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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
B66703-08
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14 Captureを追加するためのドメインの拡張

この章では、Fusion Middleware構成ウィザードを使用して、Oracle WebCenter Enterprise Captureでドメインを拡張する方法について説明します。

この章には次の項が含まれます:


注意:

セットアップのプロセスを開始する前に、各プラットフォームのOracle Fusion Middlewareリリース・ノートを読み、インストールおよびデプロイメントに関する追加情報を確認してください。

14.1 Captureを追加するためのドメインの拡張の概要

Captureシステムは、第7章「エンタープライズ・デプロイメント用のソフトウェアのインストール」で作成された、共有記憶域上のWebLogic Serverホーム(WL_HOME)とOracleホーム(ORACLE_HOME)の場所を使用してインストールされます。

Captureを追加するためにドメインを拡張します。表14-1に、Captureの構成手順と、Capture管理対象サーバーを使用するためのドメインの拡張に必要なタスクを示します。

この構成は、Captureの初期設定専用です。CaptureプロファイルなどのCaptureの構成の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Enterprise Captureの管理を参照してください。

表14-1 Captureを使用するためのドメインの拡張手順

手順 説明 詳細

Captureを使用するためのドメインの拡張の準備

Capture WebLogic Serverクラスタの各ホスト名で仮想IPアドレスのマッピングを有効にします。

第14.2項「WCCHOST1でのVIP6およびWCCHOST2でのVIP7の有効化」


Captureを使用するためのドメインの拡張

第8章「エンタープライズ・デプロイメント用のドメインの作成」で作成したドメインを拡張します。

第14.3項「Captureを使用するためのドメインの拡張」


Capture管理対象サーバーへのドメイン構成の伝播

起動スクリプトとクラスパス構成を管理サーバーのドメイン・ディレクトリから管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに伝播します。

第14.5.2項「WLS_CPT1およびWLS_CPT2へのドメイン構成の伝播」


JMS永続ストアの構成

両方のCapture管理対象サーバーへ参照できるディレクトリとして、JMS永続ストアの場所を構成します。

第14.5.5項「Capture用のJMS永続ストアの構成」


Capture管理対象サーバーの起動

WLS_CPT1およびWLS_CPT2管理対象サーバーを起動します。

第14.5.3.2項「Capture管理対象サーバーの起動」


GridLinkデータ・ソースおよびOracle Notification Service (ONS)の構成の確認

GridLinkデータ・ソースおよびONSの構成が適切であることを確認する手順に従います。

第14.5.4項「CaptureのGridLinkデータ・ソースの検証」


Capture管理対象サーバーに対するリスニング・アドレスの追加

WLS_CPT1およびWLS_CPT2管理対象サーバー(WCCHOST1VHN3およびWCCHOST2VHN3)のホスト名をSocketHostNameSecurityFilterパラメータ・リストに追加します。

第14.5.6項「Oracle WebCenter Contentで許可されたホストのリストに対するCaptureサーバーのリスニング・アドレスの追加」


Captureの構成の実行

Captureの初期構成を行った後に、その他のインストール後のタスクを実行します。

第14.5.3項「Captureの初期構成の実行」


拡張したドメインでのOracle HTTP Serverの構成

管理対象サーバーとともにOracle HTTP Serverを構成し、CPT_ClusterのWLSクラスタ・アドレスを設定します。

第14.6項「Captureクラスタ用のOracle HTTP Serverの構成」


Captureに対するフロントエンドHTTPのホストおよびポートの設定

CPT_Clusterに対するフロントエンドHTTPのホストおよびポートを構成します。

第14.6.2項「フロントエンドHTTPホストおよびポートの設定」


Oracle HTTP Serverを介したWebCenter Contentへのアクセスの検証

URLを検証し、Oracle HTTP ServerからCPT_Clusterへのルーティングとフェイルオーバーが適切に機能していることを確認します。

第14.6.3項「ロード・バランサを介したアクセスの検証」


Capture用のノード・マネージャの構成

移行のためのCapture管理対象サーバー名、ホスト名およびクラスタ名を指定します。

第14.7項「WLS_CPT管理対象サーバー用のノード・マネージャの構成」


Capture管理対象サーバー用のサーバー移行の構成

移行のためのCapture管理対象サーバー名、ホスト名およびクラスタ名を指定します。

第14.8項「WLS_CPT管理対象サーバー用のサーバー移行の構成」


Capture構成のバックアップ

新しく拡張したドメイン構成をバックアップします。

第14.9項「インストールのバックアップ」



14.2 WCCHOST1でのVIP6およびWCCHOST2でのVIP7の有効化

Captureシステムは、Captureが実行している管理対象サーバーのリスニング・アドレスとして仮想ホスト名を使用します。これらの仮想ホスト名および対応する仮想IPアドレスは、Captureコンポーネントのサーバー移行を有効にするために必要です。まだ対応していない場合は、VIP6からWCCHOST1のWCCHOST1VHN3に対して、またVIP7からWCCHOST2のWCCHOST2VHN3に対して仮想IPアドレスのマッピングを有効にし、トポロジで使用されるネットワーク・システムで仮想ホスト名を(DNSサーバーまたは/etc/hosts解決のいずれかで)正しく解決する必要があります。

