の変更例を示します。
# clresource set -p Log_level=3 resource-1 # clresource show -v resource-1 |
デフォルトでは、論理ホスト名リソースと共有アドレスリソースは名前解決にネームサービスを使用します。 同じクラスタ上で動作するネームサービスを使用するようにクラスタを構成することも可能です。論理ホスト名リソースまたは共有アドレスリソースがフェイルオーバーされると、そのクラスタ上で動作しているネームサービスもフェイルオーバーされます。論理ホスト名リソースまたは共有アドレスリソースが使用するネームサービスがフェイルオーバーしている場合、このリソースはフェイルオーバーできません。
同じクラスタ上で動作しているネームサービスを使用するようにクラスタを構成すると、そのクラスタ上のほかのサービスの可用性を損なう可能性があります。
このようなフェイルオーバーの失敗を防ぐには、ネームサービスをバイパスするように論理ホスト名リソースまたは共有アドレスリソースを変更します。ネームサービスをバイパスするようにリソースを変更するには、リソースの CheckNameService 拡張プロパティーを false に設定します。CheckNameService プロパティーはいつでも変更できます。
リソースタイプのバージョンが 2 より前の場合、リソースを変更する前に、まず、リソースタイプをアップグレードする必要があります。詳細については、「事前登録されているリソースタイプのアップグレード」を参照してください。