Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 リリースノート

第 2 章 Sun GlassFish Enterprise Server について

Sun GlassFish Enterprise Server は、大規模な本稼働環境での Java EE アプリケーションおよび Java テクノロジベースの Web サービスの開発と配備に利用できる Java EE 5 プラットフォーム互換サーバーです。

この章で説明する内容は、次のとおりです。

Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 の新機能

Grizzly 1.0.30 – Grizzly 1.0.30 の統合に加え、Grizzly の機能強化により、Enterprise Server でより高速で信頼性の高いインスタンスフェールオーバーが可能になりました。

mod_jk プラグインによる Apache Web Server のサポート – Enterprise Server v2.1.1 の Apache Web Server のサポートについては、「Web Stack のサポート」を参照してください。

JSF 1.2_13 のサポート – Enterprise Server v2.1.1 は、JSF 1.2_13 をサポートします。

Jersey 1.0.3 のサポート –Enterprise Server v2.1.1 は、Jersey 1.0.3 をサポートします。

Sun GlassFish Message Queue 4.4 のサポート – Enterprise Server v2.1.1 は、Sun GlassFish Message Queue 4.4 をサポートします。詳細は、「Message Queue のバージョン」を参照してください。

バグの修正と拡張機能 – このリリースで修正されたバグの一覧については、GlassFish 課題トラッカーbugs.sun.com を参照してください。

Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 は Sun GlassFish Enterprise Server v2.1 patch 06 と同等で、SunSolve から入手することができます。

Sun GlassFish Enterprise Server の機能

Sun GlassFish Enterprise Server には、次のような機能も導入されました。

ハードウェアとソフトウェアの要件

この節では、Sun GlassFish Enterprise Server をインストールする前に満たしている必要のある要件を示します。

サポートされるプラットフォーム

次の表に、Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 と互換性があるオペレーティングシステムを示します。サポートされているオペレーティングシステムはすべて、特に断らない限り、32 ビットです。64 ビットの JDK は、サポートされている 64 ビットのオペレーティングシステムでのみサポートされます。


注 –

表には、サポートされる各オペレーティングシステムの、必要最小限のバージョンが示されています。必要最小限のバージョンに対するサービスパックの更新もサポートされます。


表 2–1 サポートされるオペレーティングシステム

オペレーティングシステム 

最小メモリー 

推奨メモリー 

最小ディスク容量 

推奨ディスク容量 

JVM 

Sun Solaris 9、10 (SPARC) 

Solaris 9、10 (x86) 

512M バイト 

512M バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 

64 ビット版 Sun Solaris 10 (SPARC、x86) 

512M バイト 

512M バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 

Red Hat Enterprise Linux 3.0 Update 1、4.0、5.x  

512M バイト 

1G バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 

64 ビット版 Red Hat Enterprise Linux 5.x 

512M バイト  

1G バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 

SUSE Linux Enterprise Server 10 (SP1、SP2 もサポートされます) 

512M バイト 

1G バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 

64 ビット版 SUSE Linux Enterprise Server 10 (SP1 もサポートされます) 

512M バイト 

1G バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 

64 ビット版 SuSE Linux Enterprise Server 11 

512Mバイト 

1G バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 

Ubuntu Linux 8.04 (Hardy Release) 

開発者プラットフォームとしてのみサポートされます。 

512M バイト 

1G バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 

AIX 5.2、5.3、6.1 

512M バイト 

1G バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 

Windows 2000 SP4 以降 

Advanced Server SP4 以降 

Windows Server 2003、2008 

Windows XP Pro SP3 

Windows Vista 

Windows 2008 

1G バイト 

2G バイト 

500M バイトの空き領域 

1G バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 

Windows 7 

開発者プラットフォームとしてのみサポートされます。 

1G バイト 

2G バイト 

500M バイトの空き領域 

1G バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 

Macintosh OS 10.4、10.5 (Intel、Power) 

開発者プラットフォームとしてのみサポートされます。 

512M バイト 

512M バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

Java SE 5 

OpenSolaris 

評価サポートのみ 

512M バイト 

512M バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

Java SE 5 

Java SE 6 


注 –

Microsoft Windows プラットフォームで Enterprise Server を実行している場合は、FAT や FAT32 ではなく NTFS ファイルシステムを使用する必要があります。


