プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのインストールと構成
12c (12.2.1.1)
E77349-02
目次へ移動
目次

前
次

1 Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのインストールについて

この項では、この製品の標準トポロジを明確にすることで、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementの標準インストールについて説明します。

製品のインストールまたはドメイン構成の実行中または実行後に問題が発生しないように、次のトピックを十分に検討してください。

1.1 開発環境のインストールについて

Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのディストリビューションを使用して、本番環境の開始地点として標準インストール・トポロジをインストールして構成できます。

Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementを開発環境にインストールする場合は、Oracle SOA SuiteまたはOracle Business Process Quick Startディストリビューションをダウンロードしてインストールするようにしてください。このディストリビューションには、SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのアプリケーション作成に向けて、設計時ソフトウェアで事前構成されている統合開発環境(IDE)が付属しています。

Oracle JDeveloperの場合は、統合型のOracle WebLogic Serverを使用することで、JDeveloperの内側からアプリケーションをテストできます。また、カスタム・アプリケーションの実行時環境として使用するコンパクト・ドメインを作成することもできます。

詳細は、SOA SuiteおよびBusiness Process ManagementのQuick Start for Developersのインストールを参照してください。

1.2 開始点としての標準インストール・トポロジの使用方法

標準インストール・トポロジは、本番環境で開始点として使用できる柔軟なトポロジです。

このガイドに示す情報は、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementの標準インストール・トポロジを作成する際に役立ちます。後で標準インストール・トポロジを拡張して、セキュアで可用性の高い本番環境を作成できます。

標準インストール・トポロジは、この製品のサンプル・トポロジを表しています。この製品がサポートする唯一のトポロジではありません。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の標準インストール・トポロジの理解に関する項を参照してください。

1.2.1 Oracle SOA Suiteの標準インストール・トポロジについて

このトポロジは、1つ以上の管理対象サーバーを含む1つ以上のクラスタと管理サーバーが1つの標準的なWebLogic Serverドメインを示しています。

次の図は、Oracle SOA Suiteの標準インストール・トポロジを示しています。

このトポロジの要素については、表1-1の情報を参照してください。

1.2.2 Oracle Business Process Managementの標準インストール・トポロジの理解

このトポロジは、2台の管理対象サーバーを含む1つのクラスタと管理サーバーが1台の標準的なWebLogic Serverドメインを示しています。

図1-1は、Oracle Business Process Management (BPM)の標準インストール・トポロジを示しています。

このトポロジの要素については、表1-1の情報を参照してください。

図1-1 BPMの標準インストール・トポロジ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 BPMの標準インストール・トポロジ」の説明

構成手順については、「Oracle Business Process Managementドメインの構成」を参照してください。

1.2.3 Oracle Business Activity Monitoringの標準インストール・トポロジの理解

このトポロジは、それぞれに2台の管理対象サーバーを含む2つのクラスタと管理サーバーが1台の標準的なWebLogic Serverドメインを示しています。

Oracle Business Activity Monitoring (BAM)は、ビジネス・プロセスをリアルタイムで監視し、情報に基づく戦略的なビジネスの意思決定を支援します。BAMの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle BAMでのビジネス・アクティビティのモニタリング』を参照してください。

本番システムの場合、BAMソフトウェアは、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのディストリビューションの一部として含まれており、Oracle SOA SuiteまたはOracle Business Process Managementのソフトウェアをインストールするときに自動的にインストールされます。

また、BAMが組み込まれるエンタープライズ・デプロイメント・トポロジについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』に記載されています。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』のOracle SOA SuiteおよびOracle Business Activity Monitoringのトポロジの図に関する項を参照してください。

図1-2は、Oracle SOA SuiteおよびBAMの標準インストール・トポロジを示しています。このトポロジを使用して、Oracle SOA SuiteドメインにOracle Business Activity Monitoringを実装します。Oracle Business Activity Monitoringソフトウェアは、専用のクラスタに向けてターゲット設定され、これにより、Oracle SOA SuiteOracle Business Activity Monitoringソフトウェアの間でのリソースの競合がなくなります。

