Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

大域ゾーン内の特定のファイルシステムへのアクセス権を非大域ゾーンに追加する

Procedure非大域ゾーンで CD または DVD メディアにアクセスする権限を追加する方法

この手順を使用して、非大域ゾーンで CD または DVD メディアに読み取り専用のアクセスを行う権限を追加できます。メディアをマウントするときには、大域ゾーンでボリューム管理ファイルシステムが使用されます。アクセス権を追加したら、CD または DVD を使用して製品を非大域ゾーンにインストールできます。この手順では、jes_05q4_dvd という DVD を使用します。

  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. 大域ゾーンでボリューム管理ファイルシステムが稼働しているかどうかを調べます。


    global# svcs volfs
    STATE          STIME    FMRI
    online         Sep_29   svc:/system/filesystem/volfs:default
  3. (省略可能) 大域ゾーンでボリューム管理ファイルシステムが稼働していない場合は、起動します。


    global# svcadm volfs enable
    
  4. メディアを挿入します。

  5. ドライブにメディアが入っているかどうかを確認します。


    global# volcheck
    
  6. DVD が自動マウントされているかどうかをテストします。


    global# ls /cdrom
    

    次のような情報が表示されます。


    cdrom   cdrom1   jes_05q4_dvd
  7. ro,nodevices オプション (読み取り専用、デバイスなし) を指定して、非大域ゾーンでファイルシステムをループバックマウントします。


    global# zonecfg -z my-zone
    zonecfg:my-zone> add fs
    zonecfg:my-zone:fs> set dir=/cdrom
    zonecfg:my-zone:fs> set special=/cdrom
    zonecfg:my-zone:fs> set type=lofs
    zonecfg:my-zone:fs> add options [ro,nodevices]
    zonecfg:my-zone:fs> end
    zonecfg:my-zone> commit
    zonecfg:my-zone> exit
    
  8. 非大域ゾーンを再起動します。


    global# zoneadm -z my-zone reboot
    
  9. zoneadm list コマンドに -v オプションを指定して、状態を確認します。


    global# zoneadm list -v
    

    次のような情報が表示されます。


    ID  NAME     STATUS       PATH                           BRAND      IP
     0  global   running      /                              native     shared
     1  my-zone  running      /export/home/my-zone           native     shared
  10. 非大域ゾーンにログインします


    global# zlogin my-zone
    
  11. DVD-ROM がマウントされているかを確認します。


    my-zone# ls /cdrom
    

    次のような内容が表示されます。


    cdrom   cdrom1   jes_05q4_dvd
  12. 製品のインストールガイドに従って、製品をインストールします。

  13. 非大域ゾーンから抜けます。


    my-zone# exit
    

    ヒント –

    /cdrom ファイルシステムを非大域ゾーンに残すこともできます。マウントするときには、常に CD-ROM ドライブの現在の内容が反映されます。つまり、ドライブが空の場合は、ディレクトリは空になります。


  14. (省略可能) 非大域ゾーンから /cdrom ファイルシステムを削除する場合は、次の手順を使用します。


    global# zonecfg -z my-zone
    zonecfg:my-zone> remove fs dir=/cdrom
    zonecfg:my-zone> commit
    zonecfg:my-zone> exit
    

Procedure非大域ゾーンの /usr の下に書き込み可能ディレクトリを追加する方法

疎ルートゾーンでは、/usr は大域ゾーンから読み取り専用でマウントされます。ここで説明する手順を使って、ゾーンの /usr の下に /usr/local などの書き込み可能ディレクトリを追加できます。

この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。

  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. 大域ゾーンに /usr/local ディレクトリを作成します。


    global# mkdir -p /usr/local
    
  3. ゾーンの /usr/local ディレクトリのバッキングストアとして使用する、大域ゾーン内のディレクトリを指定します。


    global# mkdir -p /storage/local/my-zone
    
  4. ゾーン my-zone の構成を編集します。


    global# zonecfg -z my-zone
    
  5. ループバックマウントされたファイルシステムを追加します。


    zonecfg:my-zone> add fs
    zonecfg:my-zone:fs> set dir=/usr/local
            zonecfg:my-zone:fs> set special=/storage/local/my-zone
            zonecfg:my-zone:fs> set type=lofs
            zonecfg:my-zone:fs> end
            zonecfg:my-zone> commit
            zonecfg:my-zone> exit
    
  6. ゾーンを起動します。

Procedure大域ゾーン内のホームディレクトリを非大域ゾーンにエクスポートする方法

大域ゾーンから同じシステム上の非大域ゾーンにホームディレクトリまたはほかのファイルシステムをエクスポートする場合に、この手順を使用します。

この手順を実行するには、大域ゾーン内で大域管理者になる必要があります。

  1. スーパーユーザーまたは Primary Administrator 役割になります。

    役割の作成と作成した役割のユーザーへの割り当てについては、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「Solaris 管理ツールを RBAC と組み合わせて使用する (作業マップ)」を参照してください。

  2. ループバックマウントされたファイルシステムを追加します。


    global# zonecfg -z my-zone
    zonecfg:my-zone> add fs
    zonecfg:my-zone:fs> set dir=/export/home
    zonecfg:my-zone:fs> set special=/export/home
    zonecfg:my-zone:fs> set type=lofs
    zonecfg:my-zone:fs> set options=nodevices
    zonecfg:my-zone:fs> end
    zonecfg:my-zone> commit
    zonecfg:my-zone> exit
    
  3. ゾーンの /etc/auto_home ファイルに次の行を追加します。


    $HOST:/export/home/&