ナビゲーションリンクをスキップ | |
印刷ビューの終了 | |
Oracle VM Server for SPARC 3.0 管理ガイド Oracle VM Server for SPARC (日本語) |
パート I Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェア
1. Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの概要
3. Oracle VM Server for SPARC のセキュリティー
物理ディスクスライスを仮想ディスクとしてエクスポートする方法
フルディスクとしてエクスポートされるファイルまたはボリューム
1 つのスライスディスクとしてエクスポートされるファイルまたはボリューム
ZFS ボリュームを 1 つのスライスディスクとしてエクスポートする方法
ファイルおよびディスクスライスを仮想ディスクとしてエクスポートする場合のガイドライン
CD または DVD をサービスドメインからゲストドメインにエクスポートする方法
制御ドメインから ISO イメージをエクスポートしてゲストドメインをインストールする方法
ZFS ボリュームまたは ZFS ファイルをゲストドメインに割り当てる方法
Logical Domains 環境でのボリュームマネージャーの使用
Solaris Volume Manager での仮想ディスクの使用
パート II オプションの Oracle VM Server for SPARC ソフトウェア
13. Oracle VM Server for SPARC 物理から仮想への変換ツール
14. Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant (Oracle Solaris 10)
16. Oracle VM Server for SPARC 管理情報ベース (MIB) ソフトウェアの使用
17. Logical Domains Manager の検出
このセクションでは、Logical Domains 環境でのボリュームマネージャーの使用法について説明します。
ZFS (Zettabyte File System)、Solaris Volume Manager、または Veritas Volume Manager (VxVM) は、サービスドメインからゲストドメインに仮想ディスクとしてエクスポートできます。ボリュームは、1 つのスライスディスク (slice オプションが ldm add-vdsdev コマンドで指定されている場合) またはフルディスクのいずれかとしてエクスポートできます。
注 - このセクションの残りの部分では、例として Solaris Volume Manager ボリュームを使用します。ただし、説明は ZFS および VxVM ボリュームにも適用されます。
次の例は、ボリュームを 1 つのスライスディスクとしてエクスポートする方法を示しています。
ゲストドメインの仮想ディスク (たとえば /dev/dsk/c0d2s0) は関連付けられたボリューム (たとえば /dev/md/dsk/d0) に直接割り当てられ、ゲストドメインからの仮想ディスクに格納されたデータは、メタデータを追加せずに関連付けられたボリュームに直接格納されます。そのためゲストドメインからの仮想ディスクに格納されたデータは、関連付けられたボリュームを介してサービスドメインから直接アクセスすることもできます。
例
Solaris Volume Manager ボリューム d0 が primary ドメインから domain1 にエクスポートされる場合、domain1 の構成にはいくつかの追加の手順が必要になります。
primary# metainit d0 3 1 c2t70d0s6 1 c2t80d0s6 1 c2t90d0s6 primary# ldm add-vdsdev options=slice /dev/md/dsk/d0 vol3@primary-vds0 primary# ldm add-vdisk vdisk3 vol3@primary-vds0 domain1
domain1 がバインドされて起動されると、エクスポートされたボリュームが /dev/dsk/c0d2s0 のように表示され、そのボリュームが使用可能になります。
domain1# newfs /dev/rdsk/c0d2s0 domain1# mount /dev/dsk/c0d2s0 /mnt domain1# echo test-domain1 > /mnt/file
domain1 が停止してバインドが解除されると、domain1 から仮想ディスクに格納されたデータは、Solaris Volume Manager ボリューム d0 を介して primary ドメインから直接アクセスできます。
primary# mount /dev/md/dsk/d0 /mnt primary# cat /mnt/file test-domain1
RAID またはミラー Solaris Volume Manager ボリュームが別のドメインで仮想ディスクとして使用される場合は、排他 (excl) オプションを設定せずにエクスポートする必要があります。このようにしないと、Solaris Volume Manager ボリュームのいずれかのコンポーネントで障害が発生したときに、metareplace コマンドまたはホットスペアを使用した Solaris Volume Manager ボリュームの復旧が開始されません。metastat コマンドはそのボリュームを再同期化中と判断しますが、再同期化は進行していません。
