ヘッダーをスキップ
Oracle® Business Transaction Managementインストレーション・ガイド
12.1.0.7
E61980-01
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

1 概要

このガイドでは、Oracle Business Transaction Managementのインストール方法を説明します。このガイドでは、システムの機能およびユースケースの試行に適した汎用Business Transaction Managementシステムのインストールおよび構成に役立つ情報を提供しています。本番環境に必要なデプロイ構成およびリソースは、予測されるスループット、メッセージのサイズおよびタイプ、適用される監視ポリシーの数など、様々な要素によって異なります。Oracleコンサルタントが、お客様固有のニーズに適した構成およびリソース要件を決定するお手伝いをいたします。

この章では、製品アーキテクチャの概要、製品パッケージおよび一般的なデプロイのガイドラインについて説明します。

BTMを使用する方法のデモンストレーションを表示するには、次のURLにアクセスして「Begin Video」をクリックします。

https://apex.oracle.com/pls/apex/f?p=44785:24:539253248237801::NO:24:P24_CONTENT_ID,P24_PREV_PAGE:6366,1

1.1 アーキテクチャ

Business Transaction Managementは、次の3種類の最上位コンポーネントから構成されています。

  • セントラル・サーバー – セントラル・サーバーは、アプリケーション・サーバーにデプロイするアプリケーションEARファイルです。セントラル・サーバーは3つあります。これらのサーバーは一括でデプロイすることもできますが、パフォーマンスを考慮してそれぞれ別々のWebLogic Serverインスタンスにデプロイすることが推奨されます。モニター用のサービスまたはコンポーネントをホストしているWebLogic Serverインスタンスには、セントラル・サーバーをデプロイしないでください。セントラル・サーバーには、以下のものがあります。

    • メイン・サーバー(btmMain.ear) – スフィアを含む、すべての集中Business Transaction Managementシステム・サービスおよびユーザー・インタフェース・アプリケーションが含まれています。スフィアは、Business Transaction Management環境を管理するBusiness Transaction Managementコンポーネントです。

    • パフォーマンス・サーバー(btmPerformanceServer.ear) – サービス・レベル管理コンポーネントが含まれています。btmPerformanceServer.earは、btmMain.earおよびbtmTransactionServer.earがデプロイされていないアプリケーション・サーバーにデプロイします。

    • トランザクション・サーバー(btmTransactionServer.ear) – トランザクション管理コンポーネントが含まれています。btmTransactionServer.earは、btmMain.earおよび btmPerformanceServer.earがデプロイされていないアプリケーション・サーバーにデプロイします。

  • オブザーバ – オブザーバは、監視するビジネス・アプリケーションをホストしているアプリケーション・サーバーにインストールする一連のライブラリです。オブザーバはアプリケーション・コンポーネント間のメッセージおよび呼出しを監視します。オブザーバは様々なタイプのコンポーネントの監視が可能で、監視対象のタイプやオブザーバを実行するアプリケーション・サーバーによって分類されます。

  • モニター (btmMonitor.ear) – モニターは、アプリケーション・パフォーマンスおよび使用状況の測定結果をオブザーバから収集します。モニターは、アプリケーション・サーバーにデプロイするアプリケーションEARファイルです。大規模システムには、シングルトンまたはレプリケートのいずれかとして、複数のモニターをデプロイすることも可能です。パフォーマンスの点から、モニターはセントラル・サーバーがデプロイされているアプリケーション・サーバーにはデプロイしないでください。

Business Transaction Managementは、パフォーマンス測定結果の格納、メッセージのロギング、環境モデルおよびBusiness Transaction Managementの構成の保持のために、Oracle RDBMSにアクセスできる必要があります。

下の図には、標準的な分散アプリケーション環境と、Business Transaction Managementコンポーネントとその環境との関係が示されています。

図1-1 標準的なアプリケーション環境でのBusiness Transaction Managementコンポーネントのデプロイ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 標準的なアプリケーション環境でのBusiness Transaction Managementコンポーネントのデプロイ」の説明

Business Transaction Managementは、様々なBusiness Transaction Managementコンポーネントが複数台のマシンおよびアプリケーション・サーバーにデプロイされる分散アプリケーション環境で使用できるように設計されています。

技術的には、すべてのセントラル・サーバーを1台のアプリケーション・サーバーにインストールすることも可能ですが、本番環境ではそのようなデプロイメント・シナリオは推奨されません。1台のアプリケーション・サーバーにインストールした場合、デモや製品の使用方法の学習には役立ちますが、このシナリオはたとえば大量のビジネス・サービスやメッセージ・トラフィックには対応できない場合があります。

それぞれのセントラル・サーバーは、別々のアプリケーション・サーバーにデプロイすることが推奨されます。特に、パフォーマンスおよびトランザクションのコンポーネントは、通常大量のパフォーマンス分析計算を行います。アプリケーション・サーバー間でプロセスを分割することによって、メモリーおよびプロセッサのリソースを制御することができます。

