Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

Procedureマウント解除できるファイルシステムをミラー化する

次の手順を使用し、マウント解除できるユーザー定義ファイルシステムをミラー化します。この手順では、ノードを再起動する必要はありません。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. ミラー化するファイルシステムをマウント解除します。

    そのファイルシステム上で実行中のプロセスがないことを確認します。


    phys-schost# umount /mount-point
    

    詳細は、umount(1M) のマニュアルページおよび『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 18 章「ファイルシステムのマウントとマウント解除 (手順)」を参照してください。

  3. マウント解除できるユーザー定義ファイルシステムが存在するスライスを、単一スライス(1 方向) 連結にします。

    ディスクスライスの物理ディスク名を指定します (cNtXdYsZ)。


    phys-schost# metainit -f submirror1 1 1 diskslice
    
  4. 2 番目の連結を作成します。


    phys-schost# metainit submirror2 1 1 submirror-diskslice
    
  5. 1 つのサブミラーを使用して 1 方向のミラーを作成します。


    phys-schost# metainit mirror -m submirror1
    

    注 –

    このミラーのボリューム名はクラスタ全体で一意である必要はありません。


  6. ミラー化するマウント可能な各ファイルシステムで手順 1 から手順 5 までを繰り返します。

  7. 各ノードで 、ミラー化した各ファイルシステムの /etc/vfstab ファイルエントリを編集します。

    device to mount および device to fsck 列の名前を実際のミラー名に変更してください。


    phys-schost# vi /etc/vfstab
    #device        device        mount    FS     fsck    mount    mount
    #to mount      to fsck       point    type   pass    at boot  options
    #
    /dev/md/dsk/mirror /dev/md/rdsk/mirror /filesystem ufs 2 no global
  8. 2 番目のサブミラーをこのミラーに接続します。

    このように接続することで、サブミラーの同期が開始されます。


    phys-schost# metattach mirror submirror2
    
  9. 手順 8 で開始したミラーの同期が完了するまで待機します。

    metastat(1M) コマンドを使用してミラー状態を参照します。


    phys-schost# metastat mirror
    
  10. ユーザー定義のファイルシステムのミラー化に使用するディスクが複数のノードに物理的に接続 (マルチホスト化) されている場合は、そのディスクのフェンシングを無効にします。

    デバイスの保護を無効にすると、起動デバイスが複数のノードに接続されている場合に、不意にノードが起動デバイスに誤って保護される状態を防止できます。


    phys-schost# cldevice set -p default_fencing=nofencing submirror-disk
    
    -p

    デバイスのプロパティーを指定します。

    default_fencing=nofencing

    指定したデバイスの保護を無効にします。

    default_fencing プロパティーの詳細については、cldevice(1CL) のマニュアルページを参照してください。

  11. ミラー化したファイルシステムをマウントします。


    phys-schost# mount /mount-point
    

    詳細はmount(1M)のマニュアルページおよび『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 18 章「ファイルシステムのマウントとマウント解除 (手順)」を参照してください。


例 4–5 マウント解除できるファイルシステムのミラー化

次の例に、ミラー d4 を作成し、c0t0d0s4 上に存在する /export をミラー化する方法を示します。ミラー d4 は、パーティション c0t0d0s4 上のサブミラー d14 とパーティション c2t2d0s4 上のサブミラー d24 で構成されています。/export 用の /etc/vfstab ファイルエントリは、ミラー名 d4 を使用するように更新されます。デバイス c2t2d0 は多重ホストディスクのため、フェンシングは無効になります。


phys-schost# umount /export
phys-schost# metainit -f d14 1 1 c0t0d0s4
d14: Concat/Stripe is setup
phys-schost# metainit d24 1 1 c2t2d0s4
d24: Concat/Stripe is setup
phys-schost# metainit d4 -m d14
d4: Mirror is setup
phys-schost# vi /etc/vfstab
#device        device        mount    FS     fsck    mount    mount
#to mount      to fsck       point    type   pass    at boot  options
#
# /dev/md/dsk/d4 /dev/md/rdsk/d4 /export ufs 2 no    global
phys-schost# metattach d4 d24
d4: Submirror d24 is attached
phys-schost# metastat d4
d4: Mirror
       Submirror 0: d14
          State: Okay
       Submirror 1: d24
          State: Resyncing
       Resync in progress: 15 % done
…
phys-schost# cldevice show phys-schost-3:/dev/rdsk/c2t2d0
…
DID Device Name:                                /dev/did/rdsk/d2
phys-schost# cldevicegroup show dsk/d2
Device Group Name:                              dsk/d2
…
  Node List:                                      phys-schost-1, phys-schost-2
…
  localonly:                                      false
phys-schost# cldevicegroup remove-node -n phys-schost-3 dsk/d2
phys-schost# cldevice set -p default_fencing=nofencing c2t2d0 
phys-schost# mount /export

次の手順

ディスクセットを作成するには、 「クラスタ内でのディスクセットの作成」 に進みます。あるいは、 Oracle Real Application Clusters,で使用する複数所有者のディスクセットを作成する場合、『Sun Cluster Data Service for Oracle RAC Guide for Solaris OS』「How to Create a Multi-Owner Disk Set in Solaris Volume Manager for Sun Cluster for the Oracle RAC Database」 を参照してください。

必要十分なディスクセットを持っている場合は、次のうちの1 つに進みます。

注意事項

このミラー化のいくつかの手順において、metainit: dg-schost-1: d1s0: not a metadevice のようなエラーメッセージが出力されることがあります。このようなエラーメッセージは危険ではなく、無視してもかまいません。