ここでは、Oracle VMの新機能および拡張機能について説明します。この情報は、以前のリリースのOracle VMを使用していたユーザーに役立ちます。
Oracle VMリリース3.0の新機能および拡張機能は次のとおりです。
パフォーマンス、スケーラビリティおよびセキュリティ
Xen 4.0ハイパーバイザの更新: より効率的な電力管理機能が提供され、ハードウェア・サポートの範囲が広がり、ハードウェア仮想化ゲストと準仮想化ゲストの両方のパフォーマンス、スケーラビリティおよびセキュリティが向上しています。
新規ドライバによるDom0 Linuxカーネルの更新: 最新のUnbreakable Enterprise Kernelにより、パフォーマンスが向上するようにハードウェア・サポートが強化されています。
スケーラビリティの向上: Oracle VM Serverで最大160のCPUと2TBのメモリーのサポートが可能。
OCFS2 1.8クラスタ・ファイル・システムの更新: OCFS2 1.8でのインスタント・クローンのサポートによって、仮想マシンのプロビジョニングおよびクローニングが大幅に高速に行われるようになります。
OVFのサポート: Oracle VM Managerを使用して、Oracleで作成される幅広いOpen Virtualization Format(OVF)ベースのソフトウェア・アセンブリをインポートし、アプリケーションのデプロイを迅速に行うことができるようになりました。アセンブリの使用方法については、第8.5.4項「アセンブリ」を参照してください。
ネットワークと記憶域の構成および管理
ネットワークの構成および管理: Oracle VM Serverのすべての論理ネットワーク構成および管理(NICポートのボンディングやVLAN Networksの構成など)は、Oracle VM Managerを使用して行われるようになりました。Oracle VM Managerでのネットワーク管理の詳細は、第6章「ネットワークの管理」を参照してください。
記憶域の構成および管理: Oracle VM Storage Connectフレームワークを使用すると、Oracle VM Managerで既存のストレージ・システムのリソースや機能に直接アクセスできるため、ネイティブ・ストレージ・サービス(SANやNFSの記憶域の作成、削除、拡張など)がサポートされます。これによって、Oracle VM Managerでは、Oracle VM Managerで使用可能な記憶域を自動的に検出したり、新しい記憶域リポジトリを作成したり、RAW記憶域を仮想マシンに直接マップできるようになります。記憶域の管理の詳細は、第5章「記憶域の管理」を参照してください。
ユーザビリティの改善
ユーザー・インタフェース: 最新のOracle ADFに基づいて、Oracle VM Managerには、物理環境および仮想環境のリアルタイムな状態を表示するための、完全にインタラクティブなツリー・ビューおよび自動リフレッシュが追加されています。新しいユーザー・インタフェースの使用については、第3章「Oracle VM Managerの使用方法」を参照してください。
仮想マシン: インストールを簡略化するために起動順序を指定します(ディスクやCD-ROMなど)。RAW記憶域または仮想ディスク(vdisks)を直接アタッチします。仮想マシンの詳細は、第8章「仮想マシンの管理」を参照してください。
物理ステータスおよび仮想ステータスとリソース情報
リソース情報: 物理Oracle VM Serverおよび仮想マシンごとに、CPU、メモリー、ディスクおよびネットワークについてのパフォーマンス統計が使用可能です。物理オブジェクトおよび仮想オブジェクトごとにイベント(ポートの起動/停止ステータスなど)が表示されます。IPアドレスやその他の構成情報は、直接ユーザー・インタフェースに表示されます。
注意: Oracle VM Managerのユーザー・インタフェースですべてのメトリックが公開されるわけではありません。 |
ポリシーベースのリソース管理
容量管理のための分散リソース・スケジューリング(DRS): DRSでは、サーバー・プールをリバランスして、実行中の仮想マシンに一貫性のあるリソースを提供するための目標を設定し、Oracle VM Serverの使用状況をリアルタイムで監視できます。DRSでは、負荷の高いOracle VM Serverから負荷の低いOracle VM Serverに負荷を移行します。
電力消費が最小限になるようにサーバー・プールを最適化するための分散電源管理(DPM): DPMはDRSを補完して、リソース使用率が低い期間がある場合にサーバー・プールのOracle VM Serverの数を削減します。これによって、リソース使用率が増加したときに、必要に応じて自動的に容量が追加されます。
DRSおよびDPMの使用方法の詳細は、第7.5項「サーバー・プールのポリシー」を参照してください。