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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenterアプリケーション・アダプタの管理
11gリリース1 (11.1.1)
B72423-06
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1 アプリケーション・アダプタ・ソリューションの概要

この章では、Oracle WebCenterのアプリケーション・アダプタについて説明します。アダプタには、Oracle WebCenter Content: Imagingを使用してイメージング、取得およびワークフローの各機能を提供するイメージング・ソリューション、およびOracle WebCenter Content Server(コンテンツ・サーバー)リポジトリに格納されているドキュメント添付ファイルをビジネス・ユーザーが添付、スキャンおよび取得できるようにする管理対象添付ファイル・ソリューションがあります。

この章の内容は、次のとおりです。

1.1 Application Extension Framework (AXF)について

Oracle WebCenter Contentビジネス・アプリケーション統合ソリューションでは、Oracle E-Business SuiteやOracle PeopleSoftなどのビジネス・アプリケーションをImagingやContentなどのコンテンツ管理アプリケーションと統合する際に、Application Extension Framework (AXF)インフラストラクチャというコマンド駆動型のWebサービス統合が使用されます。AXFのJavaベースのオープン・アーキテクチャによって、インテグレータはOracle WebCenter Contentビジネス・アプリケーションの複数の統合ソリューションをビジネス・アプリケーションから独立して構成および変更できるようになります。

BPEL用のAXFインフラストラクチャでは、ソリューション開発者やソリューション・アクセラレータは、AXFデータベース表(WebCenter Imaging表)を基にAXFソリューション、コマンドおよびWebツールを構成し、実装およびカスタマイズします。

AXFソリューションとは、いずれかのAXFインフラストラクチャを使用してコンポーネントを作成するマイクロアプリケーションです。ソリューションは、基本構造のコアAXFの上位にインストールし、ビジネス・アプリケーションのファイルがAXFの機能を使用するソリューションの標準になります。

イメージング・ソリューションは、ユーザー・インタフェース・コンポーネントを提供します。このコンポーネントは、割当て済ヒューマン・ワークフロー・タスクがリスト表示されるタスク・リストと、ユーザーがヒューマン・ワークフロー・タスクを取得、完了およびリリースするタスク詳細領域で構成されています。

どちらのAXF構造も、管理対象添付ファイル・ソリューションとともに使用できます。(両方のソリューションを使用する場合は、同じAXFバージョンを使用することをお薦めします。)

1.2 BPELイメージング・ソリューションについて

ワークフロー・イメージング・ソリューションは、Imagingをイメージング・ソースとして使用した、ビジネス・アプリケーションとBPEL (Oracle BPELプロセス・マネージャ)との統合です。AXF構成を使用して、ビジネス・ユーザーは、ビジネス・アプリケーション・ユーザー・インタフェースから関連イメージを処理したり、ドキュメント中心のワークフロー・タスクを実行したりできます。

この項の内容は次のとおりです。

1.2.1 ビジネス・ユーザーから見たBPELイメージング・ソリューション

ビジネス・ユーザーの観点からは、統合は実質的にシームレスです。エンドユーザーは、BPELイメージング・ソリューションを次の目的で使用します。

  • 添付されているイメージおよびメタデータ値を表示します。権限で許可されている内容に応じて、イメージの表示、注釈付けおよび編集に、Imagingのツールを使用します。

  • イメージおよび関連値をイメージング・ビューアで表示しながら、ビジネス・アプリケーションでエントリを入力します。

  • タスクのルーティング、取消し、更新、完了など、ワークフロー・タスクに関連するアクションを実行します。

  • 選択されたビジネス・アプリケーション・レコードのサポートするドキュメントをスキャンまたはアップロードします。

  • ビジネス・アプリケーションから移動することなく、ビジネス・アプリケーション・レコードのサポートするイメージを表示します。

1.2.1.1 イメージングのシナリオ1: 請求書の処理

請求書の処理用に構成されたBPELイメージング・ソリューションは次のように動作します。

  1. ワークフロー・プロセスによって自動的にユーザー・ タスクが生成されます。

    請求書がアップロードされると、メタデータ値が割り当てられ、請求書を処理するタスクが生成されます。通常、タスクは、 プロファイルにプールされ、ユーザー・グループはここから選択を行います。1人のユーザーが複数のプロファイルのタスクにアクセスできます。

  2. ビジネス・アプリケーションから、ユーザーはProcess Invoices (請求書の処理)というコマンドを選択するか、この名前のボタンまたはリンクをクリックすることによって、イメージング・ソリューションを起動します。

  3. ユーザーは、選択したプロファイルについてリストされているタスクから、タスクを1つ選択します。タスクが選択(取得)されると、他のユーザーはそのタスクを使用できなくなります。

