2.1. インストール前のタスクおよび要件

2.1.1. ハードウェア要件
2.1.2. ソフトウェア要件
2.1.3. ネットワーク要件
2.1.4. Oracle VM Serverのメモリー設定
2.1.5. ソフトウェアの入手

Oracle VM Serverのインストールを開始する前に、コンピュータがハードウェアおよびソフトウェアの最小要件を満たしていることを確認してください。

2.1.1. ハードウェア要件

このリリースのOracle VM Serverでは、x86_64ホスト・ハードウェアのみをサポートしています。Oracle VM Serverでは64ビットのプロセッサが必要です。

ハードウェアの仮想化に対応した(未修正の)ゲスト・オペレーティング・システム(Microsoft Windowsなど)の場合、ハードウェアの仮想化をサポートするCPUが必要です。また、この機能をBIOSで有効化する必要があります。ハードウェアの仮想化がサポートされているかどうか、またBIOSでの有効化方法については、ご使用のプロセッサのドキュメントを参照してください。

複数のゲストを実行する場合、デュアル・コアCPUまたは複数のCPUを使用することをお薦めします。

最小のメモリー要件は1GB RAMですが、2GB以上のRAMを搭載したコンピュータの使用をお薦めします。ゲストのメモリー要件は、ゲスト・オペレーティング・システムごとに異なります。ゲスト・オペレーティング・システムについては、個別にメモリーのサイジングを行ってください。

2.1.2. ソフトウェア要件

前提条件となるソフトウェア要件はありません。Oracle VM Serverには、Linuxベースの小規模な管理オペレーティング・システムが含まれています。Oracle VM Serverのインストール時に、以前のオペレーティング・システムおよびデータはすべて失われます。

オペレーティング・システムまたは以前の仮想化環境からの移行は、このリリースではサポートされていません。

2.1.3. ネットワーク要件

Oracle VM Serverは、静的IPアドレスを持ったマシンにインストールすることをお薦めします。マシンでDHCPを使用する場合は、静的DHCPアドレスを割り当てるようにDHCPサーバーを構成する必要があります。これによって、ホストは常に同じIPアドレスを受信できます。DHCPのリース期間によってIPアドレスが変わる可能性のある環境で使用すると、Oracle VM Serverホストの動作が不確定になります。

DHCPを使用すると、デフォルト・ゲートウェイで問題が発生することもあります。Linuxシステムでは、Oracle VM Serverを実行するコンピュータの設定にかかわらず、DHCPサーバーによって提供されるルートを使用して、デフォルトのゲートウェイを設定します。これは、ユーザーが希望するデフォルトのルートではない場合があります。DHCPを使用する場合、Oracle VM Serverを実行するマシンにデフォルトのゲートウェイを提供しないようにDHCPサーバーを構成する必要があります。

技術的には、1つの物理サーバーにつき単一のネットワーク・インタフェースを使用して、Oracle VM Serverを実行することは可能です。Oracle VM Serverのインストール時に、管理インタフェースは構成され、Oracle VM Managerによる検出時に、サーバー管理インタフェースは、デフォルトの管理ネットワークに含まれます。管理ネットワークは、記憶域や仮想マシン・トラフィックなど、Oracle VMのすべてのネットワーク機能を提供できるため、追加のネットワークに対する機能上のニーズはありません。様々なタイプのネットワーク・トラフィックを分離するとしても、単一のインタフェースで十分です。管理ネットワークはVLAN上で実行でき、追加のネットワーク接続は、単一の物理ネットワーク・インタフェース上で構成されているVLANインタフェースを介して行うことができます。

複数の物理ネットワーク・インタフェースを選択する主な理由は、次のとおりです。

  • セキュリティ。インターネットへのルートを使用して、内部およびサーバー間のトラフィックをネットワークから分離しておきたいと考えることがあります。あるいは、様々な仮想環境のネットワーク・トラフィック、または様々なタイプのネットワーク・トラフィックが物理的に分離されていることを保証する必要がある場合があります。

  • 冗長性。1つのネットワーク・インタフェースに障害が発生しても、環境が稼働を停止してほしいとは考えません。これを避けるための適切な方法は、2つのインタフェースを1つのボンド・インタフェースにまとめることです。ボンド・ポート(Oracle VMでの名称)は、アクティブ・バックアップ・モードで動作できますが、アクティブな2つのリンクのアグリゲーションとして使用すると、2倍の帯域幅とロード・バランシングによってパフォーマンスが向上します。

  • パフォーマンス。複数の物理ネットワーク・インタフェースがある場合、リンク・アグリゲーションは、特定のネットワーク機能用に帯域幅を追加するうえで適切な方法です。さらに、別の方法として、複数の物理ネットワークを作成し、これらを専用機能用に使用できます。たとえば、独立した記憶域ネットワークや、仮想マシンのトラフィック専用のネットワークです。

注意

Oracle VM Ethernetネットワーク機能は、標準の10/100/1000Mbit Ethernetインタフェースおよび10Gbit Ethernetインタフェースに適用できます。

2.1.4. Oracle VM Serverのメモリー設定

dom0メモリーの値はデフォルトのままにしておくことをお薦めします。インストール時に、デフォルトで502 + 0.0205 * 物理メモリー(MB)に設定されています。

2.1.5. ソフトウェアの入手

Oracle VM Serverソフトウェアを持っていない場合は、Oracle VM Server ISOファイルを次のOracle Software Delivery Cloudからダウンロードします。

http://edelivery.oracle.com/oraclevm

Oracle VM ISOファイルを起動可能なCDに書き込みます。CDからOracle VM Serverをインストールする方法の詳細は、第2.2項「CDからのOracle VM Serverのインストール」を参照してください。