UNIXTM では、オペレーティングシステムのバージョンを uname コマンドで確認できます。ディスク容量は df コマンドで確認できます。


注 –

Mac OS は本稼働環境への配備ではサポートされませんが、開発の目的ではサポートされます。Macintosh オペレーティングシステムのダウンロード情報は、GlassFish ダウンロードページか、Mac が一覧に示されている SDK ページから入手できます。たとえば、Java EE 5 SDK Update 5 のダウンロードページ https://cds.sun.com/is-bin/INTERSHOP.enfinity/WFS/CDS-CDS_Developer-Site/en_US/-/USD/ViewProductDetail-Start?ProductRef=java_ee_sdk-5_05-nojdk-oth-JPR@CDS-CDS_Developer で入手できます。


システムの仮想化のサポート

システムの仮想化は、複数のオペレーティングシステム (OS) インスタンスを共用ハードウェア上で個別に実行できるようにするテクノロジです。機能的にいうと、仮想化された環境でホストされる OS に配備されたソフトウェアは、通常はベースとなるプラットフォームが仮想化されていることを認識しません。Sun では、精選されたシステムの仮想化と OS の組み合わせについて、その Sun Java System 製品のテストを行なっています。これは、Sun Java System 製品が、適切な規模と構成の仮想化環境でも、仮想化されていないシステム上の場合と同様に機能することを効果的に確認するためのテストです。

重要パッチ情報

Solaris のパッチ要件

Solaris 10 (x86 または SPARC) を使用する場合には、「Sun 推奨パッチクラスタ」をインストールすることをお勧めします。このパッチクラスタは、SunSolve Web サイトの「推奨 & セキュリティーパッチ」で入手できます。

JDK バージョン

Enterprise Server で必要な、動作が保証されている JDK の最小バージョンは、1.5.0_14 です。

Procedureサポートされている Java SE バージョンへ切り換える

次の手順で asenv file を編集して、サポートされている Java SE バージョンに切り替えることができます。

  1. システムに新しい Java SE バージョンをインストールします (インストールしていない場合)。

    Java SE SDK は http://java.sun.com/javase からダウンロードできます。

  2. Enterprise Server を停止します。

    • コマンド行から、次のように入力します。

      install_dir/bin/asadmin stop-domain

    • 管理コンソールで次のようにします。

      1. 「アプリケーションサーバー」ノードをクリックします。

      2. 「インスタンスの停止」をクリックします。

  3. install_dir/config/asenv.conf ファイル (Windows では asenv.bat) を編集して、新しい Java ホームディレクトリをポイントするように AS_JAVA の値を変更します。

  4. as-install/samples/common.properties ファイルを編集して、com.sun.aas.javaRoot... で始まる行を、新しい Java ホームディレクトリを参照するように変更します。

  5. Application Server を再起動します。

    • コマンド行から、次のように入力します。

      as-install/bin/asadmin start-domain

    • 管理コンソールで次のようにします。

      1. 「アプリケーションサーバー」ノードをクリックします。

      2. 「インスタンスを起動」をクリックします。

Apache Ant のバージョン

Ubuntu Linux を除くすべてのオペレーティングシステムでは、Apache Ant の Version 「1.6.5」 が Enterprise Server に含まれています。Ubuntu Linux では、Apache Ant の Version 「1.7.0」 が Enterprise Server に含まれており、このバージョンが使用されます。

JDBC ドライバとデータベース

表 2–2 に、Java EE の互換性要件を満たすデータベースとドライバを示します。サポートされるすべての Sun GlassFish Enterprise Server の構成では、バンドル版 Java DB データベースとドライバなどの、この表に基づくデータベースとドライバの組み合わせを少なくとも 1 つ含める必要があります。さらに、Enterprise Server は、対応する JDBC ドライバを使用してほかのどの DBMS に対する JDBC 接続もサポートするように設計されています。

表 2–2 Java EE 互換の JDBC ドライバ

JDBC ドライバベンダー 

JDBC ドライバのタイプ 

サポートされるデータベースサーバー 

Derby Network Client 

Type 4 

Derby 10.2 

DataDirect 3.6.x、3.7.x

(または、Sun JDBC ドライバ) 