  4. 「タスク・ビューア」では、ユーザーはタスクの請求書のイメージを表示し、そのイメージに基づいてビジネス・アプリケーションでエントリを入力し、関連コマンドを実行します。

    その他の アクション・コマンドは、通常、サイド・パネルに表示されます。承認のためにタスクを他のユーザーまたはユーザー・グループにルーティングしたり、他のユーザーが確認できるようにコメントを追加できます。また、タスクのスキップや、タスクのドキュメントの再スキャンまたは削除を行うこともできます。

  5. ユーザーはタスクを完了し、必要に応じて別のタスクを開始します。

    通常、ビジネス・アプリケーションで変更した内容は、Imagingとの間で同期されます(その逆も同様です)。


注意:

イメージング・ソリューションのユーザー・タスクの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterアプリケーション・アダプタの使用』を参照してください。

1.2.1.2 イメージングのシナリオ2: 従業員サポート・ドキュメントの取込み

サポートするドキュメントの取込み用に構成されたイメージング・ソリューションは次のように動作します。

  1. ユーザーは、ビジネス・アプリケーションから、従業員レコードなどのレコードを取得します。

  2. ユーザーは、Scan Employee Document(従業員ドキュメントのスキャン)というコマンドを選択するか、この名前のリンクまたはボタンをクリックして、ドキュメント・イメージング・ソリューションを起動します。

  3. Oracle WebCenter Enterprise Captureが起動され、自動的にスキャンが開始される(デスクトップにスキャナが接続されている場合)か、またはデスクトップから電子イメージをアップロードできます。

  4. ユーザーはOracle WebCenter Enterprise Captureで、イメージとともに保存するメタデータ(索引)値を入力します。

  5. ユーザーは、「リリース」をクリックして、取り込んだドキュメント・イメージおよびそのメタデータをOracle WebCenter Enterprise CaptureからImagingに送信します。

1.2.1.3 イメージングのシナリオ3: 従業員サポート・ドキュメントの表示

サポートするドキュメントの表示用に構成されたイメージング・ソリューションは次のように動作します。

  1. ユーザーは、ビジネス・アプリケーションから、従業員レコードなどのレコードを取得します。

  2. ユーザーは、View Employee Document(従業員ドキュメントの表示)というコマンドを選択するか、この名前のボタンまたはリンクをクリックして、ドキュメント・イメージング・ソリューションを起動します。

  3. ユーザーは、従業員レコードに関連付けられているドキュメントおよびそのメタデータ値のリストから、ドキュメントを選択します。

  4. ドキュメントがイメージング・ビューアに表示されます。ここでは、ドキュメントのイメージを表示したり、適切な権限がある場合には、注釈や表示編集を適用できます。

1.2.2 BPELイメージング・ソリューションで使用されるAXFコマンドについて

再使用可能なAXFコマンドを使用して、次に示した機能を実装できます。これらのコマンドの詳細は、コマンドのパラメータおよび実装例を含めて、第A.3項を参照してください。

BPEL AXFコマンド 説明
タスクを開く AXFタスク・ビューアのWebページを表示し、ヒューマン・ワークフロー・タスクを取得します。第A.3.1項を参照してください。
自動タスク 自動タスク・モードで表示します。このモードでは、新規ヒューマン・ワークフロー・タスクが、タスク・リストに表示されずに自動的にAXFタスク・ビューアに取得されます。第A.3.2項を参照してください。
タスクのリリース ヒューマン・ワークフロー・タスクをリリースし、構成されている場合は、追加アクションを実行します。第A.3.3項を参照してください。
タスクの完了 ヒューマン・ワークフロー・タスクを完了し、構成されている場合は、BPELペイロード属性値を更新して、追加アクションを実行します。第A.3.4項を参照してください。
リダイレクト 現在のAXF Webページを、構成に指定されているURLまたはAXF Webページにリダイレクトします。第A.3.5項を参照してください。
対話の終了 AXFとの対話を終了するために外部クライアントによって使用されます。(このコマンドには、パラメータは含まれません。)
タスクの更新 XPATHを使用して、指定されたヒューマン・タスクのBPELペイロード・フィールドの値、またはXMLペイロードの値を更新します。第A.3.6項を参照してください。
プロシージャからのタスクの更新 指定したデータ・ソースを使用してストアド・プロシージャをコールし、XPATHを使用してBPELペイロードの値を更新します。第A.3.7項を参照してください。
タスクの検証 BPELシステム属性データまたはBPELペイロード・データを正規表現言語を使用して検証し、検証結果に基づいて、後続のコマンドを実行します。第A.3.9項を参照してください。


注意:

