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Oracle Solaris 11 システムのインストール     Oracle Solaris 11 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

パート I Oracle Solaris 11 のインストールオプション

1.  インストールオプションの概要

パート II インストールメディアを使用したインストール

2.  インストールの準備

3.  LiveCD の使用

4.  テキストインストーラの使用

5.  メディアからブートする自動インストール

6.  Oracle Solaris インスタンスの構成解除または再構成

パート III インストールサーバーを使用したインストール

7.  複数のクライアントへの自動インストール

8.  インストールサーバーの設定

AI サーバー設定の作業マップ

インストールサーバーの要件

AI サーバーのハードウェア要件

AI サーバーのソフトウェア要件

AI インストールツールをインストールする

インストールサーバーを構成する

マルチホームインストールサーバーを構成する

Web サーバーホストのポートを構成する

AI インストールサービスを作成する

DHCP を設定せずにインストールサービスを作成する

ISO ファイルを使用して SPARC インストールサービスを作成する

IPS パッケージを使用して x86 インストールサービスを作成する

ローカル DHCP を設定してインストールサービスを作成する

インストールサーバーを維持する

インストールサービスを追加、変更、または削除する

インストールサービスを作成する

インストールサービスのプロパティーの変更

インストールサービスの名前を変更する

インストールサービスを有効にしたり無効にしたりする

インストールサービスを削除する

クライアントをインストールサービスに関連付ける

クライアントをインストールサービスに追加する

クライアントを別のインストールサービスに関連付ける

インストールサービスからクライアントを削除する

クライアント固有のインストール手順をインストールサービスに関連付ける

AI マニフェストを追加する

AI マニフェストを更新する

AI マニフェストを削除する

クライアント固有の構成手順をインストールサービスに関連付ける

システム構成プロファイルを追加する

システム構成プロファイルを検証する

システム構成プロファイルを削除する

AI マニフェストまたはシステム構成プロファイルをエクスポートする

AI マニフェストまたはシステム構成プロファイルの条件を変更する

インストールサービスの情報を表示する

インストールサーバー上のすべてのインストールサービスを一覧表示する

指定したインストールサービスの情報を表示する

インストールサービスに関連付けられたクライアントを一覧表示する

特定のインストールサービスに関連付けられているクライアントを一覧表示する

カスタマイズしたインストールの情報を表示する

すべての AI マニフェストおよびシステム構成プロファイルを一覧表示する

指定したインストールサービスに関連付けられているマニフェストとプロファイルを一覧表示する

AI SMF サービスを管理する

9.  インストールのカスタマイズ

10.  クライアントシステムのプロビジョニング

11.  クライアントシステムの構成

12.  ゾーンのインストールと構成

13.  初回ブート時のカスタムスクリプトの実行

14.  AI クライアントシステムで使用するための Oracle Configuration Manager の設定

15.  クライアントシステムのインストール

16.  自動インストールのトラブルシューティング

インストールサーバーを維持する

AI インストールサーバーを設定したあとは、次の作業のいくつかを実行することができます。詳細は、installadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

インストールサービスを追加、変更、または削除する

インストールを計画しているクライアントのアーキテクチャーごとに、またクライアントシステムへのインストールを計画している Oracle Solaris 11 OS のバージョンごとに個別のインストールサービスが必要になります。

インストールサービスを作成する

インストールサービスを作成にするには、次のコマンドを使用します。例については、「AI インストールサービスを作成する」を参照してください。

installadm create-service [-n svcname] [-s FMRI_or_ISO]
    [-p prefix=origin] [-a architecture]
    [-d imagepath] [-y] [-t existing_service]
    [-i dhcp_ip_start] [-c count_of_ipaddr]
    [-b boot_property=value,...] [-B server_ipaddr]
-n svcname

svcname は、英数字、アンダースコア (_)、ハイフン (-) で構成できます。svcname の最初の文字をハイフンにすることはできません。インストールサービスの名前を指定しない場合は、デフォルトの名前が割り当てられます。

