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Oracle Fusion Middleware Oracle Exalytics In-Memory Machineインストレーションおよび管理ガイド
Exalytics X2-4 リリース1 (1.0)
B66196-05
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3 Exalytics Machineへのソフトウェアのインストール

この章では、Exalytics Machineにソフトウェアをインストールする方法について説明します。インストール・スクリプトを使用すると、Oracle Business IntelligenceおよびOracle TimesTenがインストールされ、両コンポーネントが相互に通信するように構成されて、単一ノードのOracle Exalyticsシステムをほぼ自動的に作成できます。

この章では、次の項目について説明します。

3.1 Exalytics Machineにソフトウェアをインストールする前の作業

Exalytics Machineにソフトウェアをインストールする前に、次の項を確認してください。

3.1.1 確認するドキュメント

Exalytics Machineにソフトウェアをインストールする準備ができたら、次の作業を実行します。

  • 『Oracle Fusion Middlewareリリース・ノート』のOracle Business Intelligenceに関する章を確認し、実際のOracle Business Intelligenceの機能とそのドキュメントに記載されている機能の違い、および現在のリリースに該当するその他の問題について理解します。

  • Oracle TimesTen In-Memory Databaseリリース・ノートを確認し、実際のOracle TimesTenの機能とそのドキュメントに記載されている機能の違い、および現在のリリースに該当するその他の問題について理解します。

  • 『Oracle Exalytics In-Memory Machineオーナーズ・ガイド』を確認して、データ・センターでExalytics Machineが正しく構成およびコミッショニングされているか確認します。

  • 第1章「インストールの概要」を確認し、Exalytics Machinへのソフトウェアのインストールに関連するオプションおよびアーキテクチャについて理解します。

3.1.2 Exalytics Machineにインストールするための前提条件

Oracle Business IntelligenceをExalytics Machineにインストール前に、次の前提条件を満たす必要があります。

  • Exalytics Machineがラックに設置され、データ・センターに配備されている。

  • Exalytics Machineがベース・オペレーティング・システムでファクトリに構成されている。

    支援が必要な場合、Exalytics Machineへのソフトウェアのインストールについて問合せ可能なAdvanced Customer Servicesが用意されています。

  • ネットワーク構成スクリプトが実行されており、ネットワークからコンピュータにアクセス可能である。

  • サポートされているデータベースが使用可能で(Oracle Exalytics上でない)、かつExalytics Machineからアクセス可能であり、ソフトウェアのインストールに必要な、インストール処理の一部として作成するスキーマをホストする。インストール中はデータベースが稼働しており、セキュリティ上の目的でデータベースが強化されていないことを確認してください。強化されたデータベースへのOracle Business Intelligenceのインストールはサポートされていません。

    データベースの強化の詳細は、Oracle Database Vault管理者ガイドを参照してください。

  • 必要なパッケージをダウンロードするためにコンピュータ(Exalytics Machineとは限りません)からインターネットにアクセスする権限を持っている。

3.2 ソフトウェアのインストール

Exalytics Machine上へのソフトウェアのインストールは、手動の手順と自動化されたスクリプトで構成されます。インストール・スクリプトを使用すると、Oracle BI EE (ソフトウェアのみのインストール)およびOracle TimesTen In-Memory Databaseがインストールされ、両コンポーネントが相互に通信するように構成されて、単一ノードのOracle Exalyticsシステムをほぼ自動的に作成できます。

この処理を実行する場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド』のソフトウェアのみのインストールに関する項を参照してください。

この処理の手順は次のとおりです。

3.2.1 手順1: オペレーティング・システム上のグループおよびユーザーの作成

オペレーティング・システム上でユーザーを作成し、「oracle」などの名前と適切なパスワードを指定して、グループ名に「oinstall」などの名前を付けます。このユーザーおよびグループを作成するためのサンプル・コマンドを次に示します。

groupadd oinstall
useradd -g oinstall oracle

この項内の手順では、ユーザーに「oracle」、グループに「oinstall」という名前を付けることを前提とします。

3.2.2 手順2: Oracle TimesTenのインベントリの作成

rootユーザーとしてログインした後に、次のコマンドを入力してOracle TimesTenのインベントリを作成します。

mkdir /etc/TimesTen
chmod 770 /etc/TimesTen
chgrp oinstall /etc/TimesTen
touch /etc/TimesTen/instance_info
chmod 770 /etc/TimesTen/instance_info
chgrp oinstall /etc/TimesTen/instance_info

