「Word Edit Distance」比較では、文字列値をもう一方の値に変換するのに必要な単語編集(単語の挿入、削除および置換)の最小回数を計算して、複数の単語で構成される文字列値が相互にどの程度一致しているかを判断します。
「Word Edit Distance」比較は、複数の単語で構成される文字列値(フルネームなど)を照合する際に、文字列値は類似しているが、「Character Edit Distance」や「Character Match Percentage」などの文字ベースの一致プロパティを使用しても適切に一致しない場合に使用します。たとえば、値「Joseph Andrew Cole」と「Joseph Cole」は高い一致と考えられますが、文字編集距離は6、文字一致率は63%で、かなり低い一致を示します。同じ2つの値の単語編集距離は1ですが、最初と最後の数文字を照合する追加の比較も使用して、一致候補と判断することもできます。
この比較では、結果バンドの使用がサポートされています。
オプション |
タイプ |
目的 |
デフォルト値 |
Yes/No |
このオプションは、識別子の2つの非データ(Null、または空白文字のみを含む)値を比較する際の比較の結果を決定します。 「False」に設定した場合、非データ値に対して別の非データ値を比較すると、比較は「no data」結果になります。 「True」に設定した場合、非データ値に対して別の非データ値を比較すると、比較の結果0が返されます(一致する単語数が0であるため)。移入された値に対して非データ値を比較した場合、返されるのは「no data」結果のみです。 |
No |
|
Ignore case? |
Yes/No |
値を比較するときに、大/小文字を無視するかどうかを設定します。 たとえば、「Joseph Andrew COLE」と「Joseph Andrew Cole」の単語編集距離は、大/小文字を無視する場合は0、大/小文字を無視しない場合は1になります。 |
Yes |
Character error tolerance |
整数
|
このオプションは、単語を相互に比較するときに許容される文字編集の回数を指定します。文字編集距離が指定の数値以下の単語はすべて同じとみなされます。 たとえば、1に設定した場合、「Parnham, Middlesex」と「Parnam, Middlesex」はこの許容範囲内ですべての単語が相互に一致するため、単語編集距離は0になります。 |
0 |
Ignore tolerance on numbers? |
Yes/No |
このオプションを使用すると、数値のみで構成される単語については文字エラー許容範囲を無視できます。 たとえば、これを「Yes」に設定し、「Character error tolerance」が1の場合、「95 Charnwood Court, Mile End, Parnham, Middlesex」と「96 Charnwood Court, Mile End, Parnam, Middlesex」の単語編集距離は1になります。数値の95と96は1文字しか違いませんが、ここでは異なるとみなされるためです。 「No」に設定した場合、数値は他の単語と同様に処理されます。前述の例では、95と96が同じとみなされるため、単語編集距離は0になります。 |
Yes |
Treat tolerance value as percentage? |
Yes/No |
このオプションを使用すると、文字エラー許容範囲を単語長(文字数)に対するパーセントとして処理できます。たとえば、1つの単語内で5文字ごとに1文字のエラーを許容する場合は、値「20%」を使用します。 このオプションは、2つの短い単語が1文字異なるだけで同じと処理されることを防ぐ一方で、長い単語では入力ミスとして許容できるようにする場合に役立ちます。たとえば、「Parnham」と「Parnam」は同じとみなしますが、「Bath」と「Batt」は異なる内容として処理されます。 「Yes」に設定した場合は、単語に差異があるが同じとみなすために、「Character error tolerance」オプションは、1つの単語内で差異を許容できる文字数の最大パーセントとして入力する必要があります。たとえば、「True」に設定し、「Character error tolerance」が20%の場合、「Parnam」と「Parnham」は同じとみなされます。これは、文字編集距離が1で、長い方の単語の長さが7文字であるため、文字一致エラー率は14%になり、しきい値の20%を下回るためです。ただし、「Bath」と「Batt」の場合は文字一致エラー率が25%(4文字中に1つのエラー)になるため、同じとはみなされません。 「No」に設定した場合、「Character error tolerance」オプションは単語間の文字編集距離の許容範囲として処理されます。 |
No |
Ignore word order? |
Yes/No |
「Yes」に設定すると、各値の単語の順序による結果への影響はありません。たとえば、「Nomura International Bank」と「International Bank Nomura」の単語編集距離は0になります。 「No」に設定すると、各値の単語の順序が考慮されます。したがって、「Nomura International Bank」と「International Bank Nomura」の単語編集距離は3になります。 |
Yes |
構成例
この例では、「Word Edit Distance」比較を使用して会社名を照合します。次のオプションを指定します。
Match No data Pairs?= No
Ignore case?= Yes
Character error tolerance = 1
Ignore tolerance on numbers?= No
Treat tolerance value as percentage?= No
Ignore word order?= Yes
また、「Strip Words」変換を追加し、次のエントリが含まれる参照データ・リストを使用します。PLC、LIMITED、OF
結果例
次の表に、前述の構成を使用した比較結果をいくつか示します。
値A |
値B |
比較結果 (単語編集距離) |
International Bank of Nomura |
Nomura International Bank |
0 |
BA Systems Operations |
BA SYSTEMS OPERATIONS |
0 |
Oracle Corporation |
Oracle |
0 |
Oracle Corporation |
Oraccle |
0 |
George & Sons Plumbers Limited |
George Plumber & Sons |
0
|
Price Waterhouse Coopers |
Price Waterhouse |
1 |
British Telecom plc |
First Telecom |
1 |
Merrill Lynch |
Merrills |
1 |
Merrill Lynch |
Merrillion Software |
2 |
Oracle (R) Enterprise Data Qualityオンライン・ヘルプ バージョン8.1
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