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Oracle Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル     Oracle Solaris 11 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris システムのチューニングの概要

2.  Oracle Solaris カーネルチューニング可能パラメータ

3.  NFS チューニング可能パラメータ

4.  インターネットプロトコル群のチューニング可能パラメータ

チューニング可能パラメータ情報の記載箇所

IP パラメータのチューニングの概要

IP パラメータの妥当性検査

RFC (Internet Request for Comments)

IP チューニング可能パラメータ

_icmp_err_interval _icmp_err_burst

_respond_to_echo_broadcast_respond_to_echo_multicast (ipv4 または ipv6)

_send_redirects (ipv4 または ipv6)

forwarding (ipv4 または ipv6)

ttl

hoplimit (ipv6)

_addrs_per_if

hostmodel (ipv4 または ipv6)

ip_squeue_fanout

特別な注意を要する IP チューニング可能パラメータ

_pathmtu_interval

_icmp_return_data_bytes (ipv4 または ipv6)

TCP チューニング可能パラメータ

_deferred_ack_interval

_local_dack_interval

_deferred_acks_max

_local_dacks_max

_wscale_always

_tstamp_always

send_buf

recv_buf

max_buf

_cwnd_max

_slow_start_initial

_slow_start_after_idle

sack

_rev_src_routes

_time_wait_interval

ecn

_conn_req_max_q

_conn_req_max_q0

_conn_req_min

_rst_sent_rate_enabled

_rst_sent_rate

smallest_anon_port

largest_anon_port

/etc/system ファイルに設定する TCP/IP パラメータ

ipcl_conn_hash_size

ip_squeue_worker_wait

特別な注意を要する TCP パラメータ

_keepalive_interval

_ip_abort_interval

_rexmit_interval_initial

_rexmit_interval_max

_rexmit_interval_min

_rexmit_interval_extra

_tstamp_if_wscale

_recv_hiwat_minmss

UDP チューニング可能パラメータ

send_buf

recv_buf

max_buf

smallest_anon_port

largest_anon_port

IPQoS チューニング可能パラメータ

_policy_mask

SCTP チューニング可能パラメータ

_max_init_retr

_pa_max_retr

_pp_max_retr

_cwnd_max

_ipv4_ttl

_ipv6_hoplimit

_heartbeat_interval

_new_secret_interval

_initial_mtu

_deferred_ack_interval

_ignore_path_mtu

_initial_ssthresh

send_buf

_xmit_lowat

recv_buf

max_buf

_rto_min

_rto_max

_rto_initial

_cookie_life

_max_in_streams

_initial_out_streams

_shutack_wait_bound

_maxburst

_addip_enabled

_prsctp_enabled

smallest_anon_port

largest_anon_port

ルート別のメトリック

5.  ネットワークキャッシュとアクセラレータのチューニング可能パラメータ

6.  システム機能のパラメータ

A.  チューニング可能パラメータの変更履歴

B.  このマニュアルの改訂履歴

索引

SCTP チューニング可能パラメータ

_max_init_retr

説明

SCTP 終端が INIT チャンクの再送信位置で行う最大試行回数を制御します。SCTP 終端は、SCTP 設定構造で、この値をオーバーライドできます。

デフォルト

8

範囲

0 から 128

動的か

はい

どのような場合に変更するか

INIT 再送回数は _pa_max_retr に依存します。_max_init_retr_pa_max_retr 以下であれば理想的です。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_pa_max_retr

説明

SCTP 接続のすべてのパスを経由する最大再送回数を制御します。この値を超過すると、SCTP 接続は終了します。

デフォルト

10

範囲

1 から 128

動的か

はい

どのような場合に変更するか

すべてのパスを経由する最大再送回数は、パスの数と各パスの最大再送回数によって決定されます。_pa_max_retr は、使用可能なすべてのパスの _pp_max_retrの合計に設定するべきです。たとえば、宛先までのパス数が 3 で、これらのパスの最大再送回数がそれぞれ 5 回である場合、_pa_max_retr には 15 以下の値を設定するべきです (RFC 2960、Section 8.2 の Note を参照)。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_pp_max_retr

説明

特定のパスを経由する最大再送回数を制御します。この数値を超過したパスがあると、パス (宛先) に到達できません。

デフォルト

5

範囲

1 から 128

動的か

はい

どのような場合に変更するか

この値を 5 より小さい値に変更しないでください。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_cwnd_max

