要求は、ガバナンス・ワークフローを使用して、その他のOracle Data Relationship Managementユーザーによって完了、承認、エンリッチおよびコミットされる変更を開始するために使用されます。要求は、その要求が検証、承認およびコミットされた後に実行される、特定のデータ・セットへの変更のコレクションを表します。各要求は、単一のワークフロー・モデルを使用して、要求に参加するユーザー、そのユーザーが参加する時期、およびその参加タイプを制御します。
変更要求
変更要求は、データ・セット、およびデータ・セットとともに使用するために構成されているワークフロー・モデルの両方に送信アクセス権を持つガバナンス・ユーザーによって送信されます。通常、データおよびワークフロー・モデルに対する送信アクセス権を付与されているユーザーは、そのモデルを使用して管理されるデータの変更要求を開始するユーザーです。
改善要求
改善要求は、別のユーザーが実行する修正アクションを開始するために使用されます。改善要求を送信できるのは、ガバナンス・ユーザーであり、かつデータ・セットとワークフロー・モデルに対する読取りインタラクティブ・アクセス権と送信ワークフロー・アクセス権を付与されているインタラクティブ・ユーザーです。改善要求は通常、バッチ検証、問合せ、比較など、別の操作の結果から作成されます。それらの結果のノードを、ノード・クリップボードを使用して改善要求に追加できます。
要求アイテム
要求アイテムを使用して、ガバナンス要求のコンテキスト内でワークフロー・タスクを実行します。各要求アイテムは、アイテムを要求に追加する際に指定する必要がある、単一のワークフロー・タスクを使用します。ワークフロー・タスクは、要求で使用されるData Relationship Managementバージョンの階層ノードに対して実行される変更のタイプを定義します。
要求は、1つ以上の要求アイテムで構成されます。送信またはエンリッチ・ワークフロー・ステージの間に、新しいタスクを実行するための要求に、新しい要求アイテムを追加できます。エンリッチ・ステージの間に、ワークフロー・ステージに割り当てられた更新タスクを使用して、前のステージで追加された要求アイテムを変更または上書きできます。
要求アイテムは、手動で追加するかソース・ファイルからロードできます。要求における要求アイテムの順序は、検証およびコミットの目的で、要求の変更をターゲット・バージョンに適用する順序を制御するために重要です。
要求アイテムを削除できるのは、その要求アイテムに一致するワークフロー・タスクがあるワークフロー・ステージの間のみです。
ソース・ファイルの作成
ソース・ファイルからアイテムを要求に追加できます。アイテムは、単一の階層およびワークフロー・タスクに対して、現在のワークフロー・ステージにロードされます。
ソース・ファイルは表形式の区切りフォーマットである必要があります。ファイルの最初のレコードを使用して、各フィールドのロード先の要求アイテム・プロパティを識別します。選択したワークフロー・タスクの編集可能プロパティのみが、ファイルからロードされます。要求アイテムの編集可能プロパティにマップされないフィールドは、ロード中に無視されます。名前プロパティは、ソース・ファイルからロードするすべての要求アイテムに必要です。
要求アイテムのソース・ファイルを作成する上でのガイドラインをいくつか示します。
挿入タスクの場合、「名前」は挿入するノード、「親ノード」は挿入先の親、および「要求アイテムのロード」ダイアログ・ボックスで選択する階層が挿入先の階層です。
要求アイテムのすべてのデータ値を、フラット・ファイル内の同じレコードの別のフィールドで指定できます。
ファイルの列見出しレコードを使用して(プロパティ・ラベルを使用して)、ファイルのどのフィールドが、要求アイテムのワークフロー・タスクのどのプロパティに対応するかを定義する必要があります。
列見出しのワークフロー・タスク・プロパティのプロパティ・ラベルは、任意の順序で指定できます。
プロパティ・ラベルの照合では大/小文字は区別されません。
名前プロパティは、ソース・ファイルのすべてのレコードに必要です。
選択したワークフロー・タスクの編集可能プロパティはすべて、ソース・ファイルからロードできます。
見出しレコード値がワークフロー・タスクの編集可能プロパティにマップされない列は、ファイルのロード・プロセスで無視されます。
プロパティの値を指定しないフィールドでは、空白値を使用します。null値のプロパティを上書きする場合は、ファイルをロードする際に「空白の値インジケータ」オプションを使用します。
タスク・プロパティがカスタム・プロパティ・ラベルで定義される場合、ファイルで同じカスタム・フィールド・ラベルを使用します。
ソース・ファイルの例
#New Financial Accounts Name,Parent Node,Description,Account Type,Start Date,End Date,Allow Posting 6000,5000,Total Employee Expenses,Expense,,,N 6200,6000,Compensation Expenses,,,,N 6210,6200,Vacation Paid,,1/1/2015,12/31/2015,Y 6220,6200,Employee Benefits,,1/1/2015,<blank>,Y
アイテム詳細