まだ仮想IPアドレスを有効化していない場合には、第6.6項「仮想IPアドレスの有効化」で説明している手順に従ってください。これらの仮想IPアドレスおよび仮想ホスト名は、Captureサーバーでサーバー移行を有効にするときに必要となります。この後、高可用性を実現するために、Captureサーバーのサーバー移行を構成できます。サーバー移行の構成の詳細は、第17章「エンタープライズ・デプロイメント用のサーバー移行の構成」を参照してください。

14.3 Captureを使用するためのドメインの拡張

第10章「WebCenter Contentを追加するためのドメインの拡張」で構成したドメインを拡張して、Oracle WebCenter Enterprise Captureを追加します。この項の手順は、Oracle WebCenter Contentのデプロイメントと同じデータベース・サービス(wccedg.example.com)をCaptureのデプロイメントでも使用することを前提としています。ただし、Capture専用の別のデータベース・サービスをデプロイメントに使用することもできます。


注意:

これらの手順を実行する前に、Oracle Fusion Middleware管理者ガイドの説明に従ってドメインをバックアップしてください。

Capture用にドメインを拡張する手順は次のとおりです。

  1. リポジトリをインストールしたデータベースを実行していることを確認します。

    Oracle RACデータベースの場合は、後で実行する検証チェックの信頼性を確保するために、すべてのインスタンスを実行しておくことをお薦めします。

  2. ドメイン内のすべての管理対象サーバーを停止します。

  3. WCCHOST1で、ディレクトリをFusion Middleware構成ウィザードの場所に変更します。これはOracle共通ホーム・ディレクトリ内にあります(ドメインの拡張は、管理サーバーが存在するノードから実行します)。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
  4. Fusion Middleware構成ウィザードを起動します。

    ./config.sh
    
  5. 「ようこそ」画面で、「既存のWebLogicドメインの拡張」を選択し、「次へ」をクリックします。

  6. 「WebLogicドメイン・ディレクトリの選択」画面で、WebLogic Serverのドメイン・ディレクトリ(ASERVER_HOME)を選択し、「次へ」をクリックします。

    参照トポロジで、ASERVER_HOME/u01/oracle/config/domains/WCCDomainディレクトリです。

  7. 「拡張ソースの選択」画面(図14-1)で、次の選択を行います。

    • 「以下の追加製品をサポートするために、自動的にドメインを拡張する」を選択します。

    • 「Oracle WebCenter Enterprise Capture」を選択します。

      次の製品は、ドメインを作成した際(第8.3項)あるいはWebCenter Content用(第10.2項)、Inbound Refinery用(第11.2項)、Oracle SOA Suiteコンポーネント用(第12.3項)またはImaging用(第13.3項)にドメインを拡張した際に選択している場合、グレー表示されます。

      • WebLogic Serverの基本ドメイン

      • Oracle SOA Suite

      • Oracle WebCenter Content: Imagingビューア・キャッシュ

      • Oracle WebCenter Content: Imaging

      • Oracle Universal Content Management - Inbound Refinery

      • Oracle Universal Content Management - Content Server

      • Oracle Enterprise ManagerプラグインIBR用

      • Oracle Enterprise Manager

      • Oracle WSMポリシー・マネージャ

      • Oracle JRF

    図14-1 Captureの「拡張ソースの選択」画面

    図14-1の説明が続きます
    「図14-1 Captureの「拡張ソースの選択」画面」の説明

    「次へ」をクリックします。

  8. 図14-2に示す「JDBCコンポーネント・スキーマの構成」画面で、次の手順を実行します。

    1. CaptureスキーマおよびCapture MDSスキーマを選択します。他の既存スキーマはいずれも選択しないでください。

    2. RAC構成については、「GridLinkへ変換」または「RACマルチ・データ・ソースへ変換」を選択できます(付録A「Oracle RACでのマルチ・データ・ソースの使用」を参照)。ここでの説明に合せて、「GridLinkへ変換」を選択します。

      RAC構成を選択すると、選択されたすべてのスキーマがグレー表示されます。

      図14-2 Captureの「JDBCコンポーネント・スキーマの構成」画面

      図14-2の説明が続きます
      「図14-2 Captureの「JDBCコンポーネント・スキーマの構成」画面」の説明

    3. 「次へ」をクリックします。

  9. 「GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成」画面(図14-3)で、次の手順を実行します。

    1. CaptureスキーマおよびCapture MDSスキーマを選択します。その他のデータ・ソースはそのままにします。

      図14-3 Captureの「GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成」画面

      図14-3の説明が続きます
      「図14-3 Captureの「GridLink RACコンポーネント・スキーマの構成」画面」の説明

    2. 次の各フィールドに値を入力して、RCUでシードされたGridLink RACデータベースの接続情報を指定します。

      • ドライバ: OracleのGridLinkConnections用ドライバ (Thin) バージョン: 11以上を選択します。

      • サービス名: Oracle RACデータベースのサービス名は小文字で入力し、ドメイン名を続けます(例: wccedg.example.com)。

      • ユーザー名: 対応するコンポーネントのデータベース・スキーマの所有者の完全なユーザー名を入力します。

        このガイドでは、データベース・スキーマのユーザー名の接頭辞としてWCCを使用しています。

      • パスワード: データベース・スキーマの所有者のパスワードを入力します。

      • 「FANの有効化」を選択します。

      • SSLの有効化: このオプションは選択解除したままにします。

        SSLを選択してOracle Notification Service (ONS)の通知暗号化を有効にする場合は、「ウォレット・ファイル」および「ウォレット・パスワード」の詳細を適切に指定します。

