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Oracle Solaris の管理: デバイスとファイルシステム Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
x86 システムにおける EFI ラベル付きディスクのサポート
EFI ラベル付きディスクを使用したシステムへのインストール
15. Oracle Solaris Internet Storage Name Service (iSNS) の構成と管理
このセクションでは、Oracle Solaris リリースの新しいディスク管理機能について説明します。
Oracle Solaris 11: このリリースでは、/dev/chassis ディレクトリで提供されるデバイス名に物理的な位置が含まれています。デバイスの交換や変更が必要になった場合、この情報を使ってデバイスの物理的な位置を特定できます。次のコマンドを使って、システム上のデバイスのシャーシ、受容体、および占有装置の値に関する情報を表示できます。
diskinfo – ディスクの物理的な位置に関する一般情報を表示するには、このコマンドを使用します。
format – パーティションテーブルを確認したり、新しいラベルを付ける際に、ディスクの物理的な位置情報を表示するには、このコマンドを使用します
prtconf -l – ディスクの物理的な位置情報を含むシステム構成情報を表示するには、このコマンドを使用します
zpool status -l – プールデバイスのディスクの物理的な位置情報を表示するには、このコマンドを使用します
さらに、fmadm add-alias コマンドを使って、環境内でディスクの物理的な位置を特定するのに役立つディスクの別名を含めることもできます。例:
# fmadm add-alias SUN-Storage-J4200.0912QAJ001 J4200@RACK10:U26-27 # fmadm add-alias SUN-Storage-J4200.0905QAJ00E J4200@RACK10:U24-25
前述のコマンドを使ってこれらの別名を表示することで、ディスクの物理的な位置情報を確認できます。例:
$ diskinfo D:devchassis-path c:occupant-compdev ----------------------------------------------------- ------------------ /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__0/disk c1t13d0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__1/disk c1t14d0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__2/disk c1t2d0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__3/disk c1t3d0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__4/disk c1t15d0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__5/disk c1t16d0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__6/disk c1t6d0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__7/disk c1t7d0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__8/disk c1t17d0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__9/disk c1t18d0 /dev/chassis/J4200@RACK10:U24-25/SCSI_Device__10/disk c1t10d0
特定のディスクの位置を判別します。
% diskinfo -c c6t11d0 D:devchassis-path c:occupant-compdev -------------------------------------------------------------- ------------------ /dev/chassis/SUN-Storage-J4400/SCSI_Device__11/disk c6t11d0
この例では、/dev/chassis のディスク名に、環境内のデバイスの場所を見つけるために役立つエイリアス名が含まれています。
次の diskinfo の例では、特定のディスクの物理的な位置を表示する方法を示します。
$ diskinfo -c c6t11d0 -o cp c:occupant-compdev p:occupant-paths ------------------ ----------------------------------------------------- c6t11d0 /devices/pci@0,0/pci8086,3604@1/pci1000,3150@0/sd@b,0
システムに含まれる特定タイプのディスクの数を特定する場合は、次のような diskinfo 構文を使用します。
$ diskinfo -n SEAGATE ST31000N-SU0B-931.51GB -o Dcf D:devchassis-path t:occupant-type c:occupant-compdev ---------------------------------------------------- --------------- ------------------ /dev/chassis/colab5@RACK10_24-25/SCSI_Device__0/disk disk c0t13d0 /dev/chassis/colab5@RACK10_24-25/SCSI_Device__1/disk disk c0t14d0 /dev/chassis/colab5@RACK10_24-25/SCSI_Device__2/disk disk c0t2d0 /dev/chassis/colab5@RACK10_24-25/SCSI_Device__3/disk disk c0t1d0 /dev/chassis/colab5@RACK10_24-25/SCSI_Device__4/disk disk c0t15d0 /dev/chassis/colab5@RACK10_24-25/SCSI_Device__5/disk disk c0t16d0 /dev/chassis/colab5@RACK10_24-25/SCSI_Device__6/disk disk c0t6d0 /dev/chassis/colab5@RACK10_24-25/SCSI_Device__7/disk disk c0t7d0 /dev/chassis/colab5@RACK10_24-25/SCSI_Device__8/disk disk c0t17d0 /dev/chassis/colab5@RACK10_24-25/SCSI_Device__9/disk disk c0t18d0 /dev/chassis/colab5@RACK10_24-25/SCSI_Device__10/disk disk c0t10d0
注 - diskinfo コマンドを使用する場合は、シャーシが SES 診断ページ 0xa (追加要素ステータス) をサポートし、EIP (Element Index Present) ビットを 1 に設定する必要があります。この条件を満たさない格納装置は完全には列挙されないため、適切に表示されません。