-s FMRI_or_ISO

このオプションは、ネットブートイメージのソースを指定します。FMRI は IPS AI ネットイメージパッケージの識別子であり、Oracle Solaris 11 リリースでは install-image/solaris-auto-install になります。AI ネットイメージ ISO ファイルを使用する場合は、ネットイメージ ISO ファイルのパス名を指定します。

FMRI_or_ISO を指定しない場合は、最新バージョンの install-image/solaris-auto-install パッケージが、pkg publisher リスト内のそのパッケージを提供する 1 番目の発行元からインストールされます。

別のバージョンのパッケージをインストールするか、または別の発行元からパッケージをインストールするには、FMRI にそのバージョンまたは発行元を指定します。たとえば、pkg://publisher/install-image/solaris-auto-install または pkg://publisher/install-image/solaris-auto-install@version を指定します。特定のパッケージリポジトリを指定するには、-p オプションを使用します。

-p prefix= origin

このオプションは、install-image/solaris-auto-install パッケージの取得元の IPS パッケージリポジトリを指定します。prefix は発行元名であり、origin は URI (solaris=http://pkg.oracle.com/solaris/release/ など) です。

-s-p が指定されない場合は、最新バージョンの install-image/solaris-auto-install パッケージが、pkg publisher リスト内のそのパッケージを提供する 1 番目の発行元からインストールされます。

-a architecture

このオプションは、ネットイメージのソースが IPS パッケージである場合にのみ使用されます。architecture は、インストールされるクライアントのアーキテクチャーを指定します。i386 または sparc のどちらかを指定できます。

IPS パッケージからサービスを作成する場合、デフォルトでインストールされるパッケージの形式は、そのサービスが作成されるシステムのアーキテクチャーに適合する形式になります。たとえば、AI インストールサーバーが x86 の場合、create-service がデフォルトでインストールする solaris-auto-install パッケージの形式は i386 形式になります。SPARC クライアントをインストールするためのサービスを作成する場合は、-a  sparc と指定して、sparc 形式の solaris-auto-install パッケージをインストールサービスにインストールします。

-d imagepath

imagepath は新しいインストールサービスの場所です。imagepath を指定しない場合は、サービスが /export/auto_install/svcname に作成され、自動生成された場所を使用することを確認するプロンプトが表示されます。このプロンプトを抑制するには、-y オプションを指定します。

-y

自動生成された imagepath の使用を確認するプロンプトを抑制するために、-y オプションを指定します。

-t existing_service

新しいサービスを別名として指定します。これは existing_service サービスのネットイメージを共有しますが、独自のマニフェスト、プロファイル、およびクライアントを備えています。

-i dhcp_ip_start

このオプションは、ローカル DHCP 構成に追加される範囲の開始 IP アドレスを指定します。IP アドレスの数は、-c オプションで指定されます。 ローカル ISC DHCP 構成が存在しない場合は、ISC DHCP サーバー が起動されます。

-c count_of_ipaddr

DHCP 構成の IP アドレスの総数を count_of_ipaddr の値と同じ数に設定します。最初の IP アドレスは、-i オプションで指定される dhcp_ip_start の値です。

-b boot_property= value,...

x86 サービスの場合のみ。このオプションは、サービスイメージ内のサービス固有の menu.lst ファイルにプロパティー値を設定します。このオプションを使用して、このサービスに固有のブートプロパティーを設定します。このオプションでは、コンマで区切った boot_property= value のペアを複数指定できます。

-B server_ipaddr

クライアントがブートファイルを要求するブートサーバーの IP アドレスを指定するには、このオプションを使用します。このオプションは、この IP アドレスをほかの方法で決定できない場合は必須です。

インストールサービスのプロパティーの変更

svcname インストールサービスに設定するプロパティーと値を指定するには、installadm set-service コマンドを使用します。

installadm set-service -o prop= value svcname

prop=value ペアは、次のいずれかにする必要があります。

aliasof=another_svcname

svcname サービスが別名になっているインストールサービスを変更します。

このプロパティーを設定すると、svcname サービスが another_svcname サービスの別名になるように変更されます。svcname サービスはすでに別名である必要があります。 default-arch インストールサービスは別名です。create-service-t オプションを使用して作成したサービスは別名です。svcname が別名であることを確認するには、「インストールサーバー上のすべてのインストールサービスを一覧表示する」に示すように installadm list コマンドを使用します。

svcname または another_svcname のどちらかに追加されたマニフェスト、プロファイル、およびクライアントバインディングは、別名のリセット後も変わりません。svcname サービスが使用するネットイメージが変わるだけです。

