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CUPS コマンド行ユーティリティーを使用したプリンタの設定 (タスクマップ)
CUPS Web ブラウザインタフェースを使用したプリンタの設定と管理 (タスクマップ)
CUPS Web ブラウザインタフェースを使用したプリンタの設定と管理
CUPS Web ブラウザインタフェースを使用するための要件
CUPS Web ブラウザインタフェースへのアクセスに関する問題のトラブルシューティング
CUPS 印刷マネージャーを使用したプリンタの設定 (タスクマップ)
リモート印刷待ち行列を管理するように CUPS を構成する方法
このセクションでは、CUPS コマンドの概要とプリンタを設定および管理する方法について説明します。
CUPS には、プリンタを設定し、それらのプリンタをネットワーク上のシステムからアクセスできるようにするためのさまざまなコマンドが用意されています。また、CUPS ではプリンタ構成を制御するプリンタ固有のオプションもいくつかサポートされます。次の表に、よく使用する CUPS コマンドを示します。
注 - 一部の CUPS コマンドの名前はレガシー LP 印刷コマンドと同じですが、CUPS の下でのコマンドの動作は異なる場合があります。
表 2-1 CUPS コマンド行ユーティリティー
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ハードウェアのスイッチとケーブル接続の要件については、プリンタのインストールドキュメントを参照してください。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
ここには、CUPS の lpadmin コマンドのもっとも一般的に使用するオプションだけを掲載してあります。その他のオプションについては、lpadmin(8) のマニュアルページを参照してください。
$ /usr/sbin/lpadmin -p printer-name -E -v device -P full path to ppd file
追加するプリンタ名を指定します。
出力先を有効にして、ジョブを受け入れます。
印刷待ち行列の device-uri 属性を設定します。
プリンタで使用する PPD (Postscript Printer Description) ファイルを指定します。次は、PPD ファイルの標準の場所です。
/usr/share/cups/model/foomatic-db-ppds/manufacturer name
/usr/share/cups/model/SUNWhplip
/usr/share/ppd/SUNWhpijs/HP
この手順の最後に示す例を参照してください。
$ cupsaccept printer-name $ cupsenable printer-name
$ lpstat -l -p printer-name
例 2-1 PPD ファイルを使用するプリンタを追加する
この例は、IP アドレスが 10.1.1.1 である JetDirect ネットワークインタフェースを使用して HP LaserJet プリンタ LaserJet を追加する方法を示しています。
$ /usr/sbin/lpadmin -p LaserJet -E -v socket://10.1.1.1 \ -P /usr/share/ppd/SUNWhpijs/HP/hp-laserjet_p4515-ps.ppd.gz
プリンタが構成されると、PPD ファイルのコピーが /etc/cups/ppd ディレクトリに置かれ、その名前が queue-name.ppd に変更されます。PPD ファイルのこのコピーのパスを見つけるには、次のコマンドを入力します。
# lpstat -l -p queue-name
例 2-2 パラレルポートに接続されたプリンタを追加する
この例は、パラレルポートに接続された HP DeskJet プリンタ DeskJet を追加する方法を示しています。この例は、PPD ファイルが /usr/share/cups/model ディレクトリ内にあることを前提としています。
$ /usr/sbin/lpadmin -p DeskJet -E -v parallel:/dev/lp1 -m drv:///sample.drv/deskjet.ppd
プリンタの PPD ファイルを設定します
CUPS に付属する HP DeskJet ドライバの PPD ファイル
例 2-3 シリアルポートに接続されたプリンタを追加する
この例は、シリアルポートに接続されたドットマトリックスプリンタを追加する方法を示しています。この例は、PPD ファイルが /usr/share/cups/model ディレクトリ内にあることを前提としています。
$/usr/sbin/lpadmin -p DotMatrix -E -m epson9.ppd \ -v serial:/dev/ttyS0?baud=9600+size=8+parity=none+flow=soft
シリアルポート、ボーレート、ビット数、およびフロー制御を指定します。フロー制御が必要ない場合は、+flow=soft 属性を削除します。
