この項の内容は、次のとおりです。
旧リリースのDynamic Converter (リリース6.0より前)とContent Serverでは、コンテンツ・アイテムは、チェックインして、動的にHTMLに変換し、単独でWebページとしてユーザーに表示できました。ネイティブのビジネス・ドキュメントをWebで参照可能なバージョンに(誰でも見られるように)変えるための解決策は存在しました。しかし、多数のソース・コンテンツ・アイテムからの情報(あるドキュメントのマーケティング情報、別のドキュメントのプレス・リリース、またはフォームからの顧客のフィードバックなど)を1つのWebページ上で組み合せる場合には、そのようなドキュメントを手動で作成し、Webページに変換することが必要でした。複数のコンテンツ・アイテムを組合せ、それらを同じWebページ上で表示する方法はありませんでした。
現在のDynamic Converterではこの問題が解決され、その結果、強力で情報の豊富なWebページをユーザーのために作成できるようになりました。現行バージョンのテンプレートと新しいIdoc Script関数を使用すると、複数のコンテンツ・アイテムから、またはそれらのコンテンツ・アイテムの一部からでさえ、動的に変換された構成要素を引き出し、それらを単一のWebページ(組み合されたHTMLスニペット)としてユーザーに表示できるようになりました。さらに、組み込まれるコンテンツ・アイテムごとに、特定のバージョン、テンプレートおよびレイアウト・ファイルを指定できます。
その結果が、任意の数のソースから動的に生成されたコンテンツを描画するポータルスタイルのWebサイトです(「ポータルスタイルのWebサイトのサンプル」を参照)。
次の図は、動的に変換されたコンテンツの4つの要素を、Content Server環境(枠線およびナビゲーション)で囲んだ単純なポータルスタイルのWebページを示しています。コンテンツの各要素は、実際にはContent Serverにチェックインされたドキュメントです。多くの要素が直接に集まりますが、ユーザーにとっては単一のシームレスなWebページです。
このようなページ、またはHTMLのコード・スニペットを組み合せる同様のページを作成するには、コンテンツ・アイテムを同じWebページ上に表示できるように、コンテンツ・アイテムの動的変換をカスタマイズする必要があります。これには、動的に変換されるHTMLファイルからTOP、HEADおよびBODYのタグを削除するテンプレートまたはレイアウト・ファイルを作成します(「WebページへのHTMLスニペットの統合」の手順1を参照)。
次に、新規のIdoc Script関数を使用して、コンテンツID、バージョン、テンプレートおよびレイアウトごとにHTMLスニペットを呼び出します。これはすべて、次のIdoc Scriptタグ内で指定できます。
<$incDynamicConversion(Content ID, revisionselectionmethod, template, layout)$>
HTMLスニペットを単一のWebページに統合するには、次のようにします。
コンテンツ・アイテムからHTMLのスニペットを生成します(「HTMLのスニペットの生成」を参照)。
Idoc Scriptを使用してHTMLのスニペットをホスト・ページ(HCSTファイル)に呼び出します(「Idoc Script関数を使用したHTMLスニペットの組込み」のページを参照)。
次のいずれかの方法を使用して、コンテンツ・アイテムからHTMLのスニペットを生成できます。
変換テンプレートのXML準拠化
本体コンテンツのみのレイアウト・テンプレートの作成
テンプレートをXML準拠にすることにより、Webページの最初と最後にある標準的なHTMLタグ(<HTML>、<HEAD>、<BODY>など)を削除します。XML準拠のクラシックHTML変換テンプレートを作成するには、次のようにします。
「Dynamic Converterの管理」ページを開きます(「「Dynamic Converterの管理」ページ」を参照)。
「テンプレートの編集」をクリックします。
「テンプレートの編集」ページが表示されます(「「テンプレートの編集」ページ」を参照)。
「テンプレート」テキスト・ボックスに必要なテンプレートのコンテンツIDを入力するか、「使用できるテンプレート」メニューから必要なテンプレートを選択します。
「テンプレートの編集」をクリックします。
既存のクラシックHTML変換テンプレートを更新するかわりに、HTMLスニペット専用に設計した新しいテンプレートを作成してもかまいません。
テンプレート・エディタが起動します(「クラシックHTML変換テンプレート・エディタ」を参照)。
「グローバル」をクリックします。
「グローバル」ダイアログで、「オプション」タブをクリックします。
XML準拠の出力の生成チェック・ボックスを選択して、この要素を有効にします。
「OK」をクリックし、「グローバル」ダイアログを閉じ、もう一度「OK」をクリックして、テンプレート・エディタを閉じます。
これで変換テンプレートにより、コンテンツ・アイテムから必要なHTMLコードが作成され、Idoc Script関数を使用して、別のWebページに簡単に組み込めるようになります(「Idoc Script関数を使用したHTMLスニペットの組込み」を参照)。
方法2: 本体コンテンツのみのレイアウト・テンプレートの作成
Webページの最初と最後にある標準的なHTMLタグ(<HTML>、<HEAD>、<BODY>など)を削除するもう1つの方法は、変換されたHTMLファイルにBODYタグのコンテンツのみを置くレイアウト・テンプレートの指定です。これは、次のコード(トークンと言います)を単独でレイアウト・テンプレートに置くことで実行できます。
<!-- TRANSIT - CUSTOMLAYOUT(BODY) -->
