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Oracle Data Mining管理者ガイド
11g リリース1(11.1)
E05705-02
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4 データ・マイニング用のユーザーと権限

この章では、データ・マイニング・ユーザーを作成する方法、データベース権限を使用してマイニング操作を制御する方法を説明します。


参照:

Oracle Databaseのセキュリティについては、『Oracle Database 2日でセキュリティ・ガイド』を参照してください。

この章では、次の項目について説明します。

データ・マイニング・ユーザーの作成

データ・マイニングを実行するユーザーは、データ・マイニング操作のために特別に構成されている必要があります。

次のSQL文により、データベース・ユーザーとパスワードが作成されます。ユーザーはデフォルトでdefault_tablespaceという表領域を使用し、その一時表領域はtemp_tablespaceと呼ばれます。データ・マイニング・ユーザーの表領域は、システム負荷およびシステム・リソースに応じて、DBAの通例に従い割り当てる必要があります。

CREATE USER dmuser IDENTIFIED BY password
       DEFAULT TABLESPACE default_tablespace
       TEMPORARY TABLESPACE temp_tablespace
       QUOTA UNLIMITED on default_tablespace;

ユーザーの作成および権限の付与を行うには、システム管理者としてログインする必要があります。


注意:

データ・マイニングのサンプル・プログラムを使用できるユーザーを作成するには、2つの構成スクリプトを実行する必要があります(「データ・マイニングのデモ・ユーザーの作成」を参照)。

データ・マイニングに必要な権限

データ・マイニング用の基本的な権限のセットが推奨されています。次のGRANT文により、そうした権限をdmuserというユーザーに付与します。

GRANT create mining model TO dmuser;
GRANT create procedure TO dmuser;
GRANT create session TO dmuser;
GRANT create table TO dmuser;
GRANT create sequence TO dmuser;
GRANT create view TO dmuser;
GRANT create job TO dmuser;
GRANT create type TO dmuser;
GRANT create synonym TO dmuser;

モデルを作成するには、CREATE MINING MODEL権限が必要です。他の権限は、一部のマイニング操作には必要ない場合もありますが、すべての権限をグループとして付与することをお薦めします。

マイニングするデータへのSELECTアクセス権限は常に必要です。次の例では、dmuserに、SHスキーマのCUSTOMERS表内のデータをマイニングする権限が付与されています。

GRANT SELECT ON sh.customers TO dmuser;

テキスト・マイニングには、Oracle Textパッケージctxsys.ctx_ddlへのEXECUTEアクセス権限が必要です。

GRANT EXECUTE ON ctxsys.ctx_ddl TO dmuser;

マイニング・モデルをエクスポートおよびインポートするには、別のアクセス権限が必要です(「マイニング・モデルのエクスポートおよびインポート」を参照)。

次の項で説明する追加のシステム権限およびオブジェクト権限を使用して、特定のマイニング操作を有効化したり制限したりできます。

マイニング・モデルのシステム権限

システム権限は、データベースまたは特定のタイプのスキーマ・オブジェクトに対して特定の操作を実行する権限を制限します。たとえば、表領域を作成したり、データベース内の表の行を削除したりする権限は、システム権限になります。

システム権限を付与するには、ADMIN OPTIONを指定したシステム権限またはGRANT ANY PRIVILEGEシステム権限が必要です。

マイニング・モデルに対して特定の操作を実行するには、表4-1に示したシステム権限が必要です。

表4-1 マイニング・モデルのシステム権限

システム権限 許可される操作

CREATE MINING MODEL

ユーザー自身のスキーマへのマイニング・モデルの作成

CREATE ANY MINING MODEL

任意のスキーマへのマイニング・モデルの作成

ALTER ANY MINING MODEL

任意のスキーマ内のマイニング・モデルの名前またはコスト・マトリックスの変更

DROP ANY MINING MODEL

任意のスキーマ内のマイニング・モデルの削除

SELECT ANY MINING MODEL

任意のスキーマ内のマイニング・モデルの適用およびモデルの詳細の表示

COMMENT ANY MINING MODEL

任意のスキーマ内のマイニング・モデルへのコメントの適用

AUDIT ANY

任意のスキーマ内のマイニング・モデル(または任意のオブジェクト)の監査証跡の生成


マイニング・モデルのオブジェクト権限

オブジェクト権限は、特定のスキーマ・オブジェクトに対して特定の操作を実行する権限を制限します。たとえば、SH.PRODUCTS表から行を削除する権限はオブジェクト権限になります。

ユーザーには、自身のスキーマに含まれるスキーマ・オブジェクトに対するオブジェクト権限がすべて自動的に付与されています。ユーザーは、所有するスキーマ・オブジェクトに対するオブジェクト権限を、他のユーザーまたはロールに付与できます。

表4-2 データ・マイニング用のオブジェクト権限

オブジェクト権限 許可される操作

ALTER MINING MODEL

特定のマイニング・モデル・オブジェクトの名前またはコスト・マトリックスの変更

SELECT MINING MODEL

特定のマイニング・モデル・オブジェクトの適用または表示