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Oracle Solaris 10 から Oracle Solaris 11 への移行 Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
1. Oracle Solaris 10 から Oracle Solaris 11 への移行 (概要)
2. Oracle Solaris 11 インストール方法への移行
Oracle Solaris 10 と Oracle Solaris 11 のシステム構成ツールの比較
10. 仮想環境での Oracle Solaris リリースの管理
Oracle Solaris 11 では、旧バージョンの LP 印刷サービスが CUPS (Common UNIX Printing System) に置き換えられています。CUPS は、モジュール化されたオープンソースの印刷システムであり、プリンタ、印刷要求、および印刷キューを管理するための基準としてインターネット印刷プロトコル (IPP) を使用します。CUPS は、ネットワークプリンタのブラウズおよび PostScript Printer Description ベースの印刷オプションもサポートします。CUPS は、ローカルネットワークの共通印刷インタフェースも提供します。
次の重要な変更は、Oracle Solaris 11 で LP 印刷サービスが削除された結果です。
Solaris 印刷マネージャーの削除 – Solaris 印刷マネージャーが使用できなくなりました。このツールは CUPS 印刷マネージャーに置き換えられています。
LP 印刷コマンドの削除 – いくつかの LP 印刷コマンド、ファイル、およびサービスが使用できなくなりました。lp、lpadmin、lpc、lpr などのいくつかの LP 印刷コマンドは引き続き使用できます。ただし、これらのコマンドは CUPS によって管理されるようになります。削除されたコマンド、サービス、およびファイルの完全なリストについては、「レガシーシステム管理コマンド、ツール、サービス、およびファイルの削除」を参照してください。
プリンタ構成が NIS ネームサービスに格納されなくなる – Oracle Solaris 10 で NIS ネームサービスに格納されるプリンタ構成は CUPS によって使用されません。CUPS では、ネットワーク上のプリンタを自動検出するため、手動構成なしでこれらのプリンタに出力できます。管理者は、共有機能を有効にすることで、CUPS を使って構成されるネットワークプリンタを共有できます。『Oracle Solaris の管理: 一般的なタスク』の「プリンタを共有解除または共有する方法」を参照してください。
/etc/printers.conf ファイルの削除 - Oracle Solaris 10 以前のリリースでは、/etc/printers.conf ファイルは、LP 印刷サービスを使って設定されるすべてのプリンタに関する詳細が格納されている場所です。Oracle Solaris 11 では、新規インストール後にこのファイルが生成されなくなりました。lp 印刷コマンドを使って構成されたプリンタに関する情報はすべて削除されます。結果となる動作は、システム上でこれらのプリンタがまったく構成されなかったかのようになります。以前に構成されたプリンタはすべて、CUPS を使って再構成する必要があります。既存のプリンタを再構成する前にそれらを削除する必要がないことに注意してください。CUPS で動作するように印刷環境を設定する方法については、「Oracle Solaris 11 のインストール後に印刷環境を設定する方法」を参照してください。
~/.printers ファイルの動作と使用に対する変更 - ~/.printers ファイルでユーザーごとに構成されるプリンタは機能しなくなりました。プリンタの構成は、CUPS のみを使用して管理されるようになりました。デフォルトのプリンタは、LPDEST または PRINTER 環境変数を設定するか、あるいは新しい lpoptions コマンドを使用してユーザーごとに設定できます。lpoptions コマンドは、ファイル内にデフォルトのプリンタエントリが一覧表示される ~/.lpoptions ファイルを作成します。デフォルトでは、すべての印刷ジョブがこのプリンタに出力されます。
次のように、プリンタに固有のオプションを表示できます。
# lpoptions -l printer-name
d オプションを使用して、デフォルトプリンタのデフォルトの出力先またはインスタンスを設定できます。
# lpoptions -d printer-name
/etc/passwd ファイルの lp エントリは次のようになります。
lp:x:71:8:Line Printer Admin:/:
/etc/group ファイルの lp エントリは以前のリリースのままです。
『Oracle Solaris の管理: 一般的なタスク』の第 15 章「CUPS を使用したプリンタの設定と管理 (手順)」を参照してください。
新規インストール後に CUPS で動作するように印刷環境を設定するには、次の手順を使用します。Oracle Solaris 11 Express からアップグレードしている場合は、「Oracle Solaris 11 Express のアップグレード後に印刷環境を設定する方法」を参照してください。
# svcs -a | grep cups/scheduler # svcs -a | grep cups/in-lpd
# svcadm enable cups/scheduler # svcadm enable cups/in-lpd
# pkg info print/cups/system-config-printer
# pkg install print/cups/system-config-printer
次の手順
手順については、『Oracle Solaris の管理: 一般的なタスク』の「CUPS コマンド行ユーティリティーを使用したプリンタの設定と管理」を参照してください。