注 –

Sun JDBC ドライバは、Enterprise プロファイルに対応するインストールバンドルのみで提供されます。


Type 4 

Oracle 10g 

Oracle 9i 

Sybase ASE 12.5、15 

MS SQL 2000、2005 

DB2 9.1 

DB2 8.1、8.2 

MySQL Connector/J Driver 3.1 

Type 4 

MySQL 5.0 

Oracle 10g、11g  

Type 4 

Oracle 10g、Oracle 11g 

-RAC 

PostGres 

Type 4 

8.1、8.2 .x

通常、Enterprise Server v2.1.1 は、Java EE 仕様に適合するすべての JDBC ドライバをサポートします。

バンドル版 Java DB データベースの使用

この節では、Enterprise Server v2.1.1 にバンドルされた Java DB データベース実装の使用方法について説明します。Java DB は Apache Derby データベースに基づいています。

Java DB データベースの起動と停止

Sun GlassFish Enterprise Server には、Java DB ネットワークサーバーの起動と停止を行うために、次の asadmin コマンドが導入されています。

Java DB ユーティリティースクリプト

Enterprise Server 2..1.1 に付属の Java DB の設定には、Java DB の使用に役立つスクリプトが含まれます。 as-install/javadb/bin ディレクトリには、次の使用可能なスクリプトがあります。

ProcedureJava DB ユーティリティースクリプトを実行するために環境を設定するには

  1. JAVA_HOME 環境変数が JDK のインストールディレクトリを指定していることを確認します。

  2. as-install/javadb ディレクトリをポイントするように DERBY_HOME 環境変数を設定します。

参照

これらのユーティリティーの詳細については、次の Derby ドキュメントを参照してください。

Message Queue のバージョン

ファイルベースのインストールでは、Message Queue 4.4 が Enterprise Server と一緒にパッケージされています。

Enterprise Server の一部として提供される埋め込みの Sun GlassFish Message Queue コードは、一般的に同等のバージョンの Message Queue ブローカに対してのみ、テストおよび認証されています。つまり、提供される埋め込みの Message Queue コードを使用して、別のバージョンの Message Queue コードを実行しているリモート (Enterprise Server で管理されていない) Message Queue ブローカに接続することは、サポートされません。

負荷分散プラグイン向けの Web サーバー

この節では、Sun GlassFish Enterprise Server 負荷分散プラグイン向けにサポートされている Web サーバーを示します。

表 2–3 サポートされている Web サーバー

Web サーバー 

バージョン 

オペレーティングシステム [32 ビットのプラットフォームのみがサポートされます。]

Sun Java System Web Server (32 ビット) 

6.1、7.0 

Solaris SPARC 9、10  

Solaris x86 9、10

Red Hat Enterprise Linux 3、4、5 

Apache Web Server (32 ビット) 

2.0.x、2.2.x 

Solaris SPARC 9、10 

Solaris x86 10

Red Hat Enterprise Linux 3、4、5 

Microsoft IIS (32 ビット) 

5.0 以降、6 

Windows Server 2003 

ブラウザ

ここでは、Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 でサポートされているブラウザを示します。

表 2–4 サポートされている Web ブラウザ

ブラウザ 

バージョン 

Mozilla 

1.7.12 

Internet Explorer 

6.0 Service Pack 2、7.0 

Firefox 

2.x、3.x 

Safari 

3.x、4.x 

Netscape 

8.0.4、8.1、9.0、9.0.x

HADB の要件とサポートされているプラットフォーム

「ハードウェアとソフトウェアの要件」に示されている要件に加えて、システムが、下に示されている HADB を実行するための要件を満たしていることを確認してください。


注 –

HADB は Enterprise Server v2.1.1 エンタープライズプロファイルにのみバンドルされています。また、システムの Java コンポーネントは、JDK 5 および JDK 6 でビルドおよびテストされていることに注意してください。


サポートされるプラットフォーム

HADB サーバーホストの要件


注 –

HADB データとログファイルを格納するデバイスで書き込みキャッシュが無効になっていることを確認してください。一部の Solaris プラットフォーム (たとえば、Solaris x86) では、デフォルトで書き込みキャッシュが有効になります。


HADB 管理ホストの要件

HADB クライアントホストの要件

Enterprise Server のアップグレード

以前のバージョンの Enterprise Server から現在のバージョンへのアップグレードに関する詳細な手順については、『Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 Upgrade Guide』を参照してください。