format コマンドが更新され、デバイスの物理的な位置情報を提供するようになりました。例:
# format . . . 18. c0t4d0 <SEAGATE-ST345056SSUN450G-081C-419.19GB> /pci@0,600000/pci@0/pci@9/LSILogic,sas@0/sd@4,0 /dev/chassis/colab5@RACK10_26-27/SCSI_Device__6/disk 19. c0t27d0 <ATA-SEAGATE ST35000N-3AZQ-465.76GB> /pci@0,600000/pci@0/pci@9/LSILogic,sas@0/sd@1b,0 /dev/chassis/colab5@RACK10_26-27/SCSI_Device__7/disk 20. c0t23d0 <ATA-SEAGATE ST31000N-SU0B-931.51GB> /pci@0,600000/pci@0/pci@9/LSILogic,sas@0/sd@17,0 /dev/chassis/colab5@RACK10_26-27/SCSI_Device__8/disk 21. c0t24d0 <ATA-SEAGATE ST31000N-SU0B-931.51GB> /pci@0,600000/pci@0/pci@9/LSILogic,sas@0/sd@18,0 /dev/chassis/colab5@RACK10_26-27/SCSI_Device__9/disk
デバイスの物理的な位置情報を表示するには、prtconf -l を使用します。例:
$ prtconf -l | more System Configuration: Oracle Corporation sun4v Memory size: 32640 Megabytes System Peripherals (Software Nodes): SUNW,SPARC-Enterprise-T5220 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__0/disk . . . pci, instance #15 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__0/disk LSILogic,sas, instance #1 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__0/disk smp, instance #0 (driver not attached) sd, instance #2 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__0/disk sd, instance #4 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__1/disk sd, instance #5 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__2/disk sd, instance #6 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__3/disk sd, instance #7 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__4/disk sd, instance #8 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__5/disk sd, instance #9 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__6/disk sd, instance #10 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__7/disk sd, instance #11 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__8/disk sd, instance #12 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__9/disk sd, instance #13 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__10/disk sd, instance #14 location: /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.0918QAKA24/SCSI_Device__11/disk
デバイスの物理的な位置情報を表示するには、zpool status -l オプションを使用します。例:
% zpool status -l export pool: export state: ONLINE scan: resilvered 379G in 8h31m with 0 errors on Thu Jan 27 23:10:20 2011 config: NAME STATE READ WRITE CKSUM export ONLINE 0 0 0 mirror-0 ONLINE 0 0 0 /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.rack22/SCSI_Device__2/disk ONLINE 0 0 0 /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.rack22/SCSI_Device__3/disk ONLINE 0 0 0 mirror-1 ONLINE 0 0 0 /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.rack22/SCSI_Device__4/disk ONLINE 0 0 0 /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.rack22/SCSI_Device__5/disk ONLINE 0 0 0 mirror-2 ONLINE 0 0 0 /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.rack22/SCSI_Device__6/disk ONLINE 0 0 0 /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.rack22/SCSI_Device__7/disk ONLINE 0 0 0 mirror-3 ONLINE 0 0 0 /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.rack22/SCSI_Device__8/disk ONLINE 0 0 0 /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.rack22/SCSI_Device__9/disk ONLINE 0 0 0 mirror-4 ONLINE 0 0 0 /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.rack22/SCSI_Device__10/disk ONLINE 0 0 0 /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.rack22/SCSI_Device__11/disk ONLINE 0 0 0 spares /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.rack22/SCSI_Device__0/disk AVAIL /dev/chassis/SUN-Storage-J4400.rack22/SCSI_Device__1/disk AVAIL errors: No known data errors
