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マニュアルページセクション 1M: システム管理コマンド Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
- ZFS ファイルシステムを共有または共有解除する
zfs [-?]
zfs help subcommand | help | property property-name | permission
zfs create [-p] [-o sharenfs=on | sharesmb=on] [-o property ... filesystem
zfs set share=name=sharename,path=pathname,[desc=description], prot=smb | nfs[,property=value[,...]] filesystem
zfs set [-r] sharenfs=on | off filesystem
zfs set [-r] sharesmb=on | off filesystem
zfs set -c share=name=sharename filesystem
zfs get [-r] sharenfs filesystem ...
zfs get [-r] sharesmb filesystem ...
zfs get [-r] share filesystem ...
zfs share -a | filesystem
zfs unshare -a filesystem|mountpoint
zpool(1M) で説明されているように、zfs set share コマンドを使用して ZFS ストレージプール内に NFS または SMB 共有を作成します。sharenfs または sharesmb をオンに設定すると、共有を公開します。また、zfs share および zfs unshare コマンドを使用すると、ZFS データセットの NFS 共有を公開および非公開にできます。
ファイルシステムプロパティーは、ネイティブプロパティーとユーザー定義 (「ユーザー」) プロパティーの 2 種類に分けられます。ネイティブプロパティーは、情報を表示するか ZFS の動作を制御します。また、ネイティブプロパティーは編集可能であるか、読み取り専用です。
プロパティーは、子により上書きされないかぎり、親から継承されます。一部のプロパティーは、特定のタイプのデータセット (ファイルシステム、ボリューム、またはスナップショット) にのみ適用されます。
次のネイティブプロパティーを使用すると ZFS ファイルシステムの動作を変更することが可能であり、通常ファイルシステムの共有時に使用されます。
次の NFS および SMB ネイティブプロパティーを使用すると、ZFS 共有の動作を変更できます。
ファイルシステムを nbmand (非ブロッキング強制ロック) でマウントするべきかどうかを制御します。これは SMB クライアントに使用されます。このプロパティーの変更は、ファイルシステムをマウント解除してから再マウントしたときにはじめて反映されます。nbmand マウントの詳細は、mount(1M) を参照してください。
このデータを変更できるかどうかを制御します。デフォルト値は off です。
このプロパティーは、列の短縮名 rdonly を使用して参照することもできます。
ZFS データセットを NFS 共有として公開するかどうかを制御します。また、zfs share および zfs unshare コマンドを使用すると、ZFS データセットの NFS 共有を公開および非公開にできます。どちらの NFS 共有公開方法でも、NFS 共有プロパティーがすでに設定されている必要があります。NFS 共有プロパティーの設定の詳細については、zfs set share コマンドを参照してください。
sharenfs プロパティーを変更すると、ファイルシステム共有、およびそのプロパティーを継承するすべての子は、そのプロパティーが以前に off であった場合、またはそのプロパティーの変更前に共有が公開されていた場合にのみ、zfs set share コマンドで設定されている新しいオプションで再度公開されます。新しいプロパティー値が off であれば、ファイルシステム共有は非公開になります。
ZFS データセットを SMB 共有として公開するかどうかを制御します。また、zfs share および zfs unshare コマンドを使用すると、ZFS データセットの SMB 共有を公開および非公開にできます。どちらの SMB 共有公開方法でも、SMB 共有プロパティーが同時に設定されている必要があります。SMB 共有プロパティーの設定の詳細については、zfs set share コマンドを参照してください。
SMB 共有にはリソース名が必要であるため、データセット名から一意のリソース名が構築されます。構築される名前はデータセット名のコピーですが、リソース名では使用できない文字がデータセット名に含まれている場合、それらは下線 (_) で置き換えられます。データセット名を指定の名前で置き換えるための擬似プロパティー「name」もサポートされています。この指定された名前は、継承の際に先頭部分のデータセットを置き換えるために使用されます。たとえば、データセット data/home/john が name=john と設定されている場合、data/home/john のリソース名は john になります。john に data/home/john/backups という子データセットがある場合、そのリソース名は john_backups になります。
SMB 共有が作成されると、SMB 共有名が .zfs/shares ディレクトリのエントリとして表示されます。ls または chmod コマンドを使用して、このディレクトリのエントリについて共有レベルの ACL を表示できます。
