PROPERTYコマンドは、直近に定義または検討されたオブジェクトに対して、プロパティを追加または削除するコマンドです(DEFINE PROGRAMコマンドおよびCONSIDERコマンドを参照)。プロパティは、特定の定義に関連付けられた名前付きの値です。あらゆる種類の定義に対して、1つ以上のプロパティを割り当てることができます。たとえば、プロパティはオブジェクトに割り当てることができるので、オブジェクトのレポートを準備する場合、使用する小数点以下の桁数を確認できます。
構文
PROPERTY { name value | DELETE {ALL | name} }
引数
プロパティの名前が含まれるテキスト式。プロパティ名の長さは1〜256バイトです。
重要: $ (ドル記号)で始まる名前を持つ独自のプロパティは作成しないでください。Oracle OLAPでは、$ (ドル記号)で始まる名前を持つプロパティは、あらかじめ定められた方法で解釈されるシステム・プロパティとして使用されるため、システムに予約されています。 |
プロパティ名のデータ型はTEXT
です。ただし、名前に指定する値にUnicodeエスケープ・シーケンスを含める場合や、指定した値をCONVERTまたはTO_NCHARファンクションを使用して明示的にNTEXT
に変換した場合は異なります。
プロパティの値が含まれる式。プロパティ値のデータ型は、NUMBER
、INTEGER
、LONGINTEGER
、DECIMAL
、SHORTDECIMAL
、TEXT
、NTEXT
、ID
、BOOLEAN
、DATE
またはDATETIME
です。Oracle OLAPでは、指定した値に基づいてデータ型が判別されます。たとえば、YES
を指定すると、データ型はBOOLEAN
であるとみなされます。データ型DATE
の変数に格納される日付値を指定すると、そのプロパティのデータ型はDATE
であるとみなされます。
オブジェクトのプロパティをすべて削除するか、nameに指定したプロパティのみを削除します。一度に指定できるnameは1つのみです。
注意
PROPERTYの実行時におけるプログラム実行のトリガー
TRIGGERコマンドを使用すると、PROPERTY文を、OLAP DMLプログラムを自動的に実行するイベントにすることができます。詳細は、「トリガー・プログラム」を参照してください。
プロパティ値の変更
新しい値を既存のプロパティ名に割り当てるPROPERTY文を実行すると、以前の値は新しい値によって上書きされます。
OBJによるプロパティ値の判別
プロパティをOLAP DML文で使用するには、OBJファンクションのプロパティ関連キーワードを使用して、プロパティの値を取得する必要があります。たとえば、オブジェクトのレポート時に使用するために小数点以下の桁数を格納するdecplace
という名前のプロパティがあるとします。REPORT文を実行する場合、OBJファンクションとPROPERTYキーワードを組み合せて使用することによってdecplace
プロパティの値を取得し、その値をREPORT文のDECIMAL属性と組み合せて使用できます。
FULLDSCによるプロパティ値のリスト表示
オブジェクトのプロパティをリスト表示するには、FULLDSC文を使用します。FULLDSCからの出力を使用すると、新しいオブジェクトを作成できます。詳細は、FULLDSCプログラムを参照してください。
例