      • サービス・リスナー: 使用するOracle RACデータベースのOracle Single Client Access Name (SCAN)のアドレスとポートを入力します。プロトコルはTCPである必要があります。

        SCANアドレスを使用してサービス・リスナー(およびOSNホスト)を指定することをお薦めします。これにより、Oracle RACノードを追加または削除しても、SCANアドレスを含むGridLinkデータ・ソースを更新する必要がありません。SCANアドレスを特定するには、データベース内のremote_listenerパラメータを問い合せます。

        SQL>show parameter remote_listener;
         
        NAME              TYPE        VALUE
        -----             ------      -------
        remote_listener   string      db-scan.example.com :1521
        

        注意:

        Oracle Database 11gの場合は、次の例に示すように、各データベース・インスタンス・リスナーの仮想IPアドレスとポートを使用します。
        wccdbhost1-vip.example.com (port 1521) 
        
        wccdbhost2-vip.example.com (1521)
        

      • ONSホスト: データベースによって報告されるRACデータベースのSCANアドレスとONSリモート・ポートも入力します。

        [orcl@WCCDBHOST1 ~]$ srvctl config nodeapps -s
        ONS exists: Local port 6100, remote port 6200, EM port 2016
        

        注意:

        Oracle Database 11gの場合は、次の例に示すように、各データベースのONSサービスのホスト名とポートを使用します。
        wccdbhost1.example.com (port 6200)
        
        wccdbhost2.example.com (6200)
        

    3. 「次へ」をクリックします。


    注意:

    UCMスキーマの情報は変更しません。

  10. 「JDBCコンポーネント・スキーマのテスト」画面で、「CPTスキーマ」行を選択し、「接続のテスト」をクリックします。

    結果は「接続結果ログ」に表示されます。スキーマを含むデータベースへの接続が成功したことを確認します。正常に接続できない場合は、「前へ」をクリックして前の画面に戻り、入力内容を修正してテストを再試行します。

    図14-4 Captureの「JDBCコンポーネント・スキーマのテスト」画面

    図14-4の説明が続きます
    「図14-4 Captureの「JDBCコンポーネント・スキーマのテスト」画面」の説明

    接続に成功したら、「次へ」をクリックします。

  11. 「オプションの構成を選択」画面で、次のオプションを選択します。

    • JMS分散宛先

    • 管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン

    • デプロイメントとサービス

    「次へ」をクリックします。

  12. 「JMS分散宛先タイプの選択」画面で、すべてのOracle Fusion MiddlewareコンポーネントのJMSモジュールのドロップダウン・リストからUDDを選択します。「次へ」をクリックします。オーバーライドの警告が表示された場合、「OK」をクリックして、このメッセージを確認します。

  13. 「管理対象サーバーの構成」画面で、必要な管理対象サーバーを追加します。

    サーバーが自動的に作成されます。このサーバーの名前をWLS_CPT1に変更し、WLS_CPT2という新しいサーバーを追加します。表14-2に示す属性をこれらのサーバーに指定します。画面に表示されている他のサーバーは変更せず、そのままにしておきます。

    表14-2 Captureの管理対象サーバー

    名前 リスニング・アドレス リスニング・ポート SSLリスニング・ポート SSL有効

    WLS_CPT1

    WCCHOST1VHN3

    16400

    n/a

    いいえ

    WLS_CPT2

    WCCHOST2VHN3

    16400

    n/a

    いいえ


    「次へ」をクリックします。

  14. 「クラスタの構成」画面で、「追加」をクリックし、表14-3に示すクラスタを追加します。画面に表示されている他のクラスタは変更せず、そのままにしておきます。

    表14-3 Captureのクラスタ構成

    名前 クラスタ・メッセージング・モード マルチキャスト・アドレス マルチキャスト・ポート クラスタ・アドレス

    CPT_Cluster

    ユニキャスト

    n/a

    n/a

    空のままにします。


    「次へ」をクリックします。

  15. 「サーバーのクラスタへの割当」画面で、次の項目を追加します。画面に表示されている他の割当ては変更せず、そのままにしておきます。

    • CPT_Cluster:

      • WLS_CPT1

      • WLS_CPT2

    「次へ」をクリックします。

  16. 「マシンの構成」画面で、「Unixマシン」タブを開きます。マシンWCCHOST1およびWCCHOST2を確認して、次のように入力します。

    表14-4 マシンおよびノード・マネージャのリスニング・アドレス

    名前 ノード・マネージャのリスニング・アドレス

    WCCHOST1

    WCCHOST1

    WCCHOST2

    WCCHOST2

    ADMINHOST

    localhost


    その他のすべてのフィールドはデフォルト値のままにします。「次へ」をクリックします。

  17. 「サーバーのマシンへの割当」画面で、次のようにサーバーをマシンに割り当てます。

    • WLS_CPT1WCCHOST1に割り当てます。

    • WLS_CPT2WCCHOST2に割り当てます。

    「次へ」をクリックします。

  18. 「デプロイメントのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」画面で、次のようにターゲット設定されていることを確認します。

    • captureデプロイメントは、CPT_Clusterにのみターゲット設定します。

    • EMアプリケーションは、AdminServerにのみターゲット設定します。

    「次へ」をクリックします。

  19. 「サービスのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」画面で、図14-5に示すようにCPT_ClusterにデプロイされるすべてのOPSS関連のデータ・ソースを選択します。