新しいネットイメージに関連付けられた AI と SMF DTD が異なる可能性があるため、別名を設定する前に svcname に追加されたマニフェストとプロファイルは、別名のリセット時に再検証されます。この検証は、後述の create-manifest および create-profile によって実行される検証と同じです。

default-manifest=manifest_or_script_name

指定されたサービスにすでに登録されている特定のマニフェストまたはスクリプトを、そのサービスのデフォルトマニフェストまたはスクリプトに指定します。このサービスに登録されているマニフェストおよびスクリプトの一覧を表示するには、次のコマンドを使用します。

$ installadm list -n svcname -m

インストールサービスの名前を変更する

svcname の名前を newsvcname に変更するには、次のコマンドを使用します。

installadm rename-service svcname  newsvcname

newsvcname は、英数字、アンダースコア (_)、ハイフン (-) で構成できます。newsvcname の最初の文字をハイフンにすることはできません。

インストールサービスを有効にしたり無効にしたりする

svcname インストールサービスを有効にするには、次のコマンドを使用します。

installadm enable svcname

svcname インストールサービスを無効にするには、次のコマンドを使用します。

installadm disable svcname

インストールサービスを削除する

svcname インストールサービスを削除するには、次のコマンドを使用します。

installadm delete-service [-r] [-y] svcname

このコマンドは、svcname インストールサービスの AI マニフェスト、システム構成プロファイル、ネットイメージ、および Web サーバー構成を削除します。サービスがデフォルトの別名であり、ローカル ISC DHCP 構成が存在する場合は、このサービスに関連付けられたブートファイルが ISC DHCP 構成から削除されます。

このサービスに関連付けられたすべてのクライアントと、このサービスの別名になっているすべてのサービスを削除するには、-r オプションを使用します。確認のプロンプトを抑制するには、-y オプションを使用します。

クライアントをインストールサービスに関連付ける

installadm create-client コマンドは、クライアントを特定のインストールサービスに関連付けます。詳しい例と出力例については、「インストールクライアントを設定する」を参照してください。

クライアントをインストールサービスに追加する

macaddr クライアントを svcname インストールサービスに関連付け、x86 クライアント用のカスタムのクライアント設定を指定するには、installadm create-client コマンドを使用します。システムの MAC アドレスを見つけるには、『Oracle Solaris 管理: ネットワークインタフェースとネットワーク仮想化』および dladm(1M) のマニュアルページの説明に従って dladm コマンドを使用します。

installadm create-client [-b property= value,...] -e macaddr -n svcname

クライアントが x86 システムであり、ローカル ISC DHCP 構成が存在する場合は、ISC DHCP 構成でクライアントが構成されます。

x86 クライアントシステムの場合、-b オプションを使用して、/etc/netboot 内のクライアント固有の menu.lst ファイルにブートプロパティーを設定します。

次のコマンドは、MAC アドレスが 00:14:4f:a7:65:70 のクライアントを s11-sparc インストールサービスに追加します。

# installadm create-client -e 00:14:4f:a7:65:70 -n s11-sparc

次の例では、x86 クライアントを追加し、インストール出力をシリアルコンソールにリダイレクトします。

# installadm create-client -e c0ffeec0ffee -n s11-x86 -b 'console=ttya'

クライアントを別のインストールサービスに関連付ける

クライアントは、1 つのインストールサービスにのみ関連付けることができます。installadm create-client コマンドを複数回実行し、各回で同じ MAC アドレスを指定する場合、クライアントは最後に指定したインストールサービスにのみ関連付けられます。