その他の要件

Sun GlassFish Enterprise Server ソフトウェアをインストールする前に、次の追加の要件が満たされるようにしてください。

Java EE 5 プラットフォームの API

Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 は、Java EE 5 プラットフォームをサポートしています。Java EE 5 プラットフォームで使用できる拡張 API を、次の表に示します。

表 2–5 Java EE 5 プラットフォームの主要な API の変更点

API 

JSR 

Java EE 5

Java Platform, Enterprise Edition 5

JSR 244

Web サービステクノロジ

エンタープライズ Web サービスの実装 

JSR 109

Java API for XML-Based Web Services (JAX-WS) 2.0

JSR 224

Java API for XML-Based RPC (JAX-RPC) 1.1

JSR 101

Java Architecture for XML Binding (JAXB) 2.0

JSR 222

SOAP with Attachments API for Java (SAAJ)

JSR 67

Streaming API for XML

JSR 173

Java プラットフォーム用 Web サービスメタデータ 

JSR 181

コンポーネントモデルテクノロジ

Enterprise JavaBeans 3.0

JSR 220

J2EE Connector Architecture 1.5

JSR 112

Java Servlet 2.5

JSR 154

JavaServer Faces 1.2

JSR 252

JavaServer Pages 2.1

JSR 245

JavaServer Pages Standard Tag Library 1.2

JSR 52

管理テクノロジ

J2EE Management

JSR 77

J2EE Application Deployment

JSR 88

Java Authorization Contract for Containers

JSR 115

その他の Java EE テクノロジ

Common Annotations for the Java Platform 

JSR 250

Java Transaction API (JTA)

JSR 907

JavaBeans Activation Framework (JAF) 1.1

JSR 925

JavaMail

JSR 919

Java Message Service API

JSR 914

Java Persistence API

JSR 220

Java EE 5 SDK

Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 は、Java EE 5 SDK の一部として使用できます。

Java EE 5 SDK には、次の 2 つのバージョンがあります。

また、これらの SDK の配布を JDK とともにダウンロードすることもできます。詳細は、ダウンロードページの http://java.sun.com/javaee/downloads/index.jsp を参照してください。

サポートされている別の Java バージョンへの切り換え

Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 では、基盤となる JVM として Java SE 5.0 以上が必要です。Java を別のバージョンに切り替える場合は、次の一般的な手順に従います。(Windows および Unix)


注 –

新しい Java VM でドメインを作成したあとに以前の Java バージョンにダウングレードすることは推奨されていません。JVM をダウングレードする必要がある場合は、ドメインごとにそうすることをおすすめします。次の手順はその方法を説明したものです。


Procedureサポートされている別の Java バージョンへ切り換えるには

  1. 必要に応じて、希望する Java SDK (JRE ではない) をダウンロードしてシステムにインストールします。

    Java SDK は、http://java.sun.com/j2se でダウンロードできます。

  2. JDK を変更するドメインを開始します。


    as-install/bin/asadmin start-domain domain-name
    
  3. 管理コンソールにログインして、ドメインの JVM 属性を変更します。

    特に、ドメインの「JVM 設定」ページの JAVA_HOME 変数を変更することが必要です。

    または、asadmin コマンドを使用することもできます。


    as-install/bin/asadmin set "server.java-config.java-home=Path-To-Java-Home"

既知の Java ES 5 互換性の問題

Enterprise Server v2.1.1 と Java ES 5 (JES5) の間には、既知の互換性の問題が 2 つあります。

  1. Enterprise Server v2.1.1 で提供される JSF 1.2 のバージョンのため、JES5 Service Registry は Enterprise Server v2.1.1 と互換性がありません。Enterprise Server を 2.1.1 にアップグレードする前に、Service Registry を JES5u1 にアップグレードする必要があります。この制限は Service Registry のドキュメントにも記載されています。

  2. Enterprise Server v 2.1.1 で提供される JSF 1.2 のバージョンのため、JES5 Portal Server は Enterprise Server v2.1.1 と互換性がありません。v2.1.1 にアップグレードする前に、Portal Server を JES5u1 にアップグレードする必要があります。

