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Oracle Solaris の管理: デバイスとファイルシステム Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
15. Oracle Solaris Internet Storage Name Service (iSNS) の構成と管理
Oracle Solaris のディスクベースのファイルシステム
UDFS (Universal Disk Format) ファイルシステム
デフォルトの Oracle Solaris ファイルシステム
ファイルシステム上のファイルにアクセスするには、ファイルシステムをマウントする必要があります。ファイルシステムのマウントとは、ファイルシステムを特定のディレクトリ (マウントポイント) に接続し、システムで使用可能にすることです。ルート (/) ファイルシステムは、常にマウントされています。ほかのファイルシステムは、ルート (/) ファイルシステムに接続したり切り離したりできます。
ほとんどのファイルシステムは、システムブート時に SMF サービスにより自動的にマウントされます。一般に、ファイルシステムのマウントやマウント解除を手動で行う必要はありません。さまざまなファイルシステムタイプをマウントする方法の詳細については、「Oracle Solaris ファイルシステムのマウントおよびマウント解除」を参照してください。
ファイルシステムをマウントすると、そのファイルシステムがマウントされている間は、マウントポイントのディレクトリ内に実際に存在しているファイルやディレクトリは使用できなくなります。これらのファイルは、永続的にマウントプロセスの影響を受け続けるわけではありません。ファイルシステムのマウントが解除されると、再び使用可能な状態になります。ただし、通常は存在するがアクセスできないファイルは混乱の原因となるので、通常マウントディレクトリは空になっています。
ファイルシステムのマウント手順については、「Oracle Solaris ファイルシステムのマウントおよびマウント解除」を参照してください。
ファイルシステムをマウントまたはマウント解除すると、現在マウントされているファイルシステムのリストを使用して、/etc/mnttab (マウントテーブル) ファイルが変更されます。このファイルの内容を表示するには、cat または more コマンドを使用します。ただし、このファイルを編集することはできません。次にマウントテーブルファイル /etc/mnttab の例を示します。
$ more /etc/mnttab rpool/ROOT/zfsBE / zfs dev=40d0002 0 /devices /devices devfs dev=9500000 1307562777 /dev /dev dev dev=9580000 1307562777 ctfs /system/contract ctfs dev=95c0001 1307562777 proc /proc proc dev=9540000 1307562777 mnttab /etc/mnttab mntfs dev=9600001 1307562777 swap /system/volatile tmpfs xattr,dev=9640001 1307562777 objfs /system/object objfs dev=9680001 1307562777 sharefs /etc/dfs/sharetab sharefs dev=96c0001 1307562777 fd /dev/fd fd rw,dev=97c0001 1307562811 swap /tmp tmpfs xattr,dev=9640002 1307562812 rpool/export /export zfs rw,devices,setuid,nonbmand,exec,rstchown, xattr,atime,dev=40d0003 1307562818 rpool/export/home /export/home zfs rw,devices,setuid,nonbmand, exec,rstchown,xattr,atime,dev=40d0004 1307562818
ほとんどのファイルシステムは、システムブート時に SMF サービスにより自動的にマウントされます。
レガシーファイルシステムをマウントしたり、ZFS スワップボリュームを変更したりする場合は、/etc/vfstab ファイルの編集が必要なことがあります。ZFS スワップボリュームの変更については、第 19 章追加スワップ空間の構成 (手順)を参照してください。
レガシーファイルシステムをマウントするためのエントリを追加するには、次の情報を指定する必要があります。
ファイルシステムが配置されるデバイス
ファイルシステムのマウントポイント
ファイルシステムのタイプ
システムのブート時に、mountall コマンドを使ってファイルシステムを自動的にマウントするかどうか
マウントオプション
次に、ZFS ルートファイルシステムが動作するシステムの vfstab の例を示します。
# cat /etc/vfstab #device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options # fd - /dev/fd fd - no - /proc - /proc proc - no - /dev/zvol/dsk/rpool/swap - - swap - no - /devices - /devices devfs - no - sharefs - /etc/dfs/sharetabsharefs - no - ctfs - /system/contract ctfs - no - objfs - /system/object objfs - no - swap - /tmp tmpfs - yes -
ZFS ファイルシステムは、ブート時に SMF サービスにより自動的にマウントされます。レガシーのマウント機能を使用し、vfstab に従って ZFS ファイルシステムをマウントできます。詳細は、『Oracle Solaris の管理: ZFS ファイルシステム』を参照してください。
