リファレンス・ガイド

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Oracle SALTデプロイメント・ファイルのリファレンス

次の項では、SALTデプロイメント・ファイルのリファレンス情報について説明します。

 


概要

Oracle SALTデプロイメント・ファイル(SALTDEPLOY)は、XMLベースのファイルであり、Oracle SALT GWWSサーバー・デプロイメント情報をTuxedoマシンごとに定義するために使用されます。 SALTDEPLOYは、以下の処理を行います。

SALTDEPLOYには、グローバル・リソース(たとえば、証明書およびプラグイン・ロード・ライブラリなど)を設定するシステム・セクションがあります。

 


Oracle SALT SALTDEPLOYの書式

図B-1では、Oracle SALT SALTDEPLOY書式のグラフィカルな表現を示します。

図B-1 SALTデプロイメント・ファイルの書式

SALTデプロイメント・ファイルの書式

 


XMLスキーマ

XMLスキーマはOracle SALTデプロイメント・ファイルに関連付けられています。 Oracle SALTデプロイメント・ファイルの書式を定義するXMLスキーマ・ファイルは、$TUXDIR/udataobj/salt/saltdep.xsdディレクトリにあります。

 


Oracle SALT SALTDEPLOYのサンプル

リスト B-1に、SALTデプロイメント・ファイルの例を示します。

リスト B-1 SALTデプロイメント・ファイルのサンプル
<Deployment xmlns="http://www.bea.com/Tuxedo/SALTDEPLOY/2007">
  <WSDF>
    <Import location="/home/myapp/bankapp.wsdf" />
    <Import location="/home/myapp/amazon.wsdf" />
  </WSDF>
  <WSGateway>
    <GWInstance id="GW1">
      <Inbound>
        <Binding ref="bankapp:bankapp_binding">
          <Endpoint use="http1"/>
          <Endpoint use="https1" />
        </Binding>
      </Inbound>
      <Outbound>
        <Binding ref="amazon:default_binding"/>
      </Outbound>
      <Properties>
        <Property
         name="socksAddrList"
         value="proxy.server.com,10.123.10.10:1080"/>
      </Properties>
    </GWInstance>
  </WSGateway>
  <System>
    <Certificate>
      <PrivateKey>/home/user/cert.pem</PrivateKey>
    </Certificate>
    <Plugin>
      <Interface library="/home/user/mydatahandler.so" />
    </Plugin>
  </System>
</Deployment>

 


Oracle SALT SALTDEPLOY要素の説明

次のセクションに、SALTDEPLOYF書式要素およびこれらの属性を一覧表示し説明します。

<Deployment>

SALTDEPLOYファイルのルート要素です。

この要素に対する属性はありません。

<Deployment>要素内で次の3つのセクションを定義する必要があります。

SALTDEPLOYファイルには<Deployment>要素を1つのみ定義できます。

<WSDF>

すべてのインポートしたWSDFファイルをカプセル化する先頭の要素です。

この要素に対する属性はありません。

<Import>

SALTDEPLOYファイルにインポートするWSDFを指定します。 複数のWSDFを同時にインポートできます。 各WSDFファイルは一回だけインポートできます。 同じWSDF名のある複数のWSDFは同じSALTDEPLOYファイルにインポートできません。

表B-1 <Import>属性
属性
説明
必須
location
WSDFのローカルのファイル・パスを指定します。
はい

<WSGateway>

すべてのGWWSインスタンス定義をカプセル化する先頭の要素です。

この要素に対する属性はありません。

<GWInstance>

単一のGWWSインスタンスを指定します。

表B-2 <GWInstance>属性
属性
説明
必須
id
GWWS識別子を指定します。 この属性の値としては、最大で12文字列を入力できます(NULLで終わる文字列を除く)。 識別子の値は、SALTDEPLOYファイル内でユニークである必要があります。
はい

<Inbound>

GWWSサーバーに対する着信WSBindingオブジェクトを指定します。<Binding>サブ要素を使用して各着信WSBindingオブジェクトを指定します。

この要素に対する属性はありません。

<Outbound>

GWWSサーバーに対する発信WSBindingオブジェクトを指定します。<Binding>サブ要素を使用して各発信WSBindingオブジェクトを指定します。

この要素に対する属性はありません。

<Binding>

親要素に応じて、着信バインディングまたは発信バインディングとして具体的なWSBindingオブジェクトを指定します。

表B-3 <Binding>属性
属性
説明
必須
ref
以下の修飾名の形式を使用して具体的なWSBindingオブジェクトを指定します。
「<WSDF_name>:<WSBinding_id>」
はい

