変換チャネル出力オプション (表 13–4) は動的な変数で、変換スクリプトから変換チャネルに情報と特定の指示を渡します。たとえば、本文部分の処理中にメッセージをバウンスさせてスクリプトから変換チャネルに指示を出し、返送メッセージに「このメッセージにはウィルスが含まれている」というエラーテキストを追加させることができます。
出力オプションは、指定した変換エントリに OVERRIDE-OPTION-FILE=1 を設定すると開始されます。次に、必要に応じて出力オプションはがスクリプトで設定され、環境変数ファイル OUTPUT_OPTIONS に保存されます。このスクリプトが本文部分の処理を終了すると、変換チャネルは OUTPUT_OPTIONS ファイルからオプションを読み取ります。
OUTPUT_OPTION 変数は、変換チャネルがオプションを読み取るファイル名です。通常、このファイルは実行時の一時ファイルとして、情報を渡すために使用されます。次に、出力オプションを使ってウィルスを送信した差出人にエラーメッセージを返すスクリプトの例を示します。
/usr/local/bin/viro_screen2k $INPUT_FILE # run the virus screener if [ $? -eq 1 ]; then echo "OUTPUT_DIAGNOSTIC=’Virus found and deleted.’" > $OUTPUT_OPTIONS echo "STATUS=178029946" >> $OUTPUT_OPTIONS else cp $INPUT_FILE $OUTPUT_FILE # Message part is OK fi |
この例では、$OUTPUT_OPTIONS で定義されたファイルにシステム診断メッセージとステータスコードが追加されます。$OUTPUT_OPTIONS 一時ファイルを読み出すと、次のように表示されます。
OUTPUT_DIAGNOSTIC="Virus found and deleted." STATUS=178029946 |
OUTPUT_DIAGNOSTIC='Virus found and deleted’ の行は、メッセージに「Virus found and deleted」というテキストを追加するように変換チャネルに指示していることを表します。
178029946 は msg_svr_base/include/deprecated/pmdf_err.h にある pmdf_err.h ファイルごとの PMDF__FORCERETURN ステータスです。このステータスコードは、差出人にメッセージをバウンスするように変換チャネルに指示しています。特定の指示の使い方については、「変換チャネル出力を使ってメッセージのバウンス、削除、保留を行うには」を参照してください。
出力オプションのリストを次に示します。
表 13–4 変換チャネル出力オプション
オプション |
説明 |
---|---|
OUTPUT_TYPE |
出力メッセージ部分の MIME コンテンツタイプです。 |
OUTPUT_SUBTYPE |
出力メッセージ部分の MIME コンテンツサブタイプです。 |
OUTPUT_DESCRIPTION |
出力メッセージ部分の MIME コンテンツの説明です。 |
OUTPUT_DIAGNOSTIC |
変換チャネルによってメッセージが強制的にバウンスされる場合、差出人に送信するメッセージの一部に含まれるテキストです。 |
OUTPUT_DISPOSITION |
出力メッセージ部分の MIME content-disposition です。 |
OUTPUT_ENCODING |
MIME content transfer encoding で、出力メッセージ部分で使用されます。 |
OUTPUT_MODE |
変換チャネルが出力メッセージ部分を書き出す際に使用する MIME Mode で、受取人が出力メッセージ部分を読み取る際に使用するモードです。 |
STATUS |
コンバータの終了ステータスです。通常は、変換チャネルの何らかの動作を開始する特殊な指示です。すべての指示のリストは msg_svr_base/include/deprecated/pmdf_err.h を参照してください。 |