このスクリプトを実行するグループに、/etc/TimesTenディレクトリへの書込み権限があることを確認してください。

3.2.3 手順3: Oracle TimesTenのリソース制限の設定

Oracle TimesTenのリソース制限を設定するには:

  1. /etc/security/limits.confファイルに、次の変更および追加を行います。

    *       hard nofile 131072
    *       soft nofile 131072
    *       hard memlock unlimited
    *       soft memlock unlimited
    *       hard core unlimited
    *       soft core unlimited
    *       hard nproc 131072
    *       soft nproc 131072
    
  2. /etc/sysctl.confファイルで、次の共有メモリーのカーネル設定を行います。

    kernel.shmmax = 1099511627776
    kernel.shmall = 4294967296
    kernel.shmmni = 4096
    
  3. /etc/sysctl.confファイルで、次のセマフォの設定を行います。

    kernel.sem = 2048 64000 256 64

  4. マシンを再起動するか、rootユーザーとして次のコマンドを実行します。

    /sbin/sysctl -p

3.2.4 手順4: /u01パーティションの作成

/u01パーティションを作成するには:

  1. rootユーザーとしてログインしたら、次のようなコマンドを使用してハードディスク上に/u01ディレクトリを構成します。

    # parted /dev/sdb 
     
    (parted) mklabel msdos 
    (parted) mkpart 
    Primary/extended? Primary 
    File system type?  [ext2]? ext3 
    Start? 0 
    End? 1797GB 
    (parted) quit 
     
    # mkfs.ext3 /dev/sdb1 
    # mount /dev/sdb1 /u01
    
  2. 次の行を/etc/fstabファイルに追加します。

    /dev/sdb1 /u01 ext3 defaults 1 2

  3. コンピュータを再起動します。

  4. 次のコマンドを入力して、パーティションが作成されたことを確認します。

    df –lh

3.2.5 手順5: ディレクトリ構造へのOracleファイルのダウンロード

ディレクトリ構造にファイルをダウンロードするには:

  1. 次の場所にあるOracle Software Delivery Cloudで、Linux X86-64用Oracle Business Intelligenceソフトウェアの下のOracle Exalyticsのメディア・パックおよびパッチから、次の必要なソフトウェア・インストーラをダウンロードします。

    http://edelivery.oracle.com/

    • Oracle BI Enterprise Editionリリース11g

    • 適切なOracle BI EEリリースに対応するリポジトリ作成ユーティリティ

    • Oracle TimesTenリリース11g

    • Oracle WebLogic Serverリリース10g

    最新のOracle Exalyticsパッチのダウンロードおよび適用の詳細は、第7章「パッチ適用」を参照してください。

  2. ソフトウェア・インストール・プログラムをステージングするために、Oracle Exalyticsソフトウェアのインストールを所有するユーザーとしてディレクトリ構造を作成します。ユーザー名を「oracle」、ホーム・ディレクトリを「/home/oracle」とすると、次のような構造になります。

    • /home/oracle/EXALYTICS_RCU

      リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)のrcuHome.zipファイルを、このディレクトリにコピーして解凍します。

    • /home/oracle/EXALYTICS_INSTALLERS/bi

      Oracle BI EEインストールZIPファイルをこのディレクトリにコピーして、次のコマンドを使用してそれを解凍します。-qパラメータを指定すると、コンソールに送信される出力行数が削減されます。

      unzip -q '*.zip'

      解凍処理を行うと、bishiphomeというサブディレクトリが作成されます。この中には、さらにサブディレクトリDisk1からDisk5が含まれます。

    • /home/oracle/EXALYTICS_INSTALLERS/tt

      Exalytics用TimesTen配信ファイルをこのディレクトリにコピーしますが、解凍はしません。このファイルの拡張子は、.zipや.tar.gzなどです。インストール・スクリプトが、このいずれかの拡張子のファイルに対処します。

    • /home/oracle/EXALYTICS_INSTALLERS/wls

      64ビットLinux上でOracle WebLogic Server用のZIPファイルを取得して、wls1036_linux64.binなどの名前のファイルをこのディレクトリに抽出します。このファイルを実行できない場合、次のようなコマンドを使用して実行できるようにします。

      chmod +x wls1036_linux64.bin

    • /home/oracle/EXALYTICS_INSTALL_LOG

      インストール・スクリプトでは、このディレクトリをインストールからのログ・ファイルの保存に使用します。これらのログ・ファイルは、第3.3項「インストール・プロセスおよび構成プロセスのトラブルシューティング」で説明されているように、トラブルシューティングに使用します。

