Oracle Fusion Middleware Oracle Exalytics In-Memory Machineインストレーションおよび管理ガイド Exalytics X2-4 リリース1 (1.0) B66196-05 |
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この章では、Exalytics Machineを水平方向にスケールアウトして、スケーラビリティ(高可用性)およびパフォーマンス(ロード・バランシング)を向上させる方法について説明します。第3章では、単一のコンピュータでインストール・スクリプトを使用する方法について説明しています。複数コンピュータ環境(2ノード・クラスタなど)の場合、最初のコンピュータでインストール・スクリプトを使用してから、スクリプトを使用せずに他のコンピュータに手動でソフトウェアをインストールします。この章の手順を実行したら、第4章「インストール後の作業」を参照してください。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』の高可用性のためのOracle Business Intelligenceのデプロイに関する項を参照してください。
この章の内容は次のとおりです。
高可用性構成の要件は次のとおりです。
各コンピュータにOracle TimesTenの独立したインスタンスがある。
各コンピュータに、Oracle TimesTenのインスタンスごとに別個のDSNを含むodbc.iniファイルがある。各Oracle TimesTenのDSNでは、クライアント/サーバー接続モードを使用します。
1つのBI Serverリポジトリでは1つ以上の物理リポジトリを指定できるが、物理データ・ソースごとに存在する集計のセットは1つである。各物理データ・ソースは独自の接続プールを持ちます。
図8-1は、Exalytics Machineの高可用性の構図を示しています。一部のシナリオでは、Web層のOracle HTTP Serverを使用することが有益な場合があります。
この項では、高可用性デプロイメントを構成する手順について説明します。
ヒント: 2番目のノードのインストール処理はほとんどがOracle Universal Installerを使用した手動の手順であるため、RealVNCリモート制御ソフトウェアなどのツールを使用してExalytics Machineに接続します。 |
2番目のExalytics Machineにインストールする前に、このマニュアルの第I部「インストール」の説明に従って、最初のExalytics MachineにOracle Exalyticsをインストールします。
2番目のExalytics Machineを準備するには:
第3.2.1項「手順1: オペレーティング・システム上のグループおよびユーザーの作成」の説明に従って、ユーザーを作成します。
第3.2.2項「手順2: Oracle TimesTenのインベントリの作成」の説明に従って、Oracle TimesTenのインベントリを作成します。
次のようなディレクトリ構造を作成します。
Middlewareホームの場所は、最初のExalytics Machineの論理ディレクトリ名と同じにする必要があります。
/u01/app/oracle/product/fmw
Oracle TimesTenのインストール先のディレクトリは次になります。
/u01/app/oracle/product/TimesTen
第3.2.5項「手順5: ディレクトリ構造へのOracleファイルのダウンロード」の説明に従って、ファイルをディレクトリ構造にダウンロードします。リポジトリ作成ユーティリティのファイルをダウンロードする必要はありません。
Oracle WebLogic Serverを次のディレクトリにインストールします。このディレクトリは、2番目のExalytics MachineのMiddlewareホームになります。
/u01/app/oracle/product/fmw
Oracle WebLogic Serverを2番目のExalytics Machineにインストールするには:
次のコマンドを実行します:
>./ wls1036_linux64.bin
ウィザードでカスタム・オプションを選択して、「Coherence」を選択解除します(このコンポーネントはインストールする必要ありません)。
ウィザードでは、使用するJVMとしてJRockitが自動的に選択されているので、このオプションはそのままにしておきます。
インストールが完了したら、「クイックスタート」を実行するオプションをクリアします(このオプションは不要なため)。
2番目のExalytics MachineでOracle Business Intelligenceのソフトウェアのみのインストールを実行するには:
次のコマンドを入力します。
cd /home/oracle/EXALYTICS_INSTALLERS/bi/bishiphome/disk1 >./runInstaller
2番目のExalytics Machineに初めてインストールすると、「root」としてログインし、Oracleインベントリを作成するスクリプトを実行するように促されます。指定された場所が/home/oracle/oraInventoryであることを確認します。
ウィザードで、ソフトウェアのみのインストールを実行するオプションを選択できるページまで移動します。