sharesmb プロパティーを変更すると、データセット共有、およびそのプロパティーを継承するすべての子は、そのプロパティーが以前に off に設定されていた場合、またはそのプロパティーの変更前に共有が公開されていた場合に、zfs set share コマンドで設定されている新しいオプションで再度公開されます。新しいプロパティー値が off であれば、データセット共有は非公開になります。
通常ファイルを開くときや閉じるときに、ファイルのウイルススキャンを実行するかどうかを制御します。ウイルススキャンを実行するには、このプロパティーを有効にするほかに、ウイルススキャンサービスも有効にする必要があります。デフォルト値は off です。
次のプロパティーは、ファイルシステムの作成後には変更できないため、ファイルシステムの作成時に設定するようにしてください。zfs create または zpool create コマンドで設定されていない場合、これらのプロパティーは親データセットから継承されます。これらの機能がサポートされる前に親データセットが作成されたため、親データセットにこれらのプロパティーが存在しない場合、新しいファイルシステムではこれらのプロパティーにデフォルト値が設定されます。
ファイルシステムで使用するファイル名照合アルゴリズムで、大文字と小文字を区別するか、区別しないか、または両方の照合方式の組み合わせを許可するかを指定します。casesensitivity プロパティーのデフォルト値は mixed です。通常、UNIX および POSIX のファイルシステムでは、ファイル名の大文字と小文字を区別します。
casesensitivity プロパティーの値が mixed の場合、ファイルシステムが要求に応じて大文字と小文字を区別する照合も区別しない照合もサポートできることを示します。現在、混合動作をサポートするファイルシステムで大文字と小文字を区別しない照合が可能なのは、Solaris SMB サーバー製品に限られています。mixed 値の動作の詳細については、『Oracle Solaris の管理: ZFS ファイルシステム』を参照してください。
ファイルシステムで 2 つのファイル名を比較するとき常にファイル名の unicode 正規化を実行するかどうか、およびどの正規化アルゴリズムを使用するかを指定します。保存されるファイル名が変更されることはなく、名前の正規化は比較処理の一部として実行されます。このプロパティーが none 以外の有効な値に設定されており、utf8only プロパティーが指定されなかった場合、utf8only プロパティーは自動的に on に設定されます。normalization プロパティーのデフォルト値は none です。このプロパティーは、ファイルシステムの作成後には変更できません。
UTF-8 文字コードセットに存在しない文字が含まれているファイル名をファイルシステムで拒否するかどうかを設定します。このプロパティーが明示的に off に設定されている場合、normalization プロパティーを明示的に設定しないか、または none に設定する必要があります。utf8only プロパティーのデフォルト値は off です。このプロパティーは、ファイルシステムの作成後には変更できません。
状態を変更するサブコマンドはすべて、元の形式でプールに永続的に記録されます。
ヘルプメッセージを表示します。
zfs コマンドの使用法情報を表示します。特定のコマンド、プロパティー、または委任アクセス権のヘルプを表示できます。特定のコマンドまたはプロパティーのヘルプを表示した場合、コマンド構文またはプロパティー値が表示されます。引数を何も付けずに zfs help を使用すると、zfs コマンドの完全なリストが表示されます。
新しい ZFS ファイルシステムを作成します。ファイルシステムは、親から継承した mountpoint プロパティーに従って自動的にマウントされます。
データセットの作成時にコマンド zfs set property=value が呼び出された場合と同様に、指定されたプロパティーを設定します。編集可能なすべての ZFS プロパティーは、作成時にも設定可能です。複数の -o オプションを指定できます。複数の -o オプション内で同じプロパティーを指定した場合は、エラーが発生します。
定義されているすべての共有、または指定されたファイルシステムか子孫のファイルシステム用に定義されている共有を表示します。
ZFS データセットの NFS または SMB ファイル共有プロパティーを定義します。NFS または SMB ファイル共有プロパティーの設定後、sharenfs または sharesmb プロパティーを on に設定することによって、ZFS ファイルシステムの NFS または SMB 共有を公開できます。
次の共有プロパティーは必須です。
NFS または SMB 共有名を指定します。共有名の最大長は、80 文字です。
共有されるデータセットの物理パス、または共有されるデータセット内のサブディレクトリの物理パスを指定します。
NFS または SMB ファイル共有プロトコルを識別します。
次の共有プロパティーは省略可能です。
共有リソースを表すテキスト文字列を指定します。説明内のスペースまたはコンマは、引用符 (“ “) で囲む必要があります。
すべてのクライアントに対して共有を読み取り/書き込み可能にするか読み取り専用にするかを指定します。ホスト名、IP アドレス、またはネットグループを含むコロン区切りのリストを指定することもできます。
ルートアクセスを許可された特定のホストまたはホストのリストから root ユーザーを指定します。デフォルトでは、ルートアクセスを許可されたホストはありません。
sys、dh、krb5 などの NFS サーバーセキュリティーモードを指定します。サポートされているセキュリティーモード情報については、nfssec(5) を参照してください。
次の省略可能な NFS プロパティーは、prot=nfs のあとで、sec プロパティーの前に指定する必要があります。