    • opss-audit-viewDS

    • opss-audit-DBDS

    • opss-DBDS

    図14-5 サービスのCaptureクラスタへのターゲット設定

    図14-5の説明が続きます
    「図14-5 サービスのCaptureクラスタへのターゲット設定」の説明

    「次へ」をクリックします。

  20. 「構成のサマリー」画面で、「拡張」をクリックします。

  21. ドメインのポートの競合に関する警告ダイアログ・ボックスが表示された場合、「OK」をクリックします。この警告は、ノードに以前から存在していたサーバーによるもので、無視してかまいません。

  22. 「ドメインの作成中」画面で、「完了」をクリックします。

14.4 管理サーバーの再起動

ドメイン拡張の変更を有効にするには、Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)でノード・マネージャのnmKillコマンドとnmStartコマンドを使用して管理サーバーを再起動する必要があります(第10.3項「管理サーバーの再起動」を参照)。管理サーバーを停止する際には、nmKillのかわりに管理コンソールを使用できます。weblogicユーザーの資格証明を使用して管理コンソールにログインします。

14.5 Capture用の構成後タスクおよび検証タスクの実行

次の項では、Capture用の構成後タスクと検証タスクを実行する方法について説明します。

14.5.1 WLS_CPT管理対象サーバーに対するホスト名検証の無効化

このガイドで説明するエンタープライズ・デプロイメントでは、Captureを使用するためのドメイン拡張手順を実行した後、適切な証明書を設定して管理サーバーで様々なノードを認証できるようにします。WLS_CPT1およびWLS_CPT2管理対象サーバーのホスト名検証を無効化して、様々なWebLogic Serverインスタンスを管理するときにエラーが出ないようにします。詳細は、第8.4.5項「ホスト名検証の無効化」を参照してください。

エンタープライズ・デプロイメントのトポロジ構成が完了したら、ホスト名検証を再び有効化します。詳細は、第16.3項「ノード・マネージャのホスト名検証証明書の有効化」を参照してください。

14.5.2 WLS_CPT1およびWLS_CPT2へのドメイン構成の伝播

起動スクリプトとクラスパス構成を管理サーバーのドメイン・ディレクトリから管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに伝播します。

Capture管理対象サーバーへのドメイン構成を伝播する手順は次のとおりです。

  1. 管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリと管理対象サーバーのアプリケーション・ディレクトリのコピーを作成します。

  2. 次のpackコマンドをWCCHOST1で実行し、テンプレート・パックを作成します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./pack.sh -managed=true -domain=ASERVER_HOME -template=edgdomaintemplateCPT.jar -template_name=edgdomain_templateCPT
    

    参照トポロジで、ORACLE_COMMON_HOME/u01/oracle/products/fmw_home/oracle_commonディレクトリで、ASERVER_HOME/u01/oracle/config/domains/WCCDomainディレクトリです。

  3. 次のunpackコマンドをWCCHOST1で実行して、前の手順で作成したテンプレートをWLS_CPT1ドメイン・ディレクトリに伝幡します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=MSERVER_HOME -template=edgdomaintemplateCPT.jar -app_dir=APPLICATION_HOME -overwrite_domain=true
    

    参照トポロジで、MSERVER_HOME/u02/oracle/config/domains/WCCDomainディレクトリで、APPLICATION_HOME/u01/oracle/config/applications/WCCDomainディレクトリです。


    注意:

    • unpackコマンドはWL_HOME/common/bin/から実行するのではなく、ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/ディレクトリから実行してください。

    • APPLICATION_HOMEディレクトリは、このunpackコマンドでバックアップされます。

    • unpackコマンドで-overwrite_domainオプションを使用すると、管理対象サーバーのテンプレートを、既存のドメインおよび既存のアプリケーション・ディレクトリに解凍できます。上書きされるファイルがあれば、上書き前のファイルのバックアップ・コピーが作成されます。管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリにある起動スクリプトおよびEARファイルになんらかの変更が適用されていた場合には、この解凍処理の後に起動スクリプトおよびEARファイルをリストアする必要があります。


  4. 次のコマンドをWCCHOST1で実行し、手順1で作成したテンプレート・パックをWCCHOST2にコピーします。

    scp edgdomaintemplateCPT.jar oracle@WCCHOST2:/u01/oracle/products/fmw_home/oracle_common/bin
    
  5. 次のunpackコマンドをWCCHOST2で実行して、伝播されたテンプレートをWLS_CPT2管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリに解凍します。

    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=/u02/oracle/config/domains/WCCDomain -template=edgdomaintemplateCPT.jar -app_dir=/u01/oracle/config/applications/WCCDomain –overwrite_domain=true
    

    注意:

    • unpackコマンドはWL_HOME/common/bin/から実行するのではなく、ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/ディレクトリから実行してください。

    • APPLICATION_HOMEディレクトリは、このunpackコマンドでバックアップされます。


  6. ここまでの変更を有効にするために管理サーバーを再起動します。まずnmKillコマンドまたは管理コンソールで管理サーバーを停止し、次にnmStartコマンドで起動します(第10.3項「管理サーバーの再起動」を参照)。

    再起動の前に、管理コンソールを使用してドメイン内のすべての管理対象サーバーを停止します。続いて再起動後に、それらの管理対象サーバーを起動します。weblogicユーザーの資格証明を使用して管理コンソールにログインします。

