リポジトリ、データベースおよびファイル・システム

多くのOracle Enterprise Performance Management System製品で、製品に必要なアイテムを含むリポジトリが使用されます。リポジトリのコンテンツは製品によって異なります。製品リポジトリによって、RDBMSを使用するもの、ファイル・システムを使用するもの、RDBMSとファイル・システムの両方を使用するものがあります。

データベースのバックアップ・タイプ

コンピューティング環境に応じて、複数のデータベース・バックアップ・タイプを使用できます。

Oracleデータベースのバックアップおよびリカバリの詳細は、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイドを参照してください。

物理バックアップ

物理バックアップは、物理データベース・ファイルのコピーです。たとえば、ローカル・ディスク・ドライブからデータベース・コンテンツを別の安全な場所にコピーすることは物理バックアップになります。

物理バックアップでは、ホット・バックアップとコールド・バックアップが可能です:

  • ホット・バックアップ - ホット・バックアップ中、ユーザーはデータベースを変更できます。バックアップ中に行われた変更はログ・ファイルに保存され、このロギングされた変更が適用されて、データベースとバックアップ・コピーとの同期が行われます。ホット・バックアップは、完全バックアップが必要であり、コールド・バックアップのようなシステム・ダウンタイムがサービス・レベルで許可されていない場合に使用します。

  • コールド・バックアップ - コールド・バックアップ中、ユーザーはデータベースを変更できないので、データベースとバックアップ・コピーは常に同期します。コールド・バックアップは、必要なシステム・ダウンタイムがサービス・レベルで許可されている場合にのみ使用します。

物理バックアップでは、完全バックアップと増分バックアップを実行できます:

注:

定期的なコールド完全物理バックアップをお薦めします。

  • 完全 - 制御ファイル、トランザクション・ファイル(REDOログ)、アーカイブ・ファイル、データ・ファイルなどのデータベースの一部が含まれるデータ・コピーを作成します。このバックアップ・タイプでは、元のデータを復元できるので、アプリケーション・エラーからデータを保護し、予想外の損失を防げます。このバックアップは、データの変更頻度に応じて、1週間または2週間に1度行ってください。バックアップ中ユーザーによる変更ができない完全コールド・バックアップをお薦めします。

    注:

    データベースは、完全物理バックアップの際には必ずアーカイブ・ログ・モードであることが必要です。

  • 増分 - 最後の完全物理バックアップの後に行われた変更のみバックアップします。ファイルはデータベースによって異なりますが、原則的には、最後のバックアップ以降作成されたトランザクション・ログ・ファイルのみアーカイブされます。増分バックアップでは、データベースの使用中にホット・バックアップを行うことも可能ですが、データベース・パフォーマンスが低下します。

バックアップに加え、クラスタリングやログ・シッピングを使用してデータベース・コンテンツを保護することを検討してください。Oracle Enterprise Performance Management Systemインストレーションおよび構成ガイドおよびRDBMSのドキュメントを参照してください。

論理バックアップ

論理バックアップはデータをコピーしますが、ある場所から別の場所に物理ファイルをコピーすることはしません。論理バックアップは、データベース、表またはスキーマを移動またはアーカイブしたり、データベース構造を確認したりするために使用します。

完全論理バックアップでは、オペレーティング・システムなどの使用するコンポーネントが異なる環境間で次のアイテムをコピーできます:

  • アプリケーション全体

  • Oracle Hyperion Shared ServicesレジストリおよびOracle Essbaseキューブなどのデータ・リポジトリ

  • スクリプト、データ・フォーム、ルール・ファイルなどの個々のアーティファクト

論理エクスポート・バックアップでは、バイナリ・ファイルに書き込むすべての表データを取得するために必要なSQL文が生成されます。論理エクスポート・バックアップには、物理ディスクの場所など、データベース・インスタンス関連情報が含まれないので、別のデータベース・マシンに同じデータを復元できます。物理バックアップが失敗したり、データベース・マシンに障害が発生した場合に備えて、定期的な論理エクスポート・バックアップ(少なくとも1週間に1度)をお薦めします。

ライフサイクル管理によるバックアップ

Oracle Hyperion Foundation Servicesとともに提供されるOracle Hyperion Enterprise Performance Management Systemライフサイクル管理を使用して、論理バックアップを実行できます。Oracle Enterprise Performance Management Systemライフサイクル管理ガイドを参照してください。

ファイル・システムのバックアップ・タイプ

ファイル・システムの完全バックアップには、システム・ディレクトリ全体が含まれます。たとえば、EPM Oracleホーム・ディレクトリのバックアップでは、インストール済のEPM System製品がすべてバックアップされます。次のタイプと頻度のファイル・システム・バックアップを実行することもできます:

  • インストール後 - 製品を再構成する場合に作成または変更されたディレクトリ

  • 日次増分 - 前日以降の新規の、または変更されたディレクトリとファイル(リポジトリ・コンテンツとログ・ファイルを含む)

  • 週次完全 - 日次増分バックアップを実行するディレクトリ内のすべてのファイル

  • 必要に応じて - 不定期に変更されるデータ