この章では、Directory Server Resource Kit のリリース時点で判明している、製品固有の重要な情報を示します。
この章では、次の内容について説明します。
この節では、Directory Server Resource Kit コンポーネントの概要を示します。
Directory Server Resource Kit は、開発、配備、データセンター運用の各段階でディレクトリサービス関連の作業を行うためのツールを提供します。
LDAP のディレクトリサブツリー全体を 1 つのコマンドで削除するには、ldapsubtdel(1) ツールを使用します。
Web アプリケーションの設計、開発、およびテスト時に DSML v2 経由のディレクトリアクセスをテストするには、次のツールを使用します。
dsmlmodify(1) コマンド: エントリの追加、削除、変更、名前変更、および移動
dsmlsearch(1) コマンド: エントリの検索と読み取り
LDAP によるディレクトリへのアクセス時にバインド、読み取り、および書き込みのパフォーマンスを測定するには、次のツールを使用します。
authrate(1) コマンド: LDAP バインドパフォーマンスの測定
modrate(1) コマンド: LDAP 書き込みパフォーマンスの測定
searchrate(1) コマンド: LDAP 読み取りパフォーマンスの測定
サイズ調整およびチューニングのためのサンプル LDIF を生成するには、次のツールを使用します。これらのツールは、相互運用性のために LDIF を変換、ソート、フィルタする目的にも使用します。
ldifxform(1) コマンド: LDIF の変換、ソート、フィルタ
makeldif(1) コマンド: サンプル LDIF の生成
クライアントのディレクトリサービス利用状況の検証や、インデックス作成用の推奨値の生成には、logconv(1)コマンドを使用します。
選択により、ディレクトリサーバーと同じシステムまたは別のシステム上に Directory Server Resource Kit ツールをセットアップして実行できます。どちらの選択が適切かは作業環境によって異なります。また、配備のどの段階に到達しているかによっても選択が変わります。次に示す質問と回答は、Directory Server Resource Kit をどのシステムにインストールして利用するかの判断に役立ちます。
質問:現在の作業の目的は、ディレクトリサービスを実際に開発する前にディレクトリ技術を評価または例証することですか。
回答:この場合は便宜性を優先して、ディレクトリと同じシステム上に Directory Server Resource Kit をインストールして利用します。
質問:現在の作業の目的は、ディレクトリクライアントアプリケーションまたはプラグインを開発することですか。
回答:この場合は便宜性を優先して、ディレクトリと同じシステム上に Directory Server Resource Kit をインストールして利用します。
質問:現在の作業の目的は、ディレクトリのパフォーマンス特性をテストすることですか。
回答:ディレクトリサービスを提供するシステム上で実行する必要がある唯一のコマンドは、システム固有のチューニング推奨値を生成する idsktune コマンドです。
回答:したがってこの場合は、測定対象のシステムへの影響を回避するために、ほかのシステムに Directory Server Resource Kit をインストールし、idsktune 以外のコマンドを実行します。
authrate、modrate、searchrate などのクライアントを独立したシステム上で実行することにより、ディレクトリパフォーマンスの正確な測定結果が得られます。測定対象のシステム上で動作するプロセスを注意深く制御することにより、測定精度を向上させることができます。ディレクトリに格納するサンプルデータを制御することによっても精度を向上させることができます。制御されたデータは makeldif を使用して生成できます。
質問:ディレクトリをデータセンターに配備済みですか。
回答:この場合は、配備済みシステムへの影響を回避するために、ほかのシステムに Directory Server Resource Kit をインストールして各種コマンドを実行します。
logconv による分析や、ldifxform による LDIF 変換などのその他の操作も外部のシステムから実行します。
この節では、Directory Server Enterprise Edition 6.0 リリースで修正されたバグの一覧を示します。
次のバグが、Directory Server Resource Kit の前回のリリース以降に修正されました。
searchrate コマンドに、タイムアウトを指定するオプションがあるべきである。
authrate の使用法を修正する。
searchrate の使用法を修正する。
modrate の使用法を修正する。
ldifxform コマンドをto=cs とともに使用した場合、正しく変換されない。
ldapsubtdel コマンドで、ファイルからのパスワード読み取りを許可するべきである。
authrate コマンドで、バインドエラーを送信するべきである。
dsmlsearch コマンドで、LDAP フィルタ文字列構文を処理するべきである。
dsmlmodify の使用法を修正する。
Windows システムで ldifxform コマンドに -c to=ascii オプションを使用すると、クラッシュする。
logconv -d オプションがゼロ除算エラーを生成する。
この節では、リリース時点での既知の問題点および制限事項の一覧を示します。
searchrate は、Windows システムで複数のスレッドを使用するとクラッシュします。
modrate は、Windows システムで複数のスレッドを使用するとクラッシュします。
authrate は、Windows システムで複数のスレッドを使用するとクラッシュします。
dsmlsearch コマンドの -D オプションは、バインド DN ではなく HTTP ユーザー ID を取ります。
この問題点に対処するには、Directory Server 内の DN にマップされたユーザー ID を指定します。
NameFinder を Windows システム上の Application Server に配備できない現象が確認されています。
NameFinder が、配備のあとにエラーが見つからないページをスローする現象が確認されています。
この問題点に対処するには、nsDSRK/nf の名前を nsDSRK/NF に変更します。
NameFinder の「My Selections」リストには、2 名を超えるユーザーを追加できません。
NameFinder では、「LastName」、「FirstName」、「Email」、および「GivenName」以外のエントリ値を検索できません。
NameFinder では、グループの検索ができません。