ヘッダーをスキップ
Oracle OLAP DMLリファレンス
11g リリース1(11.1)
E05732-02
  目次へ
目次
索引へ
索引

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

OLAP DMLの概略

OLAP DMLは、Oracle OLAPオブジェクトの定義およびOracle OLAPデータの操作を行うための基本言語です。

OLAP DMLを使用すると、アナリティック・ワークスペースに格納されている多次元データを定義、移入および操作できます。

OLAP DMLでは、このようなデータを直接操作します。アナリティック・ワークスペースのリレーショナル・ビューは使用されず、作成も更新もされません。

OLAP DMLは多次元言語です。OLAP DMLを使用して定義するデータ・オブジェクトは多次元オブジェクトです。OLAP DML文を使用してこれらの多次元データ・オブジェクトを操作する場合、こうした操作は各多次元データ・オブジェクトに含まれる値セット全体に同時に適用されます。

OLAP DMLの用途

OLAP DMLを使用すると、アプリケーション開発者はSQL、JavaまたはOracle OLAPツールを使用せずにアナリティック・ワークスペースのデータを分析するプログラムを作成できます。

OLAP DMLでは、次の操作を実行できます。

  1. アナリティック・ワークスペースの作成

  2. アナリティック・ワークスペースにおける多次元データ・オブジェクトの定義

  3. データを分析する計算オブジェクトとプログラムの定義

  4. 多次元データ・オブジェクトにおけるデータの移入および分析

OLAP DMLの構文の基本単位

OLAP DMLの構文の基本単位は、オプション、プロパティ、コマンド、ファンクションおよびプログラムです。これらの基本単位をすべてまとめて、OLAP DML文と呼ぶ場合があります。

OLAP DMLオプション

OLAP DMLオプションは、特殊なタイプのアナリティック・ワークスペース・オブジェクトです。Oracle OLAPによってデータがどのように計算またはフォーマットされるのか、あるいはどのOracle OLAP演算がアクティブ化されるのかなど、いくつかの特性を指定します。オプションには、読取り専用オプションと、値を指定できる読取り/書込みオプションがあります。読取り/書込みオプションには、デフォルト値があります。

独自のオプションは、アナリティック・ワークスペースの一部としては定義できません。しかし、Oracle OLAP DMLの一部として定義されているオプションは、どれでも使用できます。オプションの詳細は、第6章「Oracle DMLオプション」を参照してください。

OLAP DMLプロパティ

プロパティは、アナリティック・ワークスペース・オブジェクトの定義に関連付けられた名前付きの値です。OLAP DMLのPROPERTYコマンドを使用すると、プロパティの名前付け、作成およびオブジェクトへの割当てができます。

$(ドル記号)で始まるプロパティは、Oracle OLAPによりシステム・プロパティとして認識されます。システム・プロパティは、作成はできませんが、オブジェクトへの割当ては可能な場合があります。システム・プロパティの詳細は、第5章「Oracle DMLプロパティ」を参照してください。

OLAP DMLファンクション

OLAPファンクションの動作は、他のプログラミング言語のコマンドとほとんど同じです。アクションを開始したり値を返したりします。ただし、OLAP DMLファンクションにはループ特性があります。詳細は、「すべてのデータ・オブジェクトの値に対するOLAP DML文の適用」を参照してください。

OLAP DMLファンクションの多くは、標準のテキスト・ファンクションと計算ファンクションです。さらに複雑な情報を返すOLAP DMLファンクションもあります。また、ファンクションとして実行可能なOLAP DMLプログラムを作成することにより、OLAP DMLの機能を強化できます。

組込みOLAP DMLファンクションの詳細は、第7章「OLAP DMLファンクション: A〜K」および第8章「OLAP DMLファンクション: L〜Z」を参照してください。

OLAP DMLコマンド

OLAP DMLコマンドの動作は、他のプログラミング言語のコマンドとほとんど同じです。ただし、OLAP DMLコマンドにはループ特性があります(「すべてのデータ・オブジェクトの値に対するOLAP DML文の適用」を参照)。

多くのOLAP DMLコマンドは、複雑なアクションを実行します。これらのコマンドには、アナリティック・ワークスペースの作成に使用するAWコマンドや、アナリティック・ワークスペース内でのオブジェクトの定義に使用するDEFINEコマンドなどのデータ定義コマンドがあります。また、データ操作コマンドとして機能するOLAP DMLコマンドもあります。その他、Oracle OLAPによりOLAP DMLプログラムの実行をトリガーするイベントとして認識されるコマンドもあります。詳細は、「トリガー・プログラム」を参照してください。さらに、コマンドとして実行可能なOLAP DMLプログラムを作成することにより、OLAP DMLの機能を強化できます。

組込みOLAP DMLコマンドの詳細は、第9章「OLAP DMLコマンド: A〜G」および第10章「OLAP DMLコマンド: H〜Z」を参照してください。

OLAP DMLプログラム

多くのOLAP DMLプログラムがOLAP DMLの一部として提供されています。プログラムの中には、印刷可能またはオンラインで参照可能なレポートを生成するものがあります。OLAP DMLの一部として提供される他のプログラムは、プログラマおよびデータベース管理者にとって有用な標準的な計算を実行します。OLAP DMLで提供されているプログラムの詳細は、「OLAP DMLから提供されるプログラム」を参照してください。

さらに、独自のOLAP DMLプログラムを作成してOLAP DMLの機能を強化することもできます(第4章「OLAP DMLプログラム」を参照)。