Java Platform, Standard Editionデプロイメント・ガイド
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22 Javaコンソール、トレースおよびロギング

このトピックでは、System.outおよびSystem.errをコンソール・ウィンドウにリダイレクトするデバッグを支援する、Javaコンソールについて説明します。このコンソールは、Java Plug-inで動作するアプレットや、Java Web Startで動作するアプリケーションで使用できます。

このトピックの内容は次のとおりです。

22.1 Javaコンソールでのデバッグ・オプション

図22-1に、アプレットおよびJava Web StartアプリケーションをデバッグするためにJavaコンソールで使用可能なオプションを示します。

オプションは、Javaコンソール・ウィンドウがフォーカスを持っているときに該当の文字または数字を入力することによって選択します。表22-1では、オプションを説明します。

表22-1 Javaコンソールのデバッグ・オプション

キー 説明

c:

Javaコンソール・ウィンドウをクリアします。

f:

ファイナライズ・キュー内のオブジェクトのファイナライズをトリガーしてから、メモリー情報を表示します。Memoryは、JREが使用する現在のヒープ・サイズを表します。Freeは、ヒープ内で使用していない使用可能なメモリーです。パーセント(xx%)は、全ヒープ・サイズに占める空き記憶領域の割合です。

g:

ガベージ・コレクションをトリガーし、上記と同様のメモリー情報を表示します。

h:

ここで説明しているのと同じヘルプ・メッセージを表示します。

l:

Java Plug-inのキャッシュされたClassLoaderオブジェクトのリストを表示します。クラスはキャッシュされるため、以前に表示したページに戻る際にも、ページを再度ロードする必要はありません。最初にページを表示したときに、ClassLoaderオブジェクトが作成され、ダウンロードされるクラスすべてがそのオブジェクトにキャッシュされます。これらのオブジェクトは、そのcodebaseに従って作成され、キャッシュされます。ClassLoaderオブジェクトを識別するため、「クラス・ローダー・リスト」に該当のオブジェクトのcodebaseが表示されます。ClassLoaderオブジェクトとともに表示される補足情報には、zombiecacheおよびinfoが含まれます。zombie = trueClassLoaderオブジェクトが使用中でない(アプレットが現在ページにロードされていない)ことを示します。cache = trueはアプレットがキャッシュされることを示し、falseはページをそのままにしておくとアプレットが破棄されることを示します。infoはデバッグに使用される値です。

m:

上記と同様、ヒープ・メモリーの使用率を表示します。

o:

ロギングをトリガーし、Java Plug-inコンソールからログ・ファイルへの出力を指示します。

p:

プロキシ構成を再ロードします。

q:

Javaコンソールをメイン画面から消します。

r:

ポリシー構成を再ロードします。

s:

システム・プロパティを出力します。これは、主にデバッグに使用します。

t:

既存のスレッド・グループをすべて出力します。最初に示されるグループはGroup mainです。acactive countの略で、スレッド・グループとその子スレッド・グループ内のアクティブなスレッドの総数です。agcactive group countの略で、スレッド・グループのアクティブな子スレッド・グループの数です。pripriorityの略で、スレッド・グループの優先度です。Group mainの次に、他のスレッド・グループがGroup <name>という形式で表示されます。ここで、nameはアプレットに関連付けられたURLです。スレッドの各リストには、スレッド名、スレッドの優先度が示されます。また、スレッドが実行中の場合はalive、スレッドが破棄の処理中の場合はdestroyedと表示され、スレッドがデーモン・スレッドの場合はdaemonと表示されます。

x:

キャッシュ内のすべてのClassLoaderオブジェクトを削除(破棄)します。

あらかじめJavaコンソールに「x」と入力して、クラス・ローダー・キャッシュをクリアしておくと、アプレットの含まれているページをリフレッシュするか、そのページにふたたび戻ったときに、変更されたJARファイルがサーバーからダウンロードされます。

0-5:

22.2項「トレースおよびロギング」22.2項「トレースおよびロギング」で説明されているように、トレース・レベル・オプションを設定します。


22.2 トレースおよびロギング

トレースとは、Javaコンソールでの任意の出力をトレース・ファイルにリダイレクトする機能です。トレースと同様に、ロギングとはJavaコンソールでの任意の出力を、Java Logging APIを使用してログ・ファイルにリダイレクトする機能のことです。

22.2.1 トレース

Java Plug-inおよびJava Web Start用のトレースを有効にするには、deployment.traceプロパティをtrueに設定します。このプロパティにより、Java Plug-inおよびJava Web Start内部のすべてのトレース機能が有効になります。より詳細なトレースを有効にするには、deployment.trace.levelプロパティを使用できます。deployment.trace.levelプロパティには、次の値のいずれかを使用できます。

  • basic

  • cache

  • net

  • security

  • ext

  • liveconnect

  • drs

すべてのトレース・レベルを使用するには、deployment.trace.levelallに設定します。

実行中にトレースを有効にするには、Javaコンソールでトレース・レベル・オプション(0-5)を設定できます。これらのオプションには次の意味があります。

  • 0: オフ

  • 1: 基本

  • 2: ネットワーク、キャッシュおよび基本

  • 3: セキュリティ、ネットワークおよび基本

  • 4: 拡張機能、セキュリティ、ネットワークおよび基本

  • 5: LiveConnect、拡張機能、セキュリティ、ネットワーク、temp、基本およびデプロイメント・ルール・セット

詳細は、22.1項「Javaコンソールでのデバッグ・オプション」を参照してください。

詳細にトレースを設定するもう1つの方法は、Javaコントロール・パネルを使用することです。たとえば、すべてのトレースを有効にする(前述のオプション5)には、「Javaランタイム・パラメータ」テキスト・フィールドに次のオプションを入力します。

-Ddeployment.trace=true
-Ddeployment.trace.level=all

詳細は、20.3.2項「Javaランタイム・パラメータ」を参照してください。

コントロール・パネルで設定したトレースはJava Plug-inまたはJava Web Startの起動時に有効になりますが、Java Plug-inまたはJava Web Startの実行中にコントロール・パネルで行った変更は再起動するまで有効になりません。

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