デフォルトプリンタは、次のいずれかの方法で指定できます。
LPDEST または PRINTER 環境変数を指定する方法。
LPDEST 環境変数は、プリンタの出力先を決定します。LPDEST 変数が設定されていない場合は、PRINTER 変数が使用されます。PRINTER 変数は、出力デバイスまたは出力先を決定します。環境変数を指定してデフォルトプリンタを設定する手順については、「コマンド行でデフォルトプリンタを設定する方法」を参照してください。
新しい lpoptions コマンドを使用する方法。
このコマンドを使用して、プリンタのオプションとデフォルトを表示または設定します。CUPS コマンドを使用してデフォルトプリンタを設定する手順については、「コマンド行でデフォルトプリンタを設定する方法」を参照してください。詳細は、lpoptions(1) のマニュアルページを参照してください。
lpadmin コマンドを使用する方法。
この印刷コマンドは、次の順序でデフォルトプリンタを検索します。
lp コマンドと -d オプションを使用して設定されたプリンタ名
LPDEST 環境変数の値
PRINTER 環境変数の値
lpoptions コマンドで設定されたプリンタ名
lpadmin コマンドで設定されたプリンタ名
CUPS Web ブラウザインタフェースを使用してプリンタを設定する手順については、「CUPS Web ブラウザインタフェースを使用したプリンタの設定と管理 」を参照してください。
ローカルプリンタまたはリモートプリンタをデフォルトプリンタとして使用できます。
$ export PRINTER=printer-name
printer-name には、ユーザーのデフォルトプリンタとして割り当てるプリンタの名前を指定します。
注 - lp コマンドと -d オプションを使用すると、出力先プリンタが指定されますが、これはデフォルトプリンタではない可能性があります。-d オプションが指定されなかった場合、print コマンドは PRINTER 環境変数に含まれるプリンタの情報を検索します。
$ export LPDEST=printer-name
printer-name には、デフォルトプリンタとして割り当てるプリンタの名前を指定します。
注 - LPDEST と PRINTER の両方の環境変数が設定されている場合は、LPDEST が優先されます。
$ lpoptions -d printer-name
宛先プリンタを指定します。
ユーザーのデフォルトプリンタとして割り当てるプリンタの名前を指定します。
詳細は、lpoptions(1) のマニュアルページを参照してください。
$ lpstat -d
$ lp filename
例 2-4 PRINTER 変数を指定してデフォルトプリンタを設定する
次の例は、PRINTER 変数を使用してプリンタ luna をデフォルトプリンタとして設定する方法を示しています。
$ export PRINTER=luna $ lpstat -d system default destination: luna
例 2-5 LPDEST 変数を指定してデフォルトプリンタを設定する
次の例は、LPDEST 変数を指定することによってプリンタ luna をデフォルトプリンタとして設定する方法を示しています。
$ export LPDEST=luna $ lpstat -d system default destination: luna
例 2-6 lpoptions コマンドを使用してデフォルトプリンタを設定する
次の例は、プリンタ luna をデフォルトプリンタとして設定する方法を示しています。プリンタ luna は、LPDEST または PRINTER 環境変数が設定されていない場合にデフォルトプリンタとして使用されます。
$ lpoptions -d luna $ lpstat -d system default destination: luna
lpoptions コマンドは、デフォルトプリンタ luna のエントリを含む ~/.cups/lpoptions ファイルを作成します。デフォルトでは、すべての印刷ジョブが luna プリンタに出力されます。root ユーザーの場合、lpoptions コマンドは /etc/cups/lpoptions ファイルを作成します。
例 2-7 lpadmin コマンドを使用してデフォルトプリンタを設定する
次の例は、lpadmin コマンドを使用してプリンタ luna をデフォルトプリンタとして設定する方法を示しています。
$ lpadmin -d luna $ lpstat -d system default destination: luna
$ lpstat -p printer-name
$ lp -d destination-printer filename
宛先プリンタを指定します。
出力先プリンタとして割り当てられているプリンタ名を指定します。
印刷するファイル名を指定します。
注 - lpr コマンドと -P オプションを使用して、特定のプリンタに印刷リクエストを送信することもできます。詳細は、lpr(1) のマニュアルページを参照してください。
例 2-8 lp コマンドを使用して指定したプリンタに印刷する
次の例は、プリンタ luna を出力先プリンタとして設定する方法を示しています。