/etc/vfstab の各フィールドの説明、およびこのファイルの編集方法と使用方法については、vfstab(4) を参照してください。
NFS は、1 つのシステム (通常はサーバー) のリソース (ファイルやディレクトリ) をネットワーク上のほかのシステムと共有するための分散型ファイルシステムサービスです。たとえば、他社製のアプリケーションやソースファイルをほかのシステム上のユーザーと共有できます。
NFS は、リソースの実際の物理的な位置をユーザーが意識しなくてすむようにします。よく使用されるファイルのコピーをシステムごとに配置しなくても、あるシステムのディスク上にコピーを 1 つ配置することによって NFS は、ほかのすべてのシステムがそのコピーにネットワークからアクセスできるようにします。NFS の環境では、リモートファイルはローカルファイルと区別がつきません。
詳細については、『Oracle Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)』の第 4 章「ネットワークファイルシステムの管理 (概要)」を参照してください。
システムは、ネットワーク上で共有するリソースがあるときに、NFS サーバーになります。サーバーは、現在共有されているリソースとそのアクセス制限 (読み取り / 書き込み、読み取り専用アクセスなど) のリストを管理します。
リソースを共有する場合は、リモートシステムにマウントできるように、そのリソースを使用可能な状態にします。
リソースを共有するには、次の方法があります。
NFS の詳細については、『Oracle Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)』の第 4 章「ネットワークファイルシステムの管理 (概要)」を参照してください。
Oracle Solaris リリースには、Oracle の実装の NFS version 4 分散ファイルアクセスプロトコルが含まれています。
NFS version 4 では、ファイルアクセス、ファイルロック、およびマウントプロトコルが 1 つのプロトコルに統合されるので、ファイアウォールの通過が容易になり、セキュリティーが向上します。Oracle Solaris の NFS version 4 実装は、SEAM としても知られている Kerberos V5 と完全に統合されていますので、認証、整合性、およびプライバシの機能を備えています。NFS version 4 を使用して、クライアントとサーバーとの間で使用するセキュリティーの種類の交渉を行うこともできます。NFS version 4 を実装しているサーバーは、さまざまなセキュリティー種類とファイルシステムに対応できます。
NFS Version 4 の機能については、『Oracle Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)』の「NFS サービスの新機能」を参照してください。
NFS ファイルシステムリソースをマウントするには、「自動マウント」(autofs) というクライアント側のサービスを使用します。autofs サービスにより、システムから NFS リソースにアクセスするたびに、これらのリソースを自動的にマウントしたりマウント解除したりできます。ユーザーがこのディレクトリ内で、このディレクトリに格納されているファイルを使用している間、ファイルシステムリソースはマウントされたままになります。リソースが一定の時間アクセスされなかった場合、リソースは自動的にマウント解除されます。
autofs サービスには、次の機能があります。
システムブート時に NFS リソースをマウントする必要がないために、ブート時間が短くなります。
NFS リソースをマウントまたはマウント解除するために、スーパーユーザーのパスワードを知っている必要はありません。
NFS リソースは使用されるときにだけマウントされるために、ネットワークトラフィックが軽減されます。
autofs サービスは automount ユーティリティーによって初期化されます。このコマンドは、システムのブート時に自動的に実行されます。automountd デーモンは永続的に動作し、必要に応じて NFS ファイルシステムをマウントまたはマウント解除します。デフォルトでは、/home ファイルシステムは automount デーモンによってマウントされます。
autofs では、同じファイルシステムを提供するサーバーを複数指定できます。このような方法では、1 つのサーバーがダウンしても、autofs がその他のマシンからファイルシステムのマウントを試みることができます。
autofs を設定および管理する方法の完全な情報については、『Oracle Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)』の第 5 章「ネットワークファイルシステムの管理 (手順)」を参照してください。
Oracle Solaris OS は、サーバーメッセージブロック (SMB) プロトコルのサーバーおよびクライアント実装を提供します。これには、NT LM 0.12 や共通インターネットファイルシステム (CIFS) などの多数の SMB ダイアレクトのサポートが含まれます。CIFS と SMB という用語は、置き換え可能と考えることができます。
Solaris SMB サーバーを使用すると、ネイティブの Oracle Solaris システムが、ファイルシステム共有をマウントする SMB 対応クライアントに対してファイルを SMB 共有として提供できます。Windows、Mac OS、または Solaris クライアントは、Windows サーバーの場合と同様に、Solaris SMB サーバーと相互運用できます。Solaris SMB サーバーは、ワークグループモードでも、ドメインモードでも動作が可能です。ワークグループモードでは、共有リソースへのアクセスが要求されたときに Solaris SMB サーバーがユーザーのローカル認証を担当します。この認証プロセスは、ローカルログインと呼ばれます。ドメインモードでは、Solaris SMB サーバーはパススルー認証を使用します。パススルー認証では、ユーザー認証がドメインコントローラに委任されます。
詳細は、『Oracle Solaris Administration: SMB and Windows Interoperability 』を参照してください。