第4章 Oracle NoSQL Database向けの開発

目次

KVStoreハンドル
KVStoreConfigクラス

Oracle NoSQL DatabaseのKVStore内のデータには、製品に含まれているJava APIを使用してアクセスします。これらのAPIを使用して、キーと値の作成、キーと値のペアのストアへの格納と再取得を行うことができます。これらのAPIを使用して一貫性と永続性の保証を定義することもできます。すべての操作が成功するか、いずれも成功しないかのどちらかになるよう、ストアに対する一連の操作を一度に実行することもできます。

この本の後半で、ストアのアクセスに使用するJava APIとその概念について説明します。

注意

Oracle NoSQL Databaseには、Java SE 6 (jdk 1.6.0 u25)以上が必要です。

KVStoreハンドル

ストア・アクセスを行うには、KVStoreハンドルを取得する必要があります。KVStoreハンドルの取得は、KVStoreFactoryクラスを使用して行います。

KVStoreハンドルをKVStoreFactoryクラスから取得する場合、KVStoreConfigオブジェクトを指定する必要があります。このオブジェクトによって、アクセス先のストアの重要なプロパティを識別します。KVStoreConfigクラスについては、この章の次の項で説明しますが、このクラスを使用して最低次のものを識別する必要があります。

  • ストアの名前。ここで指定する名前は、ストアをインストールしたときに使用した名前と同一である必要があります。

  • 1つ以上のヘルパー・クラスのネットワーク・アクセス情報。これらは、現在レプリケーション・グループに属しているレプリケーション・ノードのネットワーク名とポート情報です。複数のノードは、文字列の配列を使用して識別できます。1つでも複数でも使用できます。数が多いことによる影響はありません。1つの場合は選択されたホストが一時的にダウンする可能性があるので、複数の使用をお薦めします。

package kvstore.basicExample;

import oracle.kv.KVStore;
import oracle.kv.KVStoreConfig;
import oracle.kv.KVStoreFactory;

...

String[] hhosts = {"n1.example.org:5088", "n2.example.org:4129"};
KVStoreConfig kconfig = new KVStoreConfig("exampleStore", hhosts);
KVStore kvstore = KVStoreFactory.getStore(kconfig); 

KVStoreConfigクラス

KVStoreConfigクラスは、KVStoreハンドルのプロパティの記述に使用されます。ほとんどのプロパティはオプションです。クラス・インスタンスを作成する際、必要なプロパティを指定します。

KVStoreConfigを使用して指定できるプロパティは次のとおりです。

  • 一貫性

    一貫性は、レプリカ・ノードから読み取られたレコードがマスター・ノードに格納されている同じレコードと同一であることを表すプロパティです。詳細は、「一貫性保証」を参照してください。

  • 永続性

    永続性は、マスター・ノードで実行される書込み操作が、マスター・ノードに障害が起きたり、異常終了した場合でも失われないことを表すプロパティです。詳細は、「永続性保証」を参照してください。

  • ヘルパー・ホスト

    ヘルパー・ホストは、ストア内のノードにアクセスする場所を識別するホスト名とポートのペアです。複数のホストは、文字列の配列を使用して識別できます。次に例を示します。

    String[] hhosts = {"n1.example.org:3333", "n2.example.org:3333"};
  • リクエスト・タイムアウト

    KVStoreハンドルが操作の完了を待つ、タイムアウトまでの時間を構成します。

  • ストア名

    ストアの名前を識別します。