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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverプロキシ・プラグイン12.1.2の使用
12c (12.1.2)
E47983-03
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1 Webサーバー・プロキシ・プラグイン12.1.2の概要

次の項では、WebLogic Serverで使用するためにOracleが提供するプラグインについて説明します。

1.1 WLS Webサーバー・プロキシ・プラグインとは

Webサーバー・プラグインを使用して、Oracle HTTP Server、Oracle iPLANET Web Server、Apache HTTP ServerまたはMicrosoft Internet Information Server (IIS)からOracle WebLogic Serverへリクエストをプロキシできます。こうすることで、HTTPサーバーが、WebLogic Server上にデプロイされているアプリケーションと通信することが可能になります。

プラグインによってHTTPサーバー・インストールが拡張され、動的な機能を必要とするリクエストをOracle WebLogic Serverが処理できるようになります。つまり、通常は、HTMLページなどの静的ページをHTTPサーバーが提供し、HTTPサーブレットやJava Server Pages (JSP)などの動的ページをOracle WebLogic Serverが提供する環境で、プラグインを使用します。

Oracle WebLogic Serverは、(おそらくは別のホストの)別のプロセスで動作している可能性があります。エンド・ユーザー(ブラウザ)には、Oracle WebLogic Serverに委任されるHTTPリクエストはHTTPサーバーから送られているものと見えます。

また、WebLogicクライアント/サーバー・プロトコルのHTTPトンネリング機能もこのプラグインを介して動作し、すべてのOracle WebLogic Serverサービスへのアクセスを提供します。

1.1.1 接続プールとキープ・アライブ

プラグインは、プラグインからOracle WebLogic Serverへの接続のプールを使用してパフォーマンスを向上させます。このプラグインは、同じプラグインからの後続リクエストに同じ接続を再利用することで、プラグインとOracle WebLogic Serverとの間でHTTP 1.1キープ・アライブ接続を実装します。接続が20秒(またはユーザー定義の時間)を超えて非アクティブな場合、その接続は閉じます。詳細は、表7-1KeepAliveEnabledを参照してください。


注意:

クライアント接続はWebサーバーによって管理されます。


1.1.2 リクエストのプロキシ

プラグインは、指定された構成に基づいてリクエストをOracle WebLogic Serverにプロキシします。

  • リクエストは、リクエストのURL (またはURLの一部)に基づいてプロキシできます。これをパスによるプロキシと呼びます。

  • リクエスト対象のファイルのMIMEタイプに基づいてリクエストをプロキシすることもできます(ファイル拡張子によるプロキシと呼びます)。

両方の方法を有効にすることもできます。両方の方法を有効にし、リクエストが両方の基準に一致する場合、そのリクエストはパスによってプロキシされます。

プラグインの追加の動作を定義するすべてのタイプのリクエストに対して追加のパラメータを指定できます。

1.2 WLS Webサーバー・プロキシ・プラグイン12.1.2の入手

次のWebサーバー用のバージョン12.1.2プラグインが入手可能です。

表1-1 バージョン12.1.2プラグインの入手

Webサーバー プラグインの入手 詳細情報

Oracle HTTP Server 12cR1

プラグインはOracle HTTP Serverのインストールに含まれています。このプラグインを構成する方法は、第2章「Oracle HTTP Server用WebLogicプロキシ・プラグインの構成」を参照してください。

第2章「Oracle HTTP Server用WebLogicプロキシ・プラグインの構成」を参照してください。

Oracle iPlanet Web Server (7.0.9以降のリリース)

Apache HTTP Server 2.2.x

Microsoft Internet Information Server (IIS) 6.0から7.5まで

プラグインは、My Oracle Support (http://support.oracle.com)およびSoftware Delivery Cloud (http://edelivery.oracle.com)のWebサイトから、必要なバイナリおよびヘルパー・ファイルを含むzipファイルとしてダウンロードできます。

たとえば、mod_wl.soプラグイン配布には次のディレクトリが含まれます。Windowsバージョンの場合、DLLファイルが提供されます。

  • lib/mod_wl.soまたはlib\mod_wl.dll (Apache HTTP Serverプラグイン)

  • lib/*.soまたはlib\*.dll(ネイティブ・ライブラリ)

  • bin/orapkiまたはbin\orapki.cmd (orapkiツール)

  • jlib/*.jar (orapki用Javaヘルパー・ライブラリ)

それぞれApache HTTP Server、Microsoft IISおよびOracle iPlanet Web Server用プラグインの構成方法については、次を参照してください。


1.3 1.0プラグインからのアップグレード

バージョン1.0プラグインは非推奨となりました。今後のバージョンのOracle WebLogic Serverで動作可能かどうかは保証されません。バージョン12.1.2プラグインへの置き換えをお薦めします。


注意:

Apache HTTP Server 1.3.xまたはApache HTTP Server 2.0.xでは、バージョン1.0プラグインを引き続き使用します。


1.3.1 アップグレードの手順

11gプラグインからWebサーバー・プロキシ・プラグイン12.1.2にアップグレードする場合は、ご使用のWebサーバーの章(表1-2を参照)に記載されているインストール手順に従ってください。

表1-2 プラグイン別アップグレード手順

WebLogicプロキシ・プラグイン12.1.2にアップグレードするサーバー 次を参照してください。

Oracle HTTP Server


第2章「Oracle HTTP Server用WebLogicプロキシ・プラグインの構成」


Apache HTTP Server

第3章「Apache HTTP Server用WLS Webサーバー・プロキシ・プラグインの構成」


iPlanet Web Server

第4章「iPlanet Web Server用WLS Webサーバー・プロキシ・プラグイン12.1.2の構成」


Microsoft IIS Webサーバー

第5章「Microsoft IIS Webサーバー用WLS Webサーバー・プロキシ・プラグイン12.1.2の構成」



1.3.2 Webサーバー・プロキシ・プラグイン12.1.2にアップグレードする際の考慮事項

バージョン12.1.2プラグインはバージョン1.0プラグインのスーパーセットであり、現在の機能をすべてサポートします。ただし、アップグレードするときに、次の事項に注意する必要があります。

1.4 バージョン12.1.2プラグインの機能

この項では、1.0プラグインと比較してバージョン12.1.2プラグインの新しい機能を説明します。

1.4.1 標準暗号化強度が許容する簡潔なネーミング

バージョン1.0プラグインは、40ビット暗号化と128ビット暗号化の両方の標準をサポートしていたため、サポートされる標準をプラグインのファイル名で識別する必要がありました。たとえば、mod_wl_22.soで40ビット暗号化を表し、mod_wl128_22.soで128ビット暗号化を表していました。しかし、バージョン12.1.2プラグインでは、128ビット暗号化のみをサポートし、プラグイン名が簡潔になりました。たとえば、ただ1つの必要なファイル名は、mod_wl.soです。


注意:

1.0からアップグレードして、かつ128ビットの暗号化を使用していた場合、新しい命名規則を反映するように構成ファイルを変更する必要があります。たとえば、mod_wl128_22.soをmod_wl.soに変更する必要があります。


1.4.2 バージョン12.1.2プラグインでのOracleセキュリティ・フレームワークの使用

バージョン12.1.2プラグインでは、Oracle認定のセキュリティ・フレームワークが使用されるようになりました。このため、Oracleウォレットを使用してSSL構成情報を格納できるようになりました。

この理由により、バージョン12.1.2プラグインは、Oracleウォレットを使用するためにSSLの構成パラメータWLSSLWalletが導入しています。

プラグインのバイナリ・ファイルに提供されるコマンド・ライン・ツールを使用して、Oracleウォレットに証明書を構成できます。SSLの構成の詳細は、6.1項「プラグインにおけるSSLの使用」を参照してください。

1.4.3 バージョン12.1.2プラグインでのIPv6のサポート

バージョン12.1.2プラグインは、IPv6をサポートしています。WebLogicHostおよびWebLogicCluster構成パラメータ(表7-1を参照)は、IPv6アドレスをサポートするようになっています。

詳細は、6.2項「プラグインにおけるIPv6の使用」を参照してください。

1.4.4 バージョン12.1.2プラグインでの双方向SSLのサポート

バージョン12.1.2プラグインでは、クライアントID検証のため双方向SSLがサポートされています。双方向SSLは、ハンドシェイク・プロセスでWebLogic Serverからクライアント証明書がリクエストされると自動的に有効になります。

詳細は、6.1項「プラグインにおけるSSLの使用」を参照してください。

1.4.5 リリース12.1.2の非推奨ディレクティブ

リリース12.1.2のプラグインでは、Oracle HTTP Server、Apache HTTPサーバー、Oracle iPlanet ServerでWlLogFileおよびDebugパラメータが非推奨になっています。これらのログは、それぞれのWebサーバーのエラー・ログの一部になりました。デバッグを有効にする方法の詳細は、次を参照してください。

1.5 サポートおよびパッチ適用

お使いのプラグインで問題が発生した場合、プラグインのバージョンをお知らせください。バージョン情報は、Apacheのログや、構成している場合はプラグインのデバッグ・ログに記載されています。バージョン情報のサンプルを次に示します。

WebLogic Serverプラグイン・バージョン12.1.2 <WLSPLUGINS_XXXX_XXXX_XXXXX.XXXX>


注意:

Linux用Apache Web Serverをご使用の場合、次のコマンドを実行してプラグインのバージョンを調べることができます。

$ strings ${PLUGIN_HOME}/lib/mod_wl.so | grep -i wlsplugins

通常、プラグインへのパッチには置換え用共有オブジェクトが1つ以上含まれます。パッチに含まれているファイルに置き換える前に、既存のファイルのバックアップを作成しておくことをお薦めします。ログでのバージョン情報を基に、パッチが正常に適用されていることを確認してください。