$ lp -d luna abc.ps request id is luna-1 (1 file(s)) $ lpstat -d system default destination: saturn
lp コマンドの -d オプションは、デフォルトプリンタの設定より優先されます。
この例では、デフォルトプリンタは saturn です。
lpstat コマンドは、アクセス可能なプリンタとジョブに関する情報を表示します。
ここには、もっとも一般的に使用するオプションだけを掲載してあります。その他のオプションについては、lpstat(1) のマニュアルページを参照してください。
$ lpstat [-d] [-l] [-p] printer-name [-t]
デフォルトプリンタが表示されます。
プリンタがアクティブかアイドル状態か、およびいつ使用可能または使用不可になったかが表示されます。
このコマンドで複数のプリンタ名を指定できます。プリンタ名を区切るには空白またはコンマを使用します。空白を使用する場合は、プリンタ名のリストを引用符で囲みます。printer-name を指定しなかった場合は、すべてのプリンタのステータスが表示されます。
プリンタとジョブの特性が表示されます。
すべてのプリンタのステータス (プリンタがアクティブかどうか、印刷要求を受け入れているかどうかなど) を含む、CUPS のステータス情報が表示されます。
例 2-9 プリンタのステータスを表示する
プリンタ luna のステータスを表示するには:
$ lpstat -p luna printer luna is idle. enabled since Jul 12 11:17 2011. available.
システムのデフォルトプリンタを表示するには:
$ lpstat -d system default destination: luna
プリンタ asteroid および luna の説明を表示するには:
$ lpstat -p "asteroid, luna" -D printer asteroid faulted. enabled since Jan 5 11:35 2011. available. unable to print: paper misfeed jam Description: Printer by break room printer luna is idle. enabled since Jan 5 11:36 2011. available. Description: Printer by server room.
プリンタ luna の特性を表示するには:
$ lpstat -l -p luna printer luna is idle. enabled since September 29, 2011 05:20:57 PM BST Form mounted: Content types: any Printer types: unknown Description: luna Alerts: none Location: Connection: direct On fault: no alert After fault: continue Users allowed: (all) Forms allowed: (none) Banner required Charset sets: (none) Default pitch: Default page size: Default port settings:
$ lpstat -p printer-name
$ lp filename
$ lpr filename
注 - この手順では、基本的なコマンドのみを表示します。その他のオプションについては、lp(1) および lpr(1) のマニュアルページを参照してください。
$ lpoptions -x printer-name
削除するプリンタの名前を指定します。
指定したプリンタを削除します。
注 - -x オプションは、特定のプリンタおよびインスタンスのデフォルトオプションのみを削除します。元の印刷待ち行列は、lpadmin コマンドを使用して削除されるまで保持されます。
$ cupsreject printer-name
この手順を実行すると、プリンタの削除処理中は、そのプリンタの待ち行列に新しい要求が入らなくなります。
$ cupsdisable printer-name
$ lpadmin -x printer-name
$ lpstat -l -p printer-name
このコマンドは、プリンタが存在しないことを示すメッセージを表示します。
$ lpstat -l -p printer-name
このコマンドは、プリンタが存在しないことを示すメッセージを表示します。
例 2-10 プリンタを削除する
次の例は、印刷クライアント terra と印刷サーバー jupiter からプリンタ luna を削除する方法を示しています。
terra# lpoptions -x luna terra# lpstat -l -p luna jupiter# lpadmin -x luna jupiter# lpstat -l -p luna lpstat: Invalid destination name in list "luna"!