anon=TYPE_USER nosub=[true|false] nosuid=[true|false] aclok=[true|false] public=[true|false] index=filename log=TYPE_LOGTAG cksum=TYPE_STRINGSET
次の省略可能な SMB プロパティーは、prot=smb のあとに指定する必要があります。
ad-container=string abe=[true|false] csc=[disabled|manual|auto|vdo] catia=[true|false] guestok=[true|false] ro=access-list rw=access-list none=access-list
NFS および SMB 共有プロパティーの詳細については、share_nfs(1M) および share_smb(1M) を参照してください。
プロパティーを、各データセット用に指定した値に設定します。一部のプロパティーのみ、編集可能です。設定可能なプロパティーおよび有効な値については、「プロパティー」の節を参照してください。
子データセットのサブツリー全体に対して、設定の有効な値を再帰的に適用します。有効な値は、プロパティーに応じて設定または継承できます。
ファイルシステム共有を削除します。-c オプションは、前述の zfs set share コマンドからこのサブコマンドを区別します。
sharenfs または sharesmb プロパティーが設定されている場合に、共有プロパティー値に従って ZFS データセットの NFS または SMB 共有を公開します。
NFS または SMB プロトコルでデータセットを共有すると、データセットのデータがネットワークを介して使用できます。sharenfs または sharesmb プロパティーが設定されている ZFS データセットは、システムのブート時に自動的に共有されます。
共有プロパティー値、および sharenfs プロパティーと sharesmb プロパティーの設定に従って、すべての ZFS データセットを共有します。
共有プロパティー値、および sharenfs プロパティーと sharesmb プロパティーの設定に従って、指定されたデータセットを共有します。
sharenfs プロパティーまたは sharesmb プロパティーが設定されているすべての ZFS データセットを共有解除します。
すべての共有されている ZFS データセットを共有解除します。これは、ブートプロセスの一部として自動的に呼び出されます。
指定されたデータセットを共有解除します。このコマンドには、システム上で共有される ZFS データセットのパスを指定することもできます。
例 1 ZFS ファイルシステムの NFS または SMB 共有を作成する
ZFS ファイルシステムの NFS または SMB 共有の作成プロセスは、次の 2 つの手順で構成されます。
zfs set share コマンドで NFS または SMB 共有プロパティーを識別して、共有を作成します。
NFS 共有を作成するには:
# zfs create -o mountpoint=/data tank/data # zfs set share=name=data,path=/data,prot=nfs tank/data
SMB 共有を作成するには:
# zfs set share=name=fs,path=/fs,prot=smb,ro=@10-132-60-234 \ tank/fs
sharenfs プロパティーまたは sharesmb プロパティーを設定して共有を公開します。次のようにコマンドを使用します。
# zfs set sharenfs=on tank/data # zfs set sharesmb=on tank/fs
例 2 NFS または SMB 共有情報を表示する
NFS または SMB 共有情報を表示します。
# zfs get share NAME PROPERTY VALUE SOURCE tank/data share name=data,path=/data,prot=nfs local tank/fs share name=fs,path=/fs,prot=smb,ro... local
例 3 ZFS ファイルシステムの共有プロパティーを追加または変更する
次のように、hostA に読み取り専用などの新しいオプションを追加して、共有を変更します。
# zfs set share=name=data,prot=nfs,ro=hostA tank/data
例 4 ZFS ファイルシステムの NFS または SMB 共有を削除する
zfs set -c コマンドを使用して共有を削除します。
# zfs set -c share=name=fs tank/fs share 'fs' was removed.
次の終了値が返されます。
正常終了。
エラーが発生した。
無効なコマンド行オプションが指定された。
属性についての詳細は、attributes(5) を参照してください。
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chmod(1), chown(1), pktool(1), ssh(1), mount(1M), shadowd(1M), share(1M), share_nfs(1M), share_smb(1M), unshare(1M), zfs(1M), zfs_allow(1M), zfs_encrypt(1M), zonecfg(1M), zpool(1M), chmod(2), chown(2), stat(2), write(2), fsync(3C), dfstab(4), vfstab(4), attributes(5)
gzip(1) のマニュアルページを参照してください。これは SunOS マニュアルページコレクションには含まれていません。
その他の ZFS 機能の使用についての詳細は、『Oracle Solaris の管理: ZFS ファイルシステム』を参照してください。