AXFを使用して実行するために、カスタム・コマンドおよび連鎖コマンドをデプロイすることもできます。5.4.8項および5.4.9項を参照してください。

1.2.3 BPELイメージング・ユーザー・インタフェース・コンポーネントについて

BPELイメージング・ソリューションには、次のユーザー・インタフェース・コンポーネントが用意されています。これらは、ユーザーに対して表示されるWebインタフェース・コンポーネントであり、AXF表を使用して構成されます。移入後は、第A.2.1項で説明しているように、Imagingのソリューション・エディタを使用してコンポーネントを変更できます。

1.2.3.1 タスク・リストについて

図1-1に示しているタスク・リストWebページには、ユーザーが使用可能なタスクのリストが表示されます。これは、AXFインフラストラクチャおよびBPELと相互に作用し、BPEL Worklistアプリケーションで構成されているビューを使用してリストを表示します。

構成の詳細は、第A.2.2項を参照してください。

図1-1 タスク・リストWebツール

図1-1の説明が続きます
「図1-1 タスク・リストWebツール」の説明

「タスク・リスト」Webツールには、AXFアクション・コマンドを使用するAXFアクションのリストも表示できます。

1.2.3.2 タスク・ビューアについて

図1-2に示している「タスク・ビューア」Webページには、AXFインフラストラクチャ、BPEL、Imagingおよびビジネス・アプリケーションとの相互作用を通した、イメージとメタデータ値が表示されます。これには通常、AXFアクション・コマンドが含まれるサイド・メニューも表示されます。メタデータ値が含まれるサマリー・セクション、コメント・セクションおよび動的データ表も表示される場合があります。

構成の詳細は、第A.2.3項を参照してください。

図1-2 「タスク・ビューア」Webツール

図1-2の説明が続きます
「図1-2 「タスク・ビューア」Webツール」の説明

1.2.3.3 列挙ピッカーについて

図1-3に示している列挙ピッカーWebページでは、ユーザーは列挙値のリストから選択できます。

構成の詳細は、第A.2.4項を参照してください。

図1-3 列挙ピッカーWebツール

図1-3の説明が続きます
「図1-3 列挙ピッカー Webツール」の説明

1.2.3.4 アイデンティティ・ピッカーについて

図1-4に示している「アイデンティティ・ピッカー」Webページでは、ユーザーはBPELに構成されているアイデンティティ・ストアから1つ以上のユーザーまたはグループを選択できます。ユーザーがアイデンティティを選択すると、AXFでは通常、関連する構成可能アクションが実行されます。多くの場合、AXFによって、選択されたユーザーまたはユーザー・グループにタスクが割り当てられるか、委任されます。たとえば、トランザクションで問題が発生したビジネス・ユーザーは、問題を記述したコメントの入力後に、トランザクションの送信先とする例外ハンドラを選択します。

構成の詳細は、第A.2.5項を参照してください。

図1-4 「アイデンティティ・ピッカー」Webツール

図1-4の説明が続きます
「図1-4 「アイデンティティ・ピッカー」Webツール」の説明

1.2.3.5 コメントについて

図1-6に示している「コメント」Webページでは、ユーザーは、トランザクションの処理中にヒューマン・タスクに関連したコメントを入力できます。管理者は、図1-2に示している「タスク・ビューア」のように、単一タスクからのデータを表示する任意のAXF Webページにコメントを表示できます。コメントは、プロセス全体にわたって存続し、ユーザーはコメントを表示したり追加したりできます。BPELワークフロー・タスクでは、ネイティブのコメント機能を使用してコメントが保存されます。

コメントを表示するには、ユーザーは次の図および図1-2で示しているAXF Webページの「コメントの表示」アイコンをクリックします。コメントを追加するには、ユーザーは「コメントの追加」アイコンをクリックします。

図1-5 「コメントの表示」アイコン(左)、「コメントの追加」アイコン(右)

この図については、前後のテキストで説明されています。

構成の詳細は、第A.2.3.3項および第A.2.3.1.2項を参照してください。

図1-6 「コメント」Webツール

図1-6の説明が続きます
「図1-6 「コメント」Webツール」の説明

1.3 管理対象添付ファイル・ソリューションについて

このソリューションでは、コンテンツ・サーバーのドキュメントが、ビジネス・アプリケーションの構成に応じてリンク、ボタンまたはメニューから起動されるカスタマイズ可能ウィンドウに、ビジネス・アプリケーション・エンティティの管理対象添付ファイルとしてリストされます。たとえば、ビジネス・アプリケーションのユーザーは、従業員レコードを表示して、ボタンをクリックすることによって管理対象添付ファイル機能を起動し、パスポートのイメージとサポートしているアイデンティティ・ドキュメントを添付します。


注意:

第6.4項で示しているように、Oracle E-Business Suite Forms、Oracle Applications Framework (OAF)およびPeopleSoftを使用して作成したアプリケーション以外にも、管理対象添付ファイル・ソリューションを、エンタープライズ・アプリケーション・アダプタ・フレームワークを使用してその他のビジネス・アプリケーションと統合できます。