ネットワークプリンタは、ネットワークに直接接続されているハードウェア印刷デバイスです。ネットワークプリンタは、固有のシステム名と IP アドレスを持っています。
CUPS は、同じサブネット内にあると識別されるプリンタを自動的に検出します。同じサブネット内に存在しないネットワークプリンタは、システム管理者が手動で追加する必要があります。ネットワークプリンタを構成するには、lpadmin コマンドを使用します。
ハードウェアのスイッチとケーブル接続の要件については、プリンタのインストールドキュメントを参照してください。
# ping ip-address-of-network-printer
# lpinfo --make-and-model printer manufacturer name
たとえば、Xerox プリンタを一覧表示するには、次を入力します。
# lpinfo --make-and-model Xerox -m
詳細は、「使用可能なドライバとデバイスを一覧表示する方法」を参照してください。
# lpadmin -p printer-name -E -v socket://ip-address-of-network-printer \ -m printer-make-and-model
追加するプリンタ名を指定します。
出力先を有効にして、ジョブを受け入れます。
印刷待ち行列の device-uri 属性を設定します。
モデルディレクトリから、またはいずれかのドライバインタフェースを使用して、プリンタの PPD ファイルを設定します。
詳細は、lpadmin(8) のマニュアルページを参照してください。
# lpstat -l -p printer-name
例 2-11 異なるサブネット上にあるネットワークプリンタを追加する
次の例は、異なるサブネット上にあり、IP アドレスが 10.178.236.21 である Xerox プリンタ luna を追加する方法を示しています。
# ping 10.178.236.21 10.178.236.21 is alive # lpinfo --make-and-model Xerox -m foomatic:Xerox-2700_XES-xes.ppd Xerox 2700 XES Foomatic/xes foomatic:Xerox-3700_XES-xes.ppd Xerox 3700 XES Foomatic/xes foomatic:Xerox-4045_XES-xes.ppd Xerox 4045 XES Foomatic/xes foomatic:Xerox-Phaser_5500DN-Postscript.ppd Xerox Phaser 5500DN Foomatic/Postscript\ gutenprint.5.2://xerox-able_1406/expert # lpadmin -p luna -E -v socket://10.178.236.21 \ -m foomatic:Xerox-Phaser_5500DN-Postscript.ppd # lpstat -l -p luna printer luna is idle. enabled since June 25, 2012 12:13:05 PM IST printer luna is idle. enabled since September 29, 2011 05:20:57 PM BST Form mounted: Content types: any Printer types: unknown Description: luna Alerts: none Location: Connection: direct On fault: no alert After fault: continue Users allowed: (all) Forms allowed: (none) Banner required Charset sets: (none) Default pitch: Default page size: Default port settings:
lpinfo コマンドは、CUPS サーバーに登録されている使用可能なデバイスとドライバを一覧表示します。
# lpinfo -m
# lpinfo -v
例 2-12 使用可能なドライバを一覧表示する
すべての Xerox プリンタを一覧表示するには、次を入力します。
# lpinfo --make-and-model Xerox -m foomatic:Xerox-2700_XES-xes.ppd Xerox 2700 XES Foomatic/xes foomatic:Xerox-3700_XES-xes.ppd Xerox 3700 XES Foomatic/xes foomatic:Xerox-4045_XES-xes.ppd Xerox 4045 XES Foomatic/xes gutenprint.5.2://xerox-able_1406/expert Xerox Able 1406 - CUPS+Gutenprint v5.2.4 gutenprint.5.2://xerox-able_1406/simple Xerox Able 1406 - CUPS+Gutenprint v5.2.4 Simplified