このトポロジの要素については、表1-1の情報を参照してください。

図1-2 BAMの標準インストール・トポロジ

図1-2の説明が続きます。
「図1-2 BAMの標準インストール・トポロジ」の説明

構成手順については、「Oracle Business Activity Monitoringドメインの構成」を参照してください。

1.2.4 Oracle Real-Time Integration Business Insightの標準インストール・トポロジの理解

このトポロジは、それぞれに2台の管理対象サーバーを含む2つのクラスタと管理サーバーが1台の標準的なWebLogic Serverドメインを示しています。

Oracle Real-Time Integration Business Insight (Insight)を使用すると、ビジネス・ユーザーは、Webベースのダッシュボードやレポートを使用して、ビジネスレベルのメトリックのモデル化、収集および監視が可能です。すでにデプロイされている統合やアプリケーションを変更する必要はありません。

InsightBAM管理対象サーバーと同じ場所に配置されます。ビジネス・メトリックは、Oracle SOA SuiteまたはOracle Service Bus管理対象サーバーと同じ場所に配置されるInsightエージェントによって収集され、中央アプリケーションで利用でき、BAMダッシュボードおよびレポートを使用して表示されます。

注意:

Insightエージェントは、12c (12.2.1)以上で作成されたドメインにのみ追加できます。
Insightの詳細は、次を参照してください。
  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Integration Business Insightの理解』

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle Real-Time Integration Business Insightスタート・ガイド』

  • Oracle Real-Time Integration Business Insightの使用

  • Oracle Real-Time Integration Business Insightの管理

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busのインストールと構成』のOracle Service BusとのInsight統合の理解に関する項。

図1-3は、Oracle SOA SuiteおよびInsightの標準インストール・トポロジを示しています。このトポロジを使用して、Oracle SOA SuiteドメインにInsightを実装します。Insightサーバー・ソフトウェアは、BAMクラスタにターゲット設定されます。これにより、Oracle SOA SuiteInsightソフトウェアの間でのリソースの競合がなくなります。

このトポロジの要素については、表1-1の情報を参照してください。

図1-3 Insightの標準インストール・トポロジ

図1-3の説明が続きます
「図1-3 Insightの標準インストール・トポロジ」の説明

構成手順については、「Oracle Real-Time Integration Business Insightドメインの構成」を参照してください。

1.2.5 標準インストール・トポロジ図の要素について

通常、標準インストール・トポロジには、共通の要素が含まれています。

次の表では、トポロジの図の要素をすべて説明しています。

表1-1 標準インストール・トポロジの要素の説明

要素 説明と関連ドキュメントへのリンク
APPHOST アプリケーション層をホストしているマシンを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語。
DBHOST データベースをホストしているマシンを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語。
WebLogicドメイン Javaコンポーネント(この場合、管理サーバー、管理対象サーバーおよび他の関連ソフトウェア・コンポーネント)の論理的に関連したグループです。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle WebLogic Serverドメインの概要に関する項を参照してください。

管理サーバー WebLogicドメインの集中管理エンティティです。ドメインの構成オブジェクトを保持し、構成の変更を管理対象サーバーに分散します。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理サーバーの概要に関する項を参照してください。

Enterprise Manager Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlは、ドメインの管理に使用する主要なツールです。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlに関する項を参照してください。

クラスタ 同時に稼働し連携する、複数のWebLogic Serverインスタンスの集合。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

マシン 1つ以上のWebLogic Serverインスタンス(サーバー)をホストするコンピュータの論理的な表現。マシンは、管理対象サーバーとノード・マネージャを論理的に結び付けるものでもあります。ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動または停止するために、管理対象サーバーとマシンを関連付けます。
管理対象サーバー アプリケーション、アプリケーション・コンポーネント、Webサービスおよび関連リソースのホスト。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

インフラストラクチャ 次のものを含むサービスの集合:
  • メタデータ・リポジトリ(MDS): Oracle Application Developer FrameworkなどのOracle Fusion Middlewareコンポーネントのメタデータが含まれます。詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のメタデータ・リポジトリの概要に関する項を参照してください。

  • Oracle Application Developer Framework (Oracle ADF)

  • Oracle Web Services Manager(OWSM)

1.3 セカンダリ・トポロジの理解

セカンダリ・トポロジには、追加のインストール手順や構成手順を必要とするコンポーネントを標準トポロジの上に配置した構成が含まれます。

このガイドの主要な章で、標準トポロジのインストールと構成の方法について説明します。セカンダリ・トポロジのインストールと構成のガイドラインについては、「Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのセカンダリ・トポロジの理解」を参照してください。