    • /u01/app/oracle/product/fmw

      インストール・スクリプトは、このディレクトリをOracle BI EEインストールのターゲット・ディレクトリとして使用します。このディレクトリはMiddlewareホームと呼ばれています。このマニュアルでは、このディレクトリをEXALYTICS_MWHOMEと呼びます。

    • /home/oracle/EXALYTICS_INSTALL_TEMP

      インストール・スクリプトでは、このディレクトリを一時ファイルの保存に使用します。

3.2.6 手順6: データベース・スキーマの作成

Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド』のリポジトリ構成ユーティリティ(RCU)を使用したデータベース・スキーマの作成に関する項の説明に従ってください。

最初にデータベースで、必要なOracle Business Intelligenceスキーマを作成する必要があります(データベースを強化しないでください)。適切な権限とデータを持つこれらのスキーマを作成するには、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)というツールを使用します。

RCUを使用する前に、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件のドキュメントで、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)の要件に関する項を確認してください。

http://www.oracle.com/technetwork/software/products/ias/files/fusion_requirements.htm

この項には、システムおよびコンポーネント固有のデータベースの要件に関する重要な情報が記載されています。これらの要件は、RCUを実行する前に満たしておく必要があります。

必ず次の詳細を記録してください。後でインストール処理に使用します。

  • データベース接続の詳細(次の形式):

    host-name:port-number:service-name

  • 作成したスキーマの名前およびパスワード(prefix_BIPLATFORMやprefix_MDSなどの名前)。

3.2.7 手順7: プロパティ・ファイルの編集

インストール・スクリプトで使用する値を含むプロパティ・ファイルを慎重に編集します。このファイルの名前はbim-setup.propertiesで、次のディレクトリに保存されています。

/home/oracle/EXALYTICS_INSTALLERS/bi/bishiphome/Disk1/bimachine/scripts

ファイルを編集する際は、次の点に注意してください。

  • ファイルの各行では、スペルおよび大文字/小文字の区別を正しく使用してください。

  • ファイルには、システムに最適な値を編集する方法の詳細がコメントで説明されています。

  • ファイルでは、bim.bi.wls.admin.portおよびbim.bi.wls.managed.portの各プロパティを介して管理サーバーおよび管理対象サーバーに使用するポート番号を指定します。このファイルでポート番号を指定する前に、ポートが空で占有されていないことを確認してください。インストール・スクリプトは、bim-setup.propertiesファイルからstaticports.iniファイルに値を渡します。

    staticports.iniファイルは次のディレクトリにあります。

    /home/oracle/EXALYTICS_INSTALLERS/bi/bishiphome/Disk1/bimachine/scripts/templates/staticports.ini

    staticports.iniファイルは手動で編集しないでください。

  • 次のプロパティ・ファイルでbim.mw.homeディレクトリとして使用される空のディレクトリが、ファイル・システムに存在することを確認してください。

  • このリリースでは、システムのルート・ディレクトリにリポジトリ作成ユーティリティまたはパッチ用のサブディレクトリを配置する必要はありません。

  • RCUで作成したスキーマで使用する接続文字列の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド』のデータベース接続文字列の指定に関する項を参照してください。

プロパティ・ファイルの内容は次のとおりです。

#########################################################
# Exalytics Machine Properties
#########################################################
 
#########################################################
[Generic properties to be used across all the Oracle Products]
#bim.installers.root=The directory should contain following directories [bi, rcu, tt, wls, patches].
#bim.mw.home=This directory has all the Oracle Software binaries installed such as bi, wlserver_10.3, tt and so on.
#The directory of bim.mw.home should be a mounted drive so that Oracle bits can be moved to shared storage later for scale out.
#bim.temp.dir=This directory is used for Oracle Software installation/configuration.
#bim.orainst.loc=The location of oraInst.loc to use. If not set, /etc/oraInst.loc assumed.
 