    Enterprise Server 8.2 上で Portal Server を実行する Java ES 5 設定環境で、Enterprise Server 8.2 を v2.1.1 にアップグレードすると、Portal Server が使用できなくなります。Enterprise Server v2.1.1 は JSF 1.2 を使用しますが、Release 5 Portal Server の JSF-Portlet ブリッジは JSF 1.2 をサポートしません。Solaris/Linux では、Portal Server を Java ES 5 Update 1 にアップグレードする必要があります。Windows で Release 5 Portal Server をそのまま使用する場合は、Enterprise Server を v2.1.1 にアップグレードしないでください。Portal Server は、Windows 上の Java ES 5 Update 1 ではサポートされません。

Web Stack のサポート

Enterprise Server では、Sun GlassFish Web Stack を使用できます。Web Stack は、Apache HTTP Server、PHP、Ruby などのコンポーネントを、あらかじめ統合およびバンドルしたものです。Sun GlassFish Web Stack の詳細は、http://www.sun.com/software/webstack/index.xml を参照してください。

Enterprise Server では、フロントエンドに Sun Java System Web Server、Apache Web Server、および Microsoft IIS を配置したロードバランサプラグインを使用することで、負荷分散のサポートも提供します。Enterprise Server に対するフロントエンドの方法には、mod_jk コネクタによる Apache httpd の使用もあります。

ProcedureApache httpd および mod_jk を使用した Enterprise Server に対するフロントエンド

  1. Enterprise Server クラスタを作成します。

  2. JVM オプションを次のように定義します。

    • asadmin create-jvm-options --target cluster_name "-DjvmRoute=\${AJP_INSTANCE_NAME

    • asadmin create-jvm-options --target cluster_name "-Dcom.sun.enterprise.web.connector.enableJK=\${AJP_PORT}

  3. クラスタの各インスタンスについて、JVM オプションの AJP_PORT および AJP_INSTANCE_NAME を次のコマンドで設定します。

    asadmin create-system-properties --target instance_name AJP_INSTANCE_NAME=instance_name

    asadmin create-system-properties --target instance_name AJP_PORT=port-number

  4. クラスタを再起動します。

  5. Apache httpd をインストールします。

    Apache httpd は、http://httpd.apache.org/download.cgi から入手できます。

  6. mod_jk をインストールします。

    mod_jk コネクタは、http://www.apache.org/dist/tomcat/tomcat-connectors/jk/binaries/ から入手できます。

  7. mof_jk.so ファイルに次の行を追加します。


    LoadModule jk_module path_to_mod_jk.so
    JkWorkersFile /etc/apache2/worker.properties
    # Where to put jk logs
    JkLogFile /var/log/httpd/mod_jk.log
    # Set the jk log level [debug/error/info]
    JkLogLevel debug
    # Select the log format
    JkLogStampFormat "[%a %b %d %H:%M:%S %Y] "
    # JkRequestLogFormat set the request format
    JkRequestLogFormat "%w %V %T"
    # Send all jsp requests to GlassFish
    JkMount /*.jsp loadbalancer.
  8. 新しい /etc/apache2/worker.properties ファイルを作成し、次の行を追加します。


    # Define 1 real worker using ajp13
    worker.list=loadbalancer
    # Set properties for instance1
    worker.instance1.type=ajp13
    worker.instance1.host=localhost
    worker.instance1.port=9090
    worker.instance1.lbfactor=50
    worker.instance1.cachesize=10
    worker.instance1.cache_timeout=600
    worker.instance1.socket_keepalive=1
    worker.instance1.socket_timeout=300
    # Set properties for instance2
    worker.instance2.type=ajp13
    worker.instance2.host=localhost
    worker.instance2.port=9091
    worker.instance2.lbfactor=50
    worker.instance2.cachesize=10
    worker.instance2.cache_timeout=600
    worker.instance2.socket_keepalive=1
    worker.instance2.socket_timeout=300
    # Set properties for instance3
    worker.instance3.type=ajp13
    worker.instance3.host=localhost
    worker.instance3.port=9092
    worker.instance3.lbfactor=50
    worker.instance3.cachesize=10
    worker.instance3.cache_timeout=600
    worker.instance3.socket_keepalive=1
    worker.instance3.socket_timeout=300
    
    worker.loadbalancer.type=lb
    worker.loadbalancer.balance_workers=instance1,instance2,instance3
  9. tomcat-ajp.jar ファイルを、Apache 5.5.x のインストールから Enterprise Server の lib ディレクトリにコピーします。