必要なコードが含まれたサンプル・レイアウト・テンプレートsnippet_layout.txt(「snippet_layout.txt」を参照)を使用することもできます。このファイルは、/ucm/Distribution/DynamicConverterSamplesディレクトリにあります。
HTMLスニペット用にクラシックHTML変換テンプレートまたはレイアウト・テンプレートのいずれを作成する場合でも、そのテンプレートをコンテンツ・アイテムに関連付ける必要はありません。Idoc Script関数と併用する適切なテンプレートを指定できます。「Idoc Script関数を使用したHTMLスニペットの組込み」を参照してください。
コンテンツ・アイテムからHTMLのスニペットを作成(「HTMLのスニペットの生成」を参照)すると、別のWebページからそのコンテンツ・アイテムを参照できるようになります。これを行うには、次のIdoc Script関数をHCSTファイルで使用します。
<$incDynamicConversion(Content ID, revisionselectionmethod, template, layout)$>
このIdoc Script関数は、コンテンツID、バージョン、テンプレートおよびレイアウト(レイアウト・テンプレート)でコンテンツを参照します。たとえば、最新バージョンのSalesドキュメントをBusinessクラシックHTML変換テンプレートとsnippet_layoutレイアウト・テンプレートを使用してWebページに組み込む場合は、次のコードを使用します。
<$incDynamicConversion("Sales","latest","Business","snippet_layout")$>
XML準拠のテンプレートを使用して、コンテンツ・アイテムからHTMLのコード・スニペットを作成した場合(「方法1: 変換テンプレートのXML準拠化」を参照)、同じHTMLスニペットの効果をもたらすレイアウト・テンプレートを指定する必要はありません。かわりに、Idoc Script関数<$incDynamicConversion("Sales","latest","Business","")$>に空白パラメータを渡すことができます。
参考用に、snippet_layout.txt (「snippet_layout.txt」を参照)というサンプル・レイアウト・テンプレートが、/ucm/Distribution/DynamicConverterSamplesディレクトリに用意されています。このサンプル・ファイルには、Content Serverに格納されている他のコンテンツ・アイテムの情報(HTMLスニペット)を描画するポータルスタイルのWebページの基本要素が含まれています。(結果は、「ポータルスタイルのWebサイトのサンプル」の図と非常によく似たものになります。)
ファイルには、次の部品が含まれています。
Content Serverの枠線とナビゲーションを表示するヘッダーおよびフッター情報
ポータル・ページのレイアウトを制御するHTMLの表(最上部の表セルに2列、最下部に1列)
コンテンツの3つの個別要素をポータル・ページに組み込む3つのIdoc Script関数(それぞれのバージョン、テンプレートおよびレイアウト・ファイルを参照)
このポータルWebページのサンプルから始めて、ニーズに合せてカスタマイズできます。
Dynamic Converterには、クラシックHTML変換テンプレートまたはレイアウト・テンプレートを参照することなく、ネイティブ・ドキュメントをHTMLスニペットに変換できるIdoc Script拡張機能が含まれています。変換は、本体コンテンツのみを指定するレイアウト・テンプレートと空白のクラシックHTML変換テンプレートを併用する場合と同じです。(ただし、この変換で使用される変換テンプレートまたはレイアウト・テンプレートは変更できません。)
次のIdoc Scriptコードを使用すると、ネイティブ・ドキュメントをこの方法で変換できます。
incInlineDynamicConversion(dDocName, Revision_Selection_Method)
ネイティブ・ドキュメントのコンテンツIDをリビジョンとともにカッコ内に入れます。たとえば、ネイティブ・ドキュメントのコンテンツIDがSalesDocである場合、完全なIdoc Script構文は次のようになります。
<$incInlineDynamicConversion("SalesDoc", "Latest")$>
または
<$incInlineDynamicConversion("SalesDoc", "LatestReleased")$>
このタイプの変換は、Content Server内でクラシックHTML変換テンプレートとレイアウト・テンプレートを指定する必要がなく、ネイティブ・ドキュメントをHTMLスニペットに変換する場合に便利です。
Dynamic Converterには、ドキュメントのContent Serverメタデータを変換されたページ上で使用可能にできるIdoc Script拡張機能が含まれています。この要素を使用するには、次のコードを変換テンプレートに挿入します。
dcLoadDocInfo()
このコードは、ドキュメント変換でのテンプレートの使用方法に応じて、レイアウト・テンプレート(第6章「クラシックHTML変換レイアウト・テンプレート」を参照)またはクラシックHTML変換テンプレート(第5章「HTML変換テンプレート」を参照)に追加できます。Webページの任意の部分でドキュメント・メタデータの使用が試行される前に、このコードを配置することが重要です。
最も簡単な解決策は、コードをレイアウト・テンプレートの一番上に追加することです。このようにすると、ドキュメントにContent Serverメタデータを使用するWebページのすべての部分が機能します。このコードは、クラシックHTML変換テンプレートのどのセクションにも追加できます(詳細は、テンプレート・エディタ・ヘルプの「WebページへのHTMLまたはスクリプト・コードの組込み」を参照してください)。