#########################################################
bim.installers.root=/home/oracle/EXALYTICS_INSTALLERS
bim.mw.home=/u01/app/oracle/product/fmw
bim.temp.dir=/home/oracle/EXALYTICS_INSTALL_TEMP
bim.orainst.loc=/etc/oraInst.loc
 
#########################################################
# [RCU/BI specific properties]
#bim.db.connectionstring=Oracle Database connection string in the format of hostname:port:service
#bim.db.bi.schema.user=Schema User for BIPLATFORM
#bim.db.bi.schema.pwd=Password for the bim.db.bi.schema.user
#bim.db.mds.schema.user=Schema User for MDS
#bim.db.mds.schema.pwd=Password for the bim.db.mds.schema.user
#########################################################
 
#bim.db.type=Database type. Specify one of ORACLE, SQLSERVER or IBMDB2. The default is ORACLE.
bim.db.type=
bim.db.connectionstring=IP-address
bim.db.bi.schema.user=EX111111_BIPLATFORM
bim.db.bi.schema.pwd=welcome1
bim.db.mds.schema.user=EX111111_MDS
bim.db.mds.schema.pwd=welcome1
 
#########################################################
# [BI specific properties]
#bim.bi.domain.host=
#bim.bi.domain.admin.user=
#bim.bi.domain.admin.pwd=
#bim.bi.wls.admin.port=
#bim.bi.wls.managed.port=
 
#########################################################
bim.bi.domain.host=host-name
bim.bi.domain.admin.user=biadmin
bim.bi.domain.admin.pwd=welcome1
bim.bi.wls.admin.port=7001
bim.bi.wls.managed.port=9704
 
#########################################################
# [etc properties]
#bim.install.log.dir=The location of log files being generated during installation.
 
#########################################################
bim.install.log.dir=/home/oracle/EXALYTICS_INSTALL_LOG

3.2.8 手順8: インストール・スクリプトを実行する準備

インストール・スクリプトの実行を準備するには:

  1. Apache Antソフトウェアをダウンロードします。これはインストール・スクリプトに必要です。次の場所から「.zip」アーカイブを使用してAntのリリース1.8.2をダウンロードします。

    http://ant.apache.org

  2. /home/oracle/ANT/apache-ant-1.8.2などの名前のディレクトリにこのファイルを解凍して、Apache Antソフトウェアをインストールします。

  3. 次のサンプル・コマンドで示すように、Oracle Exalyticsインストール・スクリプトのコールに使用するシェルで、ANT_HOMEおよびPATH環境変数を構成します。シェル(cshなど)を起動して適切な環境変数を設定し、その同じセル・セッション内でインストール処理に関連するその他すべてのコマンドを入力します。

    setenv ANT_HOME /home/oracle/ANT/apache-ant-1.8.2
    setenv PATH $ANT_HOME/bin:$PATH
    
  4. Java開発者キット(JDK)をダウンロードします。これはインストール・スクリプトに必要です。Linux 64ビット用のJDK 6 Update 29は、次の場所からダウンロードできます。

    http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html

  5. JDKディストリビューション・インストーラを、次のような名前のディレクトリにコピーします。

    /home/oracle/JDK

    次のようにコマンドを入力して、JDKをインストールします。

    ./jdk-6u29-linux-x64.bin

    このコマンドを実行すると、次のような名前のディレクトリが作成されます。

    /home/oracle/JDK/jdk1.6.0_29

  6. Apache Antの環境変数を作成した同じシェル・セッションで、次の例に示すようにJDKのJAVA_HOMEおよびPATH変数を構成します。

    setenv JAVA_HOME /home/oracle/JDK/jdk1.6.0_29
    setenv PATH $JAVA_HOME/bin:$PATH
    
  7. インストール・プログラムは、Oracleインベントリ・ディレクトリを使用して、コンピュータにインストールされているすべてのOracle製品を追跡します。インベントリ・ディレクトリは、oraInst.locという名前のファイルに格納されます(UNIXおよびLinux)。次の手順に従って、Oracle Business Intelligence用のOracle Universal Installerのインベントリを作成します。この手順では、Oracle Inventoryは/home/oracle/oraInventoryディレクトリに存在するものとします。また、ソフトウェアをインストールするユーザーのグループ、およびソフトウェアをインストールする場所を所有するユーザーのグループを「oinstall」とします。

    1. 環境変数を作成したシェル・セッションで、rootユーザーとしてログインします。

    2. 次のコマンドを入力します。

      cd /etc
      touch oraInst.loc
      
    3. テキスト・エディタを使用して、oraInst.locファイルに次の行を追加します(使用するグループ名は「oracle」とします)。

      inventory_loc=/home/oracle/oraInventory
      inst_group=oinstall
      

      注意:

      oraInst.locファイルの編集時には注意を払ってください。特に、inventory_locを指定するディレクトリ名の末尾に余分なスペースを入れないようにしてください。余分なスペースを入れると、同じ名前で2つのインベントリ・ディレクトリが作成される場合があります。あるいは、インストレーション・スクリプトを実行する際、権限に関するエラー・メッセージを受ける場合もあります。