インストールサービスからクライアントを削除する

macaddr クライアントをその関連付けられたインストールサービスから削除するには、installadm delete-client コマンドを使用します。

installadm delete-client macaddr

クライアントが x86 システムであり、ローカル ISC DHCP 構成が存在する場合は、 ISC DHCP 構成でクライアントが構成解除されます。

次のコマンドは、MAC アドレスが 00:14:4f:a7:65:70 のクライアントを削除します。クライアントを関連付けることができるインストールサービスは 1 つだけなので、サービス名を指定する必要はありません。

# installadm delete-client 00:14:4f:a7:65:70

クライアント固有のインストール手順をインストールサービスに関連付ける

インストールサービスごとにインストール手順セットを複数指定できます。また、使用する手順セットをクライアントごとに指定できます。

AI マニフェストを追加する

manifest_or_script_filename カスタム AI マニフェストを svcname インストールサービスに追加するには、installadm create-manifest コマンドを使用します。

installadm create-manifest -n svcname
    -f manifest_or_script_filename [-m manifest_or_script_name]
    [-c criteria=value|list|range...
    | -C criteriafile] [-d]

manifest_or_script_filename は AI マニフェストの XML ファイルにすることも、派生マニフェストスクリプトにすることもできます。第 10 章クライアントシステムのプロビジョニングを参照してください。create-manifest サブコマンドは、XML マニフェストファイルを検証してから、それらをインストールサービスに追加します。派生マニフェストスクリプトファイルを検証するには、「派生マニフェストスクリプトをインストールサービスに追加する」に示すように aimanifest validate コマンドを使用します。

manifest_or_script_name は、installadm list コマンドで表示される名前です。「すべての AI マニフェストおよびシステム構成プロファイルを一覧表示する」を参照してください。manifest_or_script_name を指定しない場合、manifest_or_script_nameai_instance 要素の name 属性の値 (存在する場合)、または manifest_or_script_filename のベース名になります。

この AI マニフェストをデフォルトの AI マニフェストにするには、-d オプションを使用します。デフォルトのマニフェストとは、このインストールサービスのほかのどのマニフェストに指定された条件にも一致しないすべてのクライアントによって使用されるマニフェストです。-d を指定した場合は、マニフェストの選択のために -c-C が無視されます。このサービスの以前のデフォルトの AI マニフェストにクライアント条件がない場合、それは非アクティブになります。以前のデフォルトのマニフェストに条件がある場合、それは引き続きアクティブのままで、それに関連付けられた条件が有効になります。

-d を指定しない場合は、-c または -C のどちらかを指定して、この AI マニフェストを使ってインストールを完了するクライアントを定義する必要があります。-d-c、および -C をすべて指定しない場合、このマニフェストはサービスに追加されますが非アクティブになります。つまり、クライアントはそれを使用できません。

特定のクライアントでこの AI マニフェストを使用する場合は、まずそれらのクライアントがこの create-manifest コマンドで指定したインストールサービスを使用することを確認します。create-client コマンドで特定のインストールサービスに明示的に関連付けられていないクライアントシステムは、適切な default-arch インストールサービスを使用します。カスタマイズされた AI マニフェストを default- arch インストールサービスに追加することも、カスタマイズされた AI マニフェストを別のサービスに追加してから、create-client を使ってクライアントが必ずそのサービスを使用するようにすることもできます。

-c オプションは、コマンド行でクライアントの選択条件を指定します。-C オプションは、XML ファイルで条件を指定します。criteriafile の値は、フルパスとファイル名です。条件のキーワードとコマンド行およびファイル例の一覧については、第 9 章インストールのカスタマイズを参照してください。

installadm create-manifest コマンドは、同じタイプの条件が重複していないことを検証します。たとえば、ある条件仕様が 10.0.0.0 から 10.255.255.255 の IP アドレスに一致する場合、IP アドレス 10.10.10.10 に一致する条件仕様を追加しようとすると、installadm がエラーを伴って終了します。条件仕様の詳細については、第 9 章インストールのカスタマイズ を参照してください。

次のコマンドは、manifest_t200.xml マニフェストを s11-sparc インストールサービスに追加します。-c オプションは、このインストールサービスを使用していて、Sun Fire T200 サーバーとして識別されるクライアントに manifest_t200.xml のインストール手順が割り当てられるように指定します。

