Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

書き換えルールテンプレート

次の節では、書き換えルールのテンプレートの形式について説明します。表 11–2 にテンプレートの形式を示します。

表 11–2 書き換えルールのテンプレートの形式の要約

テンプレート 

使用目的 

A%B 

A は新しいユーザー/メールボックスの名前になり、B は新しいホスト/ドメイン仕様になります。繰り返し書き換えます。「繰り返し書き換えテンプレート: A%B」

A@B 

A%B@B として扱われます。「よく使われる書き換えテンプレート: A%B@C または A@B」

A%B@C 

A は新しいユーザー/メールボックスの名前になり、B は新しいホスト/ドメイン仕様になり、ホスト C と関連するチャネルにルーティングされます。「よく使われる書き換えテンプレート: A%B@C または A@B」

A@B@C 

A@B@C@C として扱われます。「指定ルート書き換えテンプレート: A@B@C@D または A@B@C」

A@B@C@D 

A は新しいユーザー/メールボックスの名前になり、B は新しいホスト/ドメイン仕様になり、C をソースルートとして挿入し、ホスト D と関連するチャネルにルーティングされます。「指定ルート書き換えテンプレート: A@B@C@D または A@B@C」

よく使われる書き換えテンプレート: A%B@C または A@B

次に示すテンプレート形式は、もっともよく使われるものです。ルールは、アドレスのユーザー部分とドメイン部分に適用されます。その後、新しいアドレスがメッセージを特定のチャネル (ChannelTag で指定されたチャネル) へ送るために使用されます。

UserTemplate%DomainTemplate@ChannelTag[controls]

以下に示すテンプレート形式は、上記のテンプレートと実質的に同じものです。ただし、この形式は、DomainTemplateChannelTag が同じ場合にしか使用できません。

UserTemplate@ChannelTag[コントロール]

繰り返し書き換えテンプレート: A%B

次に示すテンプレート形式は、繰り返して適用する必要があるルールに使用されます。ルール適用後は、新しいアドレスで書き換えプロセス全体を繰り返します (ほかのテンプレート形式では、ルールを適用すると書き換えプロセスが終了)。

UserTemplate%DomainTemplate[コントロール]

たとえば、次に示すルールを使うと、.removable というドメイン名で終わるすべてのアドレスから .removable が削除されます。

.removable $U%$H

繰り返しルールを使用する場合には、「ルールループ」が生じないように特別な注意が必要です。そのため、特に必要がない限り、繰り返し書き換えルールの使用を控えることをお勧めします。繰り返しルールを使用する際には、imsimta test -rewrite コマンドを使ってルールをテストするとよいでしょう。test -rewrite コマンドについては、『Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 Administration Reference』を参照してください。

指定ルート書き換えテンプレート: A@B@C@D または A@B@C

次に示すテンプレート形式は、一般によく使われる形式 UserTemplate%DomainTemplate@ChannelTag と同じように機能します (最初の区切り文字が異なることに注意)。ただし、ChannelTag はソースルートとしてアドレスに挿入される点で異なります。メッセージは ChannelTag に送られます。

UserTemplate@DomainTemplate@Source-Route
    @ChannelTag[コントロール]

書き換えられたアドレスは @route:user@domain になります。また、次のテンプレートも使用できます。

UserTemplate@DomainTemplate@ChannelTag[コントロール]

たとえば、次に示すルールを使うと、jdoe@com1 というアドレスが @siroe.com:jdoe@com1 というソースルートアドレスに書き換えられます。チャネルタグは siroe.com になります。

com1 $U@com1@siroe.com

書き換えルールテンプレートにおける大文字と小文字の区別

書き換えルール内のパターンとは異なり、テンプレートでは大文字と小文字が区別されます。この機能は、大文字と小文字を区別するメールシステムへのインタフェースを提供するような書き換えルールを使用する場合に必要となります。アドレスから抽出された部分の代わりに使われる $U や $D などの置換シーケンスでも、大文字と小文字が区別され、元のアドレスと同じ状態が維持されます。

UNIX システムでメールボックスを小文字にする場合など、置換部分に特定の大文字または小文字が使われるようにするには、テンプレートに特殊な置換シーケンスを使用します。たとえば、$\ は後ろに続く置換部分を小文字にし、$^ は後ろに続く置換部分を大文字にします。また、$_ は元と同じ状態を保ちます。

たとえば、次のルールを使うと、unix.siroe.com のアドレスに対するメールボックスを小文字にすることができます。

unix.siroe.com    $\$U$_%unix.siroe.com