Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.1 配備計画ガイド

ポート番号

設計時に、各 Directory Server インスタンスおよび各 Directory Proxy Server インスタンスのポート番号を選択します。可能であれば、本稼働環境へのディレクトリサービスの配備後にポート番号を変更することは避けてください。

さまざまなサービスやコンポーネントに対してそれぞれ異なるポート番号を割り当てる必要があります。

Directory Server および Directory Proxy Server の LDAP および LDAPS ポート番号

LDAP 接続を受け入れるためのポート番号を指定します。LDAP 通信の標準ポートは 389 ですが、ほかのポートを使用してもかまいません。たとえば、サーバーを通常のユーザーとして起動できるようにする必要がある場合には、特権のないポートを使用します。デフォルトは 1389 です。1024 より小さいポート番号では特権付きアクセスが必要になります。1024 より小さいポート番号を使用した場合、特定の LDAP コマンドを root として実行する必要があります。

Solaris システムでは、通常のユーザーが特権付きポートを使用できます。詳細については、『System Administration Guide: Security Services』の第 8 章「Using Roles and Privileges (Overview)」を参照してください。

SSL ベースの接続を受け入れるためのポート番号を指定します。SSL ベースの LDAP (LDAPS) 通信の標準ポートは 636 ですが、通常のユーザーとして実行する場合のデフォルトである 1636 など、ほかのポートを使用してもかまいません。たとえば、サーバーを通常のユーザーとして起動できるように特権のないポートが必要になる可能性があります。

特権のないポートを指定し、かつほかのユーザーがアクセスしているシステム上にサーバーインスタンスをインストールした場合、そのポートは別のアプリケーションに乗っ取られる危険にさらされる可能性があります。つまり、別のアプリケーションが同じアドレス/ポートペアにバインドできます。このため、悪意のあるアプリケーションがサーバー宛の要求を処理できる可能性があります。また、そうしたアプリケーションを使えば、認証処理時に使用されたパスワードを捕捉したり、クライアント要求やサーバー応答を変更したり、サービス拒否攻撃を仕掛けたりすることもできます。

Directory Server と Directory Proxy Server のどちらでも、サーバーが待機する IP アドレスのリストを制限できます。Directory Server には、設定属性 nsslapd-listenhostnsslapd-securelistenhost があります。Directory Proxy Server では、ldap-listener および ldaps-listener 設定オブジェクト上に listen-address プロパティーがあります。待機するインタフェースのリストを指定すると、ほかのプログラムはサーバーと同じポート番号を使用できなくなります。

Directory Server の DSML ポート番号

Directory Server は、LDAP 要求を処理するだけでなく、Directory Service Markup Language v2 (DSML) で送信されてきた要求にも応答します。DSML は、クライアントがディレクトリ操作をエンコードするためのもう 1 つの方法です。Directory Server は、DSML をほかのすべての要求と同様に、同じアクセス制御とセキュリティー機能を使って処理します。

使用するトポロジに DSML アクセスが含まれている場合は、次の情報を特定します。

DSML の設定方法については、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.1 管理ガイド』「DSML-over-HTTP サービスを有効にする」を参照してください。

Directory Service Control Center および共通エージェントコンテナのポート番号

Directory Service Control Center (DSCC) は Sun Java Web コンソール向けの Web アプリケーションであり、Directory Server および Directory Proxy Server のインスタンスをユーザーが Web ブラウザ経由で管理できるようにします。あるサーバーが DSCC によって認識されるには、そのサーバーを DSCC に登録する必要があります。サーバーの登録を解除しても、それらのサーバーは依然としてコマンド行ユーティリティーを使って管理できます。

DSCC は、サーバーがインストールされたシステム上に存在している DSCC エージェントと通信します。DSCC エージェントは共通エージェントコンテナ内で実行されます。共通エージェントコンテナは、ネットワークトラフィックを各エージェントへ転送するとともに、エージェントの実行環境としてのフレームワークを提供します。

DSCC を使ってトポロジ内のサーバーを管理する予定である場合は、次の各ポート番号を特定します。

同一システム上にすべてのコンポーネントがインストールされている場合でも、DSCC はそのエージェントとこれらのネットワークポート経由で通信します。

Identity Synchronization for Windows のポート番号

配備環境で、Microsoft Active Directory とのアイデンティティー同期を行う場合、Message Queue インスタンス用のポートが必要となります。このポートは、Active Directory との同期に関わる各 Directory Server インスタンス上で使用できる必要があります。Message Queue のセキュリティー保護されていないポートのデフォルトは 80、セキュリティー保護されたポートのデフォルトは 443 です。

また、配備計画時には、その他のインストール決定や設定決定も行う必要があります。Identity Synchronization for Windows のインストールや設定の詳細については、『Sun Java System Identity Synchronization for Windows 6 2006Q1 Installation and Configuration Guide 』を参照してください。