説明

SCTP 接続の輻輳ウィンドウの最大値を制御します。

デフォルト

1,048,576

範囲

128 から 1,073,741,824

動的か

はい

どのような場合に変更するか

アプリケーションが setsockopt(3XNET) を使用してウィンドウサイズに _cwnd_max より大きい値を設定しようとしても、使用される実際のウィンドウが _cwnd_max を超えることはありません。したがって、max_buf_cwnd_max より大きくするべきです。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_ipv4_ttl

説明

SCTP 接続上で、発信 IPv4 パケットの IP バージョン 4 ヘッダーの TTL 値を制御します。

デフォルト

64

範囲

1 から 255

動的か

はい

どのような場合に変更するか

通常、この値を変更する必要はありません。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_ipv6_hoplimit

説明

SCTP 接続上で、発信 IPv6 パケットの IPv6 ヘッダーのホップ制限値を設定します。

デフォルト

60

範囲

0 から 255

動的か

はい

どのような場合に変更するか

通常、この値を変更する必要はありません。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_heartbeat_interval

説明

HEARTBEAT チャンクからハードビートに対応したアイドル状態の宛先までの間隔を計算します。

SCTP 終端は、相手側のアイドル状態の宛先転送アドレスまでの到達性を監視するため、定期的に HEARTBEAT チャンクを送信します。

デフォルト

30 秒

範囲

0 から 86,400 秒

動的か

はい

どのような場合に変更するか

RFC 2960 の 8.3 を参照してください。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_new_secret_interval

説明

新しいシークレットを生成するタイミングを判定します。生成されたシークレットから、Cookie の MAC を計算できます。

デフォルト

2 分

範囲

0 から 1,440 分

動的か

はい

どのような場合に変更するか

RFC 2960 の 5.1.3 を参照してください。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_initial_mtu

説明

IP ヘッダー長を含めた SCTP パケットの初期最大送信サイズを判定します。

デフォルト

1500 バイト

範囲

68 から 65,535

動的か

はい

どのような場合に変更するか

基底リンクが 1500 バイト以上のフレームサイズをサポートする場合は、このパラメータの値を大きくします。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_deferred_ack_interval

説明

SCTP 遅延肯定応答 (ACK) タイマーのタイムアウト値をミリ秒で設定します。

デフォルト

100 ミリ秒

範囲

1 から 60,000 ミリ秒

動的か

はい

どのような場合に変更するか

RFC 2960 の 6.2 を参照してください。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_ignore_path_mtu

説明

パス MTU 検出の有効/無効を切り替えます。

デフォルト

0 (無効)

範囲

0 (無効)、1 (有効)

動的か

はい

どのような場合に変更するか

パスにおける MTU の変更を無視する場合、このパラメータを有効にします。パス MTU が減った場合、このパラメータを有効にすると、IP 分割が行われます。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_initial_ssthresh

説明

相手側の宛先アドレスの初期スロースタートしきい値を設定します。

デフォルト

1,048,576

範囲

1024 から 4,294,967,295

動的か

はい

どのような場合に変更するか

RFC 2960 の 7.2.1 を参照してください。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

send_buf

説明

デフォルトの送信バッファーサイズをバイト数で指定します。max_bufも参照してください。

デフォルト

102,400

範囲

8,192 から max_bufの現在の値

動的か

はい

どのような場合に変更するか

アプリケーションは setsockopt(3XNET) SO_SNDBUF を使って、送信バッファーを接続ごとに変更できます。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_xmit_lowat

説明

送信ウィンドウサイズの下限値を制御します。

デフォルト

8,192

範囲

8,192 から 1,073,741,824

動的か

はい

どのような場合に変更するか

通常、この値を変更する必要はありません。このパラメータは、ソケットの送信バッファーを書き込み可能にするために必要な最小限のサイズを設定します。必要に応じて、send_bufと一致するようにこのパラメータを変更できます。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

recv_buf

説明

デフォルトの受信バッファーサイズをバイト数で指定します。max_bufも参照してください。

デフォルト

102,400

範囲

8,192 から max_bufの現在の値

動的か

はい

どのような場合に変更するか

アプリケーションは setsockopt(3XNET) SO_RCVBUF を使って、受信バッファーを接続ごとに変更できます。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

max_buf

説明

送信および受信バッファーサイズの最大値をバイト数で制御します。これは、アプリケーションが getsockopt(3SOCKET) を使用して設定する送信バッファーおよび受信バッファーの最大値を制御します。

デフォルト

1,048,576

範囲

102,400 から 1,073,741,824

動的か

はい

どのような場合に変更するか

高速ネットワーク環境で接続を確立する場合は、ネットワークリンク速度に合わせて、このパラメータの値を大きくします。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_rto_min

