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Oracle Multimedia DICOM開発者ガイド
11g リリース1(11.1)
E05685-01
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D DICOM画像の処理

この付録では、DICOMコンテンツの画像処理操作について説明します。

画像処理演算子の完全なリストおよび各演算子の詳細は、『Oracle Multimediaリファレンス』を参照してください。 processCopy( )メソッドに関するリファレンス情報は、第5章および第6章を参照してください。

D.1 フレーム画像処理演算子

frame演算子は、DICOM画像の処理に追加された新しい演算子です。 frame演算子は、複数フレームのDICOM画像から特定のフレーム画像を抽出するために使用できます。 また、frame演算子をscale演算子やrotate演算子などの他の画像処理演算子と組み合せて、複数フレームのDICOM画像から抽出された単一フレームで複数の操作を実行することもできます。

フレーム数で特定のフレームを抽出するには、次の構文を使用します。

frame = <frame number>

指定されたフレーム数が1より小さいか、DICOM画像の最大フレーム数より大きい場合、実行しようとした操作では、無効なフレーム例外が戻されます。 frame演算子は、フレームが1つのみのDICOM画像にも使用できます。 ただしこの場合、フレーム数の値は常に1であることが必要です。

D.2 その他の画像処理演算子

その他の画像処理演算子には、fileFormat、contentFormat、compressionFormat、cut、scaleおよびrotateがあります。 画像処理演算子の完全なリストおよび各演算子の詳細は、『Oracle Multimediaリファレンス』を参照してください。

D.3 DICOM画像コンテンツおよび圧縮形式

DICOM画像コンテンツの光度測定解釈は、タグ<00280004>で指定されます。 表D-1に、DICOM画像のprocessCopy( )メソッドでサポートされている光度測定解釈を示します。

表D-1 DICOMコンテンツの光度測定解釈

アクション サポートされている光度測定解釈の値

読取り

MONOCHROME1、MONOCHROME2、RGBおよびPALETTECOLOR

書込み

MONOCHROME1、MONOCHROME2およびRGB


読取りアクションでは、リストされている光度測定解釈の値を含むDICOM画像のデコードが可能で、ピクセル・データを正しく抽出することができます。 一方、書込みアクションでは、リストされている光度測定解釈の値を含むDICOM画像のエンコードが可能で、対応する光度測定解釈を使用して、ピクセル・データを正しく書き込むことができます。

DICOM画像の圧縮形式のタイプは、転送構文のUID値またはタグ<00020010>によって指定されます。 表D-2に、DICOM画像のprocessCopy( )メソッドでサポートされている圧縮形式を示します。

表D-2 DICOMコンテンツの圧縮形式

アクション サポートされている圧縮形式の値

読取り

JPEG、JPEG 2000脚注1、RLEおよびRAW脚注2

書込み

JPEG、JPEG 2000脚注3およびRAW脚注4


脚注1 JAI image IOがインストールされている場合(付録Cを参照)

脚注2 8ビット、12ビット、16ビットおよびその他のビットの場合

脚注3 JAI image IOがインストールされている場合(付録Cを参照)

脚注4 8ビット、12ビットおよび16ビットの場合

読取りアクションでは、リストされている圧縮形式の値を含むDICOM画像のデコードが可能で、ピクセル・データを正しく展開することができます。 一方、書込みアクションでは、リストされている圧縮形式の値を含むDICOM画像のエンコードが可能で、対応する圧縮形式のタイプを使用して、ピクセル・データを正しく圧縮することができます。

processCopy( )メソッドの圧縮形式を指定するには、compressionFormat演算子を使用します。 画像が圧縮されていない(圧縮形式の値がRAWの)場合、各ピクセルのエンコーディング・ビットは、ユーザーのメタデータに指定されます。そのメタデータは、processCopy( )メソッドの1つの引数として渡されます。 processCopy( )メソッドに関するリファレンス情報およびcompressionFormat演算子の詳細は、第5章および第6章を参照してください。

D.4 複数フレームの画像の処理および作成

Oracle Multimediaでは、複数フレームのDICOM画像の作成および処理をサポートしています。

複数フレームのDICOM画像で単一フレームを処理するには、processCopyコマンドのframe演算子文内のフレームを指定します(D.1項にあるこの構文の例を参照)。 また、frame演算子をscale演算子やrotate演算子などの他の演算子と組み合せて、複数フレームのDICOM画像から抽出された単一フレームで複数の操作を実行することもできます。 画像処理演算子の完全なリストおよび各演算子の詳細は、『Oracle Multimediaリファレンス』を参照してください。

複数フレームのDICOM画像を作成するには、次の構文を使用します。

frame = ALL

または、frame演算子をscale演算子やrotate演算子などの他の演算子と組み合せて、複数フレームのDICOM画像のすべてのフレームで複数の操作を実行することもできます。

また、frame = ALL構文を使用して、単一フレームのDICOM画像で実行する処理操作を指定できます。

D.5 processCopy( )メソッド引数の優先順位

processCopy( )メソッドを使用して、あるDICOM画像から別のDICOM画像に処理を行う場合、オプションのメタデータ引数SYS.XMLTYPEを指定することができます。processCopy( )メソッドは、このメタデータ引数を使用して、出力されるDICOM画像のエンコーディング・ルールを指定します。 コマンド引数とメタデータ引数が一致している場合は、コマンド引数がメタデータ引数に優先します。 出力されるDICOM画像のエンコーディング情報は、コマンド引数とメタデータ引数(この順序で)で指定されたとおりに、処理操作の結果で更新されます。