図1-7に示しているように、管理対象添付ファイル・ソリューションを使用すると、ビジネス・ユーザーは、コンテンツ・サーバー・リポジトリに格納されている添付ファイルを添付したり、スキャンしたり、取得したりできます。Oracle WebCenterコンテンツ・サーバー・リポジトリを使用すると、ユーザーは企業全体を通して、コンテンツを安全で正確かつ最新の状態で表示、共同処理およびリタイアできるようになります。

図1-7 「管理対象添付ファイル」ページ

図1-7の説明が続きます
「図1-7 管理対象添付ファイル・ページ」の説明

この項の内容は次のとおりです。

1.3.1 ビジネス・ユーザーから見た管理対象添付ファイル・ソリューション

ビジネス・ユーザーは、ビジネス・アプリケーション環境の拡張機能として、次のタスクを管理対象添付ファイル・ソリューションで実行できます。

  • 新規ドキュメントをContent Serverにチェックインし、選択したビジネス・アプリケーション・エンティティに添付します

  • Oracle WebCenter Enterprise Captureを使用して、ドキュメントを選択したビジネス・アプリケーションに添付しながらスキャンおよびインポートします。

  • ネイティブ・アプリケーション、Web表示可能フォーマットまたはAutoVueビューア(構成されている場合)でドキュメントを開きます

  • 選択したビジネス・アプリケーション・エンティティからドキュメントを添付解除します

  • コンテンツ・サーバーを検索し、ドキュメントをコンテンツ・サーバー・リポジトリから選択したビジネス・アプリケーション・エンティティに添付します

  • ドキュメントをチェックアウトし、他のユーザーが変更しないようにロックします

  • ドキュメントのメタデータ値を変更します

  • 構成されている場合は、以前に添付されたリビジョンを表示して添付ファイル・リビジョンを更新します

  • 添付ドキュメントの情報を表示します


注意:

管理対象添付ファイル・ソリューションのユーザー・タスクの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenterアプリケーション・アダプタの使用』を参照してください。

1.3.1.1 添付ファイル・シナリオ1: アイデンティティ・ドキュメントの取込み

パスポートなどの従業員アイデンティティ・ドキュメントの取込み用に構成された管理対象添付ファイル・ソリューションは、次のように動作します。

  1. ユーザーは、ビジネス・アプリケーションから、従業員レコードなどのレコードを取得します。

  2. ユーザーは、Scan Employee Document(従業員ドキュメントのスキャン)というコマンドを選択するか、この名前のリンクまたはボタンをクリックして、管理対象添付ファイル・ソリューションを起動します。

  3. Oracle WebCenter Enterprise Captureが起動され、自動的にスキャンが開始される(デスクトップにスキャナが接続されている場合)か、またはデスクトップから電子イメージをアップロードできます。

  4. ユーザーは、添付ファイル設定を選択します。「ドキュメントのスキャン」をクリックしてから、Oracle WebCenter Enterprise Captureでイメージとともに格納するメタデータ(索引)値を入力します。

  5. ユーザーは、「リリース」をクリックして、取り込んだドキュメント・イメージおよびそのメタデータをOracle WebCenter Enterprise Captureからコンテンツ・サーバーに送信します。

  6. ユーザーは、「リフレッシュ」ボタンをクリックし、選択した従業員レコードの添付としてリストされた、新規スキャン済またはインポート済ドキュメントを表示します。

1.3.1.2 添付ファイル・シナリオ2: アイデンティティ・ドキュメントの表示および編集

従業員アイデンティティ・ドキュメントの表示用に構成された管理対象添付ファイル・ソリューションは、次のように動作します。

  1. ユーザーは、ビジネス・アプリケーションから従業員レコードを取得します。

  2. ユーザーは、View Employee Documents(従業員ドキュメントの表示)というコマンドを選択するか、この名前のリンクまたはボタンをクリックして、管理対象添付ファイル・ソリューションを起動します。

  3. 従業員レコードの添付ファイルをリストした「管理対象添付ファイル」ページが表示されます。

  4. 添付ファイルがユーザーまたは他のユーザーによりチェックアウトされた場合、添付ファイルにリビジョン番号が表示される場合があります。リビジョン固有モードが構成されており、旧リビジョンが添付されている場合、旧添付リビジョンを表示するか、新規リビジョンを表示してそれを新規添付バージョンにするかのいずれかを実行できます。

  5. ユーザーは、添付ファイル・ドキュメントの「編集」アイコンを選択します。ユーザーがドキュメントを更新したため、ドキュメントはユーザーに対してチェックアウトされており、他のユーザーは編集できません。ユーザーが改訂済ドキュメントをチェックインすると、ドキュメントのリビジョン番号が増加します。