注: GWWSサーバーごとに参照できる最大のWSBindingオブジェクトを以下に示します。

TCP/IPアドレスの場合、表B-4に示すように、次のいずれかの形式が使用されます。

表B-4 IPv4およびIPv6のアドレス形式
IPv4
IPv6
//IP:port
//[IPv6 address]:port
//hostname:port_number
//hostname:port_number
//#.#.#.#:port_number
Hex format is not supported

詳細は、Tuxedo 10g R3リファレンス・ガイドのセクション5 - 「ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス」にあるTUXENV(5)環境変数リスト内のTMUSEIPV6を参照してください。

<Endpoint>

単一のWSBindingオブジェクトのエンドポイント・リファレンスを指定します。

参照したエンドポイントを着信エンドポイントとして指定すると、GWWSサーバーは対応するHTTPまたはHTTPSリスニング・エンドポイントを作成します。1つの着信WSBindingオブジェクトに対して少なくとも1つの着信エンドポイントを指定する必要があります。

参照したエンドポイントを発信エンドポイントとして指定すると、GWWSサーバーは発信WSBindingオブジェクトのSOAPリクエストごとにHTTPまたはHTTPSの接続を作成します。

発信WSBindingオブジェクトに対して発信エンドポイントを指定しない場合、最初の10エンドポイント(最大)が自動的に選択されます。

参照したエンドポイントはWSDFであらかじめ定義されている必要があります。

表B-5 <Endpoint>属性
属性
説明
必須
use
参照したエンドポイントIDは、WSDFで定義されます。
はい

注: GWWSサーバーごとに作成できる最大のエンドポイントを以下に示します。

<WSAddressing>

発信WSBindingオブジェクトに対してWS-Addressingを有効にするかどうかを指定します。

この要素が存在する場合、デフォルトでは、すべてのSOAPメッセージがWS-Addressingメッセージ・ヘッダーに送信されます。この要素が存在する場合、リスニング・エンドポイント・アドレスに対して<Endpoint>サブ要素を指定する必要があります。

この要素に対する属性はありません。

<Endpoint>

参照した発信WSBindingオブジェクトに対するWS-Addressingリスニング・エンドポイントのアドレスを指定します。

表B-6 <Endpoint>属性
属性
説明
必須
address
WS-Addressingリスニング・エンドポイントのアドレスを指定します。
アドレス値は次の形式である必要があります。
"http(s)://<host>:<port>/<context_path>"
GWWSサーバーは、リスニング・エンドポイントを作成し、WS-Addressing SOAPレスポンス・メッセージを受信します。
はい

<TLogDevice>

属性"location"は、トランザクション・ファイルの場所を示します。WS-TXトランザクション・サポートを必要とする場合は、これが必要です。

<TLogName>

属性"id"は、トランザクション・ファイル内のトランザクション・ログの名前を示します。WS-TXトランザクション・サポートを必要とする場合は、これが必要です。

<WSATEndpoint>

属性"address"は、WS-ATプロトコル・エンドポイントを示します。

<MaxTran>

属性"value"は、同時に実行できるWS-TXトランザクションの最大数を示します。これは、Oracle Tuxedo MAXGTTによってバインドされます。

<Properties>

<Property>サブ要素を使用してすべてのGWWSサーバーのプロパティ設定をカプセル化する先頭の要素です。

表B-7 <Properties>属性
属性
説明
必須
socksAddrList
必要に応じて、エンドポイントをGWInstanceでグループ化して、プロキシ使用のエンドポイントとプロキシ不使用のエンドポイント間を区切ることができます。
: プロキシ・サーバーのURLのリストが含まれる文字列タイプ。
例: proxy.server1.com,10.123.1.1:1080
はい

<Property>

1つのGWWSプロパティを指定します。

表B-8 <Property>属性
属性
説明
必須
name
プロパティ名を指定します。表B-9では、すべてのGWWSサーバーのプロパティを示します。
はい
value
プロパティの値を指定します。
はい