# installadm create-manifest -f ./mymanifests/manifest_t200.xml \
-m t200 -n s11-sparc -c platform="SUNW,Sun-Fire-T200"

次のコマンドは、criteria_t200.xml ファイルの内容が下に示したようになっている場合は、前のコマンドと同等です。

# installadm create-manifest -f ./mymanifests/manifest_t200.xml \
-m t200 -n s11-sparc -C ./mymanifests/criteria_t200.xml

criteria_t200.xml ファイルの内容を次に示します。

<ai_criteria_manifest>
    <ai_criteria name="platform">
        <value>SUNW,Sun-Fire-T200</value>
    </ai_criteria>
</ai_criteria_manifest>

AI マニフェストを更新する

svcname インストールサービスの manifest_or_script_name AI マニフェストの内容を manifest_or_script_filename AI マニフェストに置き換えるには、installadm update-manifest コマンドを使用します。更新の結果として、条件、デフォルトのステータス、および manifest_or_script_name は変更されません。

installadm update-manifest -n svcname -f manifest_or_script_filename [-m manifest_or_script_name ]

update-manifest サブコマンドは、XML マニフェストファイルを検証してから、それらをインストールサービスに追加します。派生マニフェストスクリプトファイルを検証するには、「派生マニフェストスクリプトをインストールサービスに追加する」に示すように aimanifest validate コマンドを使用します。

manifest_or_script_name マニフェストは svcname サービスにすでに存在している必要があります。確認には installadm list コマンドを使用します。「すべての AI マニフェストおよびシステム構成プロファイルを一覧表示する」を参照してください。

manifest_or_script_name を指定しない場合は、置き換えられるマニフェストが次のいずれかの方法で特定されます。

次のコマンドは、s11-sparc サービスの t200 マニフェストの内容を ./mymanifests/manifest_newt200.xml の内容で更新します。installadm list でのマニフェストの名前は引き続き t200 です。

# installadm update-manifest -n s11-sparc \
-f ./mymanifests/manifest_newt200.xml -m t200

AI マニフェストを削除する

manifest_or_script_name AI マニフェストを svcname インストールサービスから削除するには、installadm delete-manifest コマンドを使用します。manifest_or_script_name は、installadm list コマンドで返されるマニフェスト名です。「すべての AI マニフェストおよびシステム構成プロファイルを一覧表示する」を参照してください。

installadm delete-manifest -m manifest_or_script_name -n  svcname

デフォルト AI マニフェストは削除できません。

次のコマンドは、t200 AI マニフェストを s11-sparc インストールサービスから削除します。

# installadm delete-manifest -m t200 -n s11-sparc

クライアント固有の構成手順をインストールサービスに関連付ける

インストールサービスごとにシステム構成手順セットを複数指定できます。複数のシステム構成プロファイルを各クライアントに関連付けることができます。

システム構成プロファイルを追加する

profile_filename システム構成プロファイルを svcname インストールサービスに追加するには、installadm create-profile コマンドを使用します。

installadm create-profile -n svcname
    -f profile_filename... [-p profile_name]
    [-c criteria=value|list|range... | -C criteriafile]

1 つのクライアントで複数のシステム構成プロファイルを使用できるため、1 回の create-profile コマンドで複数の構成プロファイルを指定できます。複数のプロファイルに対して、同じクライアント選択条件 (重複する条件) を指定することも、条件を指定しないこともできます。条件を指定しない場合は、このインストールサービスを使用するすべてのクライアントによってそのプロファイルが使用されます。

create-profile サブコマンドは、システム構成プロファイルを検証してから、それらをインストールサービスに追加します。作成中のプロファイルを検証する場合は、後述の validate サブコマンドを参照してください。

profile_filename には、create-profile コマンドで指定された条件から、または環境変数から値を取得する置換タグを含めることができます。第 11 章クライアントシステムの構成を参照してください。

profile_name は、installadm list コマンドで表示される名前です。「すべての AI マニフェストおよびシステム構成プロファイルを一覧表示する」を参照してください。profile_name を指定しない場合、profile_nameprofile_filename のベース名になります。-p オプションは、profile_filename を複数指定した場合は有効ではありません。