  6. ドキュメントがコンテンツ・サーバー(またはAutoVueビューア)に表示されます。ここでは、ユーザーはドキュメントのイメージを表示したり、適切な権限がある場合には、注釈や表示編集を適用できます。

1.3.2 添付ファイル・ソリューションで使用されるAXFコマンドおよびサービスについて

管理対象添付ファイル・ソリューションでは、UCM_Managed_AttachmentsというAXFソリューション・ネームスペースを使用して、ビジネス・アプリケーションからのユーザー・リクエストがオーケストレートされ、コンテンツ・サーバー・リポジトリの管理対象添付ファイル・ユーザー・インタフェースが表示されます。

  • ビジネス・アプリケーション・ユーザーがビジネス・アプリケーション・エントリから「管理対象添付ファイル」コマンドをアクティブにすると、アダプタはAXFリクエストを作成します。ソリューションでは、UCM_Managed_Attachmentsという単一AXFコマンド・ネームスペースがサポートされます。これは、AF_GRANT_ACCESSコマンドを起動します。

  • AF_GRANT_ACCESSコマンドは、AF_GRANT_ACCESSサービスを実装します。このコンテンツ・サーバー・サービスは、ビジネス・アプリケーションにログインしたユーザーに、選択したビジネス・アプリケーション・エンティティに関連付けられていて、ユーザーがセキュリティ・グループ・アクセス権を持っているすべてのコンテンツ・サーバー・ドキュメントへのアクセスを一時的に付与します。また、このサービスは、コンテンツ・サーバーの添付ファイル・フレームワーク検索を起動するための、管理対象添付ファイルのURLが含まれるAXFレスポンスを返します。このフレームワーク検索では、ビジネス・アプリケーション・エンティティに関連付けられているすべてのドキュメントがリストされます。

  • 返されたURLを使用して、アダプタではビジネス・アプリケーション・ユーザーに対して管理対象添付ファイルのブラウザ・ウィンドウが開かれ、添付ファイル・リストが関連付けられている、ビジネス・アプリケーション・エンティティのキー値(AFLabel)が表示され、オプションでビジネス・アプリケーションからコンテンツ・サーバーにメタデータ値が渡されます。

コンテンツ・サーバーへのアクセス権がビジネス・アプリケーション・ユーザーに付与されるしくみ

アダプタでは、管理対象添付ファイルへのアクセスに対して、一時認可メカニズムが使用されます。AXFは、信頼できるRIDCメカニズムを使用して通信し、認可を必要とするアプリケーション・エンティティおよびユーザー情報があるAF_GRANT_ACCESSサービスを呼び出します。AF_GRANT_ACCESSサービスは、指定された期間のアクセス権をユーザーに付与し、その後ユーザー・セッションを終了します。

1.4 アダプタ・コンポーネントについて

この項では、次の各トピックで、アプリケーション・アダプタの主要コンポーネントについて説明します。

1.4.1 ビジネス・アプリケーション・プラグイン

これは、Oracle E-Business SuiteまたはOracle PeopleSoft(あるいはその両方)、または別のビジネス・アプリケーションのプラグインで構成されます。

  • Oracle E-Business Suite: Oracle E-Business Suiteプラグインの構成では、Oracle E-Business Suiteデータベースに対して、表の移入と機能の構成を行うPL/SQLスクリプトが実行されます。第2章を参照してください。AXF関連のOracle E-Business Suite表を使用すると、Oracle E-Business SuiteのフォームまたはページでAXFコンポーネントを使用できるようになります。

    • また、Formsの構成では、カスタム・アクションを既存のOracle E-Business Suite Formsと統合するためのファイルを、Oracle E-Business Suiteシステムにアップロードします。

    • OAFの構成(管理対象添付ファイルのみで使用可能)では、ファイルをMDSリポジトリにインポートし、OAFページのパーソナライズによって管理対象添付ファイルのボタンを追加します。

  • PeopleSoft: Oracle PeopleSoftプラグインの構成では、Oracle PeopleSoftプロジェクトのインポート、AXFと通信するためのIntegration Brokerの構成、ユーザー・ロールの設定およびOracle PeopleSoftページでのAXF機能の有効化を行います。第3章を参照してください。AXF関連のOracle PeopleSoft表を使用すると、Oracle PeopleSoftページでAXFコンポーネントを使用できるようになります。

  • その他のビジネス・アプリケーション: エンタープライズ・アプリケーション・アダプタ・フレームワークと呼ばれる汎用コンポーネントを使用すると、Oracle E-Business SuiteとOracle PeopleSoft以外のビジネス・アプリケーションで使用できるように、管理対象添付ファイル・ソリューションをカスタマイズできます。詳細は、第6.4項を参照してください。