14.5.3 Captureの初期構成の実行

WebLogic ServerドメインでCaptureの初期構成を完了するには、weblogicシステム管理者を使用して次のタスクを行います。

  1. Capture管理対象サーバーを起動します。

  2. Fusion Middleware Controlを使用してキャプチャ・ユーザーにロールを割り当てます。

  3. MBeanを使用してシステム・レベルの設定を変更します。

14.5.3.1 Captureの初期構成の実行について

インストールおよび初期構成を実行するシステム管理者は、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlやOracle WebLogic Serverへのアクセス権などのシステム管理権限を保有している必要があります。Oracle WebCenter Enterprise Captureを使用する前に、システム管理者はWebLogic ServerのLDAPアイデンティティ・ストアのユーザーをFusion Middleware Controlのキャプチャ・ロールに関連付ける必要があります。

グループとユーザーを保存するために、Oracle Internet Directoryポリシー・ストアを使用できます。ポリシー・ストアはFusion Middleware Controlから管理できます。

次のキャプチャ・ロールをユーザーに割り当てることができます。

  • キャプチャ・ワークスペース・マネージャ(CaptureWorkspaceManager)

  • キャプチャ・ワークスペース参照者(CaptureWorkspaceViewer)

  • キャプチャ・ユーザー(CaptureUser)

システム管理者はCaptureWorkspaceManagerロールとCaptureUserロールの両方にワークスペース・マネージャを割り当てて、ワークスペース・コンソールとクライアントにアクセスできるようにする必要があります。CaptureUserロールのメンバーのみがCaptureクライアントを使用できます。アカウントにCaptureWorkspaceManagerロールが付与されると、そのアカウントでワークスペース・コンソールへのサインイン、ワークスペースの作成、およびキャプチャ・ロールを割り当てられている他のユーザーへのキャプチャ・アクセス権の付与が可能になります。

Capture管理対象サーバーの起動後、システム管理者はFusion Middleware ControlまたはOracle WebLogic Scripting Tool (WLST)のコマンドを使用して、Capture MBeanのシステム・レベルの設定を変更できます。

14.5.3.2 Capture管理対象サーバーの起動

WCCHOST1よびWCCHOST2でCapture管理対象サーバーを起動します。

Capture管理対象サーバーを起動する手順は次のとおりです。

  1. 管理対象サーバーWLS_CPT1を起動します。

    1. http://ADMINVHN:7001/consoleでWebLogic Server管理コンソールにログインします。

    2. 左側の「ドメイン構造」ツリーで、「環境」ノードを開いて「サーバー」を選択します。

    3. 「サマリー」ページまたは「サーバー」ページで、「制御」タブをクリックします。

    4. 表の「サーバー」列から「WLS_CPT1」を選択します。

    5. 「起動」をクリックします。

  2. http://WCCHOST1VHN3:16400/dc-consoleにアクセスしてWLS_CPT1のステータスを確認します。「Oracle WebCenter Enterprise Captureワークスペース・コンソール」ログイン・ページが開きます。WebLogic Server管理のユーザー名とパスワードを入力し、ログインします。

  3. 管理対象サーバーWLS_CPT2を起動します。

    1. http://ADMINVHN:7001/console
      WebLogic Server管理コンソールにログインします。

    2. 左側の「ドメイン構造」ツリーで、「環境」ノードを開いて「サーバー」を選択します。

    3. 「サマリー」ページまたは「サーバー」ページで、「制御」タブをクリックします。

    4. 表の「サーバー」列から「WLS_CPT2」を選択します。

    5. 「起動」をクリックします。

  4. http://WCCHOST2VHN3:16400/dc-consoleにアクセスしてWLS_CPT2のステータスを確認します。「Oracle WebCenter Enterprise Captureワークスペース・コンソール」ログイン・ページが開きます。WebLogic Server管理のユーザー名とパスワードを入力し、ログインします。

14.5.3.3 キャプチャ・ユーザーへのロールの割当て

Captureを使用するには、システム管理者(weblogic)がLDAP資格証明ストアのユーザーをポリシー・ストアのキャプチャ・ロールに関連付ける必要があります。Fusion Middleware Controlの「アプリケーション・ロール」ページでこれを実行できます。

キャプチャ・ロールをワークスペース・マネージャに割り当てる手順は次のとおりです。

  1. Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにログインします。

  2. 左側で、「WebLogicドメイン」を開きます。

  3. ドメイン名を右クリックして、「セキュリティ」「アプリケーション・ロール」の順に選択します。

    「アプリケーション・ロール」ページが開きます。

    図14-6 Captureのアプリケーション・ロール

    図14-6の説明が続きます
    「図14-6 Captureのアプリケーション・ロール」の説明

  4. 「アプリケーション・ストライプ」フィールドで、ドロップダウン・リストから「capture」を選択し、検索アイコンをクリックします。

    検索を実行すると、「キャプチャ・ユーザー」、「キャプチャ・ワークスペース・マネージャ」および「キャプチャ・ワークスペース参照者」のロールが表に移入されます。

  5. CaptureWorkspaceManagerロールを編集します。

  6. このロールにユーザーを追加します。

  7. CaptureUserロールを編集します。

  8. CaptureWorkspaceManagerロールとCaptureUserロールの両方がユーザーに付与されるように、このロールにも同じユーザーを追加します。

キャプチャ・ユーザーにロールを割り当てる方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Captureの管理』のOracle Enterprise Managerによるキャプチャ・ロールの割当てに関する項を参照してください。