1.3.1 Oracle User Messaging Serviceのインストールについて

Oracle User Messaging Service (UMS)は、ユーザーとデプロイ済アプリケーションとの双方向通信を可能にするソフトウェア・テクノロジです。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle User Messaging Serviceの管理』Oracle User Messaging Serviceの概要に関する項を参照してください。

UMSは、Oracle Fusion Middleware Infrastructureのディストリビューションに含まれます。『Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』のOracle User Messaging Service (UMS)のインストールについてに記載されているように、Oracle Fusion Middleware Infrastructureの標準インストール・トポロジの一部としてインストールされます。

UMSランタイム・コンポーネントは、Oracle Fusion Middleware構成ウィザード・テンプレートと、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)によりサポートされるデータベースにインストールされるOracle Fusion Middlewareスキーマで構成されています。

開発では、Oracle JDeveloper 12cをインストールして使用することで、UMS機能を利用したアプリケーションを開発できます。詳細は、Oracle JDeveloperのインストールのOracle JDeveloperの導入を参照してください。

1.3.2 Oracle Business Process Managementスタンドアロンのインストールについて

Oracle Business Process Management (BPM)ソフトウェアの機能のみを備えた簡単なドメインが必要でクラスタが不要な場合、BPMスタンドアロンをインストールできます。

BPMが含まれるセカンダリ・トポロジについては、「Oracle Business Process Managementスタンドアロンのトポロジ」で説明します。

1.3.3 Oracle Enterprise Schedulerのインストールについて

Oracle Enterprise Schedulerにより、Oracle WebLogic Serverクラスタのノード全体に分散された様々なジョブ・タイプ(Java、PL/SQL、バイナリ・スクリプト、Webサービス、EJBなど)を実行できるようになります。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションの開発』のOracle Enterprise Schedulerの概要に関する項を参照してください。

本番システムの場合、Oracle Enterprise Schedulerランタイム・ソフトウェアは、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementのディストリビューションの一部として含まれていて、Oracle SOA SuiteまたはOracle Business Process Managementのソフトウェアをインストールすると自動的にインストールされます。

Oracle Enterprise Schedulerランタイム・ソフトウェアをインストールして構成する場合は、「Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのセカンダリ・トポロジ」Oracle Enterprise Schedulerが含まれるセカンダリ・トポロジを参照してください。

また、『Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』には、Oracle Enterprise Schedulerが含まれるエンタープライズ・デプロイメント・トポロジの説明があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』のOracle SOA SuiteおよびOracle Service Busのトポロジの図に関する項を参照してください。

Oracle Enterprise Schedulerアプリケーションを開発する場合は、『SOA SuiteおよびBusiness Process Management SuiteのQuick Start for Developersのインストール』を参照してください。

1.3.4 Oracle Business Process ManagementおよびOracle Application Development Frameworkのインストールについて

Oracle Business Process Management (BPM)と、Oracle Application Development Framework (ADF)を使用して開発されたカスタム・ユーザー・インタフェースの両方を活用するアプリケーションをデプロイする場合、セカンダリ・トポロジを使用できます。これを使用すると、あるクラスタにOracle Business Process Managementソフトウェアをターゲット設定して、別のクラスタにOracle Application Development Frameworkソフトウェアをターゲット設定できるため、2つの製品間でリソースの競合がなくなります。

BPMとADFが含まれるセカンダリ・トポロジについては、「Oracle Business Process ManagementおよびApplication Development Framework (ADF)のトポロジ」で説明します。

1.4 このドキュメントを使用した既存のドメインの拡張

このドキュメントの手順では、新しいドメインの作成方法を説明しています。他のOracle Fusion Middleware製品がシステムにインストールされていないことを前提としています。

その他のOracle Fusion Middleware製品を対象のシステムにインストール済および構成済の場合は(たとえば、Fusion Middleware Infrastructureを、稼働中のドメインに実行済の場合は)、同じ手順で既存のドメインを拡張できます。既存のドメインを拡張するよう選択する場合、詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の同じドメインにおける複数製品のインストールに関する項を参照してください。

1.5 アップグレード・シナリオでのこのドキュメントの使用

アップグレード手順の一環としてOracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementをインストールする場合は、このドキュメントの指示に従ってソフトウェアをインストールしてください。ただし、WebLogicドメインを作成する場合には、構成ウィザードを実行しないでください。

ソフトウェアのインストール後に、『Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのアップグレード』を参照してください。