この章では、ラック取付けキットのレールアセンブリを使用して、ラックにOracle Exalytics In-Memory Machineをオプションで配置する方法について説明します。レールアセンブリは、Oracle Exalytics In-Memory Machineパッケージに付属しています。
この章のトピックは、次のとおりです。
スライド・レールとケーブル管理アームのオプションを使用して、Oracle Exalytics In-Memory Machineを4本柱のラックに設置するには、次の手順が必要になります。
使用するラックが、スライド・レールとケーブル管理アーム(CMA)のオプションと互換性があることを確認します。オプションのスライド・レールは、次に示す標準を満たす各種機器ラックと互換性があります。
表3-1 Oracle Exalytics In-Memory Machineのラックの互換性
項目 | 要件 |
---|---|
構造 |
4本柱のラック(前方と後方に取付け)。2本柱のラックには互換性がありません。 |
ラックの水平開口部とユニットの垂直間隔 |
ANSI/EIA 310-D-1992またはIEC 60927規格に準拠します。M6ねじ穴または9.5mm角穴のみがサポートされます。 |
前方取付け面と後方取付け面との距離 |
最小610mm、最大915mm (24インチ - 36インチ)。 |
前方取付け面の前の隙間 |
前方のキャビネット・ドアまでの距離は25.4mm (1インチ)以上。 |
前方取付け面の裏の隙間 |
後方のキャビネット・ドアまでの距離は、ケーブル管理アームを含め900mm(35.5インチ)以上、またはケーブル管理アームなしで770mm(30.4インチ)。 |
前方取付け面と後方取付け面との隙間 |
構造支柱とケーブル・トラフとの距離は456mm(18インチ)以上。 |
マシン寸法 |
奥行き: (PSUハンドルを含まない): 732mm(28.82インチ) 幅: (取っ手を含まない): 436.5mm(17.19インチ) 高さ: 129.85mm(5.11インチ) |
ラックにOracle Exalytics In-Memory Machineを設置する前に、次の注意事項と重要事項を確認してください。
ラックの上側が重くなって倒れないように、常に下から上にラックに機器を搭載してください。機器の設置中にラックが倒れないように、ラックの転倒防止バーを配置してください。
Oracle Exalytics In-Memory Machineを、閉じているラック・アセンブリや複数ユニットのラック・アセンブリに設置すると、ラック環境の動作周囲温度が室内周囲温度よりも高くなる場合があります。そのため、Oracle Exalytics In-Memory Machineに指定された最大周囲温度(Tma)と互換性のある環境に機器を設置するよう配慮する必要があります。
ラックに機器を設置する場合、その機器の安全な操作に必要な空気流量が損なわれないようする必要があります。
ラックに機器を取り付ける場合、機械的加重が不均一なために危険な状態にならないようにする必要があります。
電源回路への機器の接続と、回路の過負荷が過電流保護や回路の配線に与える影響を考慮する必要があります。この問題に対処する場合、機器のネームプレートにある電力定格に適宜配慮する必要があります。
ラック取付け式機器の信頼できる接地を維持する必要があります。分岐回路への直接接続以外の電源接続(テーブル・タップの使用など)には特に注意する必要があります。
スライド・レール取付け機器を、棚や作業領域として使用しないでください。
取付け前にスライド・レールを解体するには、次の手順を完了します。
ラックへの取付けの前にブラケットをOracle Exalytics In-Memory Machineに取り付ける必要があります。
ブラケットを取り付けるには、次の手順を完了します。
図3-2に示すように、スライド・レール・ロックがOracle Exalytics In-Memory Machineの前にあり、ブラケットの5つの鍵穴開口部が、シャーシ側面の5つの位置決めピンに合うようにブラケットをシャーシに対して配置します。
注意: ブラケットは同一であるため、シャーシのどちら側にも取り付けられます。 |
図3-2に示すように、シャーシの5本の位置決めピンの頭がブラケットの5つの鍵穴開口部から突き出るようにして、ブラケットのクリップがカチッと音がして所定位置でロックされるまでシャーシの前方向にブラケットを引き出します。
