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Oracle® Fusion Middleware Oracle ADFデスクトップ統合によるアプリケーションの開発
12c (12.2.1)
E70028-01
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2 ADFデスクトップ統合のサンプル・アプリケーションの概要

この章では、ADFデスクトップ統合Summitサンプル・アプリケーションの概要を説明します。ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションには、サンプルのFusion Webアプリケーションと統合されたいくつかのMicrosoft Excelワークブックが含まれています。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションについて

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションは、ADFデスクトップ統合の主な機能を説明する、サンプルのデモンストレーションのセットです。各サンプルには、開発者ガイドでも確認することができる、特定の機能が含まれています。サンプルはすべて同じ基礎となるデータベース・スキーマを使用します。これにより簡単にソース・コードにアクセスでき、スタンドアロン方式で実行時の動作を経験できます。

2.2 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの設定と実行

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションをダウンロードおよび実行する前に、「開発環境の設定」での説明のとおり開発環境を設定します。

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションを実行するには、次の手順を実行する必要があります。

  1. 「アプリケーション・リソースのダウンロード方法」の説明に従って、アプリケーション・リソースをダウンロードします。
  2. 「ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの実行方法」の説明に従って、Summitサンプル・アプリケーションを実行します。

2.2.1 アプリケーション・リソースのダウンロード方法

Oracle Technology Networkからアプリケーション・リソースをダウンロードします。

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションをダウンロードするには:

  1. Oracle JDeveloper Release 12cをダウンロードおよびインストールします。詳細は、『Oracle JDeveloperのインストール』を参照してください。

  2. Oracle Technology Networkから、ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのZIPファイルをダウンロードします。

    http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=E26099_01&id=jdevcodesamples
    
  3. Summit ADFスキーマをダウンロードしてインストールします。詳細は、『Oracle Application Development FrameworkによるFusion Webアプリケーションの開発』のSummit ADFスキーマのインストール方法に関する項を参照してください。

  4. ADFデスクトップ統合をインストールします。詳細は、「ADFデスクトップ統合のインストール」を参照してください。

    注意:

    旧バージョンのADFデスクトップ統合がシステムにインストールされている場合、「ADFデスクトップ統合のアップグレード」の説明に従って、ADFデスクトップ統合をアップグレードします。

2.2.2 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの実行方法

Summitサンプル・アプリケーションを実行するには、zipファイルの内容を抽出し、JDeveloperで.JWSファイルを開きます。

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションを実行するには:

  1. zipファイルの内容をローカル・ディレクトリに解凍します。

  2. JDeveloperSummitADFdi.jwsファイルを開きます。

    このファイルはSummit_ADFDIディレクトリにあります。

  3. 「アプリケーション」ウィンドウで、Modelプロジェクトをクリックして展開します。

  4. 「モデル」「アプリケーション・ソース」「oracle.summitdi.model」Model.jpxファイルを開きます。

  5. 「一般」タブで「接続」グループを展開し、「追加」アイコンをクリックして、データベース接続を作成します。

  6. 「データベース接続の作成」ダイアログで、表2-1のように各自の環境に合せて接続情報を追加します。


    表2-1 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのデータベース接続プロパティ

    プロパティ 説明

    ユーザー名

    c##summit_adf

    パスワード

    summit_adf

    ホスト名

    データベースのホスト名。

    例:

    localhost

    JDBCポート

    データベースのポート。

    例:

    1521

    SID

    データベースのSID。

    例:

    ORCLまたはXE


    「接続テスト」をクリックして接続を確認し、「OK」をクリックしてダイアログを閉じます。

  7. Model.jpxファイルを保存します。

  8. ViewControllerプロジェクトを選択して、JDeveloperのメイン・メニューの「実行」ボタンをクリックします。

2.3 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのFusion Webアプリケーションの概要

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのFusion Webアプリケーションにより、エンド・ユーザーは統合Excelワークブックをダウンロードできます。

2.3.1 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのFusion Webアプリケーションについて

エンド・ユーザーがJDeveloperでADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションを実行すると、デフォルトのブラウザでアプリケーションのホーム・ページが開きます。エンド・ユーザーは、ホーム・ページから様々な統合Excelワークブックをダウンロードできます。

図2-1 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションのホーム・ページ

この図は周囲のテキストで説明しています

2.3.2 統合Excelワークブックのダウンロード

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションでは、異なる要件を満たすために、様々な統合Excelワークブックが提供されます。エンド・ユーザーは、アプリケーションのMainPage.jsfから、様々なワークブックをナビゲートおよびダウンロードできます。