また、モニターもセントラル・サーバーとは別のアプリケーション・サーバーにデプロイする必要があります。監視要件によっては、複数のモニターのデプロイが必要になることもあります。モニターは、シングルトンまたはロード・バランサの背後のレプリケートのいずれかとしてデプロイできます。モニターのレプリケートの詳細は、第8章「モニターのインストール」を参照してください。

オブザーバは、セントラル・サーバーまたはモニターをホストしているアプリケーション・サーバーの外側にインストールする必要があります。

1.2 パッケージ

Business Transaction Managementは、ZIPファイルとして配布されています。セントラル・サーバーおよびモニターは、BTM_Servers_*.zip内に一緒にパッケージ化されています(「*」はBusiness Transaction Managementのバージョン番号を指します)。ZIPファイルのアーカイブ・ディレクトリに、セントラル・サーバーおよびモニターのデプロイメントが含まれています。表 1-1に、含まれるデプロイメントを示します。

表1-1 BTM_Servers_*.zipのアーカイブ・ディレクトリに含まれるEARファイル(セントラル・サーバーおよびモニターが含まれる)

デプロイメント名 サブデプロイメント デプロイメント戦略

btmMain.ear

btmcentral.war

btmcontainer.war

btmhelp.war

btmui.war

Business Transaction Management環境ごとに1回デプロイ

btmPerformanceServer.ear

btmcontainer.war

btmperformance.war

btmMain.earおよびbtmTransactionServer.earとは別のアプリケーション・サーバーに、Business Transaction Management環境ごとに1回デプロイ

btmTransactionServer.ear

btmcontainer.war

btmtransaction.war

btmMain.earおよびbtmPerformanceServer.earとは別のアプリケーション・サーバーに、Business Transaction Management環境ごとに1回デプロイ

btmMonitor.ear

btmmonitor.war

いずれのセントラル・サーバーとも別のアプリケーション・サーバーに、必要な数をデプロイ


オブザーバは、プラットフォームおよびオブザーバ・タイプに応じた個別のZIPファイルにパッケージ化されています。表1-2は、リリース12.1.0.7のオブザーバの一覧です。ZIPファイル名の「*」は、オブザーバのバージョン番号、たとえば12.1.0.7を指しています。

表1-2 リリース12.1.0.7で配布されるオブザーバ

オブザーバのZIPファイル名 説明

BTMObserver_Wls_10.3_Universal_*.zip

WebLogic 10.3サーバーで実行されるJavaEE、Oracle SOA Suite、Oracle Service Bus 11gR1およびOracle Fusion Applications (ADF-UI、ADF-BCおよびSOAデプロイメント)用のオブザーバが含まれます。

BTMObserver_Wls_12_JavaEE_*.zip

WebLogic 12サーバーで実行されるJavaEE用のオブザーバが含まれます。

BTMObserver_Wls_10.3_Osb11gR1_*.zip

WebLogic 10.3上のOracle Service Bus 10gR3用オブザーバが含まれます。

注意: ZIPファイル名には文字列「Osb11gR1」が含まれていますが、このオブザーバはOracle Service Bus 10gR3をサポートしています。このオブザーバは、Oracle Service Bus 11gR1では推奨されません(11gR1では、BTMObserver_Wls_10.3_Universal_*.zipを使用する必要があります)。

BTMObserver_OEG_11.1.1.6_OEG_*.zip

Oracle Enterprise Gateway 11.1.1.6用のオブザーバが含まれています。

BTMObserver_Iis_7.5_DotNet4_*.zip

Microsoft IISバージョン7.5上のWCF 3.5および4.0用オブザーバが含まれています。


表1-3および表1-4に示されているオブザーバは、以前のリリースの一部として配布されています。これらのオブザーバは、リリース12.1.0.7には含まれていませんが、リリース12.1.0.5に対応しています。対象のプラットフォームを監視する必要がある場合、これらのオブザーバをインストールする必要があります。(各ZIPファイル名の「*」は、オブザーバのバージョン番号、たとえば12.1.0.1.0を指しています。)これらのオブザーバのインストール手順は、現在のリリースのインストレーション・ガイドには含まれていません。これらのオブザーバのインストール手順は、対象リリースのインストレーション・ガイドに記載されています。

表1-3 リリース12.1.0.7に含まれないが対応しているリリース12.1.0.3オブザーバ

オブザーバのZIPファイル名 説明

BTMObserver_Oc4j_10.1_Soa10g_*.zip

Oracle SOA Suite 10g内で実行されるOracle Containers for Java (OC4J)インスタンス用のオブザーバが含まれています。


表1-4 リリース12.1.0.7には含まれないが対応しているリリース12.1.0.1オブザーバ

オブザーバのZIPファイル名 説明

BTMObserver_Wls_9.2_JavaEE_*.zip

WebLogic 9.2上のJavaEE用のオブザーバが含まれています。

BTMObserver_Was_6.1_JavaEE_*.zip

WebSphere 6.1上のJavaEE用のオブザーバが含まれています。

BTMObserver_Jboss_4.3_JavaEE_*.zip

JBossEAP 4.3上のJavaEE用のオブザーバが含まれています。