-c オプションは、コマンド行でクライアントの選択条件を指定します。-C オプションは、XML ファイルで条件を指定します。criteriafile の値は、フルパスとファイル名です。条件のキーワードとコマンド行およびファイル例の一覧については、第 9 章インストールのカスタマイズを参照してください。

特定のクライアントでこのシステム構成プロファイルを使用する場合は、まずそれらのクライアントがこの create-profile コマンドで指定したインストールサービスを使用することを確認します。create-client コマンドで特定のインストールサービスに明示的に関連付けられていないクライアントシステムは、適切な default-arch インストールサービスを使用します。カスタマイズされたシステム構成プロファイルを default- arch インストールサービスに追加することも、カスタマイズされた構成プロファイルを別のサービスに追加してから、create-client を使ってクライアントが必ずそのサービスを使用するようにすることもできます。

次のコマンドは、profile_t200.xml プロファイルを s11-sparc インストールサービスに追加します。-c オプションは、このインストールサービスを使用していて、Sun Fire T200 サーバーとして識別されるクライアントに profile_t200.xml のシステム構成手順が割り当てられるように指定します。

# installadm create-profile -f ./mymanifests/profile_t200.xml \
-p t200 -n s11-sparc -c platform="SUNW,Sun-Fire-T200"

システム構成プロファイルを検証する

システム構成プロファイルの構文の正しさを検証するには、installadm validate コマンドを使用します。

installadm validate -n svcname -P  profile_filename... | -p profile_name... 

インストールサービスに追加されていないプロファイルを検証するには -P オプションを使用します。profile_filename はそのファイルへのフルパス名です。

「すべての AI マニフェストおよびシステム構成プロファイルを一覧表示する」に示すように create-profile コマンドを使用して svcname インストールサービスにすでに追加されているプロファイルを検証するには、-p オプションを使用します。create-profile サブコマンドは、システム構成プロファイルを検証してから、それらをインストールサービスに追加します。validate -p サブコマンドは、プロファイルが追加されて以降、壊れていないことを検証します。

svcname は、profile_filenameprofile_name の両方のプロファイルに必要です。それぞれのバージョンの OS で service_bundle(4) DTD が異なる可能性があるため、インストールサービスにまだ追加されていないプロファイルにはサービス名が必要です。インストールサーバーが実行しているバージョンと異なるバージョンの OS をインストールするようにインストールサービスを定義することもできます。インストールされるクライアントで使用される DTD に対してプロファイルを検証する必要があります。

検証されたプロファイルは stdout に出力されます。エラーは stderr に出力されます。

システム構成プロファイルを削除する

profile_name システム構成プロファイルを svcname インストールサービスから削除するには、installadm delete-profile コマンドを使用します。profile_name は、installadm list コマンドで返されるプロファイル名です。「すべての AI マニフェストおよびシステム構成プロファイルを一覧表示する」を参照してください。

installadm delete-profile -p profile_name... -n  svcname

次のコマンドは、t200 システム構成プロファイルを s11-sparc インストールサービスから削除します。

# installadm delete-profile -p t200 -n s11-sparc

AI マニフェストまたはシステム構成プロファイルをエクスポートする

指定された AI マニフェストまたはシステム構成プロファイルの内容を svcname インストールサービスから pathname ファイルまたはディレクトリにコピーするには、installadm export コマンドを使用します。

installadm export -n svcname
    -m manifest_or_script_name... -p profile_name...
    [-o pathname]

pathname を指定しない場合は、マニフェストとプロファイルの内容が stdout に出力されます。入力ファイルを 1 つしか指定しない場合は、pathname をファイル名にできます。複数の入力ファイルを指定する場合は、pathname をディレクトリにする必要があります。

manifest_or_script_name は、XML AI マニフェストにも派生マニフェストスクリプトにもできます。マニフェストおよび派生マニフェストスクリプトの作成については、第 10 章クライアントシステムのプロビジョニングを参照してください。

installadm export コマンドを使用して次を行います。

AI マニフェストまたはシステム構成プロファイルの条件を変更する

create-manifest または create-profile を使用して svcname インストールサービスにすでに追加してある AI マニフェストまたはシステム構成プロファイルに関連付けられたクライアント条件を更新するには、installadm set-criteria コマンドを使用します。

installadm set-criteria -m manifest_or_script_name -p profile_name... -n svcname
    -c criteria=value|list|range... | -C criteriafile |
    -a criteria=value|list|range...