プロパティ詳細は、要求の選択された要求アイテムに表示されます。表示および編集が可能なプロパティは、各要求アイテムのワークフロー・タスクまたは現在のワークフロー・ステージのタスクによって制御されます。新しい階層ノードが作成される要求アイテムに対しては、提案された新しい値の単一の列が表示されます。既存の階層ノードを参照する要求アイテムに対しては、2列の値(現在と新規)が表示されます。「現在の値」列には既存のプロパティ値が表示され、「新規の値」列には変更されたプロパティ値が表示されます。変更されたプロパティは、識別しやすいようにマークされます。計算されたプロパティ値は、読取り専用として表示されます。迅速に解決できるよう、プロパティには検証の失敗がタグ付けされています。要求アイテムからプロパティの更新を除去するには、「前の値に戻す」リンクをクリックします。
要求アイテムの名前変更
要求アイテム詳細の「名前」プロパティに提供されている「名前変更」リンクを使用して、要求アイテムを名前変更できます。名前変更機能では、要求アイテムの名前が変更され、新しい名前がそれを親として参照するかノード・データ・タイプ・プロパティを使用する他の要求アイテムと同期されます。ノードの名前変更は、「名前」プロパティが編集可能な任意のワークフロー・ステージで行うことができます。
注:
ノード名を元の名前に戻す場合は、「名前変更」リンクを使用して、前の名前を再入力します。「前の値に戻す」ボタンは、「名前」プロパティには使用できません。
タスクおよびプロパティの手順
要求アイテムの手順は、要求ページで確認できます。手順は、ワークフロー・タスクとそのプロパティに対して定義できます。「手順」領域で、要求アイテム・タスクに定義された手順を確認できます。タスク手順の表示または非表示を切り替えることができます。「アイテムの詳細」セクションで、要求アイテム・タスクのプロパティに定義されている手順を確認できます。手順は、要求アイテムのプロパティ値の上に表示されます。
タスクおよびプロパティの手順を表示するには:
ワークリストから要求を選択して開きます。
アイテムの詳細を表示する要求アイテムを選択します。
「手順」領域で、タスクに定義された手順を確認します。
注:
「非表示」をクリックして、タスク手順を非表示にできます。手順が非表示になっている場合、をクリックして表示できます。
「アイテムの詳細」セクションで、プロパティ・フィールドの上に表示されているプロパティ手順を確認します。
要求アクション
要求を処理する際、ページ・ヘッダーの右上にあるアクション・ボタンを使用すると、要求に対してアクションを実行できます。特定のアクションは、状況に応じてのみ使用可能になります。次の表ではアクションを説明し、対応するアクション・ボタンを示します。
表8-1 「アクション」ボタン
「アクション」ボタン | 説明 |
---|---|
保存 |
要求の検証または承認は行わず、要求を現在の状態でData Relationship Managementリポジトリに保存します このアクションは、新しい要求および請求済の要求に使用できます。 |
Excelにエクスポート |
要求アイテムをExcel (.xls)フォーマットでエクスポートします。 |
CSVにエクスポート |
要求アイテムをカンマ区切り(.csv)フォーマットでエクスポートします |
送信 |
要求の要求アイテムを検証し、成功したら、要求をワークフロー・パスの次のステージに割り当てます このアクションはドラフト要求、または送信者にプッシュバックされた要求に使用できます。 |
計算 |
要求の提案された変更に基づいて、要求アイテムの詳細を計算します |
検証 |
要求の要求アイテムに対する提案された変更を検証します このアクションは必要な値を確認し、要求アイテムまたは現在のワークフロー・ステージのタスクに構成されているバッチ検証を実行します。検証の失敗は修正のために戻されます。 次の場合に要求を検証できます:
|
コピー |
要求アイテムを新しい要求にコピーします 要求をコピーするには、選択したタイプの要求を送信するアクセス権が必要です。 |
請求 |
アクティブ・ワークフロー・ステージに要求を請求します。 送信された要求の編集、プッシュバック、エスカレート、承認または拒否を実行できるのは、その要求を請求したユーザーのみです。ユーザーが要求を請求するとその要求がロックされ、その他のユーザーは請求できなくなります。別のユーザーが請求できるように解放するには、要求の請求解除を行う必要があります。 |
請求解除 |
請求されたロックを要求から除去しますが、別のステージ、ユーザーまたはグループに対する要求の検証や割当ては行われません ユーザーが要求のプッシュバック、エスカレート、承認または拒否を選択した場合、要求は自動的に請求解除されます。 |
プッシュバック |
要求の一部の要素の修正、または要求に関する情報の追加を求めるために、現在または前のステージにおける前のユーザーに要求をプッシュバックします 要求をプッシュバックするユーザーは、要求がプッシュバックされた理由に関するコメントを指定する必要があります。 |
エスカレート |
データ・マネージャの役割を持つユーザーに要求をエスカレートします ユーザーは様々な理由で要求をエスカレートします; たとえば、要求の処理方法がわかならい場合や、アクセスの問題がある場合です。データ・マネージャは、要求へのコメントの追加、要求アイテムの変更、階層およびノードへのノード・アクセス・グループの割当ての変更、または要求の拒否を行うことで問題を解決できます。 |