14.5.3.4 MBeanを使用したシステム・レベルの設定の変更

Fusion Middleware Controlの「システム構成」ページを使用して、Captureのシステム・レベルの構成設定(システム・プロパティや電子メールのSMTP設定など)を変更できます。このページの設定ではドメインのCapture MBeanを構成します。この設定はWLSTコマンドで変更することもできます。

システム・レベルの設定をFusion Middleware Controlで変更する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Captureの管理』のシステム構成設定の変更に関する項を参照してください。

次のWLSTコマンドを使用しても、システム・レベルの設定にアクセスしたり、システム・レベルの設定を変更したりできます。

  • listCaptureConfig

  • getCaptureConfig

  • setCaptureConfig

これらのコマンドの詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のOracle WebCenter Enterprise CaptureのカスタムWLSTコマンドに関する項を参照してください。

14.5.4 CaptureのGridLinkデータ・ソースの検証

サーバーを起動したら、GridLinkデータ・ソースが正しく構成され、ONS設定が正しいことを確認します。作成されたすべてのGridLinkデータ・ソースに対して、この手順を実行します。

CaptureのGridLinkデータ・ソースの構成を確認する手順は次のとおりです。

  1. WebLogicサーバーの管理コンソールにログインします。

  2. 「ドメイン構造」ツリーで「サービス」を開き、「データ・ソース」をクリックします。

  3. 作成したGridLinkデータ・ソースの名前をクリックします。

  4. 「監視」タブをクリックします。

  5. 「テスト」タブ(図15-7)をクリックし、いずれかのサーバーを選択し、「データ・ソースのテスト」をクリックします。

    図14-7 CaptureのGridLinkデータ・ソースのテスト

    図14-7の説明が続きます
    「図14-7 CaptureのGridLinkデータ・ソースのテスト」の説明

    構成が適切であればテストは成功します。

  6. GridLinkデータ・ソースを使用するすべてのWebLogic Serverインスタンスでテストを繰り返します。

CaptureのGridLinkデータ・ソースのONSの構成を確認する手順は次のとおりです。

  1. 管理コンソールの「ドメイン構造」ツリーで、「サービス」ノードを開いて「データ・ソース」をクリックします。

  2. GridLinkデータ・ソースの名前をクリックします。

  3. 「監視」タブをクリックします。

  4. サーバーの名前(WLS_CPT1)をクリックします。

  5. 「ONS」タブをクリックし、「テスト」タブ(図14-8)をクリックします。

  6. サーバーを選択し、「ONSのテスト」をクリックします。

    図14-8 CaptureのONS構成のテスト

    図14-8の説明が続きます
    「図14-8 CaptureのONS構成のテスト」の説明

    構成が適切であればテストは成功します。ONSテストが失敗する場合は、Oracle RACデータベース・ノード内でONSサービスが稼動していることを確認します。

    [orcl@WCCDBHOST1 ~]$ srvctl status scan_listener
    SCAN Listener LISTENER_SCAN1 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN1 is running on node WCCDBHOST1
    SCAN Listener LISTENER_SCAN2 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN2 is running on node WCCDBHOST2
    SCAN Listener LISTENER_SCAN3 is enabled
    SCAN listener LISTENER_SCAN3 is running on node WCCDBHOST2 
     
     
    [orcl@WCCDBHOST1 ~]$ srvctl config nodeapps -s 
    ONS exists: Local port 6100, remote port 6200, EM port 2016 
     
     
    [orcl@WCCDBHOST1 ~]$ srvctl status nodeapps | grep ONS
    ONS is enabled
    ONS daemon is running on node: WCCDBHOST1
    ONS daemon is running on node: WCCDBHOST2
    
  7. GridLinkデータ・ソースを使用するすべてのWebLogic ServerインスタンスでONSテストを繰り返します。

14.5.5 Capture用のJMS永続ストアの構成

2つのノードから参照できるディレクトリとして、JMS永続ストアの場所を構成します。デフォルトでは、Oracle WebCenter Enterprise Captureで使用されるJMSサーバーに永続ストアは構成されず、WebLogic Serverのストア(デフォルト/u02/oracle/config/domains/WCCDomain/servers/server_name/data/store/)を使用しています。共有ベースのディレクトリを使用するように、各Capture JMSサーバーの永続ストアを変更する必要があります。

Capture用のJMS永続ストアを構成する手順は次のとおりです。

  1. WebLogicサーバーの管理コンソールにログインします。

  2. 「ドメイン構造」ウィンドウで、「サービス」ノードを開いて「永続ストア」ノードをクリックします。

  3. 「永続ストアのサマリー」ページで「ロックして編集」をクリックします。

  4. 「新規」をクリックしてから、「ファイル・ストアの作成」をクリックします。

  5. 名前(例: CPTJMSServer1Store。これにより、作成対象のサービスを特定できます)およびターゲットのWLS_CPT1を入力します。WCCHOST1とWCCHOST2の両方からアクセスできる共有記憶域にあるディレクトリを入力します(/u01/oracle/config/domains/WCCDomain/CPT_Cluster/jms)。

  6. 「OK」をクリックして、変更をアクティブ化します。

  7. 左側の「ドメイン構造」ツリーで、「サービス」ノードを開き、「メッセージング」→「JMSサーバー」ノードをクリックします。

  8. 「JMSサーバーのサマリー」ページで、表の「名前」列にある(ハイパーリンクで表示されている)JMSサーバー「CaptureJmsServer1」をクリックします。