1.4.2 AXFインフラストラクチャ

AXF統合インフラストラクチャでは、ビジネス・アプリケーション統合アダプタからのリクエストを処理するサービス・レイヤーが採用されます。このインフラストラクチャは、Oracle WebCenter Contentインストールに含まれており、インストール時にAXF表が自動的に作成されます。

AXFインフラストラクチャには、次のコンポーネントが含まれています。

1.4.2.1 ソリューション・メディエータ

ソリューション・メディエータは、ビジネス・アプリケーション統合アダプタからAXFリクエストを受信します。ソリューション・メディエータは、単純なAXFリクエスト/レスポンス・プロトコルを実装して、ビジネス・アプリケーション統合アダプタからの抽象機能リクエストを、ビジネス機能を実装するAXFコマンド・コンポーネントに委譲します。ソリューション・メディエータは、AXFリクエストを処理するコマンド・メディエータの起動、対話の管理、一般的なエラー処理など、すべてのAXFリクエスト/レスポンスにわたって一般的なサービスを容易にする役割を担っています。

1.4.2.2 AXFリクエスト/レスポンス

AXFリクエストでは、機能リクエストが使用されます。AXFリクエストは、ソリューション・ネームスペース(DocumentProcessingなどの作業スレッドを表す)およびコマンド・ネームスペース(StartProcessingなどのサービスを表す)によって定義されます。AXFリクエストにオプションの引数が含まれる場合があります。AXFレスポンスには、リクエスタが実行することになる指示と、ビジネス・アプリケーションとAXFソリューション・アプリケーションとの間でアクティビティを同期するために使用される対話ID (CID)が含まれます。ビジネス・アプリケーション統合アダプタには、返されたCIDが格納され、同じソリューション・ネームスペース内の後続リクエストにそのCIDが組み込まれます。

1.4.2.3 コマンド・メディエータ

コマンド・メディエータは、AXFリクエストのソリューション・ネームスペースおよびコマンド・ネームスペースに基づいて、論理機能リクエストをAXFコマンドにマップします。

1.4.2.4 AXFコマンド

AXFコマンドは、ビジネス機能を実装します。コマンドでは、リクエストで指定された引数を使用して、AXFレスポンスを通してリクエスタに指示が返される場合があります。

  • BPELイメージング・ソリューションでは、第1.2.2項で示しているように、複数のAXFコマンドが使用されます。

  • 管理対象添付ファイル・ソリューションでは、ビジネス・アプリケーション・エンティティに関連付けられているドキュメントを一時的に表示してそのアクセスを提供するコンテンツ・サーバー・サービスを実装するAXFコマンドが1つだけ使用されます。第1.3.2項を参照してください。

1.4.2.5 対話

対話では、ビジネス・アプリケーションとAXFソリューション・アプリケーションとの共有状態が維持されます。対話は、ビジネス・アプリケーションにはAXFレスポンスで返され、AXFソリューション・アプリケーションにはパラメータとして指定されるCIDを使用して、両方のアプリケーションで参照されます。

1.4.3 AXFユーザー・インタフェース・コンポーネント

アダプタでは、タスク・リストやタスクの詳細(列挙コントロール、アイデンティティ・ブラウザ、メタデータ表示、コメントなどのサブコンポーネントを含む)など、イメージング・ソリューションのユーザー・インタフェース・コンポーネントを使用できます。

BPELイメージング・ソリューションの場合、ユーザー・インタフェース・コンポーネント(タスク・リストおよびタスク・ビューア)は、AXF (WebCenter Imaging)データベース表を使用して構成されます。ソリューション開発者は、Imagingのソリューション・エディタを使用して、またはAXF表を変更することによって、ソリューションをカスタマイズします。第1.2.3項を参照してください。

1.4.4 コンテンツ・サーバー・コンポーネント(管理対象添付ファイル)

管理対象添付ファイル・ソリューションの場合、アダプタには、ZIPファイルにバンドルされているコンテンツ・サーバー・コンポーネントが組み込まれます。これらのコンポーネントは、コンポーネント・マネージャを使用してインストールし、有効化します。これらのコンポーネントによって、AppAdapterフレームワークのコア・ファイルが組み込まれます。第6.3項を参照してください。

1.4.5 AXFソリューション・アクセラレータ

Oracleでは、関連する承認ルール、データ・エントリ・フォームおよびレポートが含まれるワークフローを使用して請求書および受領の処理を自動化するなどの、特定の機能に対して実装アクセラレータが用意されています。


注意:

ソリューション実装アクセラレータを入手するには、システム・インテグレータ、Oracle ConsultingまたはOracleサポートまでお問い合せください。

1.5 アダプタのセキュリティと認証について

アダプタは、複数のセキュリティおよび認証レベルを提供します。これらのレベルは、表1-1に示しているように、ソリューション(BPELイメージングまたは管理対象添付ファイル)およびビジネス・アプリケーションによって異なります。

表1-1 アダプタのセキュリティ・コントロール

認証/
セキュリティ・レベル
ビジネス・アプリケーション サポートされるソリューション 説明 構成情報

Webサービス認証(WSS/SOAP)

Oracle E-Business SuiteおよびOracle PeopleSoft

BPELイメージングおよび管理対象添付ファイル

AXFに対してWebサービス・コールが行われたときに実行されます。ソリューションでは、AXFソリューション・メディエータWebサービスに対するユーザー認証がサポートされ、AXFが配置されているアプリケーション・サーバーにインストールされているユーザー名トークン・セキュリティが使用されます。

  • Oracle E-Business Suiteでは、プロパティ表(AXF_PROPERTIES or OAF_AXF_PROPERTIES)のAXF_SOAP_POLICYキーを使用して、ユーザー名トークン認証を設定します。

  • Oracle PeopleSoftでは、ユーザー名トークン認証を使用してAXFと通信するIntegration Brokerノードを構成します。

Oracle E-Business Suiteの詳細は、第2.4.1項を参照してください。

Oracle PeopleSoftの詳細は、第3.2.2.1項を参照してください。

SSL

Oracle E-Business SuiteおよびOracle PeopleSoft

BPELイメージングおよび管理対象添付ファイル

Oracle E-Business Suiteの場合、AXF_CONFIGS表およびAXF_PROPERTIES表(Forms)を使用するか、またはOAF_AXF_CONFIGS表およびOAF_AXF_PROPERTIES表(OAF)を使用してSSL設定を構成します。

Oracle PeopleSoftの場合、Integration Brokerを使用してSSL設定を構成します。

Oracle E-Business SuiteとOracle PeopleSoftの両方の場合に、Webサーバー・ベースのデジタル証明をビジネス・アプリケーションおよびOracle WebCenter Content側に構成します。

Oracle E-Business Suiteの詳細は、第2.4.2項を参照してください。

Oracle PeopleSoftの詳細は、第3.2.1項を参照してください。

AXFからコンテンツ・サーバー

Oracle E-Business SuiteおよびOracle PeopleSoft

管理対象添付ファイル

AXFが実行されているホストとコンテンツ・サーバーとの間の信頼できる通信を有効にします。

第6.7.4項を参照してください。

ドキュメント・セキュリティ

Oracle E-Business SuiteおよびOracle PeopleSoft

管理対象添付ファイル

ユーザーは、添付時(コンテンツ・サーバーへのチェックイン時)にドキュメントへのプライベート・アクセスまたは共有アクセスを指定します。

  • ユーザーは、「管理対象添付ファイル」ページからのみプライベート・ドキュメントにアクセスできます。

  • ドキュメントのセキュリティ・グループ・アクセス権を持っているコンテンツ・サーバー・ユーザーはすべて、共有ドキュメントにアクセスできます。

第6.7.3項を参照してください。


1.6 アダプタのシステム要件

アダプタは、AXF機能を使用するアダプタに標準の、AXF、Imagingおよびコンテンツ・サーバーのファイルの基本構成に加えてインストールされるオプションのソリューションから成ります。アダプタの一般的な要件をこの項で示します。サポートされる構成および動作保証情報は、次のWebページから入手できます。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/webcenter/content/documentation/documentation-155348.html


注意:

構成を開始する際に、My Oracle Supportで、適用可能な最新のパッチがないかどうか確認してください。

一般的な要件には次のものがあります。

1.6.1 Oracle E-Business Suite

  • 完全に機能するOracle E-Business Suiteシステム。Oracle E-Business Suiteアプリケーション・アダプタでは、Oracle E-Business Suite Forms(イメージングおよび管理対象添付ファイル)とOAF Webページ(管理対象添付ファイルのみ)の両方がサポートされます。サポートされるリリースの詳細は、動作保証マトリックスを参照してください。第6.1項に示したOracle E-Business Suiteの要件も参照してください。

  • Formsアプリケーションの場合、.PLLコンパイルにOracle E-Business Suite Forms Builderが必要です。特定のリリースが、マトリックスにリストされています。

  • 重複したログインを回避するために、Oracle Single Sign-OnまたはOracle Access Managerが必要です。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアプリケーション・セキュリティ・ガイド』を参照してください。


    注意:

    Oracle Single Sign-Onを使用する場合、Oracle Identity Management (OIM)またはOracle Internet Directory (OID)サーバーが必要です。