    4. oraInst.locファイルを保存します。

    5. 同じシェル・セッション内で次のコマンドを入力して、「oinstall」グループをoraInst.locファイルの所有者にします。

      chown oracle:oinstall oraInst.loc
      chmod 664 oraInst.loc
      

3.2.9 手順9: チェックリストの確認

スクリプトを実行する前に、次のチェックリストの項目を確認してください。

  • インベントリが/etcディレクトリに作成されており、oraInventoryディレクトリが/home/oracleディレクトリに作成されている(ユーザー名が「oracle」の場合)。

  • リポジトリ作成ユーティリティで適切なスキーマが作成されており、そのスキーマが含まれるデータベースが使用可能である。

  • 適切なディレクトリ構造が作成されており、その構造の中に適切なファイルがダウンロードされて解凍されている。

  • 必要な場所に実行可能権限が付与されるように(Oracle WebLogic Serverなどの)インストーラ・ファイルが設定されている。(この権限は、ファイルをそのディレクトリ構造にコピーしても、自動的には適用されません。)

  • スクリプトのプロパティ・ファイルを慎重に編集して、エラーがないことを確認している。

  • ANTおよびJDKコンポーネントがインストールされ、その環境変数が正しく設定されている。

3.2.10 手順10: スクリプトの実行

スクリプトを実行するには:

  1. 第3.2.1項「手順1: オペレーティング・システム上のグループおよびユーザーの作成」で作成したユーザーとして、Exalytics Machineにログインします。

  2. 次のように、Oracle Exalyticsソフトウェアを含むディレクトリに変更します。

    /home/oracle/EXALYTICS_INSTALLERS/bi/bishiphome/Disk1/bimachine

  3. 第3.2.8項「手順8: インストール・スクリプトを実行する準備」で使用したシェル・セッションを使用して、次のようにメイン・インストール・スクリプトsetup.shを実行します。

    ./setup.sh /home/oracle/EXALYTICS_INSTALLERS/bi/bishiphome/Disk1/bimachine/scripts/bim-setup.properties

    第3.2.7項「手順7: プロパティ・ファイルの編集」で示したように、プロパティ・ファイルを更新する際は任意のディレクトリに保存して、インストール・スクリプトを実行する際にフルパス名を指定できます。


注意:

このインストール・スクリプトを実行しても、対話式のフィードバックや出力はなく、処理結果はログ・ファイルに書き込まれます。スクリプトが完了したか確認するには、スクリプトを実行したシェルに表示されるカーソルに注目します。


Oracle Exalyticsのインストーラ・スクリプトは、次のタスクを実行します。

  • Oracle WebLogic Serverをインストールします。

  • Oracle Business Intelligenceのソフトウェアのみのインストールを実行します。

    詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド』のソフトウェアのみのインストールに関する項を参照してください。

  • BIドメインを作成します。

  • HardwareAcceleration MBean属性を有効にします。

    この属性を変更する必要がある場合、第3.3.4項「HardwareAcceleration MBean属性の手動の設定」で説明されているように更新できます。

  • Oracle TimesTenをインストールします。

  • opmn.xmlファイルを変更して、Oracle TimesTenライブラリを指すように構成します。

  • Oracle TimesTenのsys.odbc.iniファイルおよびOracle Business Intelligenceのodbc.iniファイルで、Oracle TimesTenのDSNの詳細を構成します。

3.2.11 手順11: インストールの検証

インストールが成功したことを確認するには、Webブラウザを開いて次のURLの表示を試行します。次のURLでページが表示されて相互作用できたら、インストールは成功です。

  • Oracle BI Enterprise Edition:

    http://server-name:9704/analytics

  • Oracle WebLogic Serverコンソール:

    http://server-name:7001/console

  • Fusion Middleware Control:

    http://server-name:7001/em

3.3 インストール・プロセスおよび構成プロセスのトラブルシューティング

この項では、次のトラブルシューティングに関する情報について説明します。

3.3.1 インストールの問題の解決

Exalytics Machineへのソフトウェアのインストールに関してなんらかの問題が発生した場合は、次の項目を確認してください。

  • リポジトリ作成ユーティリティを実行してスキーマを作成したデータベースが稼働していることを確認します。

  • bim-setup.propertiesファイルの内容をチェックして、すべてのエントリが正確で、スペルに誤りがないことを確認します。

  • インストール・スクリプトが失敗した場合、次の手順を実行します。

    1. Oracle TimesTenソフトウェアを削除します。

    2. Oracle Business IntelligenceのMiddlewareホームを削除します。

    3. 第3.2.7項「手順7: プロパティ・ファイルの編集」で説明されているように、bim-setup.propertiesファイルの内容を確認します。

      インストール処理時に、bim-setup.propertiesファイル内の特定のプロパティ(パスワードに関するプロパティなど)はセキュリティ上の理由で削除されます。インストール・スクリプトの実行を再試行する前に、ファイルが適切に編集されていることを確認してください。

