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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインの使用
12c (12.2.1.2.0)
E82686-02
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1 Oracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインの概要

この章では、WebLogic Serverで使用するためオラクル社が提供するプラグインについて説明します。

1.1 Oracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインとは

Webサーバー・プラグインを使用すると、Oracle HTTP Server、Oracle iPlanet Web Server、Apache HTTPサーバーまたはMicrosoft Internet Information Server (IIS)からOracle WebLogic Serverへリクエストをプロキシできます。こうしてプラグインによりHTTPサーバーとWebLogic Server上にデプロイされたアプリケーションとの通信が可能になります。

プラグインによって、HTTPサーバー・インストールが拡張され、動的な機能を必要とするリクエストをOracle WebLogic Serverで処理できるようになります。つまり、一般には、HTMLページなどの静的ページがHTTPサーバーによって提供される一方で、HTTPサーブレットやJava Server Page (JSP)などの動的ページがOracle WebLogic Serverによって提供されるようにするプラグインを使用することになります。

Oracle WebLogic Serverは、別のプロセス(場合によっては別のホスト上)で動作している場合があります。エンド・ユーザーには(つまり、ブラウザでは)、HTTPリクエストがOracle WebLogic Serverへ委任されても、これがHTTPサーバーから送信されているように見えます。

また、WebLogicクライアント・サーバー・プロトコルのHTTPトンネリング機能は、このプラグインを介して動作しており、すべてのOracle WebLogic Serverサービスへのアクセスを提供します。

1.1.1 接続プーリングとキープ・アライブ

プラグインでは、プラグインからOracle WebLogic Serverへの接続のプールを使用してパフォーマンスを向上させます。このプラグインでは、同一プラグインからの後続リクエストに同じ接続を再利用することで、プラグインとOracle WebLogic Serverとの間でHTTP 1.1キープ・アライブ接続が実施されます。接続は、20秒(またはユーザー定義の時間)が経過してもアクティブにならない場合は閉じられます。詳細は、「KeepAliveEnabled」を参照してください。

注意:

Webサーバーはクライアント接続を管理します。

1.1.2 リクエストのプロキシ

プラグインは、指定した構成に基づいてOracle WebLogic Serverへリクエストをプロキシします。

  • リクエストのURL (またはURLの一部)に基づいて、リクエストをプロキシできます。これをパスによるプロキシと呼びます。

  • リクエストされたファイルのMIMEタイプに基づいてリクエストをプロキシすることもでき、これをファイル拡張子によるプロキシと呼びます。

両方の方法を有効にすることもできます。両方の方法を有効にし、リクエストが両方の条件に一致した場合は、そのリクエストはパスによってプロキシされます。

また、これらの各リクエスト・タイプに、プラグインのその他の動作を定義するその他のパラメータも指定できます。

1.2 Oracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインの入手方法

次のWebサーバー用のバージョン12.2.1プラグインが入手可能です。


表1-1 バージョン12c (12.2.1.1.0)プラグインの入手方法

Webサーバー プラグインの入手方法 参照

Oracle HTTP Server 12c

プラグインはOracle HTTP Serverのインストールに含まれています。このプラグインの構成の詳細は、「Oracle HTTP Server用プラグインの構成」を参照してください。

「Oracle HTTP Server用プラグインの構成」を参照してください。

Oracle iPlanet Web Server (リリース7.0.9以降)

Apache HTTPサーバー2.2.x

Microsoft Internet Information Server (IIS) 7.0および7.5

プラグインは、My Oracle Support (http://support.oracle.com)およびSoftware Delivery Cloud (http://edelivery.oracle.com)のWebサイトから、必要なバイナリ・ファイルおよびヘルパー・ファイルを含むzipファイルとしてダウンロードできます。

たとえば、mod_wl.soというプラグイン・ディストリビューションには次のディレクトリが含まれています。

  • lib/mod_wl.so (Apache HTTPサーバー・プラグイン)

  • lib/*.so (ネイティブ・ライブラリ)

  • bin/orapkiまたはbin\orapki.bat (orapkiツール)

  • jlib/*.jar (orapki用Javaヘルパー・ライブラリ)

Apache HTTP Server、Oracle iPlanetおよびMicrosoft IIS Web Serverのインストールと構成の詳細は、次の章を参照してください。


1.3 1.0プラグインからのアップグレード

バージョン1.0プラグインは非推奨であり、Oracle WebLogic Serverの将来のバージョンでは提供されない可能性があります。バージョン12c (12.2.1.1.0)プラグインに置き換えることをお薦めします。

注意:

Apache HTTPサーバー1.3.xまたは2.0.xでは、バージョン1.0プラグインを使用してください。

この項の内容は次のとおりです。

1.3.1 アップグレード手順

11gプラグインからOracle WebLogic Serverプロキシ・プラグイン12c (12.2.1.1.0)にアップグレードする場合は、表1-2に示す、ご使用のWebサーバー向けの章で説明されているインストール手順に従ってください。


表1-2 プラグイン別のアップグレード手順

12c (12.2.1.1.0)プラグインにアップグレードする対象サーバー: 次を参照してください。

Oracle HTTP Server

Oracle HTTP Server用プラグインの構成

Apache HTTPサーバー

Apache HTTP Server用プラグインの構成

iPlanet Web Server

iPlanet Web Server用プラグインの構成

Microsoft IIS Webサーバー

Microsoft IIS Web Server用プラグインの構成


1.3.2 Oracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインのバージョン1.0から12c (12.2.1)へのアップグレードの考慮事項

バージョン12c (12.2.1)プラグインはバージョン1.0プラグインのスーパーセットであり、既存の機能をサポートしています。ただし、アップグレードの際には、次の考慮事項に留意してください。

  • サポート対象プラットフォームのリストが変更されています。詳細は、次の場所にある「Oracle Fusion Middlewareでサポートされているシステム構成」を参照してください。

    http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html

  • バージョン1.0プラグインは、40ビット暗号化と128ビット暗号化の両方の標準をサポートしていたため、サポートされる標準をプラグインのファイル名で識別する必要がありました。たとえば、mod_wl_22.soは40ビット暗号化を、mod_wl128_22.soは128ビット暗号化を表していましたが、バージョン12c (12.2.1)プラグインでは、128ビット暗号化のみをサポートし、プラグイン名が簡潔になりました。たとえば、mod_wl.soが、必要な唯一のファイル名となります。

    注意:

    128ビット暗号化を使用していた場合は、1.0プラグインからアップグレードすると、新しい命名規則を反映するよう構成ファイルを変更する必要があります。たとえば、mod_wl128_22.soをmod_wl.soに変更する必要があります。

1.4 バージョン12.2.1プラグインの機能

この項では、バージョン12c (12.2.1)プラグインの追加機能について説明します。

1.4.1 Oracle WebLogic Serverプロキシの監視

現在のリリースでは、Oracle HTTP Serverのパフォーマンスを監視するためのサポートが追加されています。パフォーマンス・メトリックは、リクエストがバックエンドWebLogicサーバーにプロキシされるOracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインに固有です。「Oracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインのパフォーマンス・メトリックの理解」を参照してください。

1.4.2 マルチテナンシおよびパーティションのサポート

現在のリリースでは、Oracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインをパーティション認識にすることができます。これは、Oracle WebLogic Server MT (マルチテナンシ)のサポートで役割を果します。「パーティションの操作」を参照してください。

1.4.3 iPlanet Web ServerのSSLサポート

現在のリリースでは、iPlanet Web ServerでSSLを使用するためのサポートが追加されています。「iPlanet Web Server用プラグインでのSSLの構成」を参照してください。

1.4.4 IIS 7.5でプラグインを使用する場合のドキュメント

Microsoft IIS Web Server 7.5でOracle WebLogic Serverプロキシ・プラグインを使用するための手順が追加されています。「Microsoft IIS 7.5プラグインの操作」を参照してください。

1.4.5 MD5アルゴリズムを使用して署名された証明書の非推奨になったサポート

MD5を使用して署名された証明書のサポートは非推奨です。「MD5アルゴリズムを使用して署名された証明書の置換」を参照してください。

1.5 サポートおよびパッチ適用

プラグインに関して問題が発生した場合は、ご使用のプラグインのバージョンを必ずお知らせください。この情報は、Apacheのログや、プラグインのデバッグ・ログ(構成してある場合)で確認できます。バージョン情報は、次のように示されます。

WebLogic Server Plug-in version 12.2.1 <WLSPLUGINS_XXXX_XXXX_XXXXX.XXXX>

注意:

Linux用のApache Webサーバーでは、次のコマンドを実行してプラグインのバージョンを確認することもできます。

$ strings ${PLUGIN_HOME}/lib/mod_wl.so | grep -i wlsplugins

プラグインのパッチには、通常、置き換えられる1つ以上の共有オブジェクトが含まれています。パッチ内の共有オブジェクトに置き換える前に、必ず元のファイルをバックアップしてください。ログ内のバージョン文字列を確認して、パッチが正常に適用されていることを検証してください。