1.6.2 Oracle PeopleSoft Enterprise

  • 完全に機能するOracle PeopleSoftシステムで、PeopleToolsが含まれています。サポートされるリリースの詳細は、動作保証マトリックスを参照してください。

  • 重複したログインを回避するために、Oracle Single Sign-OnまたはOracle Access Managerが必要です。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアプリケーション・セキュリティ・ガイド』を参照してください。


    注意:

    Oracle Single Sign-Onを使用する場合、Oracle Identity Management (OIM)またはOracle Internet Directory (OID)サーバーが必要です。

1.6.3 SOA 11g(イメージング・ソリューションの場合のみ)

いずれのイメージング・ソリューションの場合でも、SOA 11gおよび使用可能なパッチ・セットが必要です。BPELサーバー・インスタンスも必要です。BPELは、SOA 11gに含まれています。


注意:

管理対象添付ファイル・ソリューションのみを構成する場合は、SOA 11gは必要ありません。


注意:

Oracle WebCenter Content(以前のOracle Enterprise Content Management)とSOA Suiteをマップする特定のバージョンが必要です。次のWebページから入手できる動作保証情報を参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/webcenter/content/documentation/documentation-155348.html


1.6.4 管理対象添付ファイルの追加要件

管理対象添付ファイル・ソリューションには、第6.1項に示した追加要件があります。

管理対象添付ファイル・ソリューションは、コンテンツ・サーバーがWebSphere Application Serverで実行されていて、Application Extension Framework(イメージング・サーバー)がOracle WebLogic Serverで実行されている場合に、WebSphere Application Serverでサポートされます。

1.7 アダプタの構成ロードマップ

この項では、インストール後の、アダプタの主要構成手順を示します。

  1. アダプタをOracle E-Business Suiteに構成する場合は、Oracle E-Business Suiteプラグインを構成します。

    タスク 参照先
    PL/SQLスクリプトを実行して、Oracle E-Business Suiteデータベースを構成します。 第2.1項
    いずれか、または両方のOracle E-Business Suiteプラグインを構成します。
    • Formsの構成の場合、PLLファイルを変更することによってOracle E-Business Suite Formsをコンパイルします。

    • OAFの構成の場合、パーソナライズによって管理対象添付ファイルのボタンをOAFページに追加します。

    SOAPセキュリティおよびSSLを使用して、Oracle E-Business SuiteからAXFへの通信を保護します。 第2.4項
    Oracle E-Business Suiteロギングを構成します。 第2.5項

  2. アダプタをOracle PeopleSoftに構成する場合は、PeopleSoftプラグインを構成します。

    タスク 参照先
    Oracle PeopleSoft統合プロジェクトをインポートします。 第3.1項
    AXFと安全に通信するようIntegration Brokerを構成し、Oracle PeopleSoftユーザーに対してAXFアクセスを構成します。 第3.2項
    Oracle PeopleSoftページにAXFコンポーネントを配置します。 第3.3項
    Oracle PeopleSoftロギングを構成します。 第3.4項

  3. AXF設定を構成します。

    タスク 参照先
    AXFロギングを構成します。 第4.1.1項

  4. BPELイメージング・ソリューションを構成する場合は、次の手順を完了します。

    タスク 参照先
    BPEL接続を構成します。 第5.1項
    AXF表を構成するか、ソリューション実装アクセラレータを適用します。

    初期構成後に、Imagingのソリューション・エディタを使用して、タスク・リストやタスク・ビューアなどのユーザー・インタフェース・コンポーネントを編集します。

    第5.2項

    第A.2.1項を参照してください。


    AXFドライバ・ページを使用して、機能をテストします。 第5.3項
    必要に応じてImaging機能をカスタマイズします。 第5.4項

  5. 管理対象添付ファイル・ソリューションを構成する場合は、次の手順を完了します。

    タスク 参照先
    構成が管理対象添付ファイルの追加システム要件を満たしていることを確認します。 第6.1項
    管理対象添付ファイルのインストール・スクリプトを実行します。 第6.2項
    コンテンツ・サーバー・コンポーネントを構成します。 第6.3項
    管理対象添付ファイルをOracle E-Business SuiteとOracle PeopleSoft以外のビジネス・アプリケーションに構成する場合は、エンタープライズ・アプリケーション・アダプタ・フレームワークを構成します。 第6.4項
    管理対象添付ファイルの変数を構成します。 第6.5項
    必要に応じて、管理対象添付ファイル機能をカスタマイズします。 第6.6項
    認証およびセキュリティを構成します。 第6.7項
    AutoVueを使用してドキュメントの表示を構成します(オプション)。 第6.8項
    Oracle WebCenter Enterprise CaptureまたはOracle Distributed Document Captureを使用して、ドキュメントのスキャン/インポートを構成します(オプション)。 第6.9項第6.10項