表2-2に、メニュー・オプションと、ダウンロードされる統合Excelワークブックを示します。


表2-2 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの統合Excelワークブック

メニュー・オプション 説明

顧客サンプルの編集

EditCustomers.xlsxワークブックをダウンロードします。

倉庫の在庫サンプルの編集

EditWarehouseInventory.xlsxワークブックをダウンロードします。

すべての在庫サンプルの編集

EditAllInventory.xlsxワークブックをダウンロードします。

顧客サンプルの検索

CustomerSearch.xlsxワークブックをダウンロードします。


2.4 ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの統合Excelワークブックの概要

ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションには、EditCustomers.xlsxEditWarehouses.xlsxEditCustomerSearch.xlsxおよびWarehouseLocations.xlsx統合Excelワークブックが用意されています。

EditCustomers.xlsxワークブックは、一般的に使用されるADFデスクトップ統合のADF表コンポーネント機能を示します。データをダウンロード、挿入、更新およびコミットできます。これは、選択リストから値を選択する複数の方法も示します。

EditWarehouseInventory.xlsxワークブックは、詳細な表を含むコンポーネントからADFデスクトップ統合を使用する方法を示します。マスター・フォームおよびその詳細表のデータをダウンロードおよび更新できます。このサンプルは、ワークブック・パラメータを使用してワークブックの初期化を制御する方法も示します。

EditAllInventory.xlsxワークブックは、非正規化されたマスター/詳細の関係を含む、編集可能な表を作成する方法を示します。これは、日付ピッカーの使用方法、列のグループ化の方法、および既存のデータ・レコードの削除方法も示します。

EditCustomerSearch.xlsxワークブックは、読取り専用として構成されたADF表コンポーネントにデータをダウンロードする前に、検索の実行にカスタムWebページをどのように使用できるかを示します。

この章の次の項では、ワークブックの機能の詳細な情報と実装の詳細への参照を提供します。

2.4.1 統合ExcelワークブックからのFusion Webアプリケーションへのログオン

実行時に、ADFデスクトップ統合のSummitサンプル・アプリケーションの統合Excelワークブックは、エンド・ユーザーがFusion Webアプリケーションにログオンするのに使用できる、Excelのリボン・タブをレンダリングします。図2-2は、EditCustomers.xlsxワークブックのリボンの「顧客」実行時タブを示します。

図2-2 「顧客」実行時タブ

この図は周囲のテキストで説明しています

2.4.2 データ行のダウンロード

EditCustomers.xlsxワークブックなどの一部のワークブックでは、ADF表コンポーネントを使用して、Fusion Webアプリケーションから情報をダウンロードします。このコンポーネントを使用して、エンド・ユーザーは行を編集し、変更した行をFusion Webアプリケーションにアップロードできます。

次の項では、ダウンロード機能の実装方法の詳細を説明します。

  • Fusion Webアプリケーションに統合するそれぞれのワークシートには、関連するページ定義ファイルが必要です。

    たとえば、EditCustomers.xlsxワークブックのCustomersワークシートは、ページ定義ファイルExcelCustomers.xmlページ定義ファイルと関連付けられています。JDeveloperで、「アプリケーション」ウィンドウの次のノードを展開して、このファイルを表示します。

    ViewController > 「アプリケーション・ソース」 > oracle.summitdi.view > pageDefs

    ページ定義ファイルの構成方法の詳細は、「統合Excelワークブックのページ定義ファイルの使用」を参照してください。

  • ADF表コンポーネントDownloadアクションは、Fusion Webアプリケーションからワークシートにデータをダウンロードします。このアクションの起動方法の詳細は、「ADF表コンポーネントへのデータのダウンロード」を参照してください。

  • EditCustomers.xlsxワークブックでは、ワークシートStartupイベントはADF表コンポーネントDownloadアクションを含むアクション・セットを起動します。ワークシート・イベントの構成の詳細は、「ワークシート・イベントからアクション・セットを起動する方法」を参照してください。

2.4.3 ワークブックの顧客および倉庫情報の変更

EditCustomers.xlsxおよびEditWarehouseInventory.xlsxワークブックを使用して、エンド・ユーザーは、ADF表コンポーネントおよびフォーム・コンポーネントによりFusion Webアプリケーションからダウンロードされた顧客および倉庫情報を編集できます。UpdateComponentプロパティが構成されている実行時ADF表コンポーネントの列を使用して、エンド・ユーザーは値を変更したり、変更をFusion Webアプリケーションにアップロードできます。たとえば、エンド・ユーザーはEditCustomers.xlsxNamePhoneおよびAddress列に表示される値を変更できます。

StatusChangedなど他の列は、ADF表コンポーネントに表示されて、アップロード操作や変更された列のステータス情報を提供します。

次の項では、この機能の実装方法の詳細を説明します。

2.4.4 Fusion Webアプリケーションへの変更済の情報のアップロード

統合ワークブックを使用すると、エンド・ユーザーはADF表コンポーネントの変更済データをFusion Webアプリケーションにアップロードできます。アクション・セットが、ADF表コンポーネントのUploadアクションを起動する「アップロード」実行時リボン・コマンド用に構成されています。この機能の実装の詳細は、「ADF表コンポーネントからの変更のアップロード」を参照してください。