背面の位置決めピンがブラケットのクリップとかみ合っていることを確認します。
手順を繰り返して、Oracle Exalytics In-Memory Machineのもう一方の側面に残りのブラケットを取り付けます。
スライド・レール・アセンブリは、9.5mm角穴とM6丸穴のラックのみに対応しています。7.2mm、M5または10 - 32個の取付け穴のラックなどには対応していません。レール穴のサイズの詳細は、使用するラックのドキュメントを参照してください。
ラックにスライド・レール・アセンブリを取り付けるには、次の手順を完了します。
(オプション)Oracle Exalytics In-Memory Machineが設置されているラックを移動する必要がある場合、取付けねじやケージ・ナットを使用してスライド・レール・アセンブリを取り付けることをお薦めします。
注意: 次の手順を実行する前にケージ・ナットを差し込みます。これらのケージ・ナットの挿入手順については、レール・ラック取付けキットの概要と情報カードを参照してください。このカードは、ラック・キットに付属しています。 |
図3-3に示すように、スライド・レール・アセンブリの前側のブラケットがラック前方の柱の外側になり、スライド・レール・アセンブリの後方のブラケットがラック後方の柱の内側になるようにスライド・レール・アセンブリをラックに配置します。
スライド・レール・アセンブリの取付けピンの位置を、ラックの前方および後方の柱の取付け穴に合せます。次に、図3-4に示すように、取付けピンとラックがかみ合うまで、ラックの後方向にアセンブリを押し込み所定位置でロックします。
取付けピンとラックがかみ合うと、カチッという音がします。
注意: スライド・アセンブリの取付けピンは、9.5mm角穴またはM6丸穴に対応しています。他のサイズの取付け穴には対応していません。 |
(オプション)取付けねじとケージ・ナットを使用してスライド・レール・アセンブリを取り付ける場合、前方および後方のスライド・レール・ブラケットとラックの柱にM6取付けねじを差し込み、ケージ・ナットでしっかりと締めます。図3-5を参照してください。
手順2 - 4を繰り返して、スライド・レール・アセンブリの残りを取り付けます。
図3-6に示すように、可能な場合、ラック下部にある転倒防止バーを伸ばしてください。手順は、使用するラックのドキュメントを参照してください。
注意: ラックに転倒防止バーがない場合、ラックが転倒する可能性があります。 |
ブラケットを使用して、ラックに取り付けるスライド・レール・アセンブリにOracle Exalytics In-Memory Machineシャーシを設置するには、この手順を使用します。
注意: この手順では、Oracle Exalytics In-Memory Machineの重量があるため、2人以上の作業員が必要です。この手順を1人で実行すると、機器が損傷したり、けがをする可能性があります。 ラックの上側が重くなって倒れないように、常に下から上にラックに機器を搭載してください。機器の設置中にラックが倒れないように、ラックの転倒防止バーを伸ばしてください。 |
スライド・レール・アセンブリにOracle Exalytics In-Memory Machineを設置するには、次の手順を完了します。
ラックのスライド・レール・アセンブリにスライド・レールをできるだけ奥まで押し込みます。
図3-7に示すように、ブラケットの後端が、ラックに取り付けられたスライド・レール・アセンブリに合うようにOracle Exalytics In-Memory Machineを持ち上げます。
ブラケットをスライド・レールに挿入し、ブラケットがスライド・レールの止め具に接触するまでサーバーをラックに押し込みます(約30cm(12インチ))。
注意: Oracle Exalytics In-Memory Machineをスライド・レールに挿入したら、ブラケットの上部と下部の取付け口がスライド・レールに差し込まれていることを確認します。正しく設置されていれば、Oracle Exalytics In-Memory Machineは、前後に簡単にスライドするはずです。ユニットが簡単にスライドしない場合、各取付け口が適切に差し込まれているかどうかを確認してください。ブラケットが適切に差し込まれていない場合、ラックから取り外すときにユニットが落下することがあります。 |
