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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Sitesの使用
12c (12.2.1.1)
E77290-01
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1 Oracle WebCenter Sitesの概要

この章では、コンテンツ・コントリビュータ、Webサイト・ソリシタ、Webサイト・モデレータおよびマーケティング担当者を対象としたOracle WebCenter Sitesに関する一般的な概要を示します。

Oracle WebCenter Sitesの概要の詳細は、次のトピックを参照してください。

1.1 Oracle WebCenter Sitesとは

Oracle WebCenter Sitesは、Webエクスペリエンス・マネジメント・システムです。これは、デスクトップとモバイル用Webサイトの構築、目的のコンテンツを使用したこれらのパーソナライズ、これらの成功に関するフィードバックの収集、訪問者によるWebサイトとの対話の分析、訪問者の好みに基づくWebサイトの変更のテストを行う上で役に立ちます。

Oracle WebCenter Sites: Contributorインタフェースには、Webサイトのコンポーネントを構築および管理するための一連の機能が用意されています。また、Oracle WebCenter Sites: A/B Testingなどの機能を使用して、Webサイトの成果を測定できるため、状況に応じてWebサイトを改善できます。

1.2 WebCenter Sitesユーザーとは

ユーザーが使用できるインタフェースと機能は、WebCenter Sites管理者から割り当てられるロールによって決まります。

これらのロールに基づいて、WebCenter Sitesユーザーは次の1つ以上のタイプに分類できます。

  • コンテンツ・コントリビュータ: Webサイトのコンテンツを担当する任意の人物。

  • マーケティング担当者: プロモーションや推奨を使用したWebページのパーソナライズ、訪問者トラフィックの分析、およびWebサイトの効率の測定を行う任意の人物。

1.3 Oracle WebCenter Sitesの使用により実行可能な操作

WebCenter Sitesを使用して実行可能な操作は、割り当てられているロールによって異なります。

1.3.1 デスクトップ用Webサイトおよびモバイル用Webサイトへのコンテンツのコントリビュート

WebCenter Sitesでは、コンテンツ・コントリビュータはContributorインタフェースを使用して、デスクトップおよびモバイル用Webサイトにパブリッシュすることを目的としてコンテンツを作成、管理および承認できます。

Contributorインタフェースには、コンテンツ・コントリビュータがデスクトップ用Webサイトとモバイル用Webサイトの両方にコンテンツを提供するためのツールである、ドラッグ・アンド・ドロップによるページ構築機能や、モバイル・デバイスのコンテキストまたは実際のモバイル・デバイス(IPhoneなど)でデスクトップWebサイトとモバイルWebサイトをプレビューするためのプレビュー機能が用意されています。ワークフロー機能が有効である場合、複数のコンテンツ・コントリビュータがワークフロー内で協力してコンテンツを作成ポイントからWebサイトに移動できます。コンテンツ・コントリビュータは、ContributorインタフェースからWebサイトのナビゲーションを作成することもできます。最終的な目標は、このインタフェースを使用してコンテンツとWebサイトのナビゲーションを承認するか、他のコンテンツ・コントリビュータに承認してもらうことにあります。コンテンツは承認されたら、Webサイトにパブリッシュできるようになります。

管理者は、ContentアプリケーションをContributorインタフェースと統合して、コンテンツ・コントリビュータがコンテンツ・サーバーのコンテンツをContributorインタフェースで直接操作できるようにすることが可能です。

Contributorインタフェースはまた、会社のビジネスニーズ固有の機能を提供することを目的として開発者がカスタマイズすることもできます。

1.3.2 Webサイトのパーソナライズ

Contributorインタフェースには、基本的なWebサイト構築ツール以外に、Oracle WebCenter Sites: Engageも用意されています。

Engageは、Webサイト訪問者に関する情報の収集と評価、セグメントの定義、およびパーソナライズされた推奨とプロモーションの作成を行うためにマーケティング担当者が使用する統計機能です。これが特に役立つのは、マーケティング担当者がサイト訪問者情報を使用して訪問者ごとにパーソナライズされたコンテンツ配置およびプロモーション・サービスを作成して表示する場合です。

1.3.3 企業ブログの作成

コミュニティ・ブログ・モジュールがインストールされている場合、コンテンツ・コントリビュータは、Webサイト用の企業ブログ・ページをContributorインタフェースから直接作成できます。

1.4 実行可能なコンテンツ管理機能

これは、Oracle WebCenter Sitesシステムの構成方法とジョブ要件によって異なります。たとえば、スポーツ紙の記者はContributorインタフェースにアクセスして記事を作成できるが、これらを保存して閉じた後、再度開いて編集できない場合があります。このスポーツ紙の編集者は、記事を編集したり、Contributorインタフェースから記者がパブリッシュすることを承認できるが、記事を作成することはできない場合があります。マーケティング担当者は、ContributorインタフェースのEngage機能とA/B Testing機能の操作を担当するが、記事を作成、編集または承認する権限は持たない場合があります。

WebCenter Sitesシステムは開発者または管理者によって構成されます。WebCenter Sitesでは、開発者はCMサイトを使用してWebサイトを設計します。開発者は、サイトごとにデータ・モデル(コントリビュータとマーケティング担当者がWebサイト・コンテンツを提供するために使用するコンテンツ・エントリ・フォームおよび編集フォームのソース)を作成および有効化し、ロールを作成することによってセキュリティを確立します。管理者は、システム上のサイトの名前を構成してから、ロールを使用してこれらのサイトにインタフェースとユーザーを割り当てます。サイト内で割り当てられたロールにより、そのサイトに割り当てられているインタフェース、およびこれらのインタフェースで実行できる機能へのアクセスを管理します。

1.5 WebCenter Sitesでのコンテンツの定義方法

Contributorインタフェースでは、コンテンツの各部がアセットと呼ばれます。たとえば、記事、イメージ、およびビデオはすべてContributorインタフェース内のアセットだとみなされます。アセットは、アセット・タイプのインスタンスです。アセット・タイプは、アセットのタイプを作成するために使用するオブジェクトです。割り当てられているサイト内で使用可能なアセット・タイプは管理者によって決定されます。あなたのジョブはこれらのタイプからアセットを作成することです。作成可能なアセットのタイプは、管理者から割り当てられたロールと、作成するサイトのタイプによって決まります。アセットおよびアセット・タイプの詳細は、「コンテンツ: アセット・タイプおよびアセット」を参照してください。

1.6 コンテンツ管理(CM)サイトとは

コンテンツ管理(CM)サイトは、Webサイトまたはその一部のセクションのバックエンドであり、WebCenter Sitesデータベース内に格納されます。

CMサイトは構造化された論理フレームワークであり、次のような何種類かの情報を参照します。

  • CMサイトは、実際のWebサイト(またはその一部のセクション)を構成するすべてのアセット、アセット・タイプおよびアセット・リレーションシップを参照します。詳細は、「サイト設計」を参照してください。

  • また、CMサイトは、サイト・コンテンツの管理および編成に使用されるユーザー、ロールおよびワークフロー・プロセスも参照します。これらのオブジェクトの管理は、WebCenter Sites管理者が担当します。使用可能なCMサイトは、WebCenter Sites管理者によって付与された権限によって決定されます。割り当てられたサイトへのアクセスの詳細は、「アクセス可能なサイト」を参照してください。

CMサイトは、訪問者がブラウザで表示するものと同じものではありません。たとえば、小規模なWebサイトであれば、1つのCMサイト内にすべてのアセットが収容される可能性があります。しかし、非常に大規模なWebサイトの場合は、いくつかのセクションに分割され、個々のセクションはそれぞれ個別のCMサイトに収容および管理される可能性があります。したがって、WebCenter Sites CMサイトは、実際のWebサイト(またはその一部のセクション)の背後の構造をサポートしますが、Webサイトとまったく同じものではありません。

注意:

このガイド全般では、"現在のサイト"という言葉は、コンテンツ・プロバイダがその時点でログインしているCMサイトを指します。ビジターがアクセスするWebサイトではありません。

1.7 このガイドで使用するサンプル・サイト

このガイドの手順では、avisportsとFirstSite IIというサンプル・サイトを使用して、Contributorインタフェースのコンテンツ管理機能を使用する方法を詳しく示しています。

これらのサンプル・サイトにアクセスできるのは、JSKを使用しているか、これらのサンプル・サイトがWebCenter Sitesシステムとともにインストールされている場合のみです。サンプル・サイトがインストールされていない場合は、WebCenter Sites管理者に問い合せてください。

このガイドで使用するサンプル・サイトは、次のとおりです。

  • avisports: スポーツを中心とするサンプル・サイトで、イメージを添えたスポーツ記事が掲載されています。このガイドでは、avisportsを使用して、アセットの作成と編集、アセットのプレビュー、アセットのリンク、アセットの承認とパブリッシュ、アセットの検索と編成、リビジョン追跡を使用したアセットの追跡、およびサイトのナビゲーションの作成などのContributorインタフェースの機能について説明します。

  • FirstSiteII: 電子機器のオンライン小売サイトで、記事、イメージ、いくつかのエントリが記載された製品カタログ、ドキュメントおよびサンプル・ユーザー・アカウントが含まれます。このガイドでは、FirstSiteIIを使用して、Contributorインタフェースのワークフロー、多言語および将来のプレビューの各機能を説明しています。また、FirstSiteIIは、Engageの説明と、Contributorインタフェースにおけるセグメント、推奨およびプロモーションの作成手順と操作手順の説明にも使用されます。

FirstSiteIIとavisportsは、どちらもCMサイト開発のベスト・プラクティスを活用しています。また、どちらのサンプル・サイトのコードも、再利用や組織のビジネス・ニーズに合せた変更が可能です。