表B-9 GWWS <Property>リスト
プロパティ
説明
max_content_length
HTTPリクエストのコンテンツ長がプロパティ設定より長い場合にGWWSサーバーでリクエストの受け付けを拒否できます。指定しない場合、GWWSサーバーでコンテンツ長はチェックされません。値は以下3つの形式のいずれかに基づく文字列で指定します。
  1. 整数はバイトで表します。 サフィックスなしの数値の場合、単位としてバイトを使用します。
  2. 浮動小数点数はキロバイトで表します。 サフィックスとして必ず「K」を付けます。 たとえば、10.4K40Kなど。
  3. 浮動小数点数はメガバイトで表します。 サフィックスとして必ず「M」を付けます。 たとえば、100M20.6Mなど。
指定値は、[1バイト、1Gバイト]の範囲にあるバイト・サイズ値に相当する必要があります。
thread_pool_size
GWWSサーバーに対する最大のスレッド・プール・サイズを指定します。

注: この値にはGWWSサーバーで発生できる最大のスレッドを指定します。 GWWSサーバーの実行中、実際に発生するスレッドは指定した値より小さい場合があります。

有効な値は[1、1024]の範囲にあります。
デフォルト値は16です。
timeout
ネットワークのタイムアウト値を秒の単位で指定します。
有効な値は[1、65535]の範囲にあります。
デフォルト値は300です。
max_backlog
バックログ・リスニング・ソケットの値を指定します。このプロパティは、オペレーティング・システムによる保留中の接続を保持するキューの最大長を制御するために使用します。

注: 通常に、この値をチューニングする必要はありません。

有効な値は[1 - 255]の範囲にあります。
デフォルト値は16です。
enableMultiEncoding
GWWSサーバーの複数のエンコーディング・メッセージ・サポートをオン/オフに切り替えます。 複数のエンコーディング・サポートのプロパティをオフにすると、GWWSサーバーはUTF-8 HTTP / SOAPメッセージのみを受け入れます。
有効な値は、「true」または「false」です。
デフォルト値はfalseです。
enableSOAPValidation
着信SOAPリクエスト・メッセージの対応するTuxedo入力バッファがカスタマイズしたXMLスキーマに関連付けられている場合、XMLスキーマ検証をオン/オフに切り替えます。
有効な値は、「true」または「false」です。
デフォルト値はfalseです。

<System>

証明書情報およびプラグイン・インタフェースなどグローバルな設定を指定します。

<Certificate>

<PrivateKey><VerifyClient><TrustedCert>および<CertPath>サブ要素を使用して、グローバルな証明書情報を指定します。

この要素に対する属性はありません。

<PrivateKey>

PEM形式の秘密鍵ファイルを指定します。キー・ファイルのパスは、この要素に対するテキスト値として指定します。サーバー証明書もこの秘密鍵ファイル内に格納されます。この属性の値としては、最大で256文字列を入力できます(NULLで終わる文字列を除く)。

<Certificate>親要素を構成する場合、この要素は必須です。

<VerifyClient>

Webサービスのクライアントから証明書を送信する際にHTTP over SSL接続の使用を必須とするかどうかを指定します。 要素の有効な値は「true」または「false」です。

この要素は省略可能です。 指定しない場合、デフォルト値として「false」が使用されます。

<TrustedCert>

信頼されたPEM形式の証明書ファイルのファイル名を指定します。 この属性の値としては、最大で256文字列を入力できます(NULLで終わる文字列を除く)。

この要素は省略可能です。

<CertPath>

信頼された証明書が格納されているローカル・ディレクトリを指定します。 この属性の値としては、最大で256文字列を入力できます(NULLで終わる文字列を除く)。

この要素は省略可能です。

注: If <VerifyClient>「true」に設定されている場合、またはWS-AddressingをSSLで使用する場合には、この要素で設定したディレクトリに信頼された証明書を格納する必要があります。

<Plugin>

グローバル・プラグイン・ロード・ライブラリの情報を指定します。<Interface>サブ要素ごとに、ロードする1つのプラグイン・ライブラリを指定します。

この要素に対する属性はありません。

<Interface>

ライブラリ内のすべてのプラグイン・インタフェースに対して特定のプラグイン・インタフェースまたはプラグイン・ライブラリを指定します。

表B-10 <Interface>属性
属性
説明
必須
library
必須。 ローカル共有ライブラリ・ファイルのパスを指定します。 この属性の値としては、最大で256文字列を入力できます(NULLで終わる文字列を除く)。
はい
params
省略可能。 起動時にGWWSサーバーにより初期化された場合、ライブラリに渡された特定の文字列値を指定します。 この属性の値としては、最大で256文字列を入力できます(NULLで終わる文字列を除く)。
いいえ

注: SALTプラグイン・インタフェースを開発する方法の詳細は、『プログラミング・ガイド』「Oracle SALTプラグインの使用」を参照してください。

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