    4. インストール処理を再開します。

3.3.2 ログ・ファイルの表示

ソフトウェアをインストールしたら、/home/oracle/EXALYTICS_INSTALL_LOGおよび/home/oracle/oraInventory/logsディレクトリにあるOracle WebLogic Server、Oracle Business Intelligence、およびOracle TimesTenのログ・ファイルを確認できます。このファイルには、Oracle TimesTenであればtt_install.logなどの名前が付けられています。

ログ・ディレクトリにあるbim-setup.logファイルを開いて、インストール・スクリプトが実行したタスク・フローの一連の手順を確認します。Oracle Business Intelligenceの構成の詳細なログ・ファイルは、oraInst.locファイルで指定したoraInventoryの場所に保存されます。

インストール時にエラーが発生してスクリプトを複数回実行する場合、ログ・ファイルのコピーを保存して、それぞれのインストールの試行で上書きされないようにできます。保存するログ・ファイルは、wls_install.log、tt_install.log、およびbim-setup.logです。ファイルの保存には、次のいずれかの方法を使用できます。

  • インストール・スクリプトを実行する前に、bim-setup.propertiesファイルを使用してログ・ファイルの一意のディレクトリを指定します。

  • ZIPなどの圧縮ファイルにログ・ファイルを保存します。

  • 個別のディレクトリを作成するか、ログ・ファイルのコピーを保存します。

Oracle Universal Installerが作成するログ・ファイルには、タイム・スタンプを含む一意の名前が付けられます。そのため、それらのファイルはインストールの試行ごとに上書きされません。

3.3.3 Exalytics Machineへのソフトウェアの再インストール

ソフトウェアは再インストールできます。Exalytics Machine上の、Oracle Business Intelligenceのインストールがすでに存在するディレクトリには、Oracle Business Intelligenceを再インストールできません。

前と同じディレクトリにOracle Business Intelligenceを再インストールするには:

  1. 第5章「Exalytics Machine上のソフトウェアの削除」で説明されているように、ソフトウェアを削除します。

  2. コンピュータを再起動して、いずれかのプロセスが実行されていたら、それらを停止します。

  3. リポジトリ作成ユーティリティを使用してBISHIPHOMEおよびMDSスキーマを作成した場合、それらのスキーマを削除するか、新しい接頭辞を使用してスキーマを作成します。

  4. /etc/TimesTen/*ファイルを削除します。

  5. この章に戻り、インストール手順を再度実行します。

3.3.4 HardwareAcceleration MBean属性の手動の設定

HardwareAcceleration MBean属性は、次の手順に示すように、Exalytics Machineを使用するかどうかを指定します。このMBean属性は、スクリプトを実行してExalytics Machine上にOracle Business Intelligenceをインストールするときに自動的に有効になります。このMBean属性は、NQSConfig.iniファイルのORACLEHARDWAREACCELERATIONパラメータ、およびinstanceconfig.iniファイルのOracleHardwareAcceleration要素を設定します。

システムMBeanブラウザを使用してExalytics Machineの使用を指定するには:

  1. Fusion Middleware Controlの「ナビゲータ」ウィンドウで、WebLogicドメイン・フォルダおよびbifoundation_domainノードを開きます。

  2. AdminServer」ノードを右クリックして「システムMBeanブラウザ」を選択します。

  3. 「アプリケーション定義のMBeans」を開いて、「oracle.biee.admin」を開いてから、ドメイン: bifoundation_domainを開きます。

  4. 次のようにドメインをロックします。

    1. 「BIDomain」を開いて、group=ServiceというBIDomain MBeanを選択します。

    2. 「操作」タブを表示します。

    3. ロック」リンクをクリックします。

  5. 同じMBeanの「属性」タブを表示します。

  6. HardwareAcceleration属性が「true」に設定されていることを確認します。

  7. 変更を適用した後に、「操作」タブを表示してコミット操作のいずれかをクリックし、ドメインのロックを解除します。

  8. Oracle Business Intelligenceを再起動します。

3.3.5 追加情報

詳細は、次を参照してください。