Oracle VMでは、ファイルベースの記憶域の抽象化に、記憶域リポジトリの概念が使用されます。記憶域リポジトリは、基本的に、物理記憶域ハードウェア上のファイル・システムを介して使用可能となる論理ディスク領域です。記憶域リポジトリをファイル・サーバー(NFS共有など)上に作成する場合、ファイル・システムはすでに存在していますが、リポジトリをLUN上に作成する場合は、OCFS2ファイル・システムを最初に作成します。
記憶域リポジトリによって、Oracle VMリソースが存在する場所が定義されます。リソースには、仮想マシン構成ファイル、仮想マシン作成のテンプレート、仮想マシンのアセンブリ、ISOファイル(DVDイメージ・ファイル)、共有仮想ディスクおよび共有されていない仮想ディスクなどがあります。
記憶域リポジトリの構成を開始する前に、次の要件が満たされていることを確認します。
NFSベースのリポジトリ: 1つ以上のOracle VM Serverを検出する必要があります。記憶域リポジトリの作成において、サーバー上のOracle VM Agentは、Oracle VM Managerから与えられる指示を実行するワーカー・コンポーネントとして機能します。
LUNベースのリポジトリ: 使用されるOCFS2ファイル・システムの特性のため、設計上、LUN上の記憶域リポジトリはクラスタ化されたサーバー・プールにリンクされます。そのため、クラスタリングが有効なサーバー・プールが存在する必要があり、クラスタ化されたプール内に1つ以上のサーバーが存在する必要があります。
ローカル・ディスクは常にLUNとして検出されるため、ローカル・サーバーの記憶域のリポジトリもこのカテゴリに属します。ローカル記憶域およびリポジトリの詳細は、4.6.4項「ローカル記憶域の使用」を参照してください。
NFS記憶域リポジトリのみが複数のサーバー・プールで共有できます。
記憶域リポジトリの構成および管理方法の詳細は、4.8項「記憶域リポジトリの準備および構成」を参照してください。