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Oracle Solaris 11.1 での Image Packaging System を使用したソフトウェアのパッケージ化および配布 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
このセクションでは、IPS パッケージのライフサイクル内の各状態についての概要を説明します。最良の結果を得るために、パッケージ開発者とシステム管理者の両者がパッケージライフサイクルのさまざまな局面について理解しておく必要があります。
だれでもパッケージを作成できます。IPS では、パッケージ作成者に、特定のソフトウェア構築システムもディレクトリ階層も課しません。パッケージ作成の詳細は、第 2 章IPS を使用したソフトウェアのパッケージ化を参照してください。パッケージ作成の各側面については、このガイドの残りの章を通して説明します。
パッケージが IPS リポジトリ (HTTP の場所とファイルシステムのどちらか) に発行されます。発行されたパッケージは .p5p パッケージアーカイブファイルに変換することもできます。IPS リポジトリからソフトウェアにアクセスするには、pkg set-publisher コマンドを使用してリポジトリをシステムに追加することも、pkg コマンドで -g オプションを使用して一時ソースとしてリポジトリにアクセスすることもできます。パッケージの発行の例は、第 2 章IPS を使用したソフトウェアのパッケージ化に示されています。
http://、https://、または file:// URL 経由でアクセスされる IPS リポジトリから、あるいは .p5p パッケージアーカイブからパッケージをシステムにインストールできます。パッケージのインストールについては、第 3 章ソフトウェアパッケージのインストール、削除、および更新に詳しく説明されています。
更新されたバージョンのパッケージが使用可能になり、IPS リポジトリに発行されるか、新しい .p5p パッケージアーカイブとして配布される可能性があります。その後、インストールされたパッケージは個別に、またはシステム全体の更新の一部として最新の状態にすることができます。
IPS は SVR4 パッケージシステムが行なっていた「パッチ」という概念を使用しないことに注意してください。IPS パッケージ化されたソフトウェアへの変更はすべて、更新されたパッケージによって配布されます。
パッケージの更新はパッケージのインストールとほぼ同じように行われますが、パッケージシステムは更新されたパッケージによって配布された変更部分のみをインストールするように最適化されています。パッケージの更新については、第 3 章ソフトウェアパッケージのインストール、削除、および更新に詳しく説明されています。
パッケージの有効期間中はパッケージの名前を変更できます。パッケージの名前は、組織上の理由のため、またはパッケージをリファクタリングするために変更されることがあります。パッケージのリファクタリングの例として、いくつかのパッケージを 1 つのパッケージに統合したり、1 つのパッケージを複数の小さなパッケージに分けたりすることがあげられます。
IPS はパッケージ間を移動する内容を正常に処理します。IPS では、古いパッケージ名がシステム上に存続することを許可しており、ユーザーが名前変更されたパッケージをインストールするよう求めると、自動的に新しいパッケージをインストールします。パッケージの名前変更については、第 10 章に詳しく説明されています。
最終的に、パッケージはその有効期間の終わりに達する可能性があります。パッケージの発行元では、パッケージがサポートされなくなり、入手可能な更新がなくなると判断することがあります。IPS では、発行元がそのようなパッケージに廃止のマークを付けることを許可しています。
廃止されたパッケージはほとんどの依存関係でターゲットとして他のパッケージから使用できなくなり、廃止バージョンにアップグレードされたパッケージはすべてシステムから自動的に削除されます。パッケージの廃止については、「パッケージの名前変更、マージ、および分割」に詳しく説明されています。
最後に、削除するパッケージへの依存関係を持つパッケージがほかにない場合は、そのパッケージをシステムから削除できます。パッケージの削除については、第 3 章ソフトウェアパッケージのインストール、削除、および更新に詳しく説明されています。