同じ set-criteria コマンド行には、0 または 1 つのマニフェストを、0 または任意の数のプロファイルとともに指定できます。manifest_or_script_nameprofile_name の名前は、installadm list コマンドで返される名前です。「すべての AI マニフェストおよびシステム構成プロファイルを一覧表示する」を参照してください。

これらの既存のマニフェストおよびプロファイルの条件を、指定された新しい条件に置き換えるには、-c または -C オプションを使用します。既存の条件を保持し、指定された条件を追加するには、-a オプションを使用します。条件の指定方法の詳細は、第 9 章インストールのカスタマイズを参照してください。

次のコマンドは、最初にプラットフォームの条件仕様とともにこのサービスに追加されたマニフェストに、メモリーの条件仕様を追加します。

# installadm set-criteria -m t200 -n s11-sparc -a mem="4096-unbounded"

条件が create-manifest で指定され、set-criteria で追加された結果、マニフェストは、このインストールサービスを使用していて、Sun Fire T200 サーバーであり、4G バイト以上のメモリーを搭載しているクライアントによって使用されます。

これと同じ結果は、次の criteria_t200.xml ファイルで -a オプションの代わりに -C オプションを使用して得ることもできます。

<ai_criteria_manifest>
    <ai_criteria name="platform">
        <value>SUNW,Sun-Fire-T200</value>
    </ai_criteria>
    <ai_criteria name="mem">
        <range>
            4096
            unbounded
        </range>
    </ai_criteria>
</ai_criteria_manifest>

インストールサービスの情報を表示する

インストールサービスの情報を表示するには、installadm list コマンドを使用します。

installadm list [-n svcname] [-c] [-m] [-p]

インストールサーバー上のすべてのインストールサービスを一覧表示する

次のコマンドは、このサーバー上のすべてのインストールサービスを表示します。この例では、2 つの有効なインストールサービスが見つかります。無効なサービスの「Status」の値は off になります。指定のアーキテクチャー用に作成された最初のサービスは、そのアーキテクチャーのクライアントのデフォルトサービスです。「インストールサービスを追加、変更、または削除する」を参照してください。

$ installadm list

Service Name  Alias Of  Status Arch  Image Path
------------  --------  ------ ----  ----------
default-i386  s11-x86   on     x86   /install/images/s11_x86
default-sparc s11-sparc on     Sparc /install/images/s11_sparc
s11-sparc               on     Sparc /install/images/s11_sparc
s11-x86                 on     x86   /install/images/s11_x86

指定したインストールサービスの情報を表示する

次のコマンドは、-n オプションで指定されたインストールサービスの情報を表示します。

$ installadm list -n s11-sparc

Service Name  Alias Of  Status Arch  Image Path
------------  --------  ------ ----  ----------
s11-sparc               on     Sparc /install/images/s11_sparc

インストールサービスに関連付けられたクライアントを一覧表示する

次のコマンドは、このインストールサーバー上のインストールサービスに関連付けられているすべてのクライアントを一覧表示します。クライアントは、installadm create-client コマンドを使用してインストールサービスに関連付けられました。「クライアントをインストールサービスに追加する」を参照してください。

$ installadm list -c

Service Name Client Address    Arch  Image Path
------------ --------------    ----  ----------
s11-sparc    00:14:4F:A7:65:70 Sparc /install/images/s11_sparc
s11-x86      08:00:27:8B:BD:71 x86   /install/images/s11_x86
             01:C2:52:E6:4B:E0 x86   /install/images/s11_x86

特定のインストールサービスに関連付けられているクライアントを一覧表示する

次のコマンドは、指定したインストールサービスに追加されたすべてのクライアントを一覧表示します。次の例では、1 つのクライアントが s11-sparc インストールサービスに関連付けられています。