Oracle Solaris 11: 以前の Solaris リリースでは、512 バイトのディスクセクターサイズがサポートされていました。この リリースでは、セクターサイズ 512 バイト、1024 バイト、2048 バイト、または 4096 バイトのディスクがサポートされます。大きなセクターのディスクを使用すれば、ディスク容量のアップ、信頼性の向上、データ転送の効率化、およびドライブ保守時間の短縮を図ることができます。
この Oracle Solaris リリースで、大きなセクターのディスク上で使用可能なサポートされているファイルシステムは、ルート以外の ZFS ファイルシステムのみです。大きなセクターのディスクを COMSTAR ターゲットとして使用する方法の詳細は、第 14 章COMSTAR を使用したストレージデバイスの構成を参照してください。
大きなセクターのディスクからブートやインストールを行う機能は、現時点ではサポートされていません。
Oracle Solaris 11: Solaris の以前のリリースでは、1T バイトを超えるディスクに Solaris OS をインストールしてブートすることはできませんでした。この Solaris リリースでは、最大 2T バイトのサイズのディスクに Solaris OS をインストールしてブートできます。以前のリリースでは、1T バイトを超えるディスクには EFI ラベルを使用する必要がありました。このリリースでは、任意のサイズのディスクに VTOC ラベルを使用できますが、VTOC でアドレス指定可能な容量は 2T バイトに制限されています。
Oracle Solaris ディスクドライバおよびディスクユーティリティーが更新され、次のサポートが提供されるようになりました。
2T バイトのディスクに Oracle Solaris OS をインストールおよびブートする場合、そのディスクは 1.5G バイト以上のメモリーを搭載するシステムに接続されている必要があります。
format -e ユーティリティーにより、VTOC ラベルを使って任意のサイズのディスクにラベルを付けることができます。ただし、アドレス指定可能な容量は 2T バイトに制限されています。
format ユーティリティーおよびインストールソフトウェアにより、2T バイト未満のサイズのディスクに使用されるデフォルトのラベルは VTOC ラベルです。
x86 システムの 1T バイトを超えるディスクに対しては、fdisk ユーティリティーを使用できます。非 EFI パーティションタイプの MBR で、2T バイト以内のパーティションへのサポートが追加されました。このサポートにより、2T バイトまでの Solaris パーティションを使用できるようになりました。その他の非 EFI パーティションでは、パーティションタイプによって制限が課される場合があります。
2T バイトを超えるディスクに対して fdisk ユーティリティーを実行すると、2T バイトを超える非 EFI パーティションを作成することはできないことを示す警告メッセージが表示されます。
1T バイトを超えるレガシー MBR またはレガシー VTOC ディスクを、以前の Solaris リリースに移動することはできないことに留意してください。EFI ラベルの付いたディスクは、以前の Solaris リリースの場合と同様に引き続き動作します。
このリリースでの EFI ラベルの変更の詳細は、「EFI ディスクラベル」を参照してください。
Oracle Solaris 11: この Solaris リリースでは、Solaris iSCSI ターゲットおよびイニシエータソフトウェアで iSNS (Internet Storage Name Service) プロトコルがサポートされます。iSNS プロトコルによって、TCP/IP ネットワーク上での iSCSI デバイスの発見、管理、および構成を自動化できます。
詳しい手順については次の情報を参照してください。
他社製 iSNS サーバーを使用するように Oracle Solaris ターゲットを構成する方法については、第 14 章COMSTAR を使用したストレージデバイスの構成を参照してください。
Solaris iSNS サーバーを使用して Solaris iSCSI ターゲットを構成する方法については、第 15 章Oracle Solaris Internet Storage Name Service (iSNS) の構成と管理およびisnsadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
Oracle Solaris 11: iSCSI は、データストレージサブシステムを接続するための、インターネットプロトコル (Internet Protocol、IP) ベースのストレージネットワーク標準です。SCSI コマンドを IP ネットワーク経由で伝送するため、iSCSI プロトコルにより、ネットワーク上でローカルシステムにディスクデバイスをマウントできます。ローカルシステム上では、デバイスをブロックデバイスのように使用できます。
COMSTAR (Common Multiprotocol SCSI TARget) は、任意の Oracle Solaris 11 ホストを SCSI ターゲットデバイスに変換可能なソフトウェアフレームワークで、変換した SCSI ターゲットデバイスには、イニシエータホストからストレージネットワーク経由でアクセスできます
詳細については、第 14 章COMSTAR を使用したストレージデバイスの構成を参照してください。
Oracle Solaris 11: x86 システムの以前のブート方式が GRUB ブートメニューに置き換わっています。ディスク管理の領域では、システムディスクを置き換えるための代替デバイスからブートするとき、またはブートブロックをインストールするときは、GRUB インタフェースを使用します。
GRUB ブート環境は次の機能を提供します。
ネットワークブート – BIOS の構成中に F12 キーを押して、ネットワークからブートします。
シングルユーザーブート – Solaris フェイルセーフブートメニューから次のオプションを選択して、シングルユーザーモードでブートします。
kernel /platform/i86pc/multiboot
次に、e (編集) オプションを使用して -s シングルユーザーオプションを追加します。例:
kernel /platform/i86pc/multiboot -s
Return キーを押してから b キーを押してシステムをブートします。Control + D キーを押して、システムをマルチユーザーモードでブートしなおします。
GRUB 環境では、x86 システム上で動作しているときに、fmthard コマンドを使用してブートブロックを自動的にインストールすることはできません。ブートブロックは別個にインストールする必要があります。
x86 システムでの新しい GRUB ベースのブートの使用方法の詳細は、『x86 プラットフォーム上の Oracle Solaris のブートおよびシャットダウン』を参照してください。
この機能は、SPARC システムでは使用できません。
Oracle Solaris 11: SCSI ドライバ ssd または sd は、2T バイト以上をサポートします。以前の Solaris リリースでは、SCSI ドライバ ssd または sd が 2T バイトに制限されています。
format ユーティリティーを使用して、これらの大容量ディスクのラベル作成、構成、およびパーティション作成を行うことができます。大容量ディスクで EFI ディスクラベルを使用する方法および fdisk ユーティリティーの制限事項については、 「EFI ディスクラベルの制限」を参照してください。