次のページで、Oracle WebLogic Serverのインストールされているディレクトリが、Oracle Middlewareホームのプロパティに設定されていることを確認します。
Oracleホーム・ディレクトリは、Oracle_BI1のデフォルトにできます。
インストールが完了するまで、残りのウィザードのページを移動します。
既存のBIドメインは、2番目のExalytics Machineからスケールアウトします。
BIドメインをスケールアウトするには:
2番目のExalytics Machineにログオンします。
次のコマンドを入力します。
cd /u01/app/oracle/product/fmw/Oracle_BI1/bin >./config.sh
ウィザードのページを移動して、BIシステムのスケールアウトを選択します。
最初のExalytics Machineの詳細を入力すると、インストール・ディレクトリの場所が自動的に入力されます。
「構成」を押して処理を初期化できるページまで、残りのウィザードのページを移動します。
config.shスクリプトの実行の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』の構成アシスタントを使用したBIシステムのスケールアウトに関する項を参照してください。
Oracle TimesTenをインストールおよび構成するには:
次のコマンドを入力します。
cd /home/oracle/EXALYTICS_INSTALLERS/tt >./setup.sh instance name tt1122 [default chosen] install client/server and data manager [default chosen] specify particular location for install [3] enter location [custom location chosen /u01/app/oracle/product/TimesTen] create daemon home - [default chosen] daemon logs - [default chosen] accept default port no - 53396 restrict access to TT to group oracle? - Yes enable PL/SQL - yes [default chosen] TNS_ADMIN – not chosen during install. port for TT server - 53397 quickstart and doc - no [default chosen] doc without quickstart - yes [default chosen] - location default TT replication with clusterware - no - [default chosen]
第4.4項「Oracle TimesTenのデーモン構成スクリプトの実行」の説明に従って、Oracle TimesTenのデーモン構成スクリプトをrootとして実行します。
第4.7項「Oracle Business IntelligenceからOracle TimesTenへのODBC接続の構成」の説明に従って、最初のExalytics MachineでOracle TimesTenに2つのDSNを作成して、TimesTenインスタンスのいずれかと通信するようにBI Serverを構成します。
2番目のExalytics Machineで前と同じ手順を実行してOracle TimesTenのDSNを作成し、2番目のBI ServerからいずれかのOracle TimesTenインスタンスへの接続を構成します。
2番目のExalytics Machineで、opmn.xmlファイルの次のvariable要素を編集し、Oracle TimesTenのODBCドライバの場所を指すように更新します。編集するテキストを太字で示します。
<variable id="LD_LIBRARY_PATH" value="$ORACLE_HOME/common/ODBC/Merant/5.3/lib$:$ORACLE_HOME/bifoundation/server/bin$:$ORACLE_HOME/bifoundation/web/bin$:$ORACLE_HOME/clients/epm/Essbase/EssbaseRTC/bin$:$ORACLE_HOME/bifoundation/odbc/lib$:$ORACLE_INSTANCE$:$ORACLE_HOME/lib:/u01/app/oracle/product/TimesTen/tt1122/lib" append="true"/> <variable id="TIMESTEN_DLL" value="/u01/app/oracle/product/TimesTen/tt1122/lib/libttclient.so"/>
opmn.xmlファイルは、次のディレクトリにあります。
/u01/app/oracle/product/fmw/instances/instance2/config/OPMN
通知サーバー(OPMN)を停止してから起動します。
OPMNコマンドライン・ツールを含む次のディレクトリに移動します。
/u01/app/oracle/product/fmw/instances/instance2/bin