  9. このJMSサーバーの「設定」ページで、「ロックして編集」をクリックしてください。

  10. 「永続ストア」ドロップダウン・リストで、「CPTJMSServer1Store」を選択します。

  11. 「保存してアクティブ化」をクリックします。

  12. 手順を繰り返して、CaptureJMSServer2CPTJMSServer2Storeを作成します。

14.5.6 Oracle WebCenter Contentで許可されたホストのリストに対するCaptureサーバーのリスニング・アドレスの追加

第13.5.11項「Oracle WebCenter Contentで許可されたホストのリストに対するImagingサーバーのリスニング・アドレスの追加」でOracle WebCenter Content Server用に構成した許容ホストの設定は、この設定にCapture管理対象サーバーのリスナーを追加すればCaptureにも適用できます。コンテンツ・サーバーの許容ホストを初めて追加する場合(Imaging以外のOracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメントを設定する場合)は、コンテンツ・サーバーから次の構成を行う必要があります。

WLS_CPT1およびWLS_CPT2管理対象サーバー(それぞれWCCHOST1VHN3およびWCCHOST2VHN3)のホスト名をSocketHostNameSecurityFilterパラメータ・リストに追加します。

Oracle WebCenter Contentで許可されているホストにCaptureサーバーのリスニング・アドレスを追加する手順は次のとおりです。

  1. テキスト・エディタでファイル/u01/oracle/config/domains/WCCDomain/WCC_Cluster/cs/config/config.cfgを開きます。

  2. 次の行を削除またはコメント・アウトします。

    SocketHostAddressSecurityFilter=127.0.0.1|WCCHOST1-IP|WCCHOST2-IP|WEBHOST1-IP|WEBHOST2-IP
    
  3. Oracle WebCenter Contentへの接続を許可するアドレスのリストにWLS_CPT1およびWLS_CPT2のリスニング・アドレスを含めるために、次の2行を追加します。

    SocketHostNameSecurityFilter=localhost|localhost.example.com|WEBHOST1|
    WEBHOST2|WCCHOST1|WCCHOST2|WCCHOST1VHN1|WCCHOST2VHN1|WCCHOST1VHN2|WCCHOST2VHN2|
    WCCHOST1VHN3|WCCHOST2VHN3|ucminternal.example.com|load-balancer-host-name AlwaysReverseLookupForHost=Yes

    注意:

    ロード・バランサのホスト名は、第3.3項「ロード・バランサ」の仮想サーバーの構成で使用したホスト名です。

  4. 変更されたconfig.cfgファイルを保存したら、WebLogic Server管理コンソールを使用してOracle WebCenter Contentのサーバーを再起動し、変更を有効にします。

14.6 Captureクラスタ用のOracle HTTP Serverの構成

WLS_CPT1およびWLS_CPT2管理対象サーバーを含むCPT_ClusterにOracle HTTP Serverをルーティングするには、WebLogicClusterパラメータをクラスタ内のノードのリストに設定する必要があります。

この項の内容は次のとおりです。

14.6.1 WLS_CPT管理対象サーバー用のOracle HTTP Serverの構成

WLS_CPT管理対象サーバー用にOracle HTTP Serverを構成する手順は次のとおりです。

  1. WEBHOST1およびWEBHOST2上の各Webサーバーで、ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs1/moduleconf/wcc_vh.confおよびORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs2/moduleconf/wcc_vh.confファイルに次の行を追加します。

    # DC-Console
    <Location /dc-console>
        WebLogicCluster WCCHOST1VHN3:16400,WCCHOST2VHN3:16400
        SetHandler weblogic-handler
        WLCookieName JSESSIONID
        WLProxySSL ON
        WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
     
    # DC-Client
    <Location /dc-client>
        WebLogicCluster WCCHOST1VHN3:16400,WCCHOST2VHN3:16400
        SetHandler weblogic-handler
        WLCookieName JSESSIONID
        WLProxySSL ON
        WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
    

    参照トポロジで、ORACLE_INSTANCE/u02/oracle/config/web1または/u02/oracle/config/web2ディレクトリです。

  2. WEBHOST1とWEBHOST2の両方でOracle HTTP Serverを起動します。

    /u02/oracle/config/webN/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohsX
    

    ias-componentに対して、WEBHOST1ではohs1を使用し、WEBHOST2ではohs2を使用します。

14.6.2 フロントエンドHTTPホストおよびポートの設定

Captureクラスタ(CPT_Cluster)について、フロントエンドHTTPのホストとポートを設定する必要があります。

CaptureクラスタのフロントエンドHTTPホストとポートを設定する手順は次のとおりです。

  1. WebLogicサーバーの管理コンソールにログインします。

  2. 「チェンジ・センター」セクションに移動して、「ロックして編集」をクリックします。

  3. 左側の「ドメイン構造」ツリーの「環境」ノードを開きます。

  4. 「クラスタ」をクリックします。

  5. 「クラスタのサマリー」ページで、「CPT_Cluster」を選択します。

  6. 「HTTP」タブを開きます。

  7. 次の値を設定します。

    • フロントエンド・ホスト: wcc.example.com

    • フロントエンドHTTPSポート: 443

    • フロントエンドHTTPポート: 80

  8. 「保存」をクリックします。

  9. 管理コンソールの「チェンジ・センター」セクションで「変更のアクティブ化」をクリックします。

  10. サーバーを再起動して、クラスタ内のフロントエンド・ホスト・ディレクティブを有効にします。

14.6.3 ロード・バランサを介したアクセスの検証

URLを検証し、HTTP ServerからCPT_Clusterへのルーティングとフェイルオーバーが適切に機能していることを確認します。

URLを検証する手順は次のとおりです。

  1. WLS_CPT2が稼動している状態で、WebLogic Server管理コンソールからWLS_CPT1を停止します。

  2. http://wcc.example.com/dc-consoleにアクセスし、正しく動作していることを確認します。(Captureサーバーが停止しているため、レポートやデータは取得できません。)