図3-7 ブラケットを使用したスライド・レールへのOracle Exalytics In-Memory Machineの挿入
各ブラケットの緑のスライド・レール・リリース・ボタン(図3-1)を同時に押しながら、Oracle Exalytics In-Memory Machineをラック内に押し込みます(図3-8)。ブラケットの前にあるスライド・レール・ロックがスライド・レール・アセンブリとかみ合うまで押し込みます。かみ合うと、カチッと音がします。
図3-8 ラックへのOracle Exalytics In-Memory Machineのスライド
注意: 作業を続ける前に、Oracle Exalytics In-Memory Machineがラックにしっかりと取り付けられていること、およびスライド・レール・ロックがブラケットとかみ合っていることを確認します。 |
ケーブル管理アーム(CMA)はオプションのアセンブリで、ラックでのサーバー・ケーブルのルート決定に使用できます。
オプションのCMAを設置するには、次の手順を完了します。
CMA部品を開封します。
CMAを機器ラックの裏側に置き、Oracle Exalytics In-Memory Machineの裏側に作業用の十分なスペースがあるかどうかを確認します。
注意: この手順で示される左または右は、作業者が機器ラックの裏側に面していると仮定して記載されています。 |
テープを取り外して、CMAの部品を分けます。
図3-9に示すように、CMAのブラケット・コネクタを右側のスライド・レールに、カチッと音がして所定位置でロックするまで差し込みます。
図3-10に示すように、右側のCMAスライド・レール・コネクタを右側のスライド・レール・アセンブリに、カチッと音がして所定位置でロックするまで差し込みます。
図3-11に示すように、左側のCMAスライド・レール・コネクタを左側のスライド・レール・アセンブリに、カチッと音がして所定位置でロックするまで差し込みます。
必要に応じて、Oracle Exalytics In-Memory Machineにケーブルを設置してルートを決定します。
必要な場合、図3-12に示すように、ケーブル・フックとループ・ストラップをCMAに取り付けて押し込み、ケーブルを固定します。
注意: ケーブル・フックとループ・ストラップは、あらかじめCMAに取り付けられています。ケーブル・フックとストラップをCMAに取り付けなおす必要がある場合は、この手順を実行します。 |
スライド・レールとCMAが適切に機能していることを確認するには、次の手順を使用します。
注意: この手順は2人の作業員で行うことをお薦めします。1人はOracle Exalytics In-Memory Machineをラックの内外に移動し、もう1人はケーブルとCMAを観察します。 |
スライド・レールが止め具に達するまでOracle Exalytics In-Memory Machineをラックからゆっくりと引き出します。
バインドまたはねじれがないか、接続されたケーブルを検査します。
CMAがスライド・レールからいっぱいに伸びることを確認します。
次のサブ手順の説明に従い、Oracle Exalytics In-Memory Machineをラックに押し戻します。
Oracle Exalytics In-Memory Machineが十分に引き出されたら、2セットのスライド・レール止め具を放してOracle Exalytics In-Memory Machineをラックに戻す必要があります。
1セット目の止め具は、各スライド・レールの内側にあるレバーで、Oracle Exalytics In-Memory Machineの背面パネルのちょうど裏側にあります。両方の緑のレバーを同時に押して、Oracle Exalytics In-Memory Machineをラック方向にスライドします。Oracle Exalytics In-Memory Machineは、約46cm(18インチ)スライドして止まります。作業を続ける前に、ケーブルおよびCMAが引っかからずに格納されることを確認します。
2セット目の止め具は、各ブラケットの前方近くにあるスライド・レール・リリース・ボタンです(図3-1)。緑のスライド・レール・リリース・ボタンを両方同時に押して、両方のスライド・レール・ロックがかみ合うまでOracle Exalytics In-Memory Machineを完全にラック内に押し込みます。
必要に応じて、ケーブル・ストラップおよびCMAを調整します。