  10. commons-logging.jar (version 1.1.1) および commons-modeler.jar (version 2.0.1) ファイルを、Jakarta Commons Web サイトの http://commons.apache.org からコピーします。

  11. クラスタを再起動し、httpd を起動します。

一部のオペレーティングシステムのみでサポートされる機能

Enterprise Server には、一部のオペレーティングシステムでしかサポートされていない機能があります。それらの機能の詳細を以下に示します。

AIX オペレーティングシステムではサポートされない機能

AIX オペレーティングシステムを使用している場合、次の制限が適用されます。

Linux オペレーティングシステムではサポートされない機能

Linux オペレーティングシステムを使用している場合、次の制限が適用されます。

Ubuntu オペレーティングシステムではサポートされない機能

Ubuntu Linux オペレーティングシステムを使用している場合、次の制限が適用されます。

Sun GlassFish Enterprise Manager

Sun GlassFish Enterprise Manager は、Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 の配備に対して、向上した管理とパフォーマンスの視覚化を提供します。また、IT 管理者は配備、最適化、およびトラブルシューティングにかかる時間を短縮し、潜在的な問題が発生する前にそれを処理することができます。詳細は、http://www.sun.com/software/products/appsrvr/ent_manager.jspを参照してください。

Update Center の使用法

Update Center により、Enterprise Server の更新が自動化され、追加コンポーネントが簡単に利用できるようになりました。

Update Center を有効にすると、自動でソフトウェアの更新を実行します。この自動更新プロセス中に、Update Center は次のデータを収集して Sun Microsystems または購入先に転送します。

個人情報は追跡しません。どの個人情報もほかのデータと関連付けられておらず、レポート用に使用されません。

ProcedureUpdate Center を使用するには

自動アップデートへの同意を明示するため、Update Center はデフォルトでは無効になっています。Update Center を有効にして、定期チェックと自動アップデートを実行するには、次の手順に従います。

  1. Update Center を開始します。

    • UNIX の場合: <installdir>/updatecenter/bin/updatetool

    • Windows の場合: <installdir>\updatecenter\bin\updatetool.bat

  2. 「Preferences」タブをクリックします。

  3. 「Update Scheduling」ウィンドウで、「Check for Updates」ドロップダウンボックスの値を「Never (Manual)」から希望する値に変更します。一例として、毎日や毎週などを指定できます。

  4. アップデートを希望する曜日と時刻を指定します。

  5. 変更を保存するには、「Save」ボタンを選択します。

    これで、Update Center は指定したスケジュールに従って、Enterprise Server コンポーネントのアップデートを自動的に確認します。アップデートが利用可能である場合には、Update Center が起動して更新可能なコンポーネントを通知します。

Ubuntu オペレーティングシステムでの Enterprise Server のアップグレード

Ubuntu Linux オペレーティングシステムでは、GlassFish v2 をインストールしても既存の GlassFish v1 のインストールは上書きされません。/usr/bin 内の asadmin スクリプトは GlassFish v2 を管理します。GlassFish v1 を管理するには、/usr/share/sunappserver/bin 内のローカルの asadmin ユーティリティーを使用します。v1 ドメインを v2 にアップグレードするには、/usr/share/glassfishv2/bin にある asupgrade ツールを使用します。

グローバルの asadmin スクリプトを使用して v1 ドメインを開始すると、アップグレードツールが自動的に起動します。ただし、これによってエラーが発生します。エラーの原因は、サーバーのドメインの場所に関して、(Ubuntu 以外の) ほかのプラットフォームでのデフォルトの場所が使用されるというバグです。このエラーを回避するには、代わりに asupgrade ツールを使用します。

マルチレベルの関係プリフェッチの有効化

マルチレベルの関係プリフェッチが CMP 2.1 エンティティー Bean でサポートされています。

マルチレベルの関係プリフェッチを有効にするには、次のプロパティーを設定します。


-Dcom.sun.jdo.spi.persistence.support.sqlstore.MULTILEVEL_PREFETCH=true

関係プリフェッチの詳細は、『Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 Developer’s Guide』「Relationship Prefetching」を参照してください。

WSIT 統合の詳細について

WSIT ステータスの詳細は、WSIT Status Notes ページを参照してください。Enterprise Server での WSIT の使用について、『The WSIT Tutorial 』も参照してください。