次のコマンドを実行します:
./opmnctl stopall
OPMNおよびすべてのOracle Business Intelligenceシステム・コンポーネントが停止します。
OPMNコマンドライン・ツールを含む次のディレクトリに移動します。
/u01/app/oracle/product/fmw/instances/instance2/bin
次のコマンドを実行します:
./opmnctl startall
OPMNおよびすべてのOracle Business Intelligenceシステム・コンポーネントを起動します。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のシステム・コンポーネントを起動、停止、再起動およびステータス表示するためのOPMNコマンドラインの使用に関する項を参照してください。
次のコマンドを入力して、最初のExalytics MachineからOracle TimesTenクライアント/サーバーDSNが使用できることを確認します。
cd $ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIApplication/coreapplication/setup/
. ./bi-init.sh (bash shell)
cd Times-Ten-root-dir/tt1122/bin
./ttisqlcs –connstr "uid=oracle;pwd=welcome1;dsn=bim_tt1";
これらのコマンドでは、Oracle TimesTen SQLクライアントを使用して、最初のExalytics Machine上のOracle TimesTenサーバーに接続し、BI ServerがOracle TimesTenと通信できることを確認します。
2番目のExalytics Machineから、Oracle TimesTenのクライアント/サーバーDSNに対して前の手順を繰り返します。
Oracle Business IntelligenceとOracle TimesTenとの間の通信を構成するには、Fusion Middleware Controlを使用してスケールアウトし、必要なOracle Business Intelligenceシステム・コンポーネント・サーバーを2番目のExalytics Machineにデプロイする必要があります。このスケールアウトにより、2番目のExalytics Machine上のopmn.xmlファイルにエントリができて、必要に応じてこれを編集できます。
2番目のExalytics Machineにシステム・コンポーネントをスケールアウトするには:
『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』の説明に従い、Fusion Middleware Controlを使用して次のシステム・コンポーネントをスケールアウトします。
Oracle BI Server
Oracle BI Presentation Services
JavaHost
また、Oracle BIドメインの単一コンポーネントであるCluster ControllerおよびOracle BI Schedulerを、スタンバイ・コンポーネントとしてスケールアウトする必要があります。
Exalytics Machineの構成処理の一環として、NAS (Network Attached Storage)などの共有ディレクトリの場所に配置する各種永続ストアを構成する必要があります。次の一覧では、それらのストアについて概要を説明し、その構成に関する情報のリンクを示します。
Oracle BI Serverのリポジトリ。Fusion Middleware Controlで共有RPDの公開ディレクトリを指定して、クラスタ内でリポジトリのオンライン変更を伝播します。オンライン変更が発生すると、マスターBI Serverは、そのローカル・リポジトリをこのディレクトリにコピーします。スレーブBI Serverが起動したとき、公開ディレクトリのバージョンの方が新しいと、各スレーブ・サーバーは共有ディレクトリのバージョンを各ローカル・ディスクにコピーします。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のFusion Middleware Controlを使用したリポジトリのアップロードとOracle BI Presentation Catalogの場所の設定に関する項を参照してください。
Oracle BIプレゼンテーション・カタログ。各Oracle BIプレゼンテーション・サービス・インスタンスは、Fusion Middleware Controlで指定されるカタログの場所からカタログをロードします。この場所を共有記憶域に再構成する前に、任意の既存のカタログを共有記憶域にコピーします。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のFusion Middleware Controlを使用したリポジトリのアップロードとOracle BI Presentation Catalogの場所の設定に関する項を参照してください。