$ installadm list -c -n s11-sparc

Service Name Client Address    Arch  Image Path
------------ --------------    ----  ----------
s11-sparc    00:14:4f:a7:65:70 Sparc /install/images/s11_sparc

カスタマイズしたインストールの情報を表示する

このセクションのコマンドは、特定のインストールサービスに関連付けられている AI マニフェストとシステム構成プロファイルを表示します。また、これらのコマンドは各マニフェストおよびプロファイルに関連付けられているクライアント条件も表示します。

すべての AI マニフェストおよびシステム構成プロファイルを一覧表示する

次のコマンドは、このインストールサーバー上のすべてのインストールサービスの AI マニフェスト、派生マニフェストスクリプト、およびシステム構成プロファイルをすべて一覧表示します。「Manifest」または「Profile」列には、マニフェスト、スクリプト、またはプロファイルの内部名が表示されます。

# installadm list -m -p

Service Name  Manifest
------------  --------
s11-sparc     t200
s11-x86       ipv4
              mem1

Service Name  Profile
------------  --------
s11-sparc     mac1
              t200
s11-x86       mac2
              mac3
              ipv4
              mem1

指定したインストールサービスに関連付けられているマニフェストとプロファイルを一覧表示する

次の例では、インストールサービス s11-sparc に関連付けられているすべての AI マニフェスト、派生マニフェストスクリプト、およびシステム構成プロファイルを表示します。「Manifest」または「Profile」列には、マニフェスト、スクリプト、またはプロファイルの内部名が表示されます。「Criteria」列には、関連付けられているクライアント条件が表示されます。

orig_default マニフェストは、インストールサービスが作成されたときにインストールサービスに含まれていた元のデフォルトの AI マニフェストです。mem1 マニフェストは、メモリー条件と -d オプションを指定して作成され、このサービスの新しいデフォルトのマニフェストになっています。mem1 はデフォルトのマニフェストなので、その条件は無視されます。別のマニフェストをデフォルトのマニフェストとして作成した場合は、このマニフェストを使用するクライアントの選択に mem1 条件が使用されます。元のデフォルトのマニフェストが非アクティブになっているのは、それを使用するクライアントを決めるための条件が関連付けられていないからです。デフォルトのマニフェストにのみ、条件を関連付けることができません。ほかのどのマニフェストを使用する条件にも一致しないクライアントは、デフォルトのマニフェストを使用します。AI マニフェストの選択の詳細は、第 9 章インストールのカスタマイズを参照してください。

# installadm list -m -p -n s11-sparc

Manifest      Status    Criteria
--------      ------    --------
orig_default  Inactive  None
mem1          Default   (Ignored: mem = 2048 - 4095)
t200                    platform = SUNW,Sun-Fire-T200
                        mem = 4096-unbounded

Profile  Criteria
-------  --------
mac1     mac  = 01:C2:52:E6:4B:E0
         hostname = server1
         ipv4 = 192.168.168.251
t200     platform = SUNW,Sun-Fire-T200
         mem = 4096-unbounded

AI SMF サービスを管理する

AI サーバーの svc:/system/install/server:default という SMF サービスは、AI サーバーアプリケーションとすべてのインストールサービスの全体的な状態を表すサービスです。

例 8-2 AI SMF サービスの有効化

AI SMF サービスは、 installadm create-service コマンドを実行するときに有効になります。AI SMF サービスは、既存のインストールサービスに影響を及ぼすほかの installadm コマンドを実行するときにも有効になります。手動で AI SMF サービスを有効にするには、次のコマンドを実行します。

# svcadm enable svc:/system/install/server:default

インストールサーバー上に現在有効になっているインストールサービスがない場合、または注意を要する問題が発生した場合、AI SMF サービスは保守モードになります。

例 8-3 AI SMF サービスの無効化

AI SMF サービスを無効にするには、次のコマンドを実行します。

# svcadm disable svc:/system/install/server:default

いずれかの AI インストールサービスがまだ有効になっている場合は、AI SMF サービスを無効にしないでください。いずれかのインストールサービスが有効になっているかどうかを確認する方法については、「インストールサーバー上のすべてのインストールサービスを一覧表示する」を参照してください。