  3. WebLogic Server管理コンソールからWLS_CPT1を起動します。

  4. WebLogic Server管理コンソールでWLS_CPT2を停止します。

  5. http://wcc.example.com/dc-consoleにアクセスし、正しく動作していることを確認します。

  6. WebLogic Server管理コンソールからWLS_CPT2を起動します。

14.7 WLS_CPT管理対象サーバーのノード・マネージャの構成

ドメインのサーバーとノード・マネージャとの間における通信ではホスト名検証を使用することをお薦めします。管理サーバーや他のサーバーとの通信では異なるアドレスの証明書を使用することが必要です。詳細は、第16章「エンタープライズ・デプロイメント用のノード・マネージャの設定」を参照してください。その章の手順をOracle WebCenter Contentデプロイメントで実行する必要があります。

第16.3項「ノード・マネージャでのホスト名検証証明書の有効化」の手順は、次の表のホストとCapture管理対象サーバーに対して実行する必要があります。

ホスト名(HOST) 仮想IPアドレス(VIP) サーバー名(WLS_SERVER)
WCCHOST1 WCCHOST1VHN3 WLS_CPT1
WCCHOST2 WCCHOST2VHN3 WLS_CPT2

Capture管理対象サーバーをサーバー移行するには、それらのサーバーを指定の仮想ホスト名に関連付ける必要があります。これらの仮想ホスト名がDNSまたはシステム内の/etc/hosts解決で有効になっていることおよびそれらが適切な仮想IPアドレスにマップされていることを確認します。詳細は、第3.4項「IPアドレスおよび仮想IPアドレス」を参照してください。

14.8 WLS_CPT管理対象サーバー用のサーバー移行の構成

サーバー移行は、WCCHOST1ノードとWCCHOST2ノードのどちらかで障害が発生した場合に、Oracle WebCenter Enterprise Captureのコンポーネントを正しくフェイルオーバーするために必要です。詳細は、第17章「エンタープライズ・デプロイメント用のサーバー移行の構成」を参照してください。Captureに関しては、その章で次の変数の値を使用します。

  • サーバー名:

    • WLS_SERVER1: WLS_CPT1

    • WLS_SERVER2: WLS_CPT2

  • ホスト名:

    • HOST1: WCCHOST1

    • HOST2: WCCHOST2

  • クラスタ名:

    • CLUSTER: CPT_Cluster

14.9 インストールのバックアップ

拡張したドメインが正常に動作していることを確認した後、そのインストール内容をバックアップします。これは、以降の手順で問題が発生した場合に短時間でリストアできることを考慮した迅速なバックアップです。バックアップ先はローカル・ディスクです。エンタープライズ・デプロイメントの設定が完了すれば、このバックアップは破棄してかまいません。その時点では、デプロイメント固有の定期的なバックアップ手順とリカバリ手順を実行できるようになっています。詳細は、Oracle Fusion Middleware管理者ガイドを参照してください。バックアップおよびリストアを必要とするOracle HTTP Serverのデータの詳細は、そのガイドでOracle HTTP Serverのバックアップとリカバリの推奨事項に関する項を参照してください。コンポーネントのリカバリ方法に関する詳細は、そのガイドでコンポーネントのリカバリに関する項およびコンポーネントが失われた後のリカバリに関する項を参照してください。ホストが失われた場合のリカバリに固有の推奨事項は、そのガイドで別のホストへのOracle HTTP Serverのリカバリに関する項を参照してください。データベースのバックアップの詳細は、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ガイドを参照してください。

この時点でインストールをバックアップする手順は次のとおりです。

  1. WEBHOST1でOracle Web層をバックアップします。

    1. opmnctlを使用してインスタンスを停止します。

      /u02/oracle/config/webN/bin/opmnctl stopall
      
    2. 次のコマンドをrootとして実行して、Oracle Web層のMiddlewareホームをバックアップします。

      tar -cvpf BACKUP_LOCATION/web.tar MW_HOME
      
    3. 次のコマンドを実行して、Oracle Web層のOracleインスタンスをバックアップします。

      tar -cvpf BACKUP_LOCATION/web_instance_name.tar ORACLE_INSTANCE
      
    4. opmnctlを使用してインスタンスを起動します。

      cd /u02/oracle/config/webN/bin
      
      opmnctl startall
      
  2. データベースをバックアップします。これは、Oracle Recovery Managerを使用したデータベース全体のホット・バックアップまたはコールド・バックアップ(推奨)、または可能な場合はtarなどのオペレーティング・システム・ツールを使用したコールド・バックアップです。

  3. ドメイン構成を保存するために、管理サーバーと管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリをバックアップします。構成ファイルはすべて/u01/oracle/config/domains/WCCDomainディレクトリに存在しています。WCCHOST1で次のコマンドを実行して、バックアップを作成します。

    tar -cvpf edgdomainback.tar /u01/oracle/config/domains/WCCDomain