たとえば、/dev/md/dsk/d0 は excl オプションを使用して別のドメインに仮想ディスクとしてエクスポートされた RAID Solaris Volume Manager ボリュームであり、d0 にはいくつかのホットスペアデバイスが構成されているとします。d0 のコンポーネントに障害が発生すると、Solaris Volume Manager は障害の発生したコンポーネントをホットスペアに交換して、Solaris Volume Manager ボリュームとの再同期化を行います。ただし、再同期化は開始されません。ボリュームは再同期化中として報告されますが、再同期化は進行していません。
# metastat d0 d0: RAID State: Resyncing Hot spare pool: hsp000 Interlace: 32 blocks Size: 20097600 blocks (9.6 GB) Original device: Size: 20100992 blocks (9.6 GB) Device Start Block Dbase State Reloc c2t2d0s1 330 No Okay Yes c4t12d0s1 330 No Okay Yes /dev/dsk/c10t600C0FF0000000000015153295A4B100d0s1 330 No Resyncing Yes
このような状況で再同期化を完了するには、Solaris Volume Manager ボリュームを仮想ディスクとして使用しているドメインを停止して、バインドを解除する必要があります。そのあと、metasync コマンドを使用して、Solaris Volume Manager ボリュームを再同期化できます。
# metasync d0
システムに Veritas Volume Manager (VxVM) がインストールされていて、仮想ディスクとしてエクスポートする物理ディスクまたはパーティションで Veritas Dynamic Multipathing (DMP) が有効な場合は、excl オプション (デフォルトではない) を設定せずにそのディスクまたはパーティションをエクスポートする必要があります。そうしない場合、このようなディスクを使用するドメインをバインドする間に /var/adm/messages にエラーが出力されます。
vd_setup_vd(): ldi_open_by_name(/dev/dsk/c4t12d0s2) = errno 16 vds_add_vd(): Failed to add vdisk ID 0
コマンド vxdisk list で出力されるマルチパス化情報を調べると、Veritas DMP が有効であるかどうかを確認できます。次に例を示します。
# vxdisk list Disk_3 Device: Disk_3 devicetag: Disk_3 type: auto info: format=none flags: online ready private autoconfig invalid pubpaths: block=/dev/vx/dmp/Disk_3s2 char=/dev/vx/rdmp/Disk_3s2 guid: - udid: SEAGATE%5FST336753LSUN36G%5FDISKS%5F3032333948303144304E0000 site: - Multipathing information: numpaths: 1 c4t12d0s2 state=enabled
また、excl オプションを設定して仮想ディスクとしてエクスポートするディスクまたはスライスで Veritas DMP が有効になっている場合は、vxdmpadm コマンドを使用して DMP を無効にすることもできます。たとえば、次のように表示されます。
# vxdmpadm -f disable path=/dev/dsk/c4t12d0s2
このセクションでは、仮想ディスクでのボリュームマネージャーの使用法について説明します。
仮想ディスクは ZFS とともに使用できます。ZFS ストレージプール (zpool) は、この zpool の一部であるすべてのストレージデバイスを認識する任意のドメインにインポートできます。ドメインが、これらのすべてのデバイスを仮想デバイスまたは実デバイスのどちらで認識するかは関係ありません。
Solaris Volume Manager ローカルディスクセットでは、すべての仮想ディスクを使用できます。たとえば、仮想ディスクは、ローカルディスクセットの Solaris Volume Manager メタデバイス状態データベース metadb の格納、またはローカルディスクセットでの Solaris Volume Manager ボリュームの作成に使用できます。
バックエンドが SCSI ディスクである仮想ディスクは、Solaris Volume Manager 共有ディスクセット metaset で使用できます。バックエンドが SCSI ディスクでない仮想ディスクは、Solaris Volume Manager 共有ディスクセットに追加できません。バックエンドが SCSI ディスクでない仮想ディスクを Solaris Volume Manager 共有ディスクセットに追加しようとすると、次のようなエラーが表示されて失敗します。
# metaset -s test -a c2d2 metaset: domain1: test: failed to reserve any drives
ゲストドメインでの VxVM サポートについては、Symantec 社の VxVM ドキュメントを参照してください。