グローバル・キャッシュ。このグローバル・キャッシュは、共有ファイル・システムに配置されており、パージ・イベント、シード・イベント(多くの場合はエージェントによって生成されます)、およびシード・イベントと関連付けられた結果セットを保存します。各BI Serverは、通常の問合せ用に固有のローカル問合せキャッシュを保持します。このBI Serverの問合せキャッシュは、ローカル・ノードに存在し続けます。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のFusion Middleware Controlを使用したグローバル・キャッシュ・パラメータの設定に関する項を参照してください。
フロントエンド・ロード・バランサを構成します。これは、Oracle WebLogic Serverクラスタ・プラグインにより正しく構成されます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』のOracle Business IntelligenceおよびEPMの高可用性の構成に関する項を参照してください。
この項では、高可用性デプロイメントに関する解決策について説明します。
最初のノードまたは2番目のノードで、BI ServerがOracle TimesTenに接続できない状況が発生することがあります。この問題を解決するには、次の内容を確認します。
次のリストの説明に従って、Oracle TimesTenのDSNがodbc.iniファイルおよびopmn.xmlファイルで正しく構成されていることを確認します。
第4.7項「Oracle Business IntelligenceからOracle TimesTenへのODBC接続の構成」の説明のとおり、$ORACLE_INSTANCE/bifoundation/OracleBIApplication/coreapplication/setupディレクトリのodbc.iniファイルにおいて、両方のOracle TimesTenインスタンスに接続するようにDSNが正しく定義されている。
$ORACLE_INSTANCE/config/OPMN/opmn/ディレクトリのopmn.xmlファイルで、LD_LIBRARY_PATH変数がOracle TimesTenの共有ライブラリ・フォルダを指すように正しく設定されている。TIMESTEN_DLL変数も、次の例に示すように、正しく定義されている必要があります。
<variable id="TIMESTEN_DLL" value="u01/app/oracle/product/TimesTen/tt1122/lib/libttclient.so"/>
BI Serverは、Oracle TimesTen ODBCドライバのバージョン3.5を使用して接続する必要があります。
リポジトリのデプロイ時に、データベース接続プールに対してOracle TimesTenのODBCドライバのバージョン3.5が使用されていることを確認します。このドライバ・バージョンを使用しなければ、BI ServerはOracle TimesTenに接続できません。
Windowsコンピュータ上でクライアント・インストーラを使用してOracle BI管理ツールをインストールした後に、管理ツールに次のようなエラー・メッセージが表示される場合があります。
Times Tenドライバttclient.dllをロードできません。
このエラー・メッセージは、Oracle TimesTen物理表ソースからメタデータをインポートする際に、Oracle TimesTenのODBCドライバが使用できないことを示しています。この問題を解決するには、次の例に示すように、Oracle TimesTenドライバの場所を明示的に指すようにTIMESTEN_DLL環境変数を設定します。
set TIMESTEN_DLL=C:\TimesTen\tt1122_32\bin\ttclient1122.dll
スケールアウトされたノードの2番目のOracle TimesTenインスタンスにBI Serverがフェイルオーバーしない場合は、リポジトリの論理表ソース(LTS)によってOracle TimesTenの物理データ・ソースが両方ともマップされていることを確認します。このマッピングにより、論理表ソース・レベルで、Oracle TimesTenの両方のインスタンスにマッピングが存在するようになります。Oracle TimesTenの一方のインスタンスが使用できない場合は、DSNレベルにあるBI Serverのフェイルオーバー・ロジックによってOracle TimesTenのもう一方のインスタンスへの接続が試みられます。
最初のOracle TimesTenインスタンスで作成された集計を2番目のOracle TimesTenインスタンスで使用できないことがあります。スケールアウト・デプロイメントでは、Oracle TimesTenインスタンス間に自動レプリケーションが存在しないことに注意してください。2つのインスタンスは別個であり、別のコンピュータ上で実行されますが、デプロイされるデータ・ストアは同じです。一方のOracle TimesTenインスタンスで、Oracle BIサマリー・アドバイザまたは集計の永続性ウィザードからSQLスクリプトを使用して集計を作成する場合は、2番目のOracle TimesTenインスタンスでも同じ集計を手動で作成する必要があります。2つのOracle TimesTenインスタンスは、同期が維持されるようにする必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド』の集計の永続性のライフ・サイクルのユース・ケースに関する項を参照してください。