説明

相手側のすべての宛先アドレスの再送タイムアウト (RTO) の下限値をミリ秒で設定します。

デフォルト

1,000

範囲

500 から 60,000

動的か

はい

どのような場合に変更するか

RFC 2960 の 6.3.1 を参照してください。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_rto_max

説明

相手側のすべての宛先アドレスの再送タイムアウト (RTO) の上限値をミリ秒で設定します。

デフォルト

60,000

範囲

1,000 から 60,000,000

動的か

はい

どのような場合に変更するか

RFC 2960 の 6.3.1 を参照してください。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_rto_initial

説明

相手側のすべての宛先アドレスの初期再送タイムアウト (RTO) 値をミリ秒で制御します。

デフォルト

3,000

範囲

1,000 から 60,000,000

動的か

はい

どのような場合に変更するか

RFC 2960 の 6.3.1 を参照してください。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_cookie_life

説明

Cookie の寿命をミリ秒で設定します。

デフォルト

60,000

範囲

10 から 60,000,000

動的か

はい

どのような場合に変更するか

通常、この値を変更する必要はありません。このパラメータは、_rto_maxに合わせて変更できます。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_max_in_streams

説明

SCTP 接続 1 個あたりに許可された最大インバウンドストリーム数を制御します。

デフォルト

32

範囲

1 から 65,535

動的か

はい

どのような場合に変更するか

RFC 2960 の 5.1.1 を参照してください。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_initial_out_streams

説明

SCTP 接続 1 個あたりに許可された最大発信ストリーム数を制御します。

デフォルト

32

範囲

1 から 65,535

動的か

はい

どのような場合に変更するか

RFC 2960 の 5.1.1 を参照してください。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_shutack_wait_bound

説明

SHUTDOWN チャンクの送信後、SHUTDOWN ACK を待機する最大待ち時間をミリ秒で制御します。

デフォルト

60,000

範囲

0 から 300,000

動的か

はい

どのような場合に変更するか

通常、この値を変更する必要はありません。このパラメータは、_rto_maxに合わせて変更できます。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_maxburst

説明

1 つのバーストで送信されるセグメント数の制限値を設定します。

デフォルト

4

範囲

2 から 8

動的か

はい

どのような場合に変更するか

このパラメータを変更する必要はありません。この値はテスト目的で変更する場合があります。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_addip_enabled

説明

SCTP 動的アドレス構成の有効/無効を切り替えます。

デフォルト

0 (無効)

範囲

0 (無効)、1 (有効)

動的か

はい

どのような場合に変更するか

動的アドレス構成が必要な場合は有効にします。セキュリティー上、このパラメータはテスト目的以外では有効にしないでください。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

_prsctp_enabled

説明

SCTP に対する部分的な信頼の拡張 (RFC 3758) の有効/無効を切り替えます。

デフォルト

1 (有効)

範囲

0 (無効)、1 (有効)

動的か

はい

どのような場合に変更するか

ご使用の SCTP 環境で部分的な信頼がサポートされていない場合、無効にします。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、「SCTP パラメータの名前の変更 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

smallest_anon_port

説明

このパラメータは、SCTP が一時的なポートとして選択できる最小ポート番号を制御します。アプリケーションでは、指定されたプロトコルを使って接続を作成する際に、ポート番号を指定しないで一時的なポートを使用することができます。一時的なポートは、特定のアプリケーションに関連付けられていません。接続が閉じられると、ポート番号を別のアプリケーションで再利用できます。

単位

ポート番号

デフォルト

32,768

範囲

1,024 から 65,535

動的か

はい

どのような場合に変更するか

より広範囲の一時的なポートが必要な場合。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、[tcp,sctp,udp]_smallest_anon_port [tcp,sctp,udp]_largest_anon_port (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

largest_anon_port

説明

このパラメータは、SCTP が一時的なポートとして選択できる最大ポート番号を制御します。アプリケーションでは、指定されたプロトコルを使って接続を作成する際に、ポート番号を指定しないで一時的なポートを使用することができます。一時的なポートは、特定のアプリケーションに関連付けられていません。接続が閉じられると、ポート番号を別のアプリケーションで再利用できます。

単位

ポート番号

デフォルト

65,535

範囲

32,768 - 65,535

動的か

はい

どのような場合に変更するか

より広範囲の一時的なポートが必要な場合。

コミットレベル

変更の可能性あり

変更履歴

詳細は、[tcp,sctp,udp]_smallest_anon_port [tcp,sctp,udp]_largest_anon_port (Oracle Solaris 11)」を参照してください。