エスカレート解除 |
現在のワークフロー・ステージの次のノード・アクセス・グループに再度要求を割り当てます |
承認 |
要求の変更を、ターゲット・バージョンに承認してコミットします |
却下 |
要求を却下します エスカレーション中に、送信された要求が、ワークフロー・パスの承認ユーザーまたはデータ・マネージャによって却下されることがあります。要求が却下されると、要求のワークフローは終了します。拒否された要求は再送信できません。拒否された要求の要求アイテムを再送信するには、元の送信ユーザーまたは送信ステージの他の参加者が、拒否された要求を新しいドラフト要求にコピーし、新しい要求の要求アイテムを編集して、新しい要求を送信します。 |
要求コメント
要求の参加ユーザーが入力したコメントは、「コメント」タブで表示できます。割り当てられたユーザーは、必要に応じて新規コメントを追加できます。
要求にコメントを追加するには:
ワークリストから要求を開きます。
「コメント」タブでをクリックし、コメントを入力して「OK」をクリックします。
要求の添付
ドラフト要求を作成するユーザーまたは送信された要求を請求したユーザーは、電子ファイルをアップロードして要求に添付できます。要求を変更できる任意のステージで、8MBまでのサイズのファイルを要求に添付できます。ユーザーは役割およびワークフロー・ノード・アクセス・グループのメンバーシップを介して、アクセス権のある要求の添付を表示およびダウンロードできます。
添付を追加したユーザーまたはデータベース・マネージャの役割を持つユーザーは、要求の添付を要求から削除できます。
要求に添付を追加するには:
ワークリストから要求を開きます。
「添付」タブでをクリックして、添付するファイルを参照して選択します。オプションでコメントを入力し、「OK」をクリックします。
要求の添付をダウンロードするには:
ワークリストから要求を開きます。
「添付」タブでをクリックし、ファイルを選択して開くか、ファイルを保存して「OK」をクリックします。
要求の添付を削除するには:
ワークリストから要求を開きます。
「添付」タブでをクリックして、削除を確認します。
要求参加者
要求に参加したユーザーを、「参加者」タブで確認できます。ユーザーの参加に関する詳細情報が必要な場合は、選択したユーザーに連絡できます。要求に参加したユーザー、参加したステージ、実行したワークフロー・アクション、アクションが実行された日時を確認できます。
要求参加者に電子メールを送信するには:
ワークリストから要求を開きます。
「参加者」タブで、連絡する参加者の横のをクリックします。
電子メールの内容を作成して、「送信」をクリックします。
要求アクティビティ
要求に対して実行されるすべてのアクティビティは、要求アクティビティに記録されます。これらのアクティビティには、要求の送信、承認、エンリッチなどのユーザー・アクティビティ、および要求の割当てやコミットなど、システムが開始したアクティビティが含まれます。ユーザー・コメントも要求アクティビティとして記録されます。各アクティビティには、該当する場合は、タイムスタンプとユーザー名が含まれます。アクティビティは、最新のアクティビティとともにリストの最上位に表示されます。
要求のユーザーおよびシステム・アクティビティを表示するには:
ワークリストから要求を開きます。
「アクティビティ」タブをクリックします。
ワークフロー・タグ
ワークフロー・タグを使用すると、ガバナンス・ワークフローにより、ガバナンス・ユーザーが要求を特別に処理できるようになります。編集可能な要求に、次のワークフロー・タグを追加できます:
期限––要求の変更をコミットする必要があるユーザー定義の日にちを示します。要求の期限は、コミットされていない場合に、要求が「遅滞」とマークされる日にちを決定します。遅滞の要求では、個別のワークリスト・ビューを使用できます。
緊急––優先度が高い、または時間に制約があるとして要求がマークされます。緊急の要求では、個別のワークリスト・ビューを使用できます。
ワークフロー・タグを追加するには:
編集可能な要求を開きます。
「ワークフロー・タグ」の隣にある要求の右側で、「追加」をクリックします。
追加するワークフロー・タグを選択します:
期限日
注:
必ずカレンダから日付を選択してください。
緊急
「OK」をクリックします。
ワークフロー・タグを除去するには:
ワークフロー・タグが割り当てられた要求を開きます。
要求の右側の「ワークフロー・タグ」の下で、ワークフロー・タグの隣にあるをクリックして、要求から除去します。
ワークフロー・パス
要求のワークフロー・パスは、完了するワークフロー・ステージ、要求のアクティブ・ステージ、前のステージの完了ステータス、およびアクティブ・ステージの承認数を示します。ワークフロー・パスを使用すると、要求にかかる時間、関連する承認の数、および全体的な承認プロセスにおける要求の位置を、参加しているすべてのユーザーが把握できます。ワークフロー・パスは、ユーザーが要求の送信、承認、エンリッチ、プッシュバック、または拒否などのアクションを実行すると自動的に更新されます。
要求のワークフロー・パスは次の内容で決定されます:
要求に指定されたワークフロー・モデル
要求の要求アイテム
要求アイテムに関連付けられた階層ノード
ワークフロー・ユーザー・グループおよび階層ノードに対するそのアクセス・レベル
ワークフロー・モデルに構成されたワークフロー・ステージ
要求の現在のステージ
各ステージのステータス