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Oracle Solaris 11.1 でのネットワークファイルシステムの管理     Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  ネットワークファイルシステムの管理 (概要)

2.  ネットワークファイルシステムの管理 (タスク)

3.  ネットワークファイルシステムへのアクセス (リファレンス)

NFS ファイル

/etc/default/nfslogd ファイル

/etc/nfs/nfslog.conf ファイル

NFS デーモン

automountd デーモン

lockd デーモン

mountd デーモン

nfs4cbd デーモン

nfsd デーモン

nfslogd デーモン

nfsmapid デーモン

構成ファイルと nfsmapid

優先ルール

nfsmapid と DNS TXT レコード

NFS version 4 のドメインを確認する

NFS version 4 のデフォルトドメインを構成する

Oracle Solaris 11 リリースで NFS version 4 のデフォルトドメインを構成する

Solaris 10 リリースで NFS version 4 のデフォルトドメインを構成する

nfsmapid の追加情報

reparsed デーモン

statd デーモン

NFS コマンド

automount コマンド

clear_locks コマンド

fsstat コマンド

mount コマンド

NFS ファイルシステム用の mount オプション

mount コマンドの使用

umount コマンド

mountall コマンド

umountall コマンド

sharectl コマンド

set サブコマンド

get サブコマンド

status サブコマンド

share コマンド

非ファイルシステム用 share オプション

NFS 用 share オプション

share コマンドを使ってアクセスリストを設定する

unshare コマンド

shareall コマンド

unshareall コマンド

showmount コマンド

nfsref コマンド

FedFS コマンド

NFS のトラブルシューティング用のコマンド

nfsstat コマンド

pstack コマンド

rpcinfo コマンド

snoop コマンド

truss コマンド

RDMA 経由の NFS

NFS サービスのしくみ

NFS におけるバージョンのネゴシエーション

NFS version 4 における機能

NFS version 4 におけるファイルシステムの共有解除と再共有

NFS version 4 におけるファイルシステムの名前空間

NFS version 4 における揮発性ファイルハンドル

NFS version 4 におけるクライアント回復

NFS version 4 における OPEN 共有サポート

NFS version 4 における委託

NFS version 4 での ACL と nfsmapid

ID マッピングが失敗する理由

ACL を使用した ID マッピングの問題を回避する

ACL エントリ内のすべてのユーザーおよびグループ ID が NFS version 4 のクライアントとサーバーの両方に存在することを確認します。

ACL または nfsmapid の追加情報

UDP と TCP のネゴシエーション

ファイル転送サイズのネゴシエーション

ファイルシステムがどのようにマウントされるか

マウント時の -public オプションと NFS URL の意味

クライアント側フェイルオーバー機能

フェイルオーバー機能に関する用語

複製されたファイルシステムとは

フェイルオーバー機能と NFS ロック

NFS version 4 におけるクライアント側フェイルオーバー機能

NFS サーバーログ機能のしくみ

WebNFS サービスのしくみ

WebNFS セキュリティーネゴシエーション機能のしくみ

Web ブラウザの使用と比較した場合の WebNFS の制約

Secure NFS システム

Secure RPC

DH 認証

KERB 認証

NFS での Secure RPC の使用

ミラーマウントのしくみ

どのような場合にミラーマウントを使用するか

ミラーマウントを使用してファイルシステムをマウントする

ミラーマウントを使用してファイルシステムをアンマウントする

NFS リフェラルのしくみ

どのような場合に NFS リフェラルを使用するか

NFS リフェラルの作成

NFS リフェラルの削除

autofs マップ

autofs マスターマップ

/home マウントポイント

/net マウントポイント

/nfs4 マウントポイント

autofs 直接マップ

/- マウントポイント

autofs 間接マップ

autofs のしくみ

autofs のネットワークナビゲート (マップ)

autofs のナビゲーションプロセス開始法 (マスターマップ)

autofs マウントプロセス

単純な autofs マウント

階層型マウント

autofs アンマウント

autofs がクライアント用のもっとも近い読み取り専用ファイルを選択する方法 (複数ロケーション)

autofs と重み付け

autofs マップエントリ内の変数

他のマップを参照するマップ

実行可能な autofs マップ

autofs のネットワークナビゲート法の変更 (マップの変更)

ネームサービスに対する autofs のデフォルトの動作

autofs リファレンス

autofs とメタキャラクタ

アンパサンド (&)

アスタリスク (*)

autofs と特殊文字

索引

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autofs マップ

autofs は 3 種類のマップを使用します。

autofs マスターマップ

auto_master マップは、ディレクトリからマップへの関連付けを行います。このマップは、すべてのマップを指定するマスターリストであり、autofs が参照します。auto_master ファイルの内容の例を次に示します。

例 3-3 /etc/auto_master ファイルの例

# Master map for automounter 
# 
+auto_master 
/net            -hosts           -nosuid,nobrowse 
/home           auto_home        -nobrowse 
/nfs4           -fedfs           -ro,nosuid,nobrowse
/-              auto_direct      -ro  

この例では、汎用の auto_master ファイルに auto_direct マップのための追加が行われています。マスターマップ /etc/auto_master の各行は、次の構文に従っています。

mount-point map-name [ mount-options ]

mount-point

mount-point は、ディレクトリのフル (絶対) パス名です。このディレクトリが存在しない場合、可能ならば autofs はこのディレクトリを作成します。このディレクトリが存在し、しかも空ではない場合、マウントすることによってその内容が隠されます。この場合、autofs は警告を出します。

マウントポイントとして /- を指定すると、この特定のマップが直接マップであり、マップに関連付けられている特定のマウントポイントがないことを表します。

map-name

map-name は、位置に対する指示またはマウント情報を検出するために、autofs が使用するマップです。この名前がスラッシュ (/) で始まる場合、autofs はこの名前をローカルファイルとして解釈します。それ以外の場合、autofs はネームサービススイッチ構成ファイル (/etc/nsswitch.conf) で指定される検索を使用してマウント情報を検索します。また、/net には、特別なマップを使用します。詳細は、/net マウントポイント」を参照してください。

mount-options

mount-options は省略できます。map-name のエントリにほかのオプションがある場合を除き、map-name で指定されたエントリのマウントに適用されるオプションをコンマで区切って並べます。特定のファイルシステムのマウントオプションについては、各ファイルシステムについてのマニュアルページを参照してください。たとえば、NFS に固有のマウントオプションについては、mount_nfs(1M) のマニュアルページを参照してください。NFS 固有のマウントポイントの場合、bg (バックグラウンド) オプションと fg (フォアグラウンド) オプションは適用されません。

# で始まる行はコメント行です。その行のテキストの最後まですべて無視されます。

長い行を短い行に分割するには、行末にバックスラッシュ (\) を入力します。入力できる文字数の上限は 1024 です。


注 - 2 つのエントリで同じマウントポイントが使用されるときは、1 番目のエントリは automount コマンドが使用します。2 番目のエントリは無視されます。


/home マウントポイント

/home マウントポイントは、/etc/auto_home (間接マップ) に記述されたエントリがマウントされるディレクトリです。


注 - autofs はすべてのコンピュータで動作し、デフォルトでは /net/home (自動マウントされるホームディレクトリ) をサポートします。このデフォルトは、NIS の auto.master マップのエントリを使用して、またはローカルの /etc/auto_master ファイルを編集することによってオーバーライドできます。


/net マウントポイント

autofs は、特別なマップ -hosts 内の全エントリを /net ディレクトリの下にマウントします。これは hosts データベースだけを使用する組み込みマップです。たとえば、hosts データベースにあるコンピュータ gumbo が、ファイルシステムのどれかをエクスポートするとします。次のコマンドを入力すると、現在のディレクトリがコンピュータ gumbo のルートディレクトリに変更されます。

% cd /net/gumbo

なお、autofs はホストgumboエクスポートされたファイルシステムだけをマウントできます。つまり、ローカルディスク上のファイルシステムではなく、ネットワークユーザーが使用できるサーバー上のファイルシステムです。したがって、gumbo にあるすべてのファイルとディレクトリは、/net/gumbo では利用できない場合があります。

/net を使用したアクセスでは、サーバー名はパスの中に指定されるため、位置に依存します。したがって、エクスポートされるファイルシステムを別のサーバーに移動すると、そのパスは使用できなくなります。このような場合は /net を使用しないで、そのファイルシステムに対応するエントリをマップの中に設定します。


注 - NFSv3 およびそれより前のプロトコルを使用すると、autofs はマウント時のみサーバーのエクスポートリストを調べます。サーバーのファイルシステムが一度マウントされると、そのファイルシステムがアンマウントされ、次にマウントされるまで autofs はそのサーバーをチェックしません。したがって、新たにエクスポートされたファイルシステムは、それがサーバーからアンマウントされ、再度マウントされるまでは見えません。NFSv4 を使用するシステムでは、ミラーマウントによって、サーバー上のエクスポートされたファイルシステムのリストに加えられた動的な変更が反映されます。


/nfs4 マウントポイント

/nfs4 マウントポイントは、擬似マップを使用してフェデレーテッドファイルシステムのドメインルートをマウントします。/nfs4/example.net を参照すると、DNS ドメイン example.net のドメインルートの検索と、その場所でのマウントが試みられます。これには、「FedFS サーバーの DNS レコードの設定」で説明されているとおり、DNS サーバーがレコードを返す必要があります。

autofs 直接マップ

直接マップは自動マウントポイントです。つまり、直接マップによって、クライアント上のマウントポイントとサーバー上のディレクトリが直接対応付けられます。直接マップにはフルパス名があり、明示的に関係を示します。次に一般的な /etc/auto_direct マップを示します。

/usr/local          -ro \
   /bin                   ivy:/export/local/sun4 \
   /share                 ivy:/export/local/share \
   /src                   ivy:/export/local/src
/usr/man            -ro   oak:/usr/man \
                          rose:/usr/man \
                          willow:/usr/man 
/usr/games          -ro   peach:/usr/games 
/usr/spool/news     -ro   pine:/usr/spool/news \
                          willow:/var/spool/news 

直接マップの行は、次の構文に従っています。

key [ mount-options ] location

key

key は直接マップでのマウントポイントのパス名です。

mount-options

mount-options は、このマウントに適用するオプションです。これらのオプションが必要なのは、マップのデフォルトと異なる場合だけです。特定のファイルシステムのマウントオプションについては、各ファイルシステムについてのマニュアルページを参照してください。たとえば、NFS に固有のマウントオプションについては、mount_nfs(1M) のマニュアルページを参照してください。

location

location はファイルシステムの位置を示します。NFS ファイルシステムの場合、1 つまたは複数のファイルシステムが server:pathname として指定されます。


注 - pathname に自動マウントされたマウントポイントを含めることはできません。pathname は、ファイルシステムの実際の絶対パスにするようにしてください。たとえば、ホームディレクトリの位置は、server:/home/username ではなく、server:/export/home/username としてリストする必要があります。


マスターマップと同様、# で始まる行はコメントです。その行のテキストの最後まですべて無視されます。長い行を短い行に分割するには、行の最後にバックスラッシュを入力します。

すべてのマップにおいて、直接マップ内のエントリは、/etc/vfstab 内の対応するエントリにもっともよく似ています。/etc/vfstab のエントリは、次のようになっているとします。

dancer:/usr/local - /usr/local/tmp nfs - yes ro 

直接マップ内では、同じエントリが次のようになります。

/usr/local/tmp     -ro     dancer:/usr/local

注 - オートマウンタマップの間では、オプションの連結はされません。オートマウンタマップに追加されたどのオプションも、前に検索されたマップに表示されているすべてのオプションをオーバーライドします。たとえば、auto_master マップに指定されているオプションは、他のマップの中の対応するエントリによってオーバーライドされます。


この種類のマップについては、これ以外にも重要な機能があります。「autofs がクライアント用のもっとも近い読み取り専用ファイルを選択する方法 (複数ロケーション)」を参照してください。

/- マウントポイント

例 3-3 では、マウントポイント /- は、auto_direct の中のエントリを特定のマウントポイントに関連付けないように autofs に指示します。間接マップの場合は、auto_master ファイルに定義されたマウントポイントを使います。直接マップの場合は、名前付きマップ内で指定したマウントポイントを使用します。直接マップ内では、鍵、つまりマウントポイントはフルパス名であることに注意してください。

NIS の auto_master ファイルには、直接マップのエントリは 1 つしか存在できません。マウントポイントは 1 つの名前空間の中で一意の値にする必要があるためです。auto_master がローカルファイルならば、重複しないかぎり直接マップのエントリがいくつあってもかまいません。

autofs 間接マップ

間接マップは、鍵の置換値を使ってクライアント上のマウントポイントとサーバー上のディレクトリとを対応させます。間接マップは、ホームディレクトリなどの特定のファイルシステムをアクセスするのに便利です。auto_home マップは間接マップの一例です。

間接マップ内の行は次の一般的な構文になります。

key [ mount-options ] location

key

key は間接マップでの単純名 (スラッシュなし) です。

mount-options

mount-options は、このマウントに適用するオプションです。これらのオプションが必要なのは、マップのデフォルトと異なる場合だけです。特定のファイルシステムのマウントオプションについては、各ファイルシステムについてのマニュアルページを参照してください。たとえば、NFS に固有のマウントオプションについては、mount_nfs(1M) のマニュアルページを参照してください。

location

location はファイルシステムの位置を示します。1 つまたは複数のファイルシステムを server: pathname で指定します。


注 - pathname に自動マウントされたマウントポイントを含めることはできません。pathname は、ファイルシステムの実際の絶対パスにするようにしてください。たとえば、ディレクトリの位置は、server:/net/server/usr/local ではなく、server :/usr/local として指定する必要があります。


マスターマップと同様、# で始まる行はコメントです。その行のテキストの最後まですべて無視されます。長い行を短い行に分割するには、行の最後にバックスラッシュ (\) を入力します。例 3-3 に、次のエントリを含む auto_master マップを示します。

/home      auto_home        -nobrowse    

auto_home は、/home のもとでマウントされるエントリを含む間接マップの名前です。通常、auto_home マップには、次のパスが含まれています。

david                  willow:/export/home/david
rob                    cypress:/export/home/rob
gordon                 poplar:/export/home/gordon
rajan                  pine:/export/home/rajan
tammy                  apple:/export/home/tammy
jim                    ivy:/export/home/jim
linda    -rw,nosuid    peach:/export/home/linda

例として、前のマップがホスト oak にあると想定します。パスワードデータベースに、ユーザー linda のホームディレクトリが /home/linda であることを示すエントリがあるとします。linda がコンピュータ oak にログインするたびに、autofs は、コンピュータ peach にあるディレクトリ /export/home/linda をマウントします。彼女のホームディレクトリは、読み書き可能な nosuid にマウントされます。

次のような状況が発生したと想定してください。 ユーザー linda のホームディレクトリがパスワードデータベースに、/home/linda として表示されます。Linda も含めだれでも、前の例のマップを参照するマスターマップで設定されたどのコンピュータからでも、このパスにアクセスできます。

こうした状況のもとでは、ユーザー linda はこれらのどのコンピュータでも loginrlogin を実行し、代わりに彼女用のホームディレクトリをマウントさせることができます。

さらに、これで linda は次のコマンドも入力できます。

% cd ~david

autofs は彼女のために David のホームディレクトリをマウントします (すべてのアクセス権で許可されている場合)。


注 - オートマウンタマップの間では、オプションの連結はされません。オートマウンタマップに追加されたどのオプションも、前に検索されたマップに表示されているすべてのオプションをオーバーライドします。たとえば、auto_master マップに含まれているオプションは、他のいずれかのマップの対応するエントリによってオーバーライドされます。


ネームサービスのないネットワークで、Linda が自分のファイルにアクセスするには、ネットワーク上のすべてのシステムで、すべての関連ファイル (/etc/passwd など) を変更する必要があります。NIS では、NIS マスターサーバーで変更を